※この作品はR-18です。

四次元ポケットを手に入れて異世界へ行ってきます!   作:TNKエース

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今までの中で一番長い。



ドルトコロニー前半

ドルトコロニー

 

チョーシにノッタブルーワーズを〆てから翌日。

流石のイサリビも四十名以上の人間はキャパシティオーバーで半分はムサシで預かる事にした。

 

ウチで預かる二十名の内半数が生活班に残りの半分が整備班に

何人かはパイロット勤務を希望していたので、新規製造したオニクス(阿頼耶識対応型)二機を貸し出すことにした。

 

最初は余所余所しい少年達もルリやハヤナ達、年若い面々のお陰で(助平根性とも言う)仲良くなる。

今では生活班の先輩方に指導のもと仕事に励んでいた。

 

 

 

 

 

 

フミタン・アドモスは雇い主のノブリス・ゴルドンの指令を見ていた。

 

「『手筈は予定通り、

クーデリアを伴いアフリカンユニオンの工業コロニードルト3に入港せよ』ですか」

 

フミタンはクーデリアに貰ったペンダントを見つめていると、

 

コンコン

 

とドアを叩く音がした。

 

フミタンは一体誰かと思いドアを開けてみると、

 

「どーも、フミタンさん」

 

カイトであった。

 

フミタンは彼が苦手だった。

と、言うより理解不能な人物だ。

 

貴重なMSを何機も持ちながら、それを簡単に鉄華団に譲渡する愚か者。

と思えば冷徹な現実主義者のようであり、クーデリアのような夢想家、時には名瀬・タービンと共に飲み過ぎて二日酔いで怒られているのを見た。

 

そのような無茶苦茶な人物をフミタンは苦手だった。

 

「定期検診のお時間ですよ」

 

そういえは今日でしたね。とフミタンはスケジュールを思い出す。

 

カイトの発案で鉄華団とクーデリアとフミタンは月一程度で定期検診をしていた。

 

特にまだ幼い年少組や一般人のクーデリア達やアトラにはカウンセリング等の相談事もしている。

 

「ああ、そういえば今日でしたね。

お嬢様をお探ししますので、少々お時間を」

 

「ああ、クーデリア嬢でしたら、先程会いましてね、

先にムサシに向かっていますよ」

 

「分かりました。それでは」

 

「ええ、また」

 

二人は何気なく別れて行く。そしてカイトはイサリビのとある個室に入って行く。

 

「で?クーデリア嬢。お話とは?」

 

そこには椅子に座り、若干顔を紅く染めているクーデリアがいた。

 

 

 

 

 

事の顛末は三十分前だ。

 

カイトと三日月はラミネートソードの訓練の一環として素振り等の訓練をしていた。

 

これは、三日月がブルーワーズの船の兵装を攻撃した時に、斬撃の線がズレるのを使いづらいと言うので、カイトが刃筋や刀の握り方等の講義をし鍛えていたのだ。

 

そして訓練を終え片付けを終わらせて歩いていると、顔を染めたクーデリア嬢がいたので、相談に乗ることにしたのだ。

 

「で、お話とは?」

 

「はい……あのカイトさんは、好きでもない人とキスを出来ますか?」

 

ふむ、とカイトは指を顎に当てて軽く考え込むふりをする。

 

「三日月にでもキスされたか?」

 

「何故!それを!?」

 

カイトの看破にクーデリアは驚く。

 

「なんとなくな」

 

カイトは持っていた水筒から麦茶を注いで飲み込む。

 

「で、どういう状況でされたんだ?」

 

「そ…それは…」

 

 

 

 

 

クーデリアは昨日の事を思い出す。

 

きっかけはブルーワーズとの戦いで敵にも味方にも犠牲も出ず、ブルーワーズにいたヒューマンデブリの少年兵達が鉄華団とマーチウインドに保護されてクーデリアは安堵していた。

そうしていると、不意に三日月が現れる。

艦内は既に夜の時間で普段ならもう眠っている時間のはずだ。

 

ーー三日月、眠れないのですか?ーー

 

ーーいや、………いる?ーー

 

差し出される一粒の火星ヤシ、以前食べた時は苦味と酸っぱさの混じり合ったあの味を思い出すがクーデリアだが、せっかくの好意を無駄にするわけにもいかず、意を決して両手を差し出す。

 

ーー少しだけ、甘いですねーー

 

恐る恐る火星ヤシを口に運ぶクーデリア。

口に含むと以前味わったハズレの火星ヤシの味を思い出すが、口内に広がるのは以前とは違う程よい甘みだ。

 

火星ヤシを咀嚼している途中、クーデリアはふと三日月の方を見る

 

ーー三日月……?ーー

 

ーーさっきの戦いで、敵を上手く斬れなかった時、これじゃあ、ちゃんと殺せないって思って…なんて言うかムカムカしたんだ。

俺…人を殺すのが好きなのかな?

 

ーー三日月………っ!そのような事は………ーー

 

だが、否定をしようとしてクーデリアは気づいてしまう。戦いに赴く三日月達に対して、艦の中でただ守られているだけのクーデリアには到底理解のできない事である。

クーデリアは外を見る三日月の眼を見る。

その瞳の奥には無意識のうちに溜め込んだ悲しみや悩みが溜め込まれており、クーデリアは自分には何も出来ないのかと考え込む。

 

そして、クーデリアはふと昔の事を思い出した。

幼い頃、怖い事や悲しい事があった時、彼女はよくフミタンに抱きしめられていた。

そうすると、不思議に悲しみや恐怖がなくなっていくのを覚えている。

 

クーデリアは三日月をギュッと抱きしめ、背中をポンポンと優しく叩いていく。

 

ーーは?ーー

 

ーーあ、あの! 昔フミタンがこうしてくれて、それでちょっと落ち着いたので………

 

その、すいませんーー

 

クーデリアはそう言うと三日月から離れる。

その顔は恥ずかしさで紅く染まっていた。

三日月はその行為に何を思ったのか、不意にクーデリアにキスをする。

 

――な、な、何………!?ーー

 

――かわいいと思ったから。名瀬さんが、かわいいって思ったらキスするんだって。ごめん。嫌だったか?ーー

 

――い、い、嫌とか、そういう問題ではなく………それ以前にこういうのは………ーー

 

 

 

 

 

「それから先はよく覚えていません」

 

「甘いなぁ」

 

カイトは何時もは飲まないブラックのコーヒーを飲み込む。

 

「まあ、質問の答えは時と場合によってはイエスだ。ほら、テレビドラマとかでもキスシーンとかあるだろ。あれだって好きでもないけどキスしてるぞ」

 

カイトの言葉にクーデリアは、はっ!?と気づく。

 

「三日月の場合は、純粋にクーデリアが愛おしいと思ったからだろう。短い付き合いだが、アイツはそういった男だ」

 

クーデリアはそう…ですか。と呟き頰を赤らめる。

そうしていると艦内放送が鳴り響く。

 

「クーデリアさん。クーデリアさん。ブリッジに来てくれませんか?」

 

クーデリアは何故ブリッジに?と思ったが、

 

「ああ、そろそろドルトコロニーが見える頃だな」

 

カイトはそう言うと立ち上がり、クーデリアと共にブリッジへと向かう。

 

 

 

 

 

イサリビ・ブリッジ

 

「ドルト2ってのは正面のアレか?」

 

「ああ」

 

ユージンの確認にオルガはそうだと答える。

 

「おんなじ様なのが、幾つも有るじゃねえか」

 

「ドルトって言うのはアフリカンユニオンの公営企業で、アレ全部ドルトって会社の持ち物だ」

 

「で、俺達が行くのがドルト2って訳だ」

 

「んじゃ、アレは?」

 

「お前なぁ」

 

「ドルト3、「地球圏からやってきた重役達が住みドルトカンパニーの本社ビルと其奴らその家族向けの商業施設のあるコロニーだ」

 

ビスケットの言葉に被せる様に喋った人物を見るためにオルガ達が後ろを向くと

 

「「カイトさん」」

 

「よっ」

 

カイトは軽く手を上げて挨拶をする。

 

「あそこがテイワズからの頼まれた工業物資を納品するドルトコロニーか」

 

「ええ、クーデリアには悪いが少し寄り道をさせてもらう」

 

「構いません。それも大事なお仕事ですから

それよりお願いがあるのですが」

 

「ああ、こちらも買い物が有るんで別行動を取らせて貰うぞ」

 

「カイトさんも買い物を?」

 

「何だ?クーデリアも買い物か?」

 

「はい。色々と欲しいものも有りますけど、買い物なんて久しぶりでして」

 

クーデリアと話しているとバイブ音がカイトの懐から鳴り響く。

 

「ああ、すまん。メールだ」

 

カイトはメールに眼を通すと、

 

「クーデリア嬢。ちょっとだけ悪い知らせだ」

 

「ちょっとだけ…悪い知らせ…ですか?」

 

「フミタンさん。風邪をひいたらしい」

 

艦内にいた面々は思った。

 

『『『ああ、確かにちょっとだけ悪い知らせだ』』』と

 

「大変。お見舞いに行かないと」

 

クーデリアはお見舞いに行こうとするが、

 

「今現在は薬を飲んで眠っている最中だ。

それよりも買い物してゼリーとか果物とかのお土産を持って行った方が良いんじゃないのか?」

 

カイトの提案にクーデリアは

 

「…………それも、そうですね」

 

「買い物かぁ〜、私も行きたいなぁ〜」

 

そんな二人を見てアトラは自分も行きたいと言う。

 

「じゃあ、アトラも来るか?」

 

「良いんですか!?」

 

カイトの言葉にアトラは買い物に行けると喜ぶ。

 

「行けるよな?」

 

「ええ、大丈夫です。

アトラは鉄華団の重要な炊事係ですからね。

たまにはゆっくりしてもらわないと」

 

特に用事もないのでオルガは肯定の意を示す。

 

「じゃあ、護衛に三日月も連れて行っても良いか?」

 

「ん、俺?」

 

「ああ」

 

「………まぁ、確かに荷物運ぶだけだからミカが居ても特に問題は無いか。

じゃあミカクーデリア達に着いてやってくれ」

 

「分かった」

 

「オルガ」

 

「なんだ?ビスケット」

 

「俺も着いて行っても良いかな?」

 

「別に構わねぇが」

 

「ありがとう」

 

 

 

 

 

さてと、ムサシでドルト3に入港して、

スーパーに来た俺達。

 

クーデリアとアトラとさくらの三人が洗剤やら何やらの生活用品をカートに入れて行く間に俺も服に使う生地や男性用下着を買い求めて行く。

 

買い出しを一通り終えると、俺は全員に対してそこの店から購入したコーヒーを渡して行く。

 

コーヒーを飲んで、まったりとしているが原作と違い、ビスケットはサヴァランに会いたいとは言わない。

俺が昌弘を生かしたからか?

 

まぁサヴァランに関しては特に問題とはしていない。

精々、仕掛けをする時にやり易くする程度だ。

 

さてと、向こうの細工は流々。仕上げはまだだがな。

 

 

 

 

 

ドルト2にて

 

「アンタらが鉄華団か、話には聞いてるよ。しっかし、本当に若いんだなあ」

 

ドルト2に到着したオルガ達はテイワズから依頼された工業物資を渡しにくると、労働者の面々から異常な程のレベルで歓迎される。

 

「だから何だ? ガキだからって、嘗めてんのか?」

 

「いや、そう言う訳じゃないんだ。

俺達は皆、アンタ達が来るのを楽しみに待ってたんだよ。

『革命の乙女』クーデリア・藍那・バーンスタインと、それを守る若き騎士団! アンタ達は、俺達労働者の希望の星なんだ!」

 

労働者はまるで熱病に冒されたかのように喋り出す。

 

「コロニーの労働環境はクソみたいなモンだ。低賃金のクセに、重労働を長時間やらなきゃならない。

それを、俺達は今まで何十年と耐えて来た。

でも、そこに現れた希望がクーデリア・藍那・バーンスタインなんだ!

若い娘が火星独立運動の矢面に立って、地球圏の大物を動かした!

こんな痛快な話、今まで無かった! 

立ち上がれば世の中は変えられるって

気づいたんだ!!」

 

労働者達は熱弁をふるい、いずれはこのコロニーも独立したいと言ってきた。

 

もしも、カイトが居たら難しいと言わざるを得なかった。

 

労働基準法違反のアフリカンユニオンは論外ではあるが、ドルトコロニーの所有権も資金提供もまたアフリカンユニオンが所有している。

無理矢理所有権を奪えばアリアンロッドに潰される可能性が極めて高い。

 

まあ、それを彼等が知るわけがないが、

 

そして、取引が終わると

労働者達はコンテナの中身を開いて驚愕する。

 

「どう言うことだ!コレは!?」

 

労働者達の責任者はオルガに憤怒の形相でオルガ達に近づいて来た。

 

「「「はぁ?」」」

 

オルガ達にしてみれば当然の反応だ。

 

何せ、テイワズから頼まれたのは工業物資や修理用の機材の類いで、コンテナの中身も同じ工業物資の類いだ。

何処に怒る要素があるのだろうか?と

 

「あんた達はクーデリアさんの支援で武器を持って来てくれたんだろ!?」

 

「「「はぁ!?」」」

 

再びはぁ?と言うオルガ達鉄華団のメンバー一向。

 

「何でクーデリアが武器を用意するんだ?」

 

「「「はぁ?」」」

 

オルガの言葉に、今度は労働者達がはぁ?と言う。

 

「えっ?………だって…クーデリアさんの支援者が武器を……」

 

「俺達はそんな話を聞いた事は無いし、そう言った支援者ってのも聞いたことが無いな」

 

オルガの言葉に労働者達は騒めく。

 

そうしていると、

 

「全員動くな!」

 

ギャラルホルンがやって来た。

 

「此処で違法な取引が執り行われていると報告があった!大人しく……」

 

ギャラルホルンの面々はコンテナの中身を見ていると工業物資の類いしか見当たらない。

 

「へ?あれ?」

 

「隊長。見るからに普通の工業物資に見えるんですが、

違法取引は何処でしょうか?」

 

ギャラルホルンの隊員の一人が隊長をジト目(ヘルメット越し)に見ている。

 

「…………………(どうする?上からは違法取引をしている労働者達の不満を爆発させ、大量虐殺の大義名分を得るはずが、

まさか肝心要の兵器が無いとは)」

 

隊長はヘルメットの中で冷や汗を垂らしていく。

 

「申し訳ございませんでした。どうやらイタズラのようでしたので我々は撤収致します」

 

隊長は敬礼をして撤収していく。

 

「(タイミングが良すぎるな。それにもしも中身が……そういや、カイトさんは未来を知っていたな)あの人の仕業か…」

 

オルガはカイトがコンテナの中身を入れ替えて、労働者達に武器を与えない事により虐殺を防ぐ作戦を看破する。

 

まあ、正確には違うのだが、

 

「どうやら、アンタ達は自称クーデリアの支援者に騙されたようだな」

 

「「「えっ?」」」

 

「そりゃ、そうだろ。

俺達がここに来てコンテナを運んだ直後にギャラルホルンがやって来たんだ。

恐らくだがギャラルホルンだかアフリカンユニオンの上層部だか知らねえが、其奴がテイワズ経由で……(嫌?待てよ。何でだタイミングが良すぎる。何でこんなにもドンピシャのタイミングで、それもクーデリアが乗っている俺達の船が此処にやって来た時に)」

 

オルガの思考は加速していく。

 

「まさか!?」

 

オルガの脳裏に浮かぶ人物。それは

通信関係に関わっており

 

「(フミタンなのか?

何で?)」

 

オルガの思考の渦に没頭していく。

 

「なぁ…俺達はどうすれば……?」

 

「悪いが、俺達にはどうにも出来ない」

 

「「「そんな」」」

 

オルガの突き放すような言葉に、労働者達はうなだれてしまう。

 

「けどな……」

 

「あの人なら、きっと何とかしちまうんだろうな」

 

オルガの言葉に労働者達は誰の事か分からなかった。

 

 

 

 

 

 

さて、場所は変わってドルト3のドルトカンパニー本社ビルでは、

 

カタカタカタカタカタカタカタカタ。

 

仕事中の成人男性。ビスケットの兄でもあるサヴァラン・カヌーレが書類片手にキーボードを叩いていた。

 

ググゥ

 

キーボードを叩いていると、サヴァランのお腹から腹の虫が鳴り響く。

 

サヴァランは「(そう言えば、朝から何も食べていなかったな)」と思い、昼食を取りに外へと向かった。

 

 

 

もしも、あと十分程、食事に行くのが遅ければ彼の運命は変わっていただろう。

 

 

 

 

 

 

サヴァランは頭の横隅で今日の昼食は何にするかを考えながら、労働者達をどうにかして止める方法を考える。

 

彼等は今頃、革命の乙女を名乗るペテン師クーデリア・藍那・バーンスタインから武器を受け取り、抗議デモの用意を着々と進めているのであろう。

 

どうすれば良いんだと考えていると、ドンっ!と誰かとぶつかってしまう。

 

「っと、申し訳ない。少し考え事をしていて」

 

「ああ、大丈夫です。特に……兄…さん?」

 

「……ビスケット…なのか?」

 

二人の兄弟は出会ってしまう。

 

「ビスケット、無事?」

 

「大丈夫ですか?」

 

三日月とカイトは二人を起こす。

 

「あ、ありがとう。しかしビスケット。お前どうして此処に?」

 

サヴァランは火星に居るはずのビスケットに驚きを隠せなかった。

 

「ああ、仕事で此処に寄ったんだ。

仲間はドルト2にいるよ」

 

ビスケットの言葉にサヴァランは!と気づく。

 

「もしかして……お前達が鉄華団?」

 

「何で兄さんが鉄華団の事を知っているの!?」

 

サヴァランの言葉にビスケットは兄に詰め寄る。

 

だが、そんなビスケットを尻目にサヴァランは女性陣を見定める。

 

「(この金髪ショートの子は違うよな?

明らかに彼氏とデートといった風情だし、とてもペテンなんて出来そうになさそうな顔だ。

こっちの少女はまだ幼いから違うだろうな。

じゃあ、この金髪の女がクーデリア・藍那・バーンスタイン!?)」

 

原作と違い比較対象があるためにアトラをクーデリアと間違えなかったサヴァラン。

 

サヴァランはコホンと咳払いし、

 

「ああ…鉄華団の事はニュースで見たんだ。

火星の方でクーデリアと言う革命家の護衛と聞いてね」

 

「ああ、そうなんですか」

 

「ところでだ。ビスケット。

お前、腹は空いてないか?」

 

「お腹ですか?」

 

「ああ、丁度これから昼食を取ろうと思って外に(グゥ〜〜)出ていたんだな(俺の腹ナイス!)」

 

「ふむ、ならば我々はこの先にある喫茶店で昼食を取る予定でしたのでご一緒しませんか?ミスター」

 

「……ええ…ああその前に少し用事をすませますので少々お待ちを……」

 

サヴァランは小走り気味に端末に向かって走って行った。

 

 

 

 

 

それから数分後

 

「お待たせしました。では、行きましょう」

 

サヴァランはカイト達を連れて近道と言い路地裏へと連れ込もうとする。

 

其処にはサヴァランが用意した荒くれ者達が二十名ほど待機しており、クーデリアを連れ去ろうと待ち構えていた。

 

「で、だ。出待ちのチンピラ達は何処らへんかな?」

 

「あっ、やっぱし

私達を狙ってるんだ」

 

「あっ、二人も気づいていたんだ」

 

「「「「「!!?」」」」」

 

その場に居た全員が驚愕する(チンピラ含む)

 

サヴァランやチンピラは何故気づいたのか。

 

ビスケットはカイトの言葉がまるで兄が用意したかのような発言に、

 

クーデリアはギャラルホルンではなく、何故チンピラが自分を狙うかに、

 

アトラは単純に襲撃に驚く。

 

サヴァランは駆け出して、一同から離れる。

 

「捕まえろ!!」

 

サヴァランの言葉と共に荒くれ者達が一斉に各々の武器を携えて襲いかかる。

 

カイトはジャケットの中に仕込んで居たポケットからショックガンとさくらの短刀を取り出し、短刀をさくらに投げ渡す。

 

さくらは短刀を受け取ると躊躇なく刃を抜き出し駆け出す。

 

チンピラ共はナイフ(短刀と間違えている)を持っているとは言え、女。

軽く捻って、豊満な身体を堪能させてもらおうと下卑た考えを露わにする。

 

さくらはそれに気づき、一般人に対する容赦は完全に消え去った。

 

「へへっ。捕まえてやるぜ!」

 

前方の男の手がさくらを捕まえようと手を伸ばし、触れるか触れないのところで、

 

ヒュン!

 

目の前からさくらが消えた。

 

「「「へっ?」」」

 

男達は混乱する。

 

パシュ!バシュ!バシュ!

 

「「「ぎゃあああああぁぁぁぁぁ!!」」」

 

その隙を突いて、カイトはショックガンを撃つ。

 

ショックガンから放たれた閃光はチンピラ達に当たると、チンピラ達は悲鳴をあげて気絶していく。

 

最後方のチンピラは逃げようと画策し、後ろを向くが、

 

「ばあ♪」

 

消えたはずのさくらが目の前に居た。

 

「へっ?」

 

「はっ!」

 

さくらの放った攻撃は、最後方のチンピラの太もも、それも太い血管の無いところを突き刺す。

 

「へっ?…………足?あしがあああぁぁぁぁ!!」

 

その悲鳴に後方に居たチンピラ達は後ろを振り向くとさくらと足を刺されたチンピラを見て、驚愕し恐れた。

 

不思議な銃で仲間をバタバタと倒していく男と、まるで、コミックで読んだ忍者みたいに消えて現れ、そして、躊躇もなく仲間の足を突き刺す女に恐れる。

 

戦う事も逃げる事も出来ないチンピラ達の取れる手は一つ。

 

「「「「「「すいませんでした〜〜〜〜!!」」」」」」

 

THE.DO☆GE☆ZAである。

 

「はぁっ!?」

 

これにはサヴァランもびっくりだ。

 

「お前らは帰っていいよ。だうせ仕事の類いだろうし」

 

チンピラ達はヘイッ!と返事をしてぞろぞろと気絶&負傷した奴を運んで行きながら立ち去っていく。

 

そしてその中には、

 

「はーい。貴方は逃げちゃダメだよ〜」

 

さくらによって首筋に刃を突きつけられるサヴァランがいた。

 

「ひぃっ!」

 

「さてと、ドルトカンパニーの敵対を確認。

これより報復活動を行うぞ(棒)」

 

カイトは端末を取り出すと、何処からへとメールを送る。

 

「さて、ミスターサヴァラン。

貴方は何故にこんな愚行を?」

 

サヴァランは首筋に刃を突きつけられた状態で、

最初は口ごもってはいたが、刃を近づけられ喋り出した。

 

「……のせいだ」

 

「?」

 

「お前のせいだ!クーデリア・藍那・バーンスタイン!!

お前がナボナさん達に武器を渡さなければ、あの人達は……」

 

サヴァランは刃を突きつけられながらもクーデリアを怨嗟の目で睨む。

 

「それはどういう事ですか!?」

 

クーデリアにはサヴァランの言葉の意味が理解できなかった。

 

「白々しい!お前が彼等に武器を提供してクーデターを起こさせようとしているんだろう!!」

 

サヴァランは刃を突きつけられながらクーデリアを睨み続ける。

 

「クーデリアはそんな事しないよ」

 

サヴァランの言葉に反論したのは三日月だった。

 

「そうだよ。クーデリアさんはそんな事しない!」

 

「ミスターサヴァラン。アンタは誰からクーデリア嬢の件を聞いた?」

 

次いでアトラが否定し、カイトが誰からクーデリアの事を聞いたかを聞いてきた。

 

「……ナボナさんだ」

 

「ふむ、では

そのナボナさんは誰から聞いた?」

 

「クーデリアの支援者とやらだよ!」

 

「では、その人は実際に会ったのか?クーデリアの名前を使ったペテン師とは考えなかったのか?」

 

「!?」

 

カイトの言葉にサヴァランはナボナの言葉を思い出した。

 

「確かに、ナボナさんは通信越しでしか会っていない。

けど、一体誰が?」

 

サヴァランは混乱する。

 

「例えば、軍事企業。ドルトカンパニーの上層部、ギャラルホルンの可能性もあるな」

 

正確にはノブリス・ゴルドンだがな。

 

「あ…あ……あああっ…」

 

サヴァランは自分の愚かさを知り頭を抱えて膝をつきながら叫ぶ。

 

 

もしも、自分がクーデリアを捕まえてギャラルホルンに引き渡せば、自分は罪のない人物を殺してしまうところだったのだ。

 

「……兄さん」

 

ビスケットは兄にかける言葉が見つからなかった。

知り合いを助けたい。

それは当然の願いだ。

 

だがそれで他者を犠牲にするのはいけない事だ。

 

クーデリアは袖を掴み、どうすればいいか考えるもいい考えは思いつかない。

 

クーデリアは居ても立っても居られなかった。だから彼女は駆け出した。

 

「「「クーデリア(さん)(嬢)」」」

 

駆け出したクーデリアを追いかけるアトラ、

 

カイトは…

 

「三日月!クーデリアとアトラを追え!

ビスケットはオルガに連絡!

俺達もすぐに追いかける!」

 

カイトの命令に三日月は直ぐに走り出し、ビスケットはカイトに投げ渡された端末を使いオルガに連絡を入れる。

 

そして二人もクーデリアを探しに駆け出した。

 

それも、彼の策略の一つとして、

 

 

 

 

 

場所は変わって宇宙

 

セブンスターズが一角、ボードウィン家の次期当主『ガエリオ・ボードウィン』は自分の家が所有する船の格納庫にて、とある機体を見ていた。

 

その機体はガンダムフレーム『ガンダム・キマリス』

ボードウィン家が所有するガンダムフレームの一機である。

 

その隣には修理されたシュヴァルベ・グレイズが佇んでいた。

 

どちらの機体もガエリオが実家の権力を使い修理・改修したのだ。

特にキマリスの方は地球に降下する前から連絡を入れて改修をしているのだ。

 

これも偏に、正体不明のガンダムフレーム擬きに復讐するためである。

 

「やるぞ。アイン」

 

「はいっ!ボードウィン特務三佐!」

 

二人は新たな機体と決意を共にする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回魔改造グシオン登場。

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