朝六時。
高校の隅にある剣道場で凛として厳格な雰囲気を漂わせた少女が一人素振りをしていた。
長い睫毛を揺らす大きな瞳、桃花のように可憐な弾力ある唇、それに瑞々しく張りのある白い肌。どれもが生き生きと輝いていて若さを訴えており、ツンと尖った鼻先とともに美貌を創り出す。シャープな輪郭を包む栗色の艶髪をショートヘアにし、ボーイッシュな魅力が溢れ出ている。
それとは対照的に道着に包まれた肉体は女性らしく、道着からこぼれ落ちそうなほど豊かな胸元などは、圧倒的な女の魅力に溢れている。ビシッと絞められた袴が彼女のウエストが引き締まっているかを顕著に教えてくれる。手足もスラリと長く、高校生グラビアアイドルでも通る魅惑的な肉体美を備えていた。
そんな一人黙々と自主練をしている彼女の視界に一人の男子生徒が映る。
「どちら様でしょうか?」
持っていた竹刀を下ろし、少女は前触れもなく現れた男子生徒に声をかけた。
「突然の訪問申し訳ございません。僕は
「あ、そうなんですか。それはありがとうございます」
椿は自己紹介した男子生徒に優しい笑みを見せると礼儀正しく頭を下げた。
「今日は私だけ。というよりこの時間は私しか練習しないのですが、どんな練習をするか見ていて下さい」
そう言って少女は先ほど行っていた素振りを再開させようとする。
「あ、そうだ。これを見てくれませんか?」
「はい、どうかしまし――――」
そう言って振り返った彼女の目の前に、直太郎は催眠アプリを作動させたスマートフォンをかざした。
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「せい!せい!せい!……」
椿はリズムよく身体を前後に動かしながら竹刀を振っていた。飛び散る汗とともに
胸だけではない。キュッと引き締まった贅肉ひとつないウエストも、適度に張ったヒップも、彼女のメリハリのある
自分は剣術とは何であるかを何も知らない直太郎に
そう暗示をかけられた椿は着ている物を全て脱ぎ去り、直太郎に
無意識で「これはおかしい」と気づいているのか、彼女の頬は恥ずかしさで赤く染まっていた。しかし『
「せい!せい!せい!……ふう~」
時計を見た少女はゆっくりと竹刀を下ろした。
「これが私が練習する初めに行う5分間の素振りです。いかがでしたか、やっぱり素振りだけ見るのはつまらないですよね?」
少しばかり頬を染めながら尋ねる椿に直太郎は「いえいえ」と首を横に振る。
「十分に楽しめましたよ」
その意味が彼女のつんと張りのある乳房の動きや、裸で練習している姿を見せるという普通では考えられないことをわずかに恥ずかしなりながらも真面目に行った彼女にたまらなく興奮しただけだが、剣道少女は「よかった」と胸をなで下ろす。
そんな彼女を見て直太郎はズボンのファスナーに指をかける。
(次は男性器を竹刀という認識にさせて“竹刀を掃除してください”という暗示をかけよう)
そう思った時だった。
ピピピピピピッ!!
道場の端に置かれた鞄から電子音が鳴り響く。
「あ、いけない!」
椿は急いで鞄の中に入っていた時計を取り出し止めると脱ぎ捨てていた服を回収する。
「すみません鈴木さん!これから学校の準備がありますので失礼します」
そう言って全裸の剣道少女は更衣室の扉を閉めた。
気がつくと登校してきた生徒達の声が直太郎の耳に届く。
「……仕方がない。ここは一旦引くとしよう」
これ以上の行為が無理と判断した直太郎は昂ぶった身体を抑える方法を考えながら剣道場を後にした。