※この作品はR-18です。

ジ・アンブレイカブル・ハート   作:SAMICO

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松本中将との喧嘩のあと始末とその後。


結衣が中部警備府にやってくるに至る経緯。


Epilogue:黒幕とその終焉

結衣は、この功績をもって少佐に昇進。軍大学に進学し、一年のカリキュラムの後、中佐に任官された。

結衣は警察庁への出向を命じられる。今度は警視として。

警察庁に戻ってきていた斎藤警視長と共に、警備局公安部に勤務。

その後数ヶ月、内閣府に出向し、大淀の元で艦娘行政の何たるか、も身につけることになる。

ある意味休暇配置となった期間を経て、再び情報部に舞い戻ることになった。

この時期に、以前失脚していた松本中将等、強制退役して(軍から追放されて)いた軍人が、次々死んでいく怪(・)事(・)件(・)が全国で発生していたが、

結衣は、それについて多くを語らなかった。

「結衣は、『ま(・)だ(・)喧嘩が終わった』なんて、言ってなかったんだけどなぁ」

と、一人呟きながら。

 

その後は海軍情報部に出向。情報部の高天原智子の上官として、赴任することとなった。

部下となった智子には、こう教えた「この仕事に血(・)も(・)涙(・)も(・)要らない。粛々と任務を遂行し、目的を果たす。自分も他人も全て疑い、事実だけで判断する」。

そんな結衣は、安藤龍の室戸泊地再生の手(・)助(・)け(・)の(・)黒(・)幕(・)となって、色んな所に飛び回り、調整する日々を送っていた。

龍が行った、全(・)て(・)の(・)不(・)正(・)行(・)為(・)を(・)揉(・)み(・)消(・)し(・)たり、沖縄の米軍の廃棄品を、格安で横流しできるように沖縄の我那覇少将に話をつけたり、佐世保の司令長官に、室戸泊地の箔付けで獲物を譲ってもらったり、色々である。

安藤が交渉をした先(海人艦隊と佐世保鎮守府)は、高天原のリークにより先回りして、既に話を整えておいてあったのだ。

高天原と安藤からもたらされた情報により、第13泊地に清霜を送り込み、その制圧に、湊(・)を(・)指(・)名(・)す(・)る(・)ようそれとなく山本に促し、

色々な政治的なコネを用いて、なし崩し的に湊を司令官に持ち上げたのも、全て結衣だった。

もちろん、龍が私(・)利(・)私(・)欲(・)に(・)走(・)っ(・)た(・)瞬(・)間(・)に彼のことも、処分するつもりでいたが、目的意識の塊の不器用な男が、そんなことはま(・)ず(・)な(・)い(・)、と言う確信を持っていた。

そして、安藤と取(・)引(・)の(・)あ(・)っ(・)た(・)泊(・)地(・)全(・)て(・)に査察を送り込み、全て『国外への横流し』として処断。

安藤に、物資を売っていた証拠は、全て闇の中の為、監察部も彼等の証言は、一(・)切(・)信(・)用(・)し(・)な(・)か(・)っ(・)た(・)。安藤も用心を重ねて、ボロを出すような取引もしなかったのも、結衣の仕事を楽にしてくれる。

査察で失脚した関係者は、後に様々な死因で死んでいくことになる。まさに『死人に口なし』である。

 

 

この間に、世間ではハワイ大戦が終わり、ひ(・)と(・)ま(・)ず(・)の(・)平(・)穏(・)が訪れたが、影である結衣には、関係のないことだった。

彼女はこの間に大佐に昇進して、再び統幕情報部に戻って来ている。漸く殉職時の父親に、階級で並ぶことになった。

敬愛していた父親に追い付く、という、幼(・)少(・)期(・)の(・)目(・)的(・)を果たすことが出来た。

この時数年ぶりに、母親(春江)の入院している精神科病院に赴いた。母親(春江)は腕に点滴をつけながら、生きながらえている。

目は焦点を合わせておらず、外の呼びかけには一切反応しない。生(・)け(・)る(・)屍(・)。

「ママ。結衣の一つの目的、果たせたよ。パパに漸く、追い付いたよ」

その言葉を聞いた母は、少し笑った気がした。

 

これで、一つの戦いは終わった。だが、結衣には新しい目的があった。

二人の姉妹を狂わせた、『第三世代艤装計画』の全(・)容(・)を、知ることだった。

大佐に昇進した彼女は、漸く機密情報を扱う責任者として、その情報を閲覧することが可能になった。

二人の人生をここまで破壊した計画の全てを知って……結衣は愕然とした。そして、ひとりきりになって、一日中泣き続けた。『ジ・アンブレイカブル・ハート』……壊れない鉄の心の彼女をすら涙させた、酷い計画だった。

失(・)敗(・)し(・)て(・)よ(・)か(・)っ(・)た(・)、その狂った計画。だが、結衣は一つだけ、引っかかりを感じていた。

『何故、湊(・)の(・)艤(・)装(・)が(・)展(・)開(・)で(・)き(・)な(・)か(・)っ(・)た(・)か』だった。

結局、第三世代艤装計画は睦月と初雪の艤装コアを使い、霊子を同調させた二人に、組み直した艤装を組み込む計画だったのだ。

理(・)論(・)上(・)は、両者艤装が展開出来ておかしくない。オーバースペックなら、何故プランをダウンスペックにしなかったのか。

一年かけて、当時の関係者を調べたものの、満足の行く回答を得ることが、できなかった。

『何かがおかしい』

そう感じた結衣は、転属願いを出した。政治的なコネも、山本への私的なコネも持っている結衣には、容易いことだった。

行き先は、海軍中部警備府で、技術補給監理官として赴任することとなった。

初めて自分の『直感』を信じて、長年身をおいていた情報部から、離れることを決めた。

 

自(・)由(・)奔(・)放(・)な(・)問(・)題(・)児(・)が、中部警備府にやって来たのだ。

結衣の、何かがおかしい、その疑(・)問(・)を(・)探(・)る(・)旅(・)が始まった。




電 「はっきりわかったのです。結衣は変態さんなのです」
結衣「今更かよっ!」
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