朝起きると、今度はアヤセちゃんが僕に抱き着いてた。物凄く嬉しいんだけど、思いっ切り抱きしめられてるせいか、その、当たってる。男子なら誰しも一度は味わってみたいと思う・・・胸、が。
「アヤセちゃん、起きて」
「ん・・・カネキ・・・」
僕の事を呼んだけどそれは寝言だったらしく更に強く抱きしめられついには足まで絡ませてきた。
ほんと今日が休日でよかったと心底思った。
アヤセちゃんが家に来て約3日。オメガのヒートは少なく見積もってあと約4日。
アヤセちゃんはここでの生活に慣れたようで率先して家事をこなしてくれる(それも丁寧かつ素早く綺麗に)。
この三日間で色々あった。好きな女の子と訳ありとはいえ同居(しかも両想い)だなんてアニメやライトノベルの世界だけだと思っていたことが実現してしまっている。僕はまだ夢でも見ているんだろうか?そう思って頬をつねる。痛かった。
そういえば最近忙しくて日記をつけ忘れてた。アヤセちゃんの容態も抑制剤のおかげで安定しているので再開しよう。
☆月◎日
今日もアヤセちゃんの腕の中で起床。いくら抑制剤飲んでるからっていってもリラックスしすぎじゃないだろうか。僕、これでもアルファなんだよ?そう言ったら「あんたは特別だからいい。」とのこと。
嬉しいけどそれは僕の我慢の賜物であって本当はいろいろ危ないんだよ!?
☆月□日
なんだがアヤセちゃんが縮こまっていることが多くなった。フェロモンの量も心なしか増えている気がする。大丈夫なんだろうか?
そういえばオメガはアルファと番になることでフェロモンを出さなくなる、もしくは抑制することができる場合があると聞いたことがある。といってもフェロモンを出さなくなるのは稀でほとんどは抑えられるだけらしいけど。ないよりマシなのではないだろうか。
☆月△日
ヒート六日目。アヤセちゃんは僕のベッドにも寄り付かなくなり、トーカちゃんの持ってきた新しい抑制剤を多めに飲むとそのまま副作用で部屋の隅に縮こまったまま寝ていた。今までは僕のワイシャツ姿が多かったのに今日はいつも通りの肌を一切出さない格好だった。そのうえフードを被って手袋も着けてた。
☆月×日
昨日から今日に日付が変わった頃玄関先で物音がした。部屋の隅にいたはずのアヤセちゃんの姿もなかったので急いで飛び起きて玄関先に走っていくと例の、フェロモンの濃い匂いがした。そしてやっぱりその発信源はアヤセちゃんだった。
とにかく靴を脱がして部屋のベッドに寝かせると力の入らない手で抵抗したのでとりあえずまた抱きしめて落ち着いてもらおう。水と一緒に抑制剤を渡したけど飲んでくれない。聞いてみたらもうこの抑制剤でも抑えられなくなってしまったようで、もうどうしようもないというように苦しむアヤセちゃんに僕は―――