寝ようとすると水波が僕の腕に抱きついた。
「お兄ちゃん…一緒に寝て…」
妹の声だ。動揺する僕。
「妹さんの頼みでしょ?聞いてあげなさいね」
って、澪…妹の…いや、水波の部屋に連れ込まれた。二人でベッドに横になると、水波は静かな寝息を立て始めた。疲れていたようだ。1つの身体に2つの魂では、疲れるだろうな。僕はベッドから降りて、狩りへと出掛けた。
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「なんで、こんなマネを…」
一家の主の目の前で、娘達を陵辱し、ヤツの妻も陵辱しまくっている。ヤツは、身体と内臓が人工血管と人工神経でつながっていて、培養液の中で浮かんでいる。
「僕の家族にしただろ?家族の目の前で僕を殺しただろ?」
「お前…あの時のガキかぁ…生き返ったのか?まさか、黒羽の…」
ヤツの腎臓を取りだし、犬達に喰わせた。
「おい、娘達に何を喰わせているんだ?」
「父親の腎臓だよ。娘達の中で血となり肉となれや♪」
「鬼か?」
「なりたいな。僕は単なる餓鬼だよ。気にするなよ」
内臓を次々に喰わせて、残るは、目玉と声帯と脳みそと心臓と肺だ。どれにするかな?
見た目大きめなイヤホン状態の物を2つ、飢えた犬達の前に投げた。
「おい、やめろ~!喰うなぁぁぁ~!あぁぁぁぁぁぁ…」
五月蠅いから声帯も…で、最後に大きめのヤツを3つ♪コイツの記憶に黒幕の情報は無かった。はずれだった。
---千葉寿和----
死体無き殺人…まさか、妻と娘達に喰わせたとは…徐々に残虐性が増している気がする。アイツ、壊れてきたのか?
「警部…」
俺のチームメンバーも犯人は知っている…情報を共有した結果、許せない犯罪ではあるが、ネギを罰する前に、罰するヤツがいると認識で一致している。ネギの家族を拉致して、肉体を切り刻み、化け物を作る糧にしたヤツだ。それに、ネギは罰することは出来無い。この世の者では無いから。ネギの犯罪を止めれば、ネギを死刑にすることと等しいとも、部下達、上司も理解している。
「優しい奴なんだよ…なのに、復讐し続けないと、生徒達を見守れないんだ」
生徒達…その中に、ネギが見守りたい人物も含まれている。
「黒幕を見つけましょう」
「いや、その前に、ネギの家族の拉致、監禁、殺害、死体遺棄を立件しないと、見つけても何も出来無い。いいか、何でもいいから、証拠を見つけてやってくれ」
上司にネギから聞いた話を話した。上司は、あの事件にならなかった案件に関わっていた捜査員であった。
「そうか…復讐心だけで生きているのか…彼は…罰することが出来無いんじゃ、罰することが出来るヤツを見つけろ、千葉!余罪はたくさん有りそうだしな」
上司から発破をかけられた。えぇ、見つけ出しますよ。
---ネギ---
九校戦へと出発する日…澪達も行くという。水波も連れて行くと言う。澪が校長と話し合い、視察目的で了承させた。水波は澪のガーディアンってことにしたらしい。
洋史君は楽しそうにしている。澪とドライブ、それも楽しそうな澪とドライブなんて初めてらしいから。洋史君の車で、一高へ向かうと、バスやトラックがいた。
車から降りて、真由美達に挨拶へ行く。しかし、真由美は洋史君の顔を見て強張っている。
「洋史君、真由美と訳有りか?」
「えぇ、縁談の相手です…」
「婚約者なのか」
「違います!まだ、そこまで話は進展していないです!って、ネギ先生、なんで、親しいのよ!」
僕と洋史君の仲を疑っているのかな?
「姉の主治医なんですよ。ネギ先生は。だから…まぁ、義理の兄って感じかな」
「「義理の兄!」」
周囲にいた生徒達が驚いている。
「澪さんと、そんな関係なの?ねぇ、ネギ!」
真由美が詰め寄ってきた。なんで怒りを纏っているんだ?意味がわからない。
「あら、真由美ちゃん、元気そうね♪」
澪が挑発気味に、僕の肩に抱きついて来た。
「えっ!澪さん?随分とお元気ですね…」
真由美は、車椅子の澪しか知らないようで、変貌振りに驚いているようだった。そんな真由美の隙をついて、深雪が僕の腕に抱きついて、僕の肩に頭を載せている。これも挑発行為なんではないのか?
「深雪さん…何もしているんですか?準備をしてください!」
「はぁ~い♪」
深雪は去り際に僕の頬に口づけをして、去って行った。エスの真由美でも責められることって、あるんだな。脳裏には4Pプレイの妄想が…おぉぉぉぉ~!えぇなぁ♪
「先生、これを」
達也の声が僕の現実に引き戻した。手渡されたのは無線機だ。
「これで、何かあれば、知らせてください。深雪の敵が判明していないので、警戒はしていた方が良いですよ」
僕もそう思う。昨晩の狩りで情報が得られなかったし。
生徒達がバスに乗り込み、僕達も洋史君の車に乗り込んだ。助手席には水波、後部座席に僕と澪である。
「膝枕で寝ていてもいいですよ。ネギ先生」
「そうするかな。気流で周囲を警戒してくるかな」
澪の膝枕に身体を預けて、気に意識を集中させて、周囲の空気の変動を感知していく。暫くすると空気の流れが速くなってきた。高速に乗ったのかな。
心地良い眠りを堪能していた時、空気の変動を感知した。前方1キロで、何かの術が発動して、何かが有り得ない動きをしている。飛び起きて、達也に連絡をした。
「前方1キロで異常を感知した。バスを止めろ!洋史君、バスの前に出て」
「「了解!」」
バスは停止し、僕達はバスの前に出た。
「水波、バスの前に防御障壁を張れ、洋史君と澪もアシストをしてくれ」
「わかったわ」
タンクローリーが横滑りして迫ってきた。おいおい…
「澪、水波の障壁の前に、ウォーターミストを出してくれ、深雪、それを凍らせろ!」
澪と深雪の魔法の相性が良くて助かる。僕は空気を操り、タンクローリーにエアブレーキを掛けていくが、一向にスピードが弱まらない。車体の下に魔法陣があり、移動している。転移系かな。
「達也!車体の下の魔法陣!」
達也は僕の言おうとしたことを理解してくれ、魔法陣の術式を解体してくれた。が…はぁ?急ブレーキと同じで、前方へ飛び出す力が芽生えのか、止まらない。最後の手段、瞬動術で、タンクローリーの前まで移動して、術者に向けてダメージをフルカウンターな倍返しをした。目の前からタンクローリーは消えた。だけど、機械人間が僕に襲い掛かってきた。罠かな?これって…体術で、敵の攻撃を交わしていく。数体が僕ではなく深雪に迫っていく。
『エアスタンプ!』
圧縮空気で潰すが、潰れない。
「この前はマンションの強度不足だったが、ここなら!」
十文字、服部、桐原、摩利が、深雪を護り始めた。残りの者達も応戦してくれている。コイツらだけでも、僕だけで…でも、ダメみたいだ。完全に僕の攻撃力を研究し尽くしていた。フルカウンター倍返しで壊れない程度の打力で、僕を襲う機械人間達。マズいって…あと、使える術ってなんだ?体力が目減りしている。心が折れたら、終わりかもしれない。う~ん…そうか♪『同化』だ。コイツらと『同化』すれば、コイツらの能力を手に入れられるかも。
同化してみた。防御力と攻撃力が増大した…いや、罠だ…そうだ。爆弾持ちだった…
ズッド~ン!
----司波深雪----
ネギ先生が大爆発を起こした。ネギ先生を相手にしていた機械人間達は、私達に向かってきた。ネギ先生がぁぁぁぁぁ~!
『司波深雪よ、私の能力を貸してあげる。凪を助けてあげて』
感情が爆発すると、何かの封印が解かれた気がして、脳裏に声が響いた。先生のお姉様の声かな。脳裏浮かんだ呪文を唱えた。
『アイスアロー』
氷の矢を撃ち込んで行く。効果無い…
『しょうがないなぁ、僕の術を使え!ネギを頼むよ♪』
知らない男性の声が脳裏で響いた。彼から、受け取った呪文を唱えた。
『ダイヤモンドダスト』
微細な氷の粒が大量に、機械人間へと叩き込まれて、アイツらの全身が爆ぜていく。すごい…一撃で殲滅だ…
「ネギ先生!」
澪さんと真由美さんが、先生へと走り寄っていく。でも、私はマインドロストスレスレのようで、その場にしゃがみ込んだ。
「深雪、大丈夫か?」
お兄様の声。頷く私。肩で息をしている。魔力の消費量が多い術のようだ。ここ一番でしか使えないかもな。
---ネギ---
思念体だったおかげで、助かった。爆発で四散してても、元の身体に構築出来た。
「ネギ先生!」
真由美と澪が近づいて来た。なんか、新たな攻撃方法を考えないと、ダメだな。敵は僕を研究し尽くしているようだし。
澪が抱き起こしてくれた。
「先生…無茶しないでください」
「あぁ、反省しています。身体が重い…暫く寝れば治る。自己再生できるし」
やんわりと、病院へ連れて行くなと伝える。人間では無い僕は、人間の病院では治せないし…
「はんぞー君!担架を持って来て!」
真由美が服部に指示を出している。
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宿泊するホテルに着くと、設営班以外は、会議室にいた。
「敵の狙いは、深雪さんだけで無いようね」
真由美が結論を出した。深雪だけを拉致するには、攻撃が大掛かり過ぎた。タンクローリーが、もしバスにぶつかっていたら、一高の選抜された生徒の大半は死んでいただろう。
「先生は使い物にならないし!」
僕を呆れたような視線で見た真由美。えぇ、戦闘で使い物になってませんね。結局、一体も仕留められなかったし。
「敵の目的がわかるまで、警戒を怠らないでね」
「問題なのは、高周波ブレイドでも関節しか斬れないことだ」
桐原が声を上げた。この前は腕を切り落とせたのに、進化改良されていた。
「俺達のことも研究されているようだぞ」
「戦闘では使い物にならない先生、意見はありますか?」
まぁ、エロ要員でかまいませんが…
「たぶん、達也、十文字、あと澪、深雪程度しか、通用しないと思う。ただ、澪は海戦で威力を発揮する魔法師なので、アテにはならない。深雪は消費量がでかいヤツしか、通用しない。なので、一高の戦力は2名だけだ」
絶句する生徒諸君。
「気の調整をしたブースト状態で、これだ。通常時だと、危険がいっぱいだ」
「調整の有効期間は?」
服部に訊かれた。
「男子は無制限、女子は2週間程度だろうな。機械人間相手で考えると。競技に関しては、競技期間中は有効のように調整はして有る」
男子の殆どは、性機能の調整だったし。
「真由美、七親父に調査依頼をしてくれ」
七親父とは真由美の父親である。ちなみに五親父は澪の父親になる。
「わかったわ」
「問題はガードだな…達也、澪、心当たりに、依頼しておいてくれ」
軍関係者の二人に頼んだ。
「やっぱり、陸軍なのか?」
服部が声をあげた。
「違う。これは軍部では無い。軍にアレを売った武器商人、開発したどこかの勢力だ。こんな短期間に軍では開発は無理だ。マンションと治療院の弁済が出来無いんだぞ、開発費が直ぐに手に入るとは思えない」
国会か閣議での承認が、軍部だと必要になるが…そういった動きは無いらしいから。
「勢力だと、どこが怪しいんだ?」
十文字に訊かれた。
「ここにいるメンツの家を除くと、怪しいのは9と1だな。海外だと大亜連合、USNA辺りかな」
「4は除くのか?」
十文字が不服のようだ。
「あぁ、4に関しては、新発田家が怪しい。他の家は調査中だ。あぁ、四葉家はシロだったよ」
「先生、まさか、四葉の本邸に調査に行ったんですか?!」
真由美が声を荒上げて訊いてきた。頷く僕。
「って、感じよ。情報を集約するとね。真由美、この競技会に参加しているのはどこ?」
「一条家は長男が新人戦にエントリーしているわ。九島家は、前当主が大会のお偉いさんなの」
「諜報が優れているのはどっちだ?」
「九島家よ。一条家は、戦闘に優れているのよ」
そうなると9が怪しいなぁ。
「その二家には注意しろ。あと、黒ずくめの集団もだぞ。タイマンでするなよ、タコ殴りの刑に遭うから…」
経験談を…
「見事にタコ殴りされてましたね…」
「タンクローリーに勝ったのに…お後がアレでは…ヒーローにはほど遠いですね」
など、散々な言葉が、生徒達から飛んで来た。まぁ、事実だ。受けとめておく。