「それじゃあ、今日のところはこれでおしまいだな」
「うん!」
私は金髪のお姉さんとの勉強を終えて、屋敷の下へと掛けていく。
台所に顔を出して、料理中のお母さんに声をかける。
「お母さん!終わったよー!」
私のその声に、こちらを振り向き微笑みながら。
「そうですか。偉いですね。お母さんはまだもう少し料理してますから、お父さんと遊んで貰ってきてくださいね。多分居間にいますよ」
「はーい!」
私が居間に駆け出していくのと同時に、金髪のお姉さんが台所に入っていく。
こっそり何を話しているか気になって、Uターンしてみる。
「ダクネス、何か変なこと教えたりしてませんよね?」
「当然だ。心配性だな、めぐみんも。それよりカズマの方がそうなんじゃないか?」
「カズマはあの子を溺愛してますから、そんなことしませんよ……おや、どうしたのです?」
ちらりと覗いていたのに気付かれてしまった。
「何でもなーい!」
そそくさとそのままお父さんのところへと向かっていく。
居間に入ると、お父さんは真剣に何か作っているみたいだったから、外に行こうとして。
「ん?どうしたんだ?」
そんな私に気付いて声をかけてきた。
毎回何故か気付かれちゃう。
「んーん、忙しそうだったから外に行こうって思ったの」
「いや、忙しくなんか無いぞ。どれ、ご飯が出来上がるまでお父さんと遊ぼうか」
お父さんはささっと道具を片付けて、色々遊び道具を持ってきた。
「何して遊びたいかな?」
毎回新しいものを持ってきてくれるから、どれにしようか悩んじゃう。
「うーん……これ!」
私は見た感じ可愛い絵柄が描かれた箱を指差した。
「パズルか……。よしいいだろう!」
お父さんは箱の中身をざらざらと出して広げていく。
「これはな、この表紙の絵と同じようにするために、この欠片を合わせていくってゲームだ」
そう言いながらみせるように、欠片同士をはめ合わせるお父さん。
見よう見まねで私もやってみる。
「おっ、凄いな。パッと見で分かるのか」
「うん!」
お父さんが褒めてくれると嬉しくなる。
魔王を一騎打ちで倒した英雄。
それがお父さんの話。
たまに聞かせてもらうけど、本当に凄いと思う。
そんな風に遊んでいると。
「お昼が出来ましたよ!」
「はーい!」
途中だったけど、お片づけして、テーブルに着く。
私の隣にはお父さんと、お母さん。
向かい側には、青髪のお姉ちゃんと、金髪のお姉ちゃん。
家族じゃないけど、家族みたいに話したりする。
「アクアお姉ちゃん」
「ん?なにかしら?」
「後でまた手品見せて!」
「ええ、いいわよ」
食事中だけれど、アクアお姉ちゃんにお願いしておく。
こうやって先にお願いしておかないと中々してくれないから。
「今日は出かけるのか?」
「うん、今日もこめっこお姉ちゃんと遊んでくるの」
ダクネスお姉ちゃんに今日の予定を聞かれるけど、そう答えると、少し残念そうに。
「そうか……」
悪いことしちゃったかな……。
そう思いながらも。
「ごちそうさまでした!」
「あれ、もういいのですか?」
「うん!」
そのまま走って屋敷を出て行く。
今日はこめっこお姉ちゃんと一緒に町の周りの散歩をする予定で。
急いで待ち合わせの場所に着く。
「お待たせ!」
「遅いよ?もう。それじゃあ――」
待ちくたびれたみたいな表情を浮かべながらも、こめっこお姉ちゃんは何か嬉しそうに地面に魔方陣を書き出し。
前に行ったことのある店の店員さんの悪魔が出てきた。
「我が使い魔バニルに命ず。私達の散歩に付き合ってください」
「……我輩、まだ仕事中なのだが……」
どうせ聞かないんだろうなと、呆れ顔でしょんぼりする悪魔さん。
「契約は……この激ウマ唐揚げ串でどう?」
「………そろそろ、我輩の趣向を分かって欲しいのであるが」
話を聞いてないこめっこお姉ちゃんに悪魔さんは仕方あるまいと言って串を口に運ぶ。
その串を一口食べると。
「食うか、ネタ種族の子よ」
「うん!」
残りを私にくれた。
いい人なんだ、いや、いい悪魔なんだ。
そう思いながら、こめっこお姉ちゃんに聞く。
「今日見せてくれるのはどんなのなの?」
「今日は爆発魔法を見せてあげるわ」
「わーい!魔法見せてくれるんだ!でも、なんで爆発魔法?」
お母さんは爆裂魔法だったけど……
「最強の魔法使いになりたいけど、爆裂魔法だとお姉ちゃんには勝てないから。
だったら、爆発魔法を鍛えるしかないと思ったのよ」
「ふーん、そうなんだ」
詳しいことはよく分からないけど、そういうことらしい。
「……そこにいるのは分かっている。まあ見ていればいいのである」
バニルもよく分からないことを茂みのほうに向かって言っているし。
「とりあえず、行こうよ!」
こうして私の冒険は始まったのです。
茂みの中。
「大丈夫だよな?」
「分かりませんよ、ああ見えてこめっこもたまに気付かないことがありますから」
バニルにばれているのは分かったけれど、心配で一応毎回見守っている。
過保護だなんてダクネスに言われてしまったが、知ったことか。
スペランカーみたいなことは俺一人で十分なわけで。
とりあえず、娘に向かって。
「『ブレッシング』!」
何処からか掛かった魔法に驚く俺の娘。
その様子も可愛いのだけれど。
「まあ、大丈夫でしょう。私達が影から見守ってあげれば」
めぐみんがそんなことを呟く。
「まだ、お腹にもう一人いるんだから、めぐみんも無茶はするなよ」
「分かってますって」
そう、この世界で何もせずにいられるとは思わない。
何か起こるのが普通の、フラグがある、この世界だから。
だが、めぐみんやその愛の結晶と共に過ごせるなら、それも悪くないかも知れない。
そう思いながら後をつけるのだった。
最終話を投稿させて頂きました、双碧という者です。天候が不安定になり、やる気などが振り切れてる中書いた内容でしたが、お楽しみいただけましたでしょうか?とりあえずこれで完結です。今後は、要望や、ネタが入ったら番外編として投稿することがあるかもしれません。
今まで見守って頂いた皆々様に最大限の感謝とこの素晴らしい世界に祝福を!の世界に更なる広がりを祈って。
『祝福を!』