四次元ポケットを手に入れて異世界へ行ってきます! 作:TNKエース
鉄血のオルフェンズ二期編
新しい風
火星クリュセ近郊の丘に小さな墓が二つ有った。
「そろそろ二期が始まる」
酒瓶を片手にスーツ姿の男は墓前に報告していた。
「俺はアリアンロッド艦隊の奴らを潰す。
アンタはそれを喜ぶかは知らんが、少なくとも子供達が犠牲になる世界にはしないつもりだ」
男は酒瓶の中身を飲み込み、残りを墓にぶちまける。
「じゃあな、次に来る時は俺の子も連れて来る」
そう言って男は去っていく。
酒をかけられた墓にはCrank Regentと書かれていた。
エドモントンでの戦いから2年が経過しました。
蒔苗氏がアーヴラウの代表となりギャラルホルンの腐敗が暴かれるのと合わせグレイズアインの暴走でギャラルホルンの権威は失墜した。
しかし、原作と違い、マーチウインドの存在が本来の歴史よりも少年兵の需要を下げ、代わりにより多くのMSが発掘され改修されていく。
しかし、世界の治安はそれなりに守られていた。
武装組織マーチウインド
この組織がギャラルホルンに代わり地球圏から火星圏方面の治安を守っていた。
時に事故で動けなくなった輸送船を牽引しつつ修理(流石に修理代は適正価格で貰う)し
時に、海賊を襲撃しヒューマンデブリの少年達を救う。
正にヒーローサーガの主人公と呼ぶに相応しい働きぶりであった。
しかし、強すぎる光は強い影を生み出す。
柊カイトが変えてしまった物語、続きを知る者は誰もいない。
OP[RAGE OF DUST]
ギャラルホルン本部。ウィーンゴルヴのセブンスターズ専用の会議場では、
ザワッ!ザワッ!
まるで福本作品の様な空気が流れていた。
それはセブンスターズの一人が今までとは違っていたからだ。
ラスタルもカルタもガルスもマクギリスも声が出せなかった。
「おお、ファルク公。
まるで別人の様に痩せられましたな」
「ふぉっふぉ、最新のエステと言うものをしての」
そう言ってファルク家当主エレク・ファルクは原作では垂れていた顎を撫でる。
彼は原作ではかなりの肥満体型だったが、この世界ではすらっとスッキリと言った表現の似合う体型になっていた。
「出入りの業者から健康の為にエステを受けて見てはどうかと言われて試したら、この通りだ」
「ほぉ〜、私もいずれは試してみたいものですな」
イオクとエレクはハハハッと笑い、
「ゴホンッ!」
カルタの態とらしい咳払いで空気を変えた。
「それではセブンスターズの定例会議を始める!」
よく透き通る声でカルタは会議を開始を宣言する。
「それでは……」
カルタは粛々と会議を進めていく。
「地球外縁軌道統制統合艦隊を組織改編し、
アーヴラウの件で難しくなった地球上での活動の再編。
各経済圏との新たな関係の構築を行った手腕、見事よ。
マクギリス・ファリド司令」
「いえ、これも皆様方の支援の賜物です」
カルタの賞賛にマクギリスは軽く微笑む。
「私のこれまでの仕事は前任者のカルタ・イシュー准将の志を継いでのこと、
それに監査局時代。
私の査察で火星支部から膨大な量の“汚職”が発覚しました」
そう言ってマクギリスは一息ついて、
「そして、火星支部の弱体化でその管理地区はとある民間組織がギャラルホルンの業務の真似事をして、何とか平穏を保っている。
そこで我が艦隊が暫しの間、火星区域で活動及び火星支部の再編をする許可を頂きたい」
「なっ!?
それはエリオン公のアリアンロッド艦隊の職域を侵す行為だ!」
マクギリスの提案にイオクは認められるか!と大声を上げる。
ガルスはまあまあと収めようとするが、イオクはヒートアップし続けるだけだ。
「お黙りなさい!!」
「ひっ」
しかし、その喧騒はカルタの一喝で収まる。
「クジャン公!貴様はファリド公の何を聞いていた!
彼はあくまで薄氷の上でなっている平穏を確かなものとする為に、火星区域のギャラルホルンの再編の為に一時的に動くのよ!
ただ、喚くだけなら黙っていなさい!」
「し、しかし!圏外圏の治安はっ!」
「それが出来ていないからでしょうが!」
カルタの叫びにイオクは言葉を詰まってしまう。
「ハッハッハッ、そうイシュー公もクジャン公も落ち着きたまえ」
そらを収めるのはアリアンロッド艦隊の長。
ラスタル・エリオンだ。
「しかし、火星区域の現状も又見過ごせないのは事実。
このまま、その民間組織が治安を維持するのも体面が悪い。
この世界の秩序は我々ギャラルホルンが守らねばならないのだからな」
ウィーンゴルヴの通路にて、イオクを連れたラスタルは思案顔で歩いていた。
「ラスタル様!」
外壁のでっぱりに座っていた少女がラスタルの名を呼び、軽やかに飛び降りる。
「………ん?おぉ、待たせたな。ジュリエッタ」
彼女の名はジュリエッタ・ジュリス。
所謂ラスタル・エリオンの私兵で、階級は無い。
「どうでした?とは、野暮な質問でしたね。
イオク様の顔を見れば全て分かります」
「このサルっ!何を!?」
「……少し気になる事が有ってな……」
マクギリスは、恐らく火星圏で動くマーチウインドなる組織と繋がっている。
しかし、マクギリスの近辺をいくら調査させても、その様な組織との繋がりは見えなかった。
行方不明のイズナリオ関連も調べたものの、関連は無い。
あの組織は何なんだ?
突如として現れ、そしてアーヴラウでの活躍。
あれだけの機体と腕を持つパイロットがいるとは気づきもしなかった。
まるで…イキナリ現れたかのように、
「……いかんな」
思考が偏りすぎている。
「肉でも食いに行くか。つい先日新しいレストランが出来た事だしな!!」
「肉っ?私は大好物です!!」
「ちょっ!私も!!」
ラスタル達は意気揚々と歩いて行く。
所変わって火星
「オラオラぁ!テメェらそれでもキンタマついてんのか!?」
鉄華団の外周にて鉄華団一番隊、通称『流星隊』隊長のノルバ・シノが予備隊の訓練兵たちをしごいていた。
「ひぃ!ひぃ!死ぬぅ!」
そんな中訓練兵のザックは息絶え絶えの状態で走っていた。
「オラァ!ザックぅ!もう一周走るかぁ!嫌だったら先頭までダッシュだ!」
「ヒイイイィ!!」
ザックは泣き顔でダッシュする。
「やっているな」
そこにやってきたのはマーチウインド用の訓練服に身を包んだ特徴の無い特徴の男性だ。
「おっ、般若のおっさんか」
「おっさんじゃない。お兄さんだ」
「ワリィワリィ!テメェら!走り込みが終わったら十分だけ休憩して格闘訓練に入っぞ!」
「「「う〜っす」」」
訓練兵達は走り込みを続ける。
その遠方では、
「うおおおっ!」
ダンテとデルマが駆るMS『量産型オニクスTYPE−A』が模擬戦をしていた。
原作の獅電と違いこの機体には阿頼耶識システム対応していて、その動きは素早く、そして鋭い。
この機体の最大の特徴として、バックパック換装システム(ストライクのアレ)が用意されているが、今回は慣らしも兼ねた格闘訓練なので双方共に装備はしていない。
更に所変わって、クリュセの学校。
二台のMWに挟まれ一台のベンツが学校の前に止まる。
運転席から一人の少年が降りて、後部の座席を開けた。
中から現れたのは青いスーツに身に纏うやや小太り気味の青年だ。
彼の名はビスケット・グリフォン。
鉄華団団長補佐兼鉄華団の下部組織鉄華団ハーフメタルの社長だ。
「お兄ぃ〜!」
「お兄ちゃぁ〜ん!」
校門からはビスケットの妹のクッキーとクラッカーが駆けてくる。
「二人とも、久しぶり」
妹二人に抱きつかれ、ビスケットは二人を抱き締め返す。
原作では無かった光景である。
更にさらに所変わって、
クリュセ内に有る会社。
バーンスタイン商会。
原作ではアドモス商会と呼ばれていたが、この世界ではフミタンが生きている為にクーデリアの姓を使った商会となっている。
「お嬢……社長。追加の書類です」
「ええ、分かっているわ」
原作の様に鉄華団。そしてもう一社と提携してハーフメタル関連や身寄りの無い子供達の為の支援をしてはいる。
「それと月末の視察ですが……」
「ええ、いつも通り鉄華団とマーチウインドに護衛を依頼しておいて」
「はい。かしこまりました」
「フミタンも団長さんと会えるわね」
「お…お嬢様!わ、私はイツカ団長とは……」
クーデリアは、頰を赤らめ慌てるフミタンを見ながら微笑む。
それから二週間後
マーチウインドと鉄華団に所属する少年兵達が小休止していた。
「あー、暇だ〜」
「確かにな」
この一週間アドモス商会や鉄華団ハーフメタルを含む企業が所有する。この合同ハーフメタル採掘場では、アーヴラウ以外の植民地の人々を招き視察を行っていた。
そこに鉄華団とマーチウインドが警備していると言った話だ。
さて、此処で現状のマーチウインドの組織体制を説明しよう(唐突)
原作では出てこないような小さな海賊を潰してMSのパーツやエイハブ・リアクターをテイワズに売り払い、ヒューマンデブリの少年兵達の保護・救出し年若い子供はクーデリアの運営する孤児院に
それなり以上の年齢の子は鉄華団やマーチウインドに所属して、勉強や訓練で戦い以外の仕事にも付けるようにしている。
特に多いのが機械関連だ。
ハーフメタル関連で整備から運転で工事から加工、運送まで一通り教える事により、将来的にハーフメタル関連の仕事につけられるようにする為だ。
無論、増員は元ヒューマンデブリ達だけではない。
スカウト祭り第二回目を開催して、ダリル小隊の面々やミネバこと、オードリー・バーンやパナージ・リンクス等のライトスタッフをスカウト。
これによりマーチウインドの規模は以前の三倍強になっている。
閑話休題。
「けど、お姫様は美人だよな〜」
「然り、然り」
「けど、さくらの姐さんもパイオツカイデーの美人さんだお」
「それならカレンさんもだろ」
「あぁ〜、良いっすねー(食い気味)」
「(なんか、ケツが痒い?)」
少年達は思い思い話していると、
突如鉄華団のMWが一台突っ込んできた。
「お前ら!早く持ち場につけ!」
MWから出てくるのは鉄華団二番隊[筋肉隊]隊長の昭弘・アルトランドだ。
「なんなんすか!?一体!?」
ザックが狼狽える中、他の面々は速やかに持ち場に着く。
「来るんだよ!敵がな!」
「………海賊連合ですか?」
「ああ、マーチウインドや俺らが潰していった海賊供の残党が手を組んで、夜明けの地平戦団に飲み込まれ、リーダーのサンドバル・ロイターが暗殺され、十の海賊に分割し、それぞれが同盟と言った形で手を組んだ」
「その海賊連合がどうして私達を?」
「さあな、だがこれだけは言える。
アイツらは俺達に手を出した」
………だったら、やる事は一つだけだ!
鉄華団とマーチウインドのMWと新機軸の機体MU(モビルユニット)が海賊連合のMWと砲撃戦を繰り返す。
「堕ちろぉ!」
ハッシュの雄叫びと共にMU[ガンタンク]の両肩の120m低反動砲から砲弾が放たれ、敵のMWの胴体を半ばまで貫いた。
「よし!ザック!もっと前まで出るぞ!」
「よっし『ビービービー』へっ?これって」
「………エイハブ・ウェーブ反応」
敵の後方からは六機のガルム・ロディが飛び出して来る。
「ハッハッハッ!出てこい悪魔供!化けの皮を剥いでやるぜ!」
海賊の一人は意気揚々とガルム・ロディを走らせるが、
ガキィン!
「あっ、当たった」
ハッシュの撃った砲弾が、海賊の乗るガルム・ロディのメインカメラが破壊する。
流石のナノラミネートアーマーもカメラには効果が無かった。
撃たれた海賊は極めて冷静に、冷静にカメラをサブに切り替えて、
「野郎っ!ぶっ殺してやる!!」
右手に持つサブマシンガンでハッシュとザックの乗るガンタンクを撃ちまくる。
「ザック!下がれ!」
「もうやってるよ!」
ハッシュのガンタンクは肩部側面のロケットランチャーと腕部一体型のマシンガンを撃ちながら後退していく。
ガッシャ!
サブマシンガンの攻撃でガンタンクの履帯が外れる。
「なっ?」
「ちょっ!ちょっとぉ!?」
二人は慌ててレバーを動かして態勢を整えるが、しかしその隙にガルム・ロディが接近して近接装備でガンタンクを潰そうとする。
「させない!」
しかし、モスグリーンのMSが手に持った斧でその攻撃を防ぐ。
「喰らえ!」
そして背中から生やした腕が斧を取り、ガルム・ロディの胴体へと振り下ろした。
「こちらは鉄華団二番隊副隊長の昌弘・アルトランド!MW隊は一度後退して補給しろ!
余裕のあるMU隊は一番隊と二番隊の援護を頼む!」
「「「了解!」」」
「りょ…了解!」
「助かったぁ」
安堵からかザックはシートからずり落ちる。
「よっしゃあ!流星隊行くぜぇ!」
「おう!」
「りょーかいっと!」
マゼンタカラーのオニクスの強化型オニクスⅡシノカスタムが追加された大型スラスターを吹かしながら大地を駆ける。
その後ろをダンテとデルマの量産型オニクスがライフルを構えて援護射撃をする。
「へっ、お前らのトコの悪魔供はどーした?」
「あぁ?テメェらなんざ、俺らだけで充分だっての!」
「なんだよ。
せっかくのおもてなしが台無しだぜ」
「!?」
ドォーン!
念のために仕掛けた地雷が爆発し、粉塵の中から六機のMSが現れる。
そして別の場所でも六機のMSが姿を現わす。
計十八機のMSが採掘場に集まって来る。
「もうダメだぁ〜〜!もうお終いだぁ〜〜!」
機体の修理をしていたザックは十八のMSに囲まれつつある状況に絶望する。
「お前ら!全軍でラインを作るぞ!
昌弘達が戻って来るまで少しでも足を止める!!」
MWに乗った昭弘が残った手勢を率いろうとしたが、
「無理ですよぉ〜〜!十二機のMS相手なんてぇ!」
「やるしかねぇだろ!俺たちには他に行く場所なんてねぇんだぞ!」
弱腰のザックをトロウが鼓舞しようとする。
「団長。視察団の避難終わりました」
「そうか、アンタ達も避難しろよ」
「その言葉そのままお返しします」
「俺たちはアンタ達とは違う」
[推奨 BGM.RAGE OF DUST]
「立派な理想も志も無ぇ」
「土台の無ぇ俺らは、進み続けることでしか、自分たちの居場所を守ることは出来ねぇんだ」
採掘場の上空では一台の降下艇が戦場に向かって落ちていた。
「それじゃあ、北西のは頼むぞ三日月」
「うん。カイトも東のをお願い」
「ライガット達も後詰は頼んだぞ」
「了解だ」「「了解」」
降下艇の側部ハッチが開き、そこから二体のMSが姿を現わす。
「柊カイト」
「三日月・オーガス」
「「ガンダム」」
「ルーラーアメイジング」
「バルバトスクレッセントレイ」
「「出撃る」」
二機のMSが降下艇から飛び出す。
一機は白い装甲と青を基調とした機体。
その手には身の丈程の大剣を持ち、左腕には格納式のレールガンを付けている。
名をガンダム・バルバトスクレッセントレイ
対するは黒と黄色を基調とした機体。
その両手には何も持たず、背中の大きな翼が特徴な機体だ。
名をガンダム・ルーラーアメイジング
バルバトスは直下の機体の前方に落ちるようにスラスターと慣性制御を使いながら落ちていき、
ルーラーは背の翼を展開し光り輝く粒子を放出させながら空を飛んでいく。
「アレって!もしかして!?」
バルバトスは左腕のレールガンを展開し、砲撃する。
その砲撃は前方のガルム・ロディの頭部ごとコクピットを粉砕する。
『何だ?何が起こった!?』
直後に前方で爆発。
否、バルバトスが降り立った衝撃で粉塵が舞い踊ったのだ。
残った海賊達は警戒するが、
粉塵からバルバトスが飛び出て一体のガルム・ロディが袈裟斬りに切られる。
「まぁ、どっちにしろ
アイツがいる限り、
俺は逃げる事なんて出来ねぇんだかな」
「よぉ、ミカ。
おかえり」
「うん。ただいま」
新型機MUや量産型オニクス等の新しい機体はしばらくしたら機体設定として出します。