注意:猟奇的な描写が有ります
---アンジェリーナ・クドウ・シールズ---
同じクラスの司波深雪さんに、ネギ先生の家に連れて行ってもらった。彼女の家の隣だという。ネギ先生が、応対に出てくれて、家の中に案内された。
そこには、知らない女性がおり、私を睨んでいる。
「そこのソファに座れ」
命令形だ。何か、気に障ることをしたかな?言われた通り、ソファに座った。
「里奈、お前の本名は何だ?」
いきなり、予想していない質問をされた。なんで、バレているんだ?
「九島家には、あなたのような子はいない。どうみても、ハーフだよね?」
知らない女性は、九島家の人なのか?
「あぁ、彼女は藤林響子だ。九島烈の孫だ。烈はお前の祖父の兄だよ」
私の家族関係を調べ上げられていた。こんな短時間に?
「先生は何者ですか?なんで、私のことを知っているんですか?」
「僕は知らないよ。響子に話したら、九島にはそんな名前の女性はいないって…で、調べたら、USNAに烈の弟の孫がいることが判明したんだ。だから、澪に面通しをして貰った」
澪?知った顔の女性が現れた。私と同じく、十三使徒の一人である五輪澪さんだ…
「スターズの暗殺者、アンジェリーナ・クドウ・シールズが、九島里奈って名乗って、一高に来たら、そういうことなんだろ?」
ネギ先生にバレていた。背後に居る者を消すって、十三使徒もか…そんなことをしたら戦争になる。
「僕と響子を消しに来たのか?改心して、仕事を辞めるなら、見逃すけど…どうする?」
見逃す?軍部を裏切って、逃げ切れる訳無いでしょ?
「あぁ、言い忘れたけど、君は僕を殺せないよ」
はぁ?何を言っているの?
「理由か?それは、君の魔法演算領域は、僕の母の物だから」
背筋に冷たい物が走り抜けて行く。私の魔法演算領域は、先生のお母様の物?昔、手術を受けたことがある。その手術後、私の魔法は飛躍的に威力を増した。それって、魔法演算領域を拡張したのか…
「思い当たる節があるようだね。僕の家族は君達、魔法師の糧にされたんだよ」
君達…私の背後に深雪さんと知らない男女がいた。
「このメンバー中、響子以外に、僕の家族の遺伝子が入っている。言ってみれば、僕の肉親になる訳だ」
私の中に、先生の家族の遺伝子…。目の前の女性以外、全員に先生の家族の遺伝子…。
「僕を消す理由は、そこだよ。僕が生き証人だから」
生き証人…それって…他の家族の方々は…魔法師の糧って言っていたのは…非人道的な手段での遺伝子の組み込み…
身体が動かない。
『息子は殺させないわよ』
って、脳裏に女性の声が…先生の言っていることは正しいのか?
「さて、軍部に何を命じられたんだ?」
マズい、逆の立場になっている。
『代羽周太郎、凪、後、その背後にいる者達の消去よ』
私の口から、命令の内容が脳裏に響き渡る声で語られた。
「賢者様も対象か…愚かなことを…僕よりも愚かな者がいたとは…人間が勝てる訳ないだろ?賢者様に」
賢者様?代羽周太郎は医師では無いのか?
「わかった。まず、USNAを潰す」
先生が宣言をした。先生の宣言に誰も異を唱えない。そういうことなのか?
『唱える訳ないでしょ?私達は家族…その家族を壊したんだもの、それなりの罰を与えても問題は無いでしょ?』
私の中の人が言った。家族を壊した?その時、私の脳裏で、映像が再生された。惨たらしく、酷い映像だった。自然に涙が零れていく。身体から内臓を取り出し、培養液で生かされている者達…その内臓から遺伝子を取りだし、なにやら研究する者達、誰かを庇い、大人達に殺されてしまう子供…先生の家族の受けたことなのか…
---ネギ---
NYのクラブ…夜な夜な飲んで、遊んで、踊る輩達。まずは、この店からやるか。店内にいる全員に『癒やし』のリバースな術を掛けた。苦しみ出すUSNAの者達。再生利用出来る内臓を持つ男性達から内臓を奪い取っていく。体内出血で倒れる者ども。女性達は、僕の好みの者達を捕獲し、残りの者達は男性と同じ目に遭わせていく。そして、残った者のうち魔法師な者達は、魔法演算領域を刈り取っていく。これで、魔法は使えないだろう。
捕獲した女性達は全裸にして、首輪を嵌めておく。逃げられないように…そして、僕の捌け口にして使う。あぁ、エサは与えるよ。簡単には殺さない。
---クラリス・マークス---
FBIの捜査官である私は、NYの猟奇的な事件に派遣された。クラブにいた店員、客達が内臓を取り出されて殺された事件である。調べを進めると攫われた者もいたようだ。生き残った者の中には、脳に障害を持つ者もいた。ここで、何が行われたのだろうか?
「クラリス捜査官、内臓を取りだした痕が死体に無いんです。魔法師の仕業でしょうか?」
「そうかもしれないわね」
死体検案書に目を通していると、
「クラリス捜査官ですか?私はシルヴィア・マーキュリー・ファースト。階級は准尉です。シルヴィとお呼びください」
ショートカットの私と同じ位の年齢の女性が、話掛けてきた。軍からのサポーターのようだ。
「身体から、傷を与えずに、内臓を取り出す事は可能なの?」
「う~ん…そういう魔法は聞いたことはないですが、大漢の魔術師なら可能かもしれませんね」
大漢…日本のある家系に依り、滅ぼされた国だっけ。残党が世界各地に散らばっているらしいからな。
「なんの為に、こんなことをしたと思う?」
「内臓ですよね?売る為では?他には思いつきません」
内臓売買の組織も捜査した方が早いかな?
---根岸里奈---
先生のお母様に説得され、先生の家族として、戸籍を得た。USNAから亡命した感じである。
「次の一手はどうくるかな?」
「第二第三の暗殺者を送り込んで来るのでは?」
あぁ、私の代わりの死体を調達してきてくれて、私の遺伝子情報を組み込み、警察の手に渡したそうだ。
なので、新聞各紙の一面には、『スターズのアンジェリーナ=クドウ=シールズ、日本に密入国して殺害される』という文字が躍っていた。先生は、警察とマスコミを味方に付けているようだった。早速、USNAの関係者が、警察から遺体を盗み出したらしい。そうすることを、この国の公安が読んでいて、罠に嵌まったらしい。情報筋からの情報によると、私として認識したそうで、私を殺害した者の特定を急いでいるそうだ。
「ネギ君、危険なことは止めてよね」
響子さんが先生の行為を止めていた。
「もう、復讐しなくても消えないんだよ」
「でも、やらないと、やられる。もう、響子のあんな姿はこりごりだよ。それに、深雪とか水波にだって、あんな姿になって欲しくないんだよ」
響子さんは人間では無いらしい。ドールテイマーに人形にされ、肉体強化薬で変貌した状態で、愛しい先生を襲ったそうだ。先生も既に何回か死んでいるらしい。私達、人間の知らない領域の術で蘇生したそうだ。
たぶん、代羽周太郎と呼ばれている、賢者が関係しているのであろう。
「それよりも…あぁ~明日から、新学期だよ…どうしよう、授業内容…」
「殺戮三昧して、準備しないからよ~。自業自得ですよ」
響子さんに窘められる先生。選んだ道は正解だったのか、わからない。でも、心が軽いのは確かである。身体も順調である。私の悪い箇所…心理ストレスからの生理不順…先生の施術で快方へと向かっていた。
---クラリス・マークス---
今度はSFだそうだ。捜査の網をかいくぐっている。何が目的なんだ?南海岸へシルヴィと向かう。
「どう、思う?」
相棒のシルヴィに訊いた。
「目的ですか?う~ん、売買目的では無い気がします」
シルヴィの様子がいつもと違う。
「何かあったのか?」
「いえ…新聞とかニュースで報じられている、殺されたスターズのメンバーって、私の上司なんです…」
日本に密入国して、何か工作をしようとした、我が国のエース魔法師が密入国先で死体となって発見された事件だ。犯人像を予想している者が多い。その反面、何の為に同盟国に密入国して、何の為に殺されたかの推理をしている番組も少なくない。
「たぶん、誰かを殺しに行ったんだと思います。で、返り討ちに…」
「エース魔法師を返り討ち?それ程の実力者なら、すぐに割り出せそうだけど」
「それが…クラリス捜査官は口が堅いので、言いますが…敵にしてはいけない勢力にケンカを売ったらしいんです」
「敵にしてはいけない?」
「えぇ…人間が敵にしてはいけない勢力です。そう考えると、今回のこの事件は報復に思えるんですよ」
人間が敵にしていはいけない勢力?報復?
「捜査官は、バチカンだけが国交を持っている聖域って国のことを知っていますか?」
「都市伝説程度ならね。実際に地図上ではそんな国は無いし」
「地図なんてものは人間の作った物です。そこには無いですよ」
人間の作った物?人間では無い者なのか?
「バチカンに限らず、この星の多くの者達が神として崇めているのは、神の子ですよね?でも、バチカンの上層部は違う神を崇めているらしいんです」
まさか、聖域って…神の国なのか?
「だとしたら、どうする?」
後部座席から、居るはずの無い男性の声がした。私はブレーキを踏み、車を停車させ、シルヴィと車外へと逃げた。
「逃げ切れると思っているのか?」
二人で、近くに見えるドライブインを目指して、駆けていく。そして、ドライブインの中に逃げ込んだ。店内は賑やかである。二人でカウンター席に座り、飲み物を頼んだ。
「さっきのは何?」
「わからない。どうやって、車に載ったのかしら?」
えっ?有り得ない感覚が身を襲った。乳房を揉まれている。乳首を捏ねくり回されている。そして、股間を舐められたり、吸われている。視線を落とすが、何も異常は無い。
「はぁ…はぁ…」
シルヴィの様子がおかしい。店内にいた男性達が消えた。店内には女性しかいない。どういうことだ?
「ふふふ、そういうことだよ♪」
あいつが、ここにも来たようだ。銃を手にして、声のした方へ向けるが、いない。どこにいるんだ?
ドスン!
カウンターの上に背中から落とされた。その拍子で銃を床に落としてしまった。マズい…何かがのし掛かってきた。着ている者を破り捨てられていく。そして、全裸にされて、無抵抗のうちに、膣の中へ銃口を入れられてしまった。
「ここに撃ち込むとどうなるかな?」
声はするが姿は見えない。シルヴィは、全裸で壁に磔られていた。銃口の冷たさに、反応する身体、体内から湧き出た液体がカウンターに流れ落ち、そして、床へと流れて行く。
「この局面で、感じているのか?」
酒瓶の口に火が点き、その口が乳首を襲う。真空になった瓶内部に乳首が吸い込まれて行く。痛い…両方の乳首に酒瓶がぶら下がっている。千切れそうに痛い…なんで、こんな目に…
「なんで?それは、この国のフィクサーを恨めよ」
3本目の酒瓶に火が灯った。どこに付けるの?まさか…
「あぁぁぁぁぁ~!」
クリトリスが瓶の内部へと吸い込まれて行く。千切れる…ダメだ…えっ?!4本目?どこに…有り得ない痛さが身体の内部から発生した。卵巣が瓶の内部に吸い込まれる映像が、脳裏に流れた…
---ネギ---
一人の全裸の失神した女性と共に、帰宅した。
「シルヴィ…」
里奈が彼女に声を掛けたが、意識は戻らない。
「先生、死んだのですか?」
「生きているよ。心拍があるだろ?」
里奈が脈を確かめた。
「彼女も死んだ事にして来た。遺伝子情報を入れてきたし、問題ないだろう」
里奈がネットニュースを調べ始めると、速報で『アンジェリーナ=クドウ=シールズの補佐役のシルヴィア・マーキュリー・ファーストが拷問された後に死亡』という記事がUSNAの大手メディアから発表されていた。速いなぁ、あっちの国は…
「先生、相当惨い拷問みたいですけど…」
ジト目で僕を見る里奈。あぁ、里奈は、家でも僕を先生と呼んでいる。
「だって、猟奇性は大事だろ?普通の死体じゃ、記事にならないし」
「ですけど…」
「ここは?えっ、リーナ…」
意識を取り戻した里奈の補佐官。
「シルヴィ…会いたかったよ~。先生が無茶したけど、許してあげてね。私の恩人なんだよ」
「恩人?それより、ここはどこ?」
「日本…先生に家だよ」
「先生?いやぁぁぁぁ~!来ないでぇぇぇぇ~!」
僕の顔を見るなり、悲鳴を上げたリーナの補佐官。
「もう、先生、無茶したんでしょ?まったく、もぅ!シルヴィ、先生は普段優しいから大丈夫だよ」
里奈が歳上の女性をあやしている。
「ネギ君、何をやらかしたの?」
響子まで、疑っているのか?
「いや、ちょっと、エスプレイ…」
「そういうのは、私にしなさい。他人様に迷惑を掛けちゃダメでしょ?」
「今日から学校だし、もう無茶はしない。授業に情熱を…」
「生徒に愛情をでしょ♪」
響子はお見通しだな。そうだよ。生徒に対して愛情を持って護るのが、僕のお仕事だよ。