※この作品はR-18です。

愚かな復讐者   作:もっち~!

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襲われた千葉家

---ネギ----

 

うちに関係者達が集まり、今後の方針を話し合っている。僕と響子、里奈とシルヴィ、達也と深雪と水波、真田さん、遥、そしてアニキである。

 

「烈は誰に解体されたんだろうか?」

 

解体を指示したヤツが黒幕だと思う。

 

「烈の意志の可能性は有る。そうなると、誰が意志を継いだかだな」

 

達也の推論。それは大いに有るなぁ。

 

「探った感じだと、新発田家が怪しいな。九島家も怪しいけどな」

 

って、アニキ。

 

「でも、新発田家は海外の組織と連絡は取っていないみたいですよ」

 

公安情報を口にする遥。

 

「真田さん的にはどうですか?」

 

軍部の情報に詳しい、響子の元同僚に訊いた。

 

「藤林を誘拐した奴が見付からない。軍部と九島家が繋がっているだけなのか?そこが、問題だ」

 

響子の記憶には、見た事無い者達に、薬をいきなり嗅がされて、そこで生きていた響子としての記憶が終わっていた。

 

「ドールテイマーは?」

 

「軍部に大漢の流れをくむ者と繋がりのある者がいるかもしれない」

 

顔を合わせた情報の擦り合わせ。しかし、進展はなかった。敵の、黒幕の情報がまるで無いのだ。

 

『愚か者よ♪元凶を考えろ』

 

と、脳裏に賢者様の声が聞こえた。元凶?真夜さんの復讐?そこから人工魔導師やら、調整体の研究が盛んになったんだっけ。

 

「元々、どうやって、真夜さんは大漢に攫われたんだ?」

 

「そうか、その時点で大漢との繋がりを考えればいいのか?」

 

って、アニキ。

 

「たしか、12歳の時に台北で攫われたはずです」

 

と、達也。

 

「なんで台北にいたんだ?誰に連れ出されたんだ?」

 

「確か…烈に…」

 

「もし、攫われなかったら、七親父と結婚していたんだよな?」

 

「七親父?あぁ、七草家の現当主か?そうだな」

 

「それを阻止したかったとか…烈は真夜さんと子供を作りたかったとか。だけど、教え子とは出来無いから…」

 

「有り得るな。最高の魔法師と最強の魔法師の子供か…」

 

「でも、その当時は技術が無かったとしたら…」

 

「ネギの家族を手に掛けたのは烈だな。問題は誰が意志を継いだかだ」

 

そうなる。誰だ?達也、深雪は失敗作だ。次の年に産まれた水波も失敗作である。それ以下の者か?いや、成長促進剤を使えば…

 

「幼少期が不明の最強クラスの魔法師を探して欲しい」

 

「それは真夜叔母様と烈との間の子供がいて、成長促進剤で大きくなったってことか?」

 

達也は理解が早くて助かるな。

 

「そういうことだ。僕の弟達も実験体だったんだ。成長促進剤のな」

 

「年齢不明では探しにくいぞ」

 

って、アニキ。他に何か見落としは無いかな?USNAの軍港って、神奈川県だったよな…それかな?

 

「神奈川県にあって、武器に関わり、軍部に関係がある師族ってどこかな?」

 

ふと、思い当たったことを口にした。

 

「うん?それだと、三矢家だな。表向きは、国際的な小型兵器のブローカーで、本拠は神奈川県の厚木にあり、国防軍の魔術師と関係があるぞ」

 

って、真田さん。そうか…3だな。

 

「おい、厚木って、USNAの基地があるぞ。三矢家か…見落としていたな」

 

アニキが狩人の目付きになってきた。

 

「三矢家を洗ってみるよ」

 

と、アニキ。

 

「分家筋に該当の子女がいないかを探せますか?」

 

「それは公安で手配してみます」

 

と、遥。

 

「じゃ、俺達は、軍部の膿を探すことにする」

 

と、真田さん。

 

「行動するときは一人では行動しないでね。ドールテイマーに襲われると、厄介だから」

 

僕から警告を発した。響子のようになって欲しく無いから。仲間の死体を破損はしたくないから…

 

 

 

---千葉エリカ---

 

アニキの留守中に、アニキの部屋を物色。何を隠しているんだ?捜査関係の資料は無いか…部屋には無いなぁ。では、押し入れを。エロ本とかはこういう処に隠していたし。押し入れを開けると、古ぼけた段ボール箱を見つけた。こんな箱あったかな?気になり、中を見てみた。古ぼけた紙類。昔の捜査資料のようだ。

 

戸籍謄本の写し…住民票…事件現場の写真などなど。供述調書の類いは無い。なんの事件だ?古ぼけた段ボールからして、昔の事件のようだ。家に持ち込んだってことは、時効か、圧力により捜査中止の事件かな?

 

家族写真のような集合写真を見つけた。見事にセピア色に変色しているし。うん?なんでだ?知った顔に似ている人物が二人いるのだが…そういうや、以前アニキにあの二人の事を訊かれたっけ…そういうことなのか?写真を裏返すと、名前が入っていた。あれ?アイツらの名前では無い。どういうことだ?他人の空似なのか?う~ん…その写真をポケットにしまい、他に何か無いか、物色をしてみた。

 

四宮牧場と書かれたパンフ、古いタイプの情報端末などをポケットにしまい込み、箱を元の位置に戻し、アニキの部屋から脱出した。

 

-------

 

その日の夜中、我が家で火災が起きた。アニキ、兄上とも不在で、私と父と門下生で、消火活動をした。が、消火器で消えない火。魔法で燃やされている気がする。

 

「修次はどうしたんだ?」

 

父が門下生に訊いた。

 

「摩利さんを送りに行っています」

 

あの女を送りに?ガキじゃないんだから、一人で返せば良いのに。

 

「まったく、アイツときたら。おい、エリカ!私は道場の神棚に祀ってある、御神体を取ってくるわ」

 

父は、兄上に頼もうとしたことを、自ら実行した。

 

「道場は燃えていないぞ!」

 

それにしても消防が中々来ないなぁ。

 

------

 

「オヤジ!」

 

父の亡骸にアニキが泣きすがっていた。消防の到着が遅れ、家は半分燃えたのだが、父は火の手が来なかった道場で、斬り殺されていた。

 

「くそっ!誰が…おい、修次はどうした?!」

 

兄上はあの女と出たきり、帰宅していない。

 

「エリカ…オヤジを殺せるのは修次くらいだ。アイツはどこに行った!」

 

アニキの口から、飛んでもない言葉が飛び出した。兄上が父を?

 

「まさか…」

 

「じゃ、なんで、次期当主様は連絡が付かないんだ?!」

 

確かに連絡が付いていない。あの女といちゃついているから、では無いのか?

 

「俺の部屋だけ全焼って、どういう訳だ?くそっ!貴重な証拠品が…」

 

地面に触れ伏して泣いているアニキ。貴重な証拠品?あの段ボール箱の中身かな。

 

「何かまずい証拠が残っていたのか?燃やさないとダメな物ってなんだ?」

 

「おい!エリカ、ポッケの中の物を出せ!」

 

えっ?ネギの声…後を振り返るとネギがいた。なんで、ここに?

 

「どういうことだ、ネギ?エリカのポケットに何かがあるのか?」

 

アニキが私に襲い掛かり…いや、私に近づき、ポケットの中の物を取りだした。

 

「写真とパンフと情報端末…お前、俺の部屋で物色したのか?!」

 

アニキのカミナリが落ちる。頭を腕で護りしゃがみ込む。

 

「アニキ!待て!エリカのお手柄だ。そうか…それを消そうとしたのか」

 

ネギの声でアニキのカミナリは落ちなかった。

 

「どれのことだ?」

 

「情報端末だ」

 

アニキの手から情報端末を受け取ったネギ。

 

「紙類なら持ち去れば良い。でも機械類は、見た目だけでは、何が仕掛けてあるか分からないからな」

 

「そうか…だから、部屋に残っていた情報端末を、持ち出さずに処分したのか」

 

「アニキの父はとばっちりだよ。ごめん、僕のせいで…」

 

ネギがアニキと私に向かって頭を下げた。

 

「おい、頭を上げろ!オヤジは迷いの無い剣で殺されていた。たぶん、弟はもうダメだ。油断したんだろうな」

 

「ちょっと、どういうことだ?なぁ、アニキ!ネギ!」

 

二人に事情を訊こうとした私。

 

「御神体に何かを隠してあると思ったのだろう。本当の修次さんなら、何も無いってわかっているはずなのに」

 

本当の兄上?どういうことだ?

 

「修次さんの彼女って?」

 

ネギに訊かれた。

 

「摩利だよ。うちの学校の渡辺摩利だよ」

 

即答した私。

 

「くそっ!そうか…迂闊だったよ。さんずいか…」

 

「まさか…そう言うことか。アイツの彼女はそうなのか?」

 

「違う。アイツは対人戦のエキスパートだ。最強の魔法師では無い」

 

「俺達は、弟達を追う。ネギはどうする?」

 

「この情報端末を解析する。エリカは預かって置こうか?」

 

「頼む!一人にしておけない」

 

-------

 

オヤジの亡骸を現場に置いて、私はネギの家に連れて行かれた。

 

「おい、どういうことだ?なぁ、ネギ!」

 

「シルヴィ、この情報端末を解析頼めるか?」

 

「了解♪」

 

ネギは私の問いをスルーした。ネギの家には知らない女性がいるし。

 

「エリカ、大丈夫だったか?」

 

達也君に声を掛けられた。

 

「ネギは何を隠しているんだ?なんで、私の父は殺されないといけなかったんだ?どうして、私の兄上をアニキが追っているんだ?」

 

私の中で渦巻いている疑問を達也君にぶつけた。

 

「深雪、エリカを頼む」

 

「わかりました。さぁ、お部屋で休んでください」

 

「お前もだ!深雪!何を隠しているんだ?!」

 

動じない深雪。

 

「興奮しないでくださいね。手荒なマネはしたくないですから」

 

深雪が何かの魔法を私に掛けた。意識が遠くなっていく。

 

 

 

---ネギ---

 

興奮しているエリカの精神を、深雪が少し凍らせた。大人しくなったエリカ。治療室の1つに連れて行き、リラックスさせる施術を施した。

 

「摩利さんが、敵なのか?」

 

達也に訊かれた。

 

「あぁ、三水だ。三矢の分家の可能性がある。ただ、アレでは無い。最強と言える魔法師では無いからな」

 

「う~ん…疑わしいのは光山ほのかね」

 

公安のデータベースを使い、生徒情報から、被疑者を割り出してくれていた里奈が声を上げた。

 

「雫の幼なじみってことはわかったけど、幼少期のデータが見付からないのよ」

 

気弱なイメージではあるが、深雪に次ぐ成績で、『光』ではあるが、深雪と同じ振動系の魔法師である。複雑な処理を要する魔法に関しては、深雪よりも素質はある。

 

「ビンゴかな…ちょっとイメージが違うが…う~ん…遥、ほのかの居場所を特定してくれ」

 

「はい!」

 

敵は身近にいたのか…それも、殺さないと誓った中にいたとは…関係無いエリカの父、兄を巻き込んでしまった。取り返しは付かない。エリカに対して、死んで詫びることも出来無い。僕、不死者だし…

 

「思い詰めるなよ」

 

達也が僕の肩をポンポンと叩いた。でも…

 

--------

 

七親父の元を訪ねた。

 

「聞いたよ。真由美の友達が、だってなぁ」

 

頷く僕。

 

「三矢家か…厄介な相手だ。各国の軍部とか海外勢力との交流がある。小型武装に関しては国際的に定評があるブローカーだ。武器商人なのに、堂々と商売してやがるし…」

 

「真由美にどう伝えれば良いですか?」

 

「そうだな…正直に全部話すか?」

 

「ですね」

 

「俺は諦めていないからな。お前を七草家の息子として、婿に出す事を♪だから、生きて、ここに帰って来い!」

 

「あのぅ~。僕…死ねないんですが…」

 

「あぁ、もう死んでいるもんな。兎に角だ。四の五の言わずに、ここに戻って来い、七草ネギ太郎よ♪」

 

そんな名前の人は知らないよ~

 

七親父の部屋を出ると、真由美が待っていた。

 

「どういうことですか?何故、摩利が指名手配されているんですか?」

 

七親父が部下へ連絡をしていたのを聞いたようで、摩利が追われていることを知っていた。

 

「僕の敵対勢力だからだ」

 

「先生の?どういうことですか?」

 

「僕は愚か者だ。ここまでの事態になるまでに、なんにも解決できなかった。僕の愚かさの問題だ。事が終わったら、いくらでも罰は受ける」

 

立ち去ろうとする僕の背中に抱きついて来た真由美。

 

「説明をしてください。何が起きているんですか?」

 

「魔法師と反魔法師の戦争だ。真由美は親父の傍にいろ。ここにいれば安心だからな」

 

「先生はどうするんですか?」

 

「恨みを晴らす。総てを終わらせる」

 

「恨みって何ですか?」

 

僕を抱き締める力が強くなっていく。僕の背中に、真由美の胸がこれでもかと、押し付けられていく。不謹慎ではあるが、気持ちがいい。

 

真由美と真由美の部屋に行く。背中にいる真由美を一本背負いで投げて、真由美のベッドに叩き付けた。そして、横四方固めをしていく。真由美の胸に顔を埋め、真由美の香りを満喫していく。

 

「先生…どんな恨みなんですか?私が糧になります。だから、怒りを鎮めてください」

 

真由美は糧にならない。

 

「僕は魔法師に家族を殺された。彼女を殺された。教え子の父親を殺された。許せる訳ないだろ?」

 

「家族…彼女…教え子の父親…誰のことですか?」

 

「お前の知る事では無い!」

 

頸動脈を締めて、意識を刈り取り、その場に放置しておく。

 

 

 

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