2パートで終わる予定でしたが想像以上に分量が増えたのでもう一回続きます。
あと、今回も本番行為は無いです。
相手に要求を呑ませるには、こちらが妥協することも必要だ。
ターニャ・デグレチャフはかつての会社員としての経験から、それをよく理解している。
(しかし、こんな形で社会の常識を再確認する破目になるとは……!)
「んっ……」
体を虫が這っているかのような感触に、ターニャの喉から声が漏れ出る。
いつものように厳重な拘束を施され吊るされているターニャ。
連邦からの扱いは日に日に劣悪になり、今では小児性愛者の愛玩道具と化していた。
睡眠は邪魔されなくなったし、食事の内容は多少マシにはなった。
だがそれと引き換えに毎日数人の男がターニャを使って性処理を行うようになったのだ。
今も一人の男が興奮しながらターニャの胸を弄んでいる。
膨らみに乏しい乳房を揉みしだき、首筋を舐め回す。
鳥肌が立つような気持ち悪さをターニャは感じている。
だが、これでも最後の一線は越えさせない。
(本番行為の禁止。こちらが従順でいれば最低限の希望は受け入れている、と)
無論、それは連邦の優しさなどではない。
所詮は飴と鞭。
ターニャに性奉仕を自主的に行わせるための、連邦の小さな飴に過ぎないのだ。
それをターニャも理解しているからこそ、黙って愛撫を受け続ける。
微塵も感じないし嫌悪感と殺意しか湧かないが、悪態を吐く程度で必死に我慢していた。
その悪態で興奮する男だらけなのが、ターニャの嫌悪感をより増大させているのだが。
そして、歪な安寧は人為的な悪意によって破壊される。
ターニャの様子を逐一観察し、連邦は段階的に要求を繰り返す。
「んじゅっ、ぐっ、じゅる……」
第一に、口淫奉仕。
ターニャの口が膨張した肉棒を刺激する。
幼女の大きさでは到底奥まで入るわけもなく、その奉仕は先端を中心としたものだ。
だがそれでもその刺激は手や足の比ではないらしく、男たちは数分も持たずに絶頂を迎えていた。
「うっ!」
「ぐっ!がっ、はぁっ……!」
喉奥にまで注ぎ込まれた精液が気道を塞ぎ、ターニャの肉体は瞬間的な酸素の欠乏状態に陥る。
げほげほと苦しげに咳を繰り返すターニャだが、その眼前には新たな男の肉棒がそそり立っていた。
「ま、待て……趣向を変えさせろ……貴様らの一物がいかに情けないとはいえ、この体では呼吸が止まる……!」
(一瞬とはいえ酸欠で意識が飛んだぞ! こいつら、いたいけな幼女の身をなんだと思っているのだ?!)
「ようは、私の口で貴様らの愚息を満足させればいいのだろう」
そう言うと、ターニャは目の前の肉棒を舌を出して舐めだした。
首を突き出し、飴やアイスを味わうような動きで先端を舐める。
刺激こそ小さなものの、その姿は彼ら小児性愛者にとっては興奮を誘発するのものだったらしい。
結果、その男はたったそれだけの刺激で絶頂した。
ターニャの顔を、精液が白く汚す。
男はその姿に満足したようで、ターニャはそれ以上の責めを受けることはなかった。
「ひぃ、が、あぁっ……!」
第二に、異物挿入。
今まで純潔を保っていたターニャの秘所に、直径一センチほどの細い鉄の棒が挿入される。
過去の苛酷な訓練で膜は破れていたために出血こそないものの、人生で初めての挿入はターニャに悲鳴を上げさせるには十二分の苦痛であった。
「最近、白銀の態度が捕虜のものとは思えない横柄さだと苦情があってね」
鉄の棒を半分ほど挿入し、目の前の男は意地の悪い声で囁く。
「少し、鎖を付けさせてもらおうというわけだ」
「……おやおや、目でも悪いのですかな? 鎖であれば既に四つも頂いていますが」
両手両足を拘束されながらも、ターニャは相手を強く睨みつける。
心は未だ折れていない、貴様らに折れるものかと挑発するかのように。
「そう言うと思ったさ。だから、この鎖には仕掛けが施されている」
「仕掛け……? ぐ、あっ!」
訝しげな顔は一瞬。
男が棒の端に取り付けられた螺子を一回しするだけで、ターニャの体がビクンと跳ね上がる。
「これは拷問器具をベースにしている。螺子を回せばその分だけ棒はゆっくりと内部で膨張するのだよ」
そのような説明も、ターニャの脳内には上手く届かない。
体内で異物が膨れ上がる感覚は、例えようのない苦痛として幼女の体を襲った。
「現在は二センチといったところか。穴が閉じなくなる前に従順になることを期待している」
それは警告であり、宣言でもあった。
ターニャを今以上に物として扱うという、降伏勧告だ。
(苦痛の梨の亜種か……連邦に人道という言葉は存在しないのか……!)
ふぅふぅと荒い息を必死で整え、ターニャは明日からの地獄に覚悟を固める。
死ぬものか、絶対に生きてみせると、それだけを心の支えにして。
そして翌日より、ターニャの扱いは性処理道具で固定された。
拘束は完全に解かれた。
長くターニャを繋ぎとめていた鎖は消滅し、ただ一つ残った首輪だけがその名残となるのみ。
だが、ターニャには新たに見えない鎖が取り付けられた。
それは物理的なものよりも強烈に、ターニャを縛り上げる。
「食事の時間だ」
ターニャの目前に、パンとミルクを手にした小児性愛者の男が現れる。
以前からターニャを毎日のように“利用”してきた男だ。
「だがその前に、分かってるな?」
「……はい」
前日とは違う、別人のようなターニャの態度。
それも仕方のないことだ、男たちの機嫌を損なえばなにをされるかわからない。
命にかかわらない程度の要求は、全て呑むしかないのだ。
ここに来る男は全員、ターニャへ対する殺害以外のあらゆる行為が許されている。
気まぐれ一つで膣内の器具を広げようともターニャ以外は誰も困らない。
だから、ターニャはどれだけ屈辱であろうとも媚を売る。
どこまでも従順に、ただ命令を聞くしかない。
「……いただきます」
男の目の前で膝立ちになると、ターニャは震える手で男のズボンを下ろす。
露出した肉棒へ両手を添えると、躊躇いながらも口による奉仕を開始した。
「んっ、んじゅ、じゅる……ん!」
従順に従うという興奮もあり、男はあっという間に射精する。
口内に注ぎ込まれた精液を、ターニャは苦しみながらもなんとか飲み干した。
「う、うぇ、ご、ごちそうさまでした……」
「よし、食っていいぞ」
男はターニャの足元にパンを放り投げる。
そしてそのまま、満足したというような表情で部屋を去っていった。
食事一つですら、今のターニャには地獄の一種だ。
男の要求を叶えなければならないという苦痛。
そして男たちが全員揃って小児性愛者の変態であるという苦痛。
「ん、ちゅ、じゅ……」
ある男はキスを要求してきた。
「ん、んん、うぅ……」
ある男は自慰で達するところが見たいと要求してきた。
そしてその程度、まだまだ楽なものだったと後にターニャは回想する。
変態共の要求はどこまでもエスカレートしていく。
ある日、一人の男がいつものようにターニャへと歩み寄る。
その姿に、ターニャはビクリと体を震わせた。
複数回やってきている男たちの性的嗜好をターニャは理解している。
大半は表面だけでも従順になり手や口で満足させればいいだけなのだが、この男は例外だ。
「ぐ、ぐぅっ……!」
男はターニャの両腕を乱暴に掴むと、手に持った拘束具を使い後ろ手に両足と連結させた。
地面に転がされたターニャは芋虫のように這い蹲る。
無理に背筋を伸ばした姿勢を強制され、ターニャの体が軋む。
四肢を一纏めに固定されるというのは、心理的なストレス以上に肉体が悲鳴を上げる。
(小児性愛に加えて加虐趣味とは……!)
男は苦しげに呻くターニャを見てニヤニヤと笑っていた。
その姿にターニャは本気で命の危険を感じている。
媚びを売らねば、死にかねない。
相手にその気がなくても、幼女の体は想像以上に脆いのだ。
「んぐっ、ん、ぐうぅ!」
ターニャの喉を、男の肉棒が乱暴に抉る。
興奮し肥大したそれは呼吸を妨げるほどの大きさだが、男は根元まで強引に押し込んだ。
「んん、んぐっ!」
それだけでは飽き足らず、男はターニャの鼻を摘んで塞ぐ。
酸素を取り込めないターニャの顔は紅潮し、目尻には涙が浮かびだす。
「──ガハッ、げ、ごほっ!」
男の射精と同時に、ターニャは呼吸の自由を取り戻す。
喉奥に注ぎ込まれた精液を吐き出し、ゲホゲホと咳を繰り返した。
「ほら、食事だ」
「……ありがとうございます」
満足したのか、男はいつものパンを投げる。
わざわざターニャが吐き出した精液の上に置いて。
無言で、ターニャはパンを咀嚼する。
精液の匂いも、もはや嫌悪感が湧くだけで体が受け付けないということもなくなった。
「……んっ」
人間は食事をしなければ生きていけない。
そして食事をすれば、当然排泄も必要となる。
「おっと、小便か?」
「……ええ。申し訳ありませんが、拘束を解いていただけないでしょうか」
必要以上に媚び諂うのも、もう慣れた。
本当にそうかはともかく、そう思わなければとっくにターニャは壊れている。
「いや、そのままでいい」
「それは、漏らせと言っているので?」
「ん、いいや?」
なにを言っているのだと目を見開くターニャをよそに、男は部屋の隅から鉄製のバケツを取り出した。
錆びの浮いたそれを片手に、ターニャの元へと歩み寄る。
「何度も掃除するのは面倒だからな。今日からはこれがお前のトイレだ」
「は?」
思わず素の感情が表面に出たターニャ。
だが男は気にもせずターニャの拘束を足だけ解放した。
そしてバケツをターニャの股下に置くと、両足を地面の固定具で再び拘束する。
芋虫から足を肩幅に開いた中腰の体勢になったターニャ。
だが依然として両腕は天井に、両足は地面に繋がれている。
「そのバケツ以外に漏らしたら折檻だ。頑張って耐えるんだな」
ケラケラと笑い、男は去っていった。
軋む肉体を必死に動かし、ターニャは涙を浮かべてバケツへと排泄した。
「生きて、生きてさえいれば私の勝ちだ……」
自分自身に言い聞かせるように、ターニャは誰もいない部屋で繰り返し口にする。
ターニャが諦めない限り、連邦の責めは酷くなるばかりだ。
そしてターニャが壊れない限り、この地獄は終わらない。
明日もまた、今日より辛い明日になるのだから。