「ニャ、もうすぐ着くニャー。」
ラン「もうすぐ…か。」
トール「村に帰るのがこんなに辛くなる日が来るなんてな。」
九死に一生を得て、村に帰るのは本来安堵に包まれているはずなのだがそうもいかない。もちろん狩りは命の渡り合い。いずれは自分が知っている誰かが死んでしまうかもしれないと思っていたが、いざ目の前で起こるとなるとほぼトラウマのようになってしまう。ユクモには既に伝書が届いており、ベインの死とリンの帰還は村の皆に知らされていた。到着してラン一行の胸を締め付けたのは、いつぞやリンが拐われた時のランのようにカールが門の前で立っていることだった。
「カールさん…」
「ラン…みんな…お帰り…村長が待ってる。そいつが幻獣?…綺麗だな…」
そして宿屋に行くと村長とレイムが待っていた。
「あぁ皆さん。よくぞご無事で。ベインさんのことは残念でした…彼女の明るさに和まされた者も多いことでしょう。皆心を痛めております。そしてリン。お帰りなさい。よく戻ってくれましたね。ユイ様も興味をもっていましたよ。」
「ユイ?」
レイム「嵐龍のことだよ。色々あって今は僕の番だ。明日連れてくるよ。」
「嵐龍がここに?絶滅寸前と聞いていましたが…随分と面白い運命に巻き込まれたようですね。」
「さぁ、細かいことはまた明日にして、今日はもうお休みなさい。」
翌日、異色の古龍達が対面した。
「あなたが幻獣…よろしく。」
「えぇ…ところであなたも…」
「聞きましたよ。私は応じるつもりはないですが。今の王は正気ではない。(レイムに寄り添い)私は彼と共にすることを決めました。」
一緒にいたランとレイムは困惑する。
レイム「どういうこと?」
ユイ「はて、あなたは分かっていると思っていたのですが…」
「?」
「
「詩?まさか…」
ラン「なに?」
リン「簡単に言うと、王が我々古龍に呼び掛けたのです。人間の殲滅を。」
──────────────────
「まさかあの父上があの後になって子をつくっていたとは…」
「どうする?かなりの力を持っていた…」
「そんなことはわかっている。お前を追い払ったのだからな。」
人の近づかぬ聖域にて、王と呼ばれた祖龍ミラボレアスは同じ種の血を持つ紅龍と話している。
「何か問題でも起きたか?」
別の声が空から降り、巨大な翼と猛々しい角を持つ、純白の獅子にも見えるそれは舞い降りた。
「我が父とその下僕の間に混血の祖龍が産まれていたらしい。平衡を語り、やつを人里から追い払った。」
「平衡?」
「人間の絶滅に反対し、共存の道を作ると。」
「なら問題ない。」
「なに?」
「それならその混血はここに来る。その時殺せば良かろう。」
「そうか…で、お前の方はどうだったのだ?」
「あの煌黒龍…煌黒龍のくせに偶然生き延びた苗床を妻とぬかし、さらには幼子がいるから無理だと言った…」
「殺したのか。」
「子供の手足を目の前で引きちぎってやりたいところだったがあれを敵に回すと少々面倒だ。邪魔する様子もないから放っておいた。どのみち、あんな呆けたやつなど同志にしたくない。」
「まぁそうだな。そんなやつには分かるまい。我々の嘆きが…」
──────────────────
ユイ「危険です。」
レイム「わかってる。でもすぐにいかないと、今にも世界中の古龍が動き出しているかもしれない。」
「私も行きます。」
「駄目に決まってる…とりあえず、色々やることもあるから…そうだね、明日にでも出発する。」
その日の夜、ベインの追悼の後、ランとリンは温泉に浸かっていた。
「なんか大変なことになってきたな…」
「そう言う割には嬉しそうですが?」
「不謹慎…かな。」
「私に人間の習慣は分かりませんが───」
「別にいんじゃねー?」
「ゴン!いつの間に…」
「前だってそうだったじゃないか。イビルジョーの時だっておんなじことで悩んでなかったっけ?」
「そんなこともありましたね…同じこと?」
「あれ、リン聞いてないのか?リンに告白した理由、あの光景をみて突然リンが───」
このあとゴンがどうなったかはご察しである。
話題はレイムのこととなり
「混血の祖龍…やはりただ者ではなかったということですね…」
そのレイムとユイは霊峰へ戻っていた。
「まぁお前らも似たようなもんだろ。そういえばお前らって子供出来んの?」
「えぇ恐らく。人と竜なら不可能ではないはずです。彼もそうして産まれた訳ですし。」
「そういやそうだったな。」
「いや、この目見て忘れないでよ。」
ランの目はまんまセルレギオスであり、瞳孔も縦筋である。
「あぁもう慣れたからな…ランとリンの子供って人間?キリン?」
「産まれてみないとわかりませんね。」
「リン、本当にいいの?俺ってリンよりずっと弱いけど──」
「今更なにいってるんですか。そうでなければまぐわったりしませんよ。あの時以来はしていませんが今も変わりません。」
と、言い終わってからハッとした。ゴンはニヤつきランは赤くなる。
「じゃ、俺は先に出るから。お先~♪」
「あっゴン!…うぅ…」
「ごめんなさい。そんなつもりはなかったんですが。」
人と竜の性意識のギャップを痛感する瞬間だった。
───────────────────
「ハァ…本当に行ってしまうのですか?」
一度力を抜いて夫に頬擦りするユイ。
「あぁ。」
「なんだか…あなたを失ってしまいそうで…」
「そりゃあ本音を言えば僕だって戦わずに、穏やかに暮らしたいさ。」
あやすようにユイを撫でながら
「そうなればすごく幸せなんだろうな、って思う。もちろん今も十分だけど、こうなった以上、そして僕がこの血を持っている以上仕方ないんだ。…今ぐらいこの話題やめない?」
「そうですね…」
抱き締められる温もりと、
(このまま孕んでしまえば大人しく彼の帰りを待つことが出来るのですがね…)
やがて今までより少し強く突かれそのまま密着させるように抱き締めてきたので自身も快感に耐えながら膣の動きをさらに強める。そして待ち焦がれたものが注がれ絶頂の声を上げると共に長い至福の時間は終わりを告げた。
───────────────────
「旦ニャさん…」
サクラは独り農場でナルガクルガ家族が子供に夜の戦い方を眺めていた。産まれてさほどたってない故に遊び半分のそれをもしかつての主人が見ていたらどういう感想を述べるだろうと考えると、切ない気持ちが込み上げてくる。
「あ、いた。」
「ランさん?」
両手で目を擦りながら
「どうしたのニャ?」
「サクラってこれから猫バァに引き取られるんでしょ?」
「多分そうニャるニャ…」
「ならさ、リンとも相談したんだけど俺ってまだオトモアイルー雇ってないじゃん?だからサクラが良ければ俺のお供になってくれないかな。」
「ニャ…!?」
「給料のことは後で決めるとして…やっぱ俺だけだと留守の時大変だからさ。あ、いやサクラを依頼に連れてかないって訳じゃなくて…ほら、リンも妻、だし…どう?」
「も、もちろんですニャ!私で良いニャら!」
「じゃあ明日猫バァが来たら言っとくよ。家は前のままで良い?」
「はいですニャ!よろしくですニャ!」
サクラはあの日以来初めての喜びを感じたのだった。意気揚々と戻って行くのを見届けるとランも自宅に戻る。
リン「どうでした?」
「良いって。明日から準備する。喜んでくれたよ。」
「それは良かった。ずっと寂しそうでしたからね。」
そう言ってリンはランにキスをして大きなベッドへ。ランも服を脱いで後に続くとリンの秘裂は既に濡れていて、誘うようにヒクヒクと桃色の柔肉を見栄隠れさせているのでランもすぐに準備ができる。先端をあてがい、ズニュッと一気に押し込んだ。
「ハァ…リン…」
背中を抱けば沸き上がってくるのは情欲だけではない。しばしの間その温かく柔らかいそこに納めたままリンを撫で、互いに視線を交わすと動き出した。腰を引けば逃がさないとでも言うように絡み付き、そこを掻き分けるように突き入れる。しばらく続けるとリンが達したのか締め付けがさらに強まって動きを激しくすればリンは小さく嘶きながら熱い息を漏らした。前はその後もしばらく続けられたのだが、ずっと性欲と疎遠だったせいかランにもすぐに耐えがたい快感がせり上がり、自らが付けた妻の名前を呼びながらその熟れた奥底に精を吐き出す。いつもの伸びの後、余韻の沈黙を破ったのはリンだった。
「暖かい…クス…前よりも多く感じますね。」
「そ、そりゃあ僕だって成長したし。」
「確かに、背も随分大きくなりました。…ラン。」
「うん?」
「ごめんなさい。くだらない意地を張ってしまった…こうしていると、これがどれだけ幸せななのかが分かります。」
「それは…僕も同じだよ。」
「お互い、体は正直でしたね。私もまさか再会しただけで発情してしまうとは思いませんでした。」
「え?」
「さっき私の秘部…動いてましたよね?あれ無意識なんです。心と…体の準備ができるとあぁなるらしいです。」
「準備って…それって──」
「仔を育む準備ですよ、ラン。もちろんあなたは同族ではないので確実ではないと思いますが。」
なんとも言えない気持ちになってランはリンの首を抱き締める。その後向かい合ってキスを交わすと眠りについた。
翌朝、ランが起きると既にレイムは村に降りていて、黒衣の者と話している。
「あぁラン、おはよう。」
「レイムさん…その人は?」
「私は煌黒龍に仕える者である。竜の子よ、お前にも話しておこう。先日祖龍が呼び掛けたことは知っていよう。だが事はもっと大きい。」
「どういう事ですか?」
レイム「ヴェルサ・ノワが関わっていたんだ。」
「左様、先日煌黒龍様に直接会いに来たらしい。煌黒龍様は妻子を理由に断ったが、かの龍が関わってくるとなると事はより複雑だと言えよう。だからそれを伝えにここに来たのだ。」
「ヴェルサ・ノワって?」
「もう一つの白き龍だ。…元々大昔に祖龍がこの世界を浄化した後、人間との本当の意味での共存を実現するために、人間と龍の架け橋となる命を持った龍だ。そしてその龍はかつて己が認めた人間に自身を駆ることを許し、共に世界を救ったと一部の地域で伝承されている。」
「そんな龍がどうして?」
「わからぬ…まぁ煌黒龍様は察しておられていたようだが。」
「レイムさん…本当に行くんですか?」
「あぁ。話だけでもしてくる。」
「我が主はお前を行かせるべきではないともおっしゃっていた。やつらがお前を生かしておくとは思えん…」
「なら戦うだけた。大丈夫。ユイを置いては逝けないよ。」
そう言ってレイムは塔に向かって出発した。
「レイムさん…大丈夫かな…」
「レイムさんなら大丈夫ニャ!」
彼のオトモアイルー兼医療猫のルーシーを見てふと思い出す。
「あれ?そういえばギンガムは?」
「御使いにいってるニャ。じきにわかるニャ。」
そして残ったランはリンと一緒に、ずっとカールに任せっきりだった見回りへ。サクラは手続きがあるので村に残った。
「あの方なら大丈夫ですよ。」
タケノコの新芽を食べながらリンはそう言う。この神々しさと愛嬌のある幻獣がイビルジョーを瞬殺し、自分と熱くまぐわうのだから龍も見かけによらないのだ。と、考えているとどこからか雄叫びが聞こえてきて一人と一匹は顔を見合わせる。
「水生獣…でしょうか。」
「…行こう。」
「はい。」
───数日前、ココット村にて───
「第2子おめでとうエミリ。散歩かい?」
「あぁ。」
少し前に妊娠が発覚し、やや膨らみを帯びたお腹を擦りながら女ハンターはオトモアイルーと夫のセルレギオスと共に森へ。
「旦那さん、ラン君には手紙書いたのニャ?」
「あー…忘れてた。せっかく妹か弟が出来たのに。」
全くだ。と言うようにセルレギオスが唸る。
「ラン君もたまには帰ってきてほしいニャ。」
「仕方ないよ。専属ハンターなんだから。それに、きっと彼女のキリンのこと、諦めてないんだろ。早いわねぇもう親より彼女を優先する歳になったのかぁ…」
夫をみて逃げ惑う草食獣を眺めながら特に目的もなく歩く。
「それにしても旦那さんは本当に運が良いニャー。普通だったら子供一人出来るだけで奇跡みたいニャのに。」
「まぁ…ね。発情期にあんだけやってりゃあ当然みたいに思えるけどな。」
セルレギオスは悪びれるどころか嬉しそうだが。
時折休憩を挟みながら歩き続け、そろそろ戻ろうと村に向かっていた、その途中。
「な…嘘でしょ…!」
のっしのっしと現れたのは見るからにヤバそうな、赤黒い蒸気を全身から噴き上げているイビルジョー。逃げる獣に目もくれず、真っ直ぐこちらへ向かってきた。すぐさまセルレギオスがエミリの前に立ちその刃鱗を浴びせるが、それは皮膚の表面にほんの少し傷を付けただけで弾かれる。決して弱くはないG級のセルレギオスだが、立ち向かっていった彼はいとも簡単に返り討ちにされた。そしてイビルジョーはセルレギオスの尻尾をくわえると、あろうことか何回転か振り回し、木を何本も倒す勢いで降り飛ばす。
「セル…!」
「キ…キギャア!!」
苦し紛れの威嚇は注意をこちらに向けるため。すなわち我が子を宿した番の雌を逃がすため。最後の悪足掻きをしようと構えたセルレギオスに、極み喰らいし者は勇々と近づき、どこからか喰おうか思案するため立ち止まった。そのタイミングを見計らったように、"それ"はエミリの目の前に着地した。
「ナルガ…クルガ…?」
何の前触れも、気配も、音も無く、しかし確かな微風を纏って現れたのは純白のナルガクルガ。体のところどころに紅の模様があり、全身が淡く光っている。
「よぉ…随分とご機嫌そうだな。白龍の使い魔さん。」
確かな人語でそう話しかけるとイビルジョーは慌てて振り向いた。
「悪いことは言わねぇ…帰りな。」
これで聞き入れたら戦争なんてこの世に存在しないのである。イビルジョーは力を溜めて少し仰け反る。ブレスだ、しかし隠れる場所がない、とエミリが思った瞬間
「…そこにいな。」
「え?」
ナルガクルガが消えた…と思ったらイビルジョーが横に弾き飛ばされていた。首に深い切り傷もある。思わず近くに寄ろうとすると
「だから動くな。みじん切りになるぞ。」
そう言われて気がついた。ナルガクルガは既に動きを止めているのにギュンギュンという音がしていて、目を凝らせば地面や草木が現在進行形で削られている。それはナルガクルガが今いるところまで続いていた。
「もしかして…移動したのニャ?」
「あり得ない…速すぎる…」
イビルジョーが起き上がる。
「さーすがタフだな。
めんどくさそうに伸びをすると
「でも残念ながら俺もなんだよなぁ…お前と同類って思いたくは無いがな。」
イビルジョーが脚を上げるよりも速く、これまた目に見えぬ速さで尻尾を振る。そしてイビルジョーが距離を詰めようとすればそれを予測して宙に放った尾棘が降り、深く突き刺さった。激痛に怯むも再び視線を戻すが、既にそこに敵はいない。
「遅い。」
首から先を失った体は数歩よろめいて倒れた。
「まだ動くなよ。
「助けて…くれたのか…?」
「あぁ。お前、エミリだな?」
「え、あ…はい。」
思わず敬語になるエミリ。
「弟にお前達を守ってくれと言われてきた。」
「弟?」
「あぁ。俺はリヒト。幻月の守人、レイムの兄だ。」
〇〇〇
「…体は平気か?こいつがしつこいくらい心配してるぞ。」
「私は平気。セルこそ…」
「そんなに酷い傷じゃない。2~3日寝れば治んだろ。」
ギンガム「僕もそう思うニャー。」
ギンガムがレイムに頼まれてリヒトを呼んだのである。
「ところで何故私たちを?」
「あのイビルジョーはたまたま来たんじゃない。お前達を狙って来たんだ。厳密には命令された。」
「どういうこと?」
「龍王が人間の絶滅を呼び掛けた。それでお前達も狙われるだろうってレイムは睨んだわけだ。その通りになったな。」
「何故私たちを?」
「人と竜が交わるなんてけしからんって感じだろ。」
「それ、ランは…私と彼の間にできた───」
「知ってる。レイムがそいつと行動しているから問題ない。だが俺はあいつが心配だから合流したい。ユ…ユクモ?に来てくれないか?」
───────────────────
「何も無いっていうのがねぇ…」
カールは一人ベインの家の椅子に座ってボーッとしていた。何となく見つけたナルガクルガの観察日記を読んでいると熱いものが込み上げてくる。
「旦ニャさーん!どーこニャー?」
「セバスチャン?」
不意に自分を呼ぶ声が聞こえたので涙をぬぐって外に出ると
「いたニャ!ランさんがロアルドロス亜種を追い払ったそうニャ。次カールさんが行くときは気を付けて、っていってたニャ。」
「もう帰って…もう日暮れ?」
「どこにもいニャいから心配したニャ。」
「わりぃ。じゃあ夕飯でも食いにいくか。」
「ニャ!」
〇〇〇
ラン「村長、お呼びですか?」
「突然ごめんなさいね。先程守人から伝書が届いたのですが、あなたのお父様とお母様がここに滞在するそうです。それとご兄弟を授かったそうですよ。」
「え、マジ?2年前に帰ったっきり会ってないし連絡もしてないや。」
「それと、護衛としてリヒト様も一緒に来るらしいので農場の竜小屋をまた拡張しないとですね。」
「また増えるの…?」
「レイム様のお兄様ですよ。」
「そういえば言ってたな…竜が護衛って…すごいな。」
〇〇〇
その後温泉で
ゴン「へー、じゃあもう動物園みたいだな。」
「確かに…」
セルレギオスにナルガクルガ通常種と亜種とその子供、そして伝承すら乏しい極ナルガクルガ、キリン、時々アマツ。広告を出せば学者という学者が押し寄せて来そうなメンツである。
と、リンが少しソワソワし始めたのに気づいて
「あ、じゃあゴン、先に上がるね。」
「おう。お休み。」
察したのか本当に気づいていないのかは定かではないものの、ひとまず自宅へ。
「リン…」
抱いて、ねっとり舌を絡ませればお互い出来上がる。リンの秘裂は昨日よりも活発に、ヒクッヒクッという感じで膣口を露出させている。実は今日、調べてみたのだが馬も発情期はそうやって雄を誘うらしい。
「挿れるね。」
「はい。」
突き入れ、昨日とは違ってすぐに腰を振る。まさに絡み付いてくるリンの中を、気がつけば激しくかき回していた。時々くる射精の予感。しかしもっと長く、いつまでもリンと繋がっていたいと思い、込み上げてくる度に収まるまで引き抜いてまた突いた。リンは何も言わずにその焦らしに耐えながら何度も絶頂する。長く交わって、ランが行為を中断する頻度が多くなって来たとき、またもや結合を解くと
「ラン…私…」
と切なげな目で見られ遂に限界が来た。今にも暴発しそうな肉棒をもう一度押し込み、出し惜しみをするかのように下腹部に力を込めながら腰を打ち付ける。
「リン…出るっ…」
ビシュッ…ビュクッ…ビュクッ…
溜め込んだ、血筋のせいか濃さも量も常人よりずっと上の精液を惜し気無くリンの熟れた奥底に注ぎ込み、リンもその刺激に体を震わせた。
「リン…良い?」
「もちろんです。」
一度では出しきれず、そのまま再開。ジュ…ジュ…と音をたてながら先程同様情熱的に動くと今度はすぐに射精。独特な倦怠感と満足感に襲われながら引き抜き
「ごめん、夢中になっちゃった。」
「謝ることじゃないですよ。とても心地よかったです。」
「俺もだ。ありがとうリン。」
いつもの伸びの後、一人と一匹はさも幸せそうな顔をして眠りについた。
───────────────────
リヒト「ったく何で俺まで荷物背負わされてんだよー。非常時動きにくいだろうが。」
守人「まぁそう言うな。…と、いつの間に雲行き怪しくなってきたな。」
「ん…?」
空を見上げると大きな積乱雲が近づいてくる。
「早めに野宿するところ決めた方が良さそうだな。」
「あぁ…」
(あの方向、そしてこの感じ…そういえばレイムの…レイムがなんかしたのか…?それとも野生のやつが呼び掛けに応じたのか?どちらにせよ良い予感がしないな…)
───────────────────
ラン「ふぁ…ちょっと寝坊したかな…あれ?」
早朝とは言えない時間であるのに、いつも日の出ぐらいに目を覚ましているリンがぐっすり眠っている。
(可愛いな…)
角が刺さったらシャレにならないので寝るとき等は分厚い毛皮で作ったカバーを着けているのだが、それが余計可愛らしく見えた。服を着ているとようやく目を覚まし
「あ…おはようラン。」
「おはよう。よく寝てたね。」
「えぇ。こんなに長く寝たのは初めてかも知れません。」
そして着替え終わったランにすり寄ると
「ラン…側にいてください…」
と言って甘えたのだった。
───────────────────
(今日はもう休むか。)
適当に休めそうな場所を見つけ、そこに落ち着く若い混血の祖龍。目的地まであと少しなので行こうと思えば行けるのだが、王の下僕たちもいるだろうし、万全を期すため訪問は翌日にすることとした。
(さて…どうなるかな。)
次回『兄弟』
性描写のてんこ盛り。頑張りました。これから忙がしくなるのでまた少し間隔が空くかもしれません。途中放棄は絶対にしないのでこれからも応援よろしくお願いします。