---千葉寿和---
達也君にネギの生前の本名を聞いた。『四宮凪』…これがアイツの本名だそうだ。姉の美香、妹の美優…3名も名前が判明した。それらの名前でデータ検索するが、『削除済み』と表示された。
「あぁ、上からの圧力で、いなかったことにした証だ」
上司が残念そうな声を上げている。次に『四宮牧場』で検索してみた。しかし、検索がヒットすることは無かった。
「国家ぐるみで隠蔽なんだろうな。国が関与して非人道的な実験って、国民に言えないからな」
涼しい顔をして上司が言った。こうなることは、分かっていたのだろう。
「電子データ上ではな♪」
うん?上司が大きな箱を、俺のデスクの上に置いた。
「当時の紙ベースの調査資料だ。千葉、役立てろ♪」
スゴく嬉しそうな顔の上司。長年に渡って、モヤモヤしていたのだろう。
「ありがとうございます」
箱の中をチェックした。現場写真、供述調書、戸籍抄本や住民票の写しなど、この捜査におけるお宝情報が満載だった。
「問題は…どう事件化するかだな」
「そうなんだ、そこが問題だぞ。時効は成立している。肝心の凪君は人間では無いんだし、難しい案件になるぞ」
案件から事件へなる日は来ないのかもしれない。でも…捜査は続ける。余罪を見つける為にも。
---ネギ---
七親父の部屋にいる。ここは盗撮、盗聴を防ぐ結界で護られた、七親父のプライベート空間だそうだ。で、定期マッサージ及び気の調整中である。
「親父、週1日だけの6休みで、2プレイまでにした方がいいぞ」
真由美の父親を親父と呼んでいる。七親父に対する、僕なりの譲歩である。
「うん?どこか悪いのか?」
「心臓がちょっとなぁ。検査機器ではわからない程度のノイズを感じる」
気の調整を兼ねて健康診断もしている。
「心臓かぁ…」
「魔法師に関する本を読み漁ったけど、健康被害に関する物は皆無だった。それって、デメリットには目を瞑っていたのだろうね。僕の研究では、魔法師の魔法は身体に何かしらのダメージを蓄積するみたいなんだよ」
「そうか…魔法師の研究って言えば、強化とか進化と増強って感じだったからな。ネギくらいだよ、健康面からの研究するヤツは」
「使い捨てだったの?」
「調整体にかぎらず、魔法師だって道具だぞ。なんで、こんな世の中になったやら…で、ネギ、薬で治るのかい?」
腹這いで寝ている七親父の表情はわからない。
「薬では無理だよ。病気では無いから。できる限り、気の調整の時に治療はするけど、無理はダメだよ」
「わかった…ネギ太郎の言う通りにする。孫の顔を見たいからな。それで、誰を貰ってくれるんだ?」
娘3人から一人を選べと言われていたのを、思い出した。
「誰も選ばない。その代わり、親父として接しているだろ?僕に多くを望まないでくれないかな。先が無いんだから…」
公安からの情報で僕の正体を知った七親父。
「そんなことを言うな。俺よりも長く生きろよ。できる限り、ネギに協力はする」
「でも、僕は子種は無いよ…」
「分かっている…でもなぁ…そうか。養子になればいいのか。で、うちから婿として送り出してやる♪」
相手の家に失礼だと思うが…
「だから、飼うのは禁止だよ。僕は自由でありたいんだ」
「縁組先に、迷惑を掛けたくないからだろ?」
うっ…何で知って居るんだ…少し動揺する僕。
「ふふふ、動揺しただろ?図星なんだな…お前は優しすぎる。お前が生きている時に知り合いたかったぞ」
有り難い言葉として受け取っておこう。
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七親父の部屋を出ると真由美がいた。聞き耳を立てていたのか?
「親父に用か?」
「違うわよ!ネギに用よ!」
何を怒っているんだ?
「スキンケア用品は持って来ていないけど」
「そうじゃないわ!ねぇ、父と何を話していたの?」
会話内容が気になるようだ。
「世間話…真由美の話題は無かったけど」
「そう…それなら、いいわ」
って、僕に抱きついてきた真由美。
「ちょっと、私の部屋に来ませんか?」
返事を待たずに、真由美の部屋に連れ込まれた僕。
「何か隠し事があるのですか?」
う~ん…盗聴、盗撮し放題の部屋で、話せる訳無いだろ。
「何も無いぞ。ソレより、真由美に訊きたい事がある」
「なんですか?」
「服部にセフレとは都合の良い女と習ったのだが、何の都合だ?」
「えっ?!はんぞー君…なんて事を言うのよ…」
真由美の顔が茹だって行く。恥ずかし系の事なのか?
「いえ…それは…」
「摩利に聞いたら、摩利は違うと言っていた。真由美はどうなんだ?」
「ですから…うぅぅぅぅ~、生徒会長である私の口からは言えません!」
なんだ、その解答は…
「そうか…じゃ、帰るよ」
「えっ!帰っちゃうんですか?」
涙目で僕を見る真由美。コイツ、どうされたいんだ?愚か者の僕にはわからない。
「授業内容とか考えないと、来年雇って貰えるか、わからないから…」
「私に永久就職しませんか♪」
意味がわっかんない。コイツの言う言葉は…
「考えて置くよ。じゃ、またな」
こうして、七草家から脱出した。
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と、言っても、帰る家は無い。夜は狩りの時間だし♪狙いを大亜連合の工作員に代えていた。受精卵の製造装置の在処を知る為である。
「貴様、何者だ?!」
拳銃で撃たれるが、フルカウンター倍返しをして、仕留めていく。死体を秘密の部屋に持ち込み、解体をして、脳から記憶を読み出していく。あぁ、工作員達の内臓は売れそうな部位が少ないので、動物園の動物に寄付している。
知っているヤツに中々出逢えない。大亜ではなくUSNAサイドなのか?
出勤前、響子の部屋でシャワーを浴びる。血の臭いを消す為だ。
「また?」
響子に訊かれた。
「大亜じゃないのかな?USNAかな?」
呟く僕。
「ねぇ、もうダメだよ」
僕に泣きすがる響子。毎晩、殺し歩いている僕を止めたいようだ。
「止めたら、僕は消える…」
「それはダメ!もっとダメだよ」
更に力強く縋り付いてきた響子。だけど…せめて、製造装置だけでも破壊しないと…
「仕事に遅れるよ、響子♪」
笑顔だけしか返せない愚かな僕。どうしてあげれば、響子は安心してくれるのだろうか。
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学校へ行くと…休みだった…はぁ?
真由美に連絡すると、
「夏休みですよ!先生、学校の日程くらい覚えて置いてくださいね」
って、言われた。夏休みなのか…そうなのか…
「夏休み明けに、論文コンペって言うのがあるんです。先生、教護チームで参加決定だから♪」
それは聞いていないぞ…がくっ!凹む僕…
「ネギ!」
僕を呼ぶ声…声のした方へ振り返ると、私服姿のエリカと美月がいた。
「もしかして、夏休みを忘れて出勤か?」
頷く僕。
「おいおい…お前、大丈夫か?働き過ぎじゃないのか?」
「かもしれない…」
「今からプールに行くんだけど…どう?」
「やめておく」
「泳げないのか?」
「回答は拒否だ!」
「そうなのか、ふふふ」
回答していないのに、何故かエリカにバレている…二人と別れて…プールか…悪戯するかな♪僕の脳裏に良く無いことが浮かんだ。
---千葉エリカ----
う~ん…皆、大胆な水着である。ハイレグビキニ…いや、私もであるが、深雪のプロポーションが羨ましい。美月の胸の大きさに憧れる…う~ん、ネギだったら、誰を選ぶのであろうか?
うん?ウォータースライダーが有る。あれ?このプールにこんな物があったっけ?などと考えて居たのだが、皆で体験することになった。見た目、物凄く長い距離のスライダーである。360度ループが2箇所も有るし、どんな構造なんだ?
物珍しい為か、長蛇の列である。次々にスライダー入り口に吸い込まれていく。出口はどこになるのか想像出来ない。いや、目視すら出来ていない。なんだ、これは?そして、私の番…え!頭から投入され…
頭がぼぉ~っとする。何も身に着けていない感覚…水流が身体を包み込み、身体を舐め回し、交わっていく。身体の中で蠢く何か…3つの穴から入り込む、何か太い物…
「エリカ…大丈夫?」
深雪の声…覚醒していく意識。ここはどこだ?へ?手足が拘束されて、狭い部屋にいる。私、深雪、美月、雫、ほのか、七草先輩とあの女。水着は着用している。なんの為にこんな目になっているんだ?
「ここは?」
「サウナ室みたい…」
サウナ室…温度計を見ると90度くらいを指していた。
「ウォータースライダーの先って、これ?」
皆、頷く。何かの罠に嵌まったらしい。マズいだろ、これって。
「深雪、達也君は?」
「お兄様は、来られてません」
「七草先輩、服部先輩は?」
「はんぞー君と十文字君が来ているんだけど…あの二人も、ウォータースライダーしていたから…後、摩利の彼氏も…」
修次兄様もかぁぁぁ…うん?湿度が徐々に上昇しているんだけど…蒸されるのか。熱くて意識が朦朧としていく…
何かの振動で意識が目覚めた。先程とは違う状況である。どこか真っ暗な場所に縛られて吊り下げられているようだ。どんな体勢で縛られているのかは、見えないのでなんとも言えないのだが、股間は開脚気味で、乳房の上下左右に細い縄の感触がある。口には何かを咥えさせられていて、そこから何かが滴下されていた。飲んじゃダメな液体の予感がする。だけど、飲み込まないと、口から溢れ、鼻呼吸しか出来無くなる。拷問か?
ネギの顔が浮かぶ。アイツ、どうしているんだ?来ていないのかな?助けてくれないかな…
---ネギ---
特設のウォータースライダーは大入りであった。頭から投入なので、抵抗が出来無い。みな、頭から媚薬の中に突っ込んでいく。スライダーの中で選別が行われていた。包茎男子、それ以外の男、女生徒達、月経無し女子、閉経女性、それ以外の女。
男は全員、精巣だけを溶かす薬液につけている。精子の製造が出来無いだけで、性交は可能である。女は卵巣だけを溶かす薬液である。卵子の生産が出来無くなる。でも、偽装で月の物は来る設計である。男性を分けたのは、薬液の濃さの問題である。包茎男子は薄めで充分であるから。女性も同様で薬液の濃さの問題である。女生徒達は別メニュで、閉経女性は媚薬三昧では有るが…
全員水着なので、脱がす手間が無いのが良い。あぁ、女生徒諸君は、全裸にして、燻蒸庫に入れている。全身から溜まっている物を出し切らせる為である。麻酔代わりに媚薬を使ってはいるけど…
燻蒸庫をモニタリングすると、エリカ達が悶えていた。脱水しないように、身体の水分量を量りながら、水分補給はさせている。全身汗まみれの女子って、なんで萌えるのかな。いいなぁ。
---千葉エリカ---
「エリカ…大丈夫か?」
身体を揺らされて起こされた。アニキだった。あれ?なんで?
「大丈夫そうだな」
「何か遭ったのか?」
頭の中がぼぉ~っとしている。記憶が曖昧なんだけど…
「プールでテロが起きて、プールにいた全員が、失神していたんだ。特にお前達は脱水状態で…ここは病院だよ」
病院…うっすらとネギが誰かに処置をしているのが見えた。
「何があったんだ?」
「何って…う~ん…うぅぅぅ~ん…そうだ!ウォータースライダーに入って…」
「お前もか…あのプールにはそんな設備は無かったぞ」
無かった?え?でも…
「皆、同じ証言だな…精神干渉系魔法師の仕業か?」
「アニキ、終わったよ」
「すまない、ネギ」
え?ネギがアニキのことをアニキ呼びしている…そのことに衝撃を受けた私。なんで?
「今夜も行くのか?」
「あぁ…僕の生きがいだ。止めるなら、止めていいよ」
「止めない…気をつけろよ」
二人の会話、何か意味深である。なんのことを言っているんだ?気になる。でも、私はストレッチャーで病室へと運び込まれた。
---ネギ---
遥の部屋で収集したデータを解析している。遥は僕のアレをご賞味中だ。プールには大亜関係者もUSNA関係者もいなかった。都会のプールでやらないとダメかな。
あの黒いヤツを量産しているってことは、製造工場はデカイはずだよなぁ。受精卵製造、遺伝子調整、そして成長待ちの3工程を同じ場所でしているはずだよな。外的要因を排除して管理していると思われる。少しでも外的要因が入れば、イレギュラーになってしまうから。
デカイプラントを、しらみつぶしに、探すのでは効率が悪いしなぁ。地下施設だとお手上げかぁ。売り払ったとしても、移動は出来無いと踏んでいる。プラント状態で引っ越しは無理だろうし、3つの行程のどれか1つが欠けても、成立しない作業だと思うから。
そうなると…そうか!培養液かぁ。受精卵を成長させて、戦えるまでに18年は必要に思われる。短期間で大量製造となると、成長促進剤が必要か、時間系の魔法師が不可欠である。その辺りから探るかな。
「ネギ君、そろそろいいかな?」
遥が交わりたいようで、僕の首元を谷間で刺激してアピールしている。
「そうだね。明日からの方針も決まったし」
僕の返事を聞き、遥が嬉しそうに、僕のモノを体内に収めていった。