※この作品はR-18です。

オメガバース黒兎   作:紗代

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最初独白で途中から日記風になってます。


オメガの黒兎

気になる奴がいる。

なよっとしてて、イライラすることもあるけど。誰よりもお人好しでお節介で・・・優しくて、居心地のいい奴。きっと、この体質さえなければもっとずっと一緒にいたいと思っていただろう。

 

私がオメガでさえなければ。

 

年を重ねるごとに酷くなるヒート。

二次性徴を迎えてから確実に丸みを帯びていく身体。

捜査官でもない面識もない奴に狙われる日々。

好きで匂いを出しているわけじゃないのになんでこんなめに遭わなきゃならないのだろう。

 

きっと、私はずっとこのまま。一人で戦いながら生きていく。喰種としても・・・オメガとしても。

 

でも、そう思う度に思い出すアイツのことを思うと、心が締め付けられた。

 

*****

○月◇日

またアイツに会った。なんか前に会った時より顔色が悪い。とにかく具合悪そうに見える。わけを聞くと狩りが苦手なため「あんていく」からもらう加工された肉をもらって生活していたがこの間それをもらい損ね腹が減っているらしい。とりあえず餓えて捜査官たちが来るようなことになると困るので、色々考えた末に私の血を飲ませることにした。肉のような食感はないが、1区や2区の連中のように共食いで生計を立てる奴もいるのでたぶん腹に溜まるのではないのだろうか。

飲みやすいように首筋・・・と思ったがやめた。私たち喰種の結婚で用いられる部分だし、何よりこいつは匂いからしてアルファだ。項を掠ったら、というかどっちにしても余計なこと考えて暗くなられそうなので、面倒だけど羽赫の結晶で腕を切りつけそこから吸わせた。余程腹が減ってたのか凄い量を持っていかれた気がする。吸い終わったら赤くなってこっち見てきた。なんだよ、うまくなくて悪かったなでも喰種の血液とか肉なんて所詮こんなもん・・・は?甘くてうまい?味覚おかしいんじゃねえの・・・

とりあえず顔色もよくなったので今日はこれでお開きになった。

 

○月△日

そろそろ周期的にヒートがきそうだ。今回どこで過ごそう。アジトで過ごしたら間違いなくとんでもないことになるので色々な廃墟を回って薬と水を持ってじっとそこに引きこもる。というのが私のヒートのやり過ごし方だ。私の場合。、オメガの性質が濃かったのかフェロモンの濃さと範囲が尋常でないらしい。アルファに限らずベータも、極稀に同種のオメガさえも引っ掛かる。酷いと抑制剤を使っても動けなくなるし、姉貴曰くフェロモンも更に異常なまでに出てるらしいから今回の酷くないといいけど・・・

 

×月☆日

来ると思っていたヒートが一日で終わり拍子抜けした。いや、来ないでいてくれたほうが助かるけど。でも普通、私のヒートは一週間以上は絶対にあるので怪しい。

そういえば今日アイツの名前を教えてもらった。カネキ。声に出して呼ぶだけなのに、胸が締め付けられてざわついて、熱い。初めての、感覚。なのに悪い気はしなかった。

 

×月○日

今日もカネキと会って話した。思えば最初に会ってた頃より距離が近くなったような気がする。でも悪くない。むしろ、隣にいてほしい。近くにいるだけで、こんな気持ちになるとか、私も大概なのかもしれない。

でも、私はアオギリの樹に所属してるし、オメガだから一緒になっていいことなんかない。今までのこいつの言動からしてこいつは戦えるようになっても相手を殺せないタイプだ。なら私になんて構わない方がいい。オメガというだけで狙われるような奴と一緒にいるより、普通のベータの奴と一緒にいた方が幸せだろう。

アオギリの方のリゼ探しもそろそろ猶予がなくなってきたので、もうこれで会うのはやめようと思う。

 

□月❄日

今日、リゼがいるかもしれないという事で「あんていく」に行くことになった。はっきり言って私は行きたくない。姉貴もアイツも働いてるし、会いたくない。それになんだか朝から気だるくてほんの少し具合が悪い。今日はヒートの周期じゃないけど念のため抑制剤を持って行こう。

 

なんでだ。

タイミングの悪いことに私が店内に入るとカネキと姉貴二人に遭遇した。姉貴の攻撃をいなしつつ、店内を見渡すがそれらしい人物は見当たらない。万丈もあんまり反応してないし、外したか・・・と思っているとなにやらカネキとニコとヤモリのいる方から呻き声のような声とバッキバキにされている音が聞こえる。「お、かあさ・・・いかない、で」って聞こえるけどこれってヤモリの奴の声だよな?とそっちを見るとカネキによってバッキバキにされているヤモリの奴がいた。あまりの惨事に驚愕で固まる私とニコと万丈。そりゃそうだよなあのジェイソンがやられるとか思っても見なかったろうし。でもまあ、ヤモリには悪いけど二人が無事でよかった。私が姉貴に傷をつけてないとわかったらたぶんこの中で一番めんどくさい奴だったろうし。

その一瞬の安心が命取りだった。その瞬間、途端に熱くなる身体―――ヒートが来た。それもいつもよりずっとヤバイのが。そこで前のヒートが一日で済んだことを思い出した。嫌な予感はしてたけどまさかよりによってこんな時に来るとは。姉貴の拳が私の腹にヒットした。私は動けずそのまま後ろのドアに激突する。姉貴はまさか当たるとは思っていなかったのか驚愕で目を見開いたまま固まっている。なんつー顔してんだよクソ姉貴。いやカネキも似たような顔してるけど。

とりあえずその場で解散になり、ニコがヤモリを引きずり万丈もそれに付いて行った。私は持っている抑制剤を水で流し込んだ。それでもあまり効いていないのか廃墟の周りにアルファやベータの気配を感じる。動けるうちに抑制剤の調達と籠る場所の移動をしておかなければまずい。でも一番ショックだったのは、カネキにオメガだとバレたことだった。

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