※この作品はR-18です。

四次元ポケットを手に入れて異世界へ行ってきます!   作:TNKエース

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地球支部編の話を全て縮小させる!


地球にて

 

地球にて

 

「オラオラ!ジジイの◯◯みたいに走りやがって!走れ!走れ!クソ走れ!」

 

「「「ぜぇ、はぁ」」」

 

中高年の男性が叫ぶなか、アーヴラウ防衛軍の面々は汗だくになりながらグラウンドを走る。

 

彼の名はレオニス・ハートマン。マーチウインドに所属するイノベイト。

彼の職業は軍人。それも軍事教練専門だ。

防衛軍の面々も子供である鉄華団なら逆らおうとするが、

大人の……それも専門の人間であるハートマンに逆らう気のある男は誰もいなかった。

 

そして、警邏をしていた鉄華団の面々が帰ってきた。

 

【推奨BGM戦う特攻野郎】

 

モキュモキュと歩いてくるのは着ぐるみの軍団だ。

 

フルメタで出てくるボン太くんや犬、猫、サイと言ったデフォルメされた動物の着ぐるみを来た鉄華団が格納庫で着ぐるみを脱ぐ。

 

この着ぐるみ軍団。ボン太くんもいるが、外装だけで、中身はパト犬と呼ばれる作品のアーマードドックマンと呼ばれるパワードスーツを元にしている。

 

無論改良もされている。

筋肉はメタルギアライジングの炭素繊維の筋肉を使い、装甲はMWと同じ物を使い、7.62m弾を至近距離で放たれても貫通せず。

機動力も簡易変形してバイクに変形し、ジェットパックで空をも飛ぶ、

更にはボン太くんにはあった「ふもっふ」な欠点も無い。

コストも手頃で、ギャラルホルンもラスタルは、市街地では有効な装備と考え(流石に自分達で使うとは考えないが)

カルタも一台ぐらい手に入らないかしら?と思う程だ。

 

武装は肛門に催涙ガス(原作でも同じ)とスタンロッドを基本とし、平時はゴムスタン弾を搭載したライオットガンを所持している。

街の人達からの評価は『可愛い動物のお巡りさん』

特に女性と子供達に人気である。

 

「あ〜、疲れたぁ」

 

アストン達鉄華団地球支部の面々がスーツを脱いでいく。

 

流石に慣れたとはいえ、街中を歩き続けるのは疲れる。

 

「おつかれ、皆」

 

そこに鉄華団地球支部副支部長のタカキがクーラーボックスを携えてやってきた。

 

「おつかれ」

 

タカキが軽く投げ渡した冷えたペッドボトルのスポーツドリンクを受け取り、彼等はそれ飲む。

 

「ぷはぁ!聞くぜぇ!」

 

「たしかゴローロックに響き渡るだっけ?」

 

「いや、それを言うなら五臓六腑に染み渡るだよ。バカ」

 

「バカとはなんだよ!」

 

彼等は互いに笑いながら会話をする。

 

「はいはい。皆騒がない。騒がない」

 

タカキは軽くため息をつきながら騒ぐ面々を落ち着かせる。

 

「明後日はアーヴラウ防衛軍の結成式なんだから静かにね」

 

「ああ、オッサン達も制服を用意するって言ってたな」

 

ここで言うオッサン達とはマーチウインド所属のダリル隊の面々の事だ。

特にフィッシャーやセバスチャンと言った中年衆が面倒を見ていて、鉄華団の面々も懐いている。

 

「しかし、団長達も運がなかったよな〜」

 

「そうそう。何でも借りてる衛星のところで伝染病が出たとか」

 

「何人かが腹を壊したって聞いたな」

 

「それでカイトさんの代わりに、マサトさんがくるんだっけ?」

 

「俺、あの人好きだぞ。ゲームくれるし」

 

彼等は和気藹々と話していく。

 

身に潜む悪意を知らずに、

 

 

 

 

 

テイワズからの監査役を務めるラディーチェ・リロトは傭兵ガラン・モッサから取引を持ちかけられていた。

とある筋からの依頼でマクギリス・ファリドを失墜させる為に鉄華団とマーチウインドを利用したいと、

報酬は自分の安月給では手に入らない程の金と逃走先の戸籍等。

リスクは高いがリターンも大きい。

しかし、鉄華団の獣達はともかくとして、マーチウインドは曲がりなりにも民間軍事警備会社としては真っ当で、事務作業も手伝ってもらったり、獣達に事務作業の大切さを知ってもらったりと恩義も有る。

 

ラディーチェは一先ず考えさせてもらい、今日も仕事をこなしていく。

 

報酬は確かに欲しい。だが…テイワズを裏切って良いのか?

 

テイワズを裏切ってしまえば今までテイワズで培って来た実績は無くなってしまう。

 

しかし、このまま地球支部に居ても鉄華団の事務をするだけ、

 

ならば……と、ラディーチェは決意をした。

 

 

 

 

 

それから明後日、薄い青のスーツを着込んだ鉄華団支部長のチャド、黄土色のスーツを着込んだマーチウインド支部長のシャア。マーチウインドの代表…柊カイトの名代として黒いスーツの壇真佐斗の三名が二組の組織の代表として結成式に参加していた。

 

「鉄華団。そしてマーチウインドは軍事顧問としての職務を立派に勤め上げてくれている。

今日という日が来たのは君たちのおかげだ。

礼を言う…いや、これからも鉄華団とマーチウインドを指揮する者としてこれからも頼むぞ。

チャド・チャダーンにシャア・アズナブル」

 

「!俺の名前…!?」

 

「こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします。蒔苗代表」

 

コンコン

 

シャアが礼を言うと、ドアがノックし開く。

 

「蒔苗先生。

間も無くご挨拶となりますので…?」

 

「どうした?」

 

「いえ、その花はいつからそこに?

事前確認した時には無かったのはず…」

 

秘書は確かそんな物は無かったとおもいながら……

 

「ああ、私の持ち込みだ」

 

真佐斗が軽く手を挙げて答える。

 

「ああ、そうでしたか。

それでは蒔苗先生」

 

「……うむ」

 

そして結成式はつつがなく終わり、誰も傷つくことは無かった。

 

そして、

 

 

 

 

 

コツンっ、

 

小気味なジャズを流すバーのカウンターで一人の男が空になったグラスを置いた。

 

男の名はガラン・モッサ。

彼はラディーチェの手引きで蒔苗東護之介を殺害ないしは意識不明にして指揮系統の混乱。

そしてラスタルの手を使ってSAUと紛争

それに乗じてラディーチェの手引きで鉄華団の内部に入り込む。

 

そして、マクギリス率いるアークセイバーと泥沼の戦争をするついでに鉄華団とマーチウインドの戦力を少しでも下げようと考えたのだが、

 

「失敗したか……」

 

多少はやるか………とガランはグラスに残っていた酒を一気に煽る。

 

「しかし、策はまだまだ有る」

 

その瞳には強い意志が籠っていた。

 

 

 

 

 

結成式が終わって一週間後

 

SAU側の偵察機が撃墜されると言う事件が起こった。

それもアーヴラウ領内で、

 

アーヴラウ側は何故SAUが偵察機を送って来たのか?

SAU側は何故出した覚えのない偵察機がアーヴラウ側で撃墜されたのか

両者は連絡を取ろうとするも外交チャンネルは閉じられており連絡は付かなかった。

そして同時にアーヴラウ・SAU両側で噂が流れ始めた。

 

『SAU /アーヴラウが攻めてくる』と

噂は噂を呼び、市民全体に知れ渡る。

これだけなら単なる噂として処理されるが、噂が蔓延すると同時に街で爆弾テロが勃発し、国境付近で行き来する車が破壊される事件が多発する。

 

これにより市民達に動揺が広がり、議事堂前には多数の市民達が連日押し寄せていた。

 

そしてそれはSAU側も同じだった。

両者は連絡を取ろうとしてもアリアドネの外交チャンネルは閉じたままで外交官を直接送ろうとしても国境付近で何者かに殺害されてしまう。

 

そして……

 

遂に不満は爆発した。

一人の男がSAU /アーヴラウを占領しろ!と叫ぶと、同調する人間が一人二人現れ、周りもそうだ!そうだ!と叫んでいき、町中に伝播していく。

 

蒔苗達、アーヴラウ政府も市民の声には逆らえず軍備を始める。

 

シャアやチャド達も軍事顧問として会議に出る事となった。

 

「失礼します」「失礼する」

 

会議室に入ると見慣れぬ男性がいた。

 

「はじめまして、鉄華団とマーチウインドの方々。お…私の名はガラン・モッサと言います。

今回の戦争ではアーヴラウ防衛軍の指揮を任されました」

 

ガランは手を差し出し握手を求める。

 

「初めましてミスター。私はシャア・アズナブル。

マーチウインド地球支部の統括をしております」

 

「チャド・チャダーンです。よろしく」

 

二人はガランと握手をし、会議は始まった。

 

 

 

 

 

会議は難航していた。

議会の基本的なスタンスは対話による和平。

しかし、外交チャンネルも直接的な対談も叶わず。市民の声は戦争へと傾いていた。

 

議会は兎に角、防衛軍の配備をして対応をとの話だ。

 

そこにガラン・モッサの配下が入る。

 

「失礼します!偵察隊から連絡が入りました!

SAU防衛軍の中にギャラルホルンの機体を確認したとの報告です!」

 

「しょ「何処の部隊かは分かるか!?」

 

「はっ、はい!グレイズリッターがいる事からアークセイバーの可能性が……」

 

ザワリ……と空気が変わる。

 

アークセイバー……ギャラルホルンの若き孤狼マクギリス・ファリドが率いる新進気鋭の精鋭部隊。

 

ある者はもうダメだおしまいだぁ!と嘆き、

ある者は鉄華団とマーチウインドに協力させろ!と叫ぶ。

 

様々な意見が飛び交う中、ガランは心の中でほくそ笑む。

 

ここまでは順調だな。と

 

最初の偵察機撃墜も、

外交チャンネルに使うアリアドネ関連はラスタル・エリオンの手の者に頼んだが、それ以外。

情報の流したのも、爆弾テロも、車両の破壊も全てこの展開に持っていくための布石。

 

後は防衛軍を使ってこの戦争を泥沼と化し、鉄華団とマーチウインドの戦力を可能なら磨り潰しながら長期戦を仕掛ける。

 

それによりアリアンロッド艦隊を介入させる事によりあのマクギリス・ファリド(若造)を失墜させる事ができる。

そうすればかつて友と誓い合った世界を作れると信じて、

 

 

 

しかし、彼の目論見は

 

「その話、少し私に任せて貰えないだろうか?」

 

一人の男によって砕ける。

 

「誰だね。君は?」

 

議員の一人はスーツを着た男性……真佐人を退出させようと警備員を呼ぼうとしたが、

 

「おお、君はマーチウインドの……」

 

「先ずは話を遮ってしまい申し訳ございません。

私の名は壇真佐人斗言います。

今回はマーチウインド総長。柊カイトの名代として今回の式典に出席させていただきました」

 

真佐人は優雅に一礼する。

 

「で、策がお有りのようだが?」

 

別の議員が真佐斗の策を聞こうとする。

 

「ええ、簡単な話です。

私が、マクギリス・ファリドと交渉に向かいます」

 

真佐人の言葉にその場にいた全員が!?となる。

 

「馬鹿な!君はアークセイバーが何処にいるか分かっているのかね!?」

 

「ええ、国境の向こう側ですね」

 

「そうだ!しかし、現在国境沿いでは何者かがSAU側へと向かう車両を破壊していて危険なんだぞ!」

 

議員の一人は真佐人に現状を説明する。

 

「ええ、ですから……鉄華団のお力を借りたい」

 

「えっ?俺たちに?」

 

「ええ。MWを何台かを護衛として使いたい」

 

真佐斗の言葉にチャドは分かったと力強く返す。

 

「あいわかった。しかし交渉が決裂した時の為に防衛軍と鉄華団達の配備はさせてもらうぞ」

 

「畏まりました」

 

真佐人はそう言って失礼しますと言い退室していく。

 

 

 

 

 

 

その夜。

 

「えっ?MW隊を連れたのは囮?」

 

「ああ、何処に耳があるかは分からないからね。

彼等には囮になってもらい、別ルートで私が単独で行くのさ」

 

真佐斗はパト犬を装着してパト犬をバイクモードに変形しすぐにでも出立出来るようにする。

 

「分かりました。お気をつけて」

 

「ああ、行ってくる」

 

そう言って真佐人はパト犬を発進させる。

それを見る目に気付きながらも、

 

 

 

 

 

パト犬を走らせる事2時間、

時速百キロを超える速度でSAUとの国境付近まで走り続ける。

 

しかし、走らせていると突如地面が爆発する。

 

それに巻き込まれるパト犬。

しかしMWと同じ装甲を傾斜装甲にしている為にボロボロになるものの未だに無事だ。

 

パト犬は脚で逃げようとするが、その身体に大きな穴が開き、爆発して炎上した。

 

その遠くからはパト犬を破壊したMSが未だに硝煙の残るライフルを担ぎ帰投していく。

 

仕事は終わりと言わんばかりに、

 

 

 

 

 

 

ガラン・モッサの率いる傭兵団の詰所代わりの倉庫では傭兵達が戦いの前に英気を養っていた。

 

ガラン・モッサはマーチウインドから試供品として渡されたコーヒーを飲む。

 

「……このコーヒー美味いな」

 

ガランは昔……自分が◯◯◯と呼ばれていた頃、友であるラスタルやダイゼン共に飲んだコーヒーのような芳醇な香りを楽しむ。

彼の部下達もこのコーヒーの美味さに酔いしれ、傭兵団の経理もコーヒーを購入しようと考えていた。

 

そして、倉庫の電気が消える。

 

ガラン達は停電か?と思い、ブレーカーを上げようとするが、

それは叶う事が無かった。

 

ドンっ!!

 

突如、倉庫の壁が爆発し煙が倉庫内に充満する。

そして多数の赤い単眼が倉庫内へと進撃する。

 

ガランは暗闇と煙で見えない中一人で自分のMSへと向かって行く。

そして、辺りを月が照らし僅かに辺りが見えるようになると、

彼は襲撃者を見た。

 

「なんだ。アレは?」

 

単眼の正体は機械だった。

 

四角い胴体に角ばった脚、胴体の上下に機銃が付いており、

そして、真っ赤な単眼が此方を睨んでいた。

 

カツッ、カツッ、

 

そして煙の中から誰かが歩いてくる。

 

「やあ、諸君。こんばんわ」

 

ガランは目を見開いた。

 

「ば……馬鹿な!?」

 

信じられなかった。信じたく無かった。

 

「何故!生きている!!マサト・ダン!!」

 

「ふっ、貴方に言う気はない」

 

ガランが叫んだ方向には、傷の一つもない真佐斗が立っていた。

 

「さて、ガラン・モッサ殿。貴方には私への殺人未遂。及び、アーヴラウとSAUを混乱に陥れ戦争を起こそうとした容疑で逮捕する!」

 

真佐人の後ろには、アーヴラウの警官達が盾を持ちながら傭兵達に迫る。

 

「ちぃ!」

 

ガランは他の傭兵達を見捨ててでも自分のMSゲイレールに乗り込もうと駆け出す。

 

しかし、その動きは、

 

タァーン。

 

「グゥッ!」

 

脚を撃たれて膝をついてしまう。

 

倉庫の外ではダリル及びフィッシャーが狙撃銃を構えていた。

 

「お見事……ってやつだな。ダリル」

 

「ありがとう……けど、このカーラの作ってくれた義手のおかげだ」

 

フィッシャーがダリルの腕を賞賛し、ダリルは義手のおかげだと言う。

 

義手を愛おしげに見つめるダリルにフィッシャーは惚気やがってと思いながら、対象を捕捉し続けていた。

 

 

 

 

 

 

「グゥッ」

 

ガランは撃たれても転がりながら物陰に隠れて足を服を破った紐で強く縛る。

 

「抵抗はムダだ。大人しく投降したまえ」

 

真佐斗の前にはオートマトンが立っておりガランが持つ拳銃では如何あっても勝ち目が無く、一か八かでゲイレールまで走ろうとしてもオートマトンの機銃で蜂の巣にされてしまうだろう。

 

「(ここまでか?すまん。ラスタル)」

 

せめてゲイレールのデータに手をつけられる事の無いように祈るガラン。

 

「分かった。降伏する」

 

ガランは手を上げて降伏した。

 

 

 

 

 

 

アリアンロッド艦隊の本拠地にて

 

「失礼しました」

 

ジュリエッタ・ジュリスは医者に礼を言い医務室を出る。

 

彼女が医務室にいたのは睡眠薬を貰うためだ。

彼女はあの一件以降。表向きは元に戻ったが、夜眠ると悪夢に魘され目覚めてしまうのだ。

 

最近は医者の力も有って精神的にも安定してきたのだが、

 

少し早い夕食を取るジュリエッタ。

 

テレビにはニュースをやっており、アーヴラウとSAUの防衛軍が握手をして和解をしていた。

立会人にはアークセイバーの司令官マクギリス・ファリド本人が立っていた。

 

ジュリエッタは敬愛する髭のおじさまに教えてもらった通りに情報を得て、それを活用すると言う彼の教えを守ろうとしていた。

 

『では、続いてのニュースです。先日の午前未明。アーヴラウ及びSAUに対してテロ行為を行っていた傭兵。

ガラン・モッサがアーヴラウ留置場から脱走しました」

 

ジュリエッタは聞き慣れた名前を聞いてスプーンを落とした。

 

「えっ?髭のおじさま?」

 

ジュリエッタは信じられない顔で画面を見ていた。

 

「ガラン・モッサは留置場を脱走した後、アーヴラウ防衛軍の倉庫に忍び込み、調査中のMSゲイレールを破壊、その後はアーヴラウ防衛軍の車両を使い逃走中。アーヴラウ市警及び防衛軍は共同でガラン・モッサの行方を捜しています」

 

信じられなかった。信じたく無かった。

彼女は食事を放り出してテレビから離れていく為に走り出した。

 

走って、走って、走り続けて、途中でイオクを轢いたが彼女は気にしてもいなかった。

 

そして辿り着いたのは格納庫だった。

 

『………?どうした?そんなに息を切らせて』

 

画面を被った不審……ゲフンゲフン!ヴィタールがいつもと様子が違うジュリエッタを心配し近づく。

 

「……ヴィタール」

 

ギュッ

 

ジュリエッタは涙目でヴィタールに抱き着く。

 

『えっ?なぁ?』

 

女性経験のないヴィタール(童貞)はパニックになるしかなかった。

 

ざわっ!ざわっ!そしてそれを見ていた整備員達がヒソヒソとヴィタールにとって不利な話をしていた。

 

元々、正体不明かつ司令であるラスタルとタメ口で話すヴィタールはアリアンロッドの中では嫌われていた。

 

そんな中、アリアンロッド艦隊の中でも密かに人気のあるジュリエッタを泣かしたヴィタールを整備員達は殺そうかと話していた。

 

『ちょっと待ってくれ!一体どうしたんだ?』

 

兎にも角にもヴィタールはジュリエッタを引き離し、話を聞こうとする。

 

ついでに針の筵状態の格納庫からジュリエッタを連れて逃げ出した。

 

 

 

 

そして、待機室にジュリエッタを連れ込むヴィタール。

そしてコーヒー(薄くて不味い)を淹れてジュリエッタに渡す。

 

『それで、一体どうしたんだ?』

 

「はい……実は……」

 

ジュリエッタはガランの事を話し出す。

 

『………恐らくだが、そのガラン・モッサと言う人物はマーチウインドの柊カイトに嵌められたな」

 

「どういう事ですか?」

 

ヴィタールの言葉にジュリエッタは問い詰める。

 

『あの男は…』

 

ヴィタールは僅かに歯噛みする。

 

『卑怯者だ……他人の誇りを踏みにじり、罠に嵌め嘲笑う!

………少しだけ昔話をしよう。

俺はとある男を部下にしていた。

彼は尊敬する上官に拾ってもらった恩を忘れず、

上官の存在を誇りとして、傷だらけになってでも戦い抜いた。

………しかし!あの男は!彼の誇りを!上官を侮辱し!挙げ句の果てには、他者に彼を殺させて、下手人を殺害させると言う卑劣な行いをしている!!

俺はあの男が許せない!!』

 

ヴィタールは持っていた紙コップを握り潰す。

 

「柊…カイト」

 

そういえば……と、ジュリエッタが呟く。

 

「あの時の黒い機体のパイロットもカイトと呼ばれていたような……」

 

『そうか……恐らく君も、あの男の悪逆な策謀に巻き込まれたのだろう……」

 

ヴィタールの言葉にジュリエッタは、

 

「そう…ですか」

 

と答え、フフッと笑う。

 

「柊カイト……ラスタル様の為に…そして、髭のおじさまの名誉の為に!あなたを倒して見せましょう!」

 

ジュリエッタは決意の篭った瞳で顔も知らぬカイトを倒す事を決意した。

 

 

 

 

 

 

所変わって、地球へと視点を戻そう。

 

伝染病の被害が治まりやっとこさ地球へとやってこれた鉄華団本体はアーヴラウとの軍事顧問としての契約が切れ、団員総出で地球支部の片付けをしていた。

 

オルガはカイトと共に壁掛け秘密基地の中でマクギリスやカイトと共にコーヒーを飲んでいた。

 

「で、これからどうするんですか?カイトさん」

 

「ああ、それは私も気になるね。ワザワザ時間を作ってコーヒーを楽しむ……と言う訳でもないだろう」

 

「ああ、本来の歴史ならマクギリスがオルガを火星の王にしようとしていたが、俺はそうはしない。現状の鉄華団は鉄華団ハーフメタルの収入でこのコーヒーの様にまっくろくろすけの黒字だ」

 

オルガも確かにと頷く。

 

「ふむ、それなら無理にオルガ・イツカを私の同志達に会わせる事も無いか……」

 

そしてマクギリスはコーヒーを一口啜る。

 

「ああ、それと暫くしたら休暇か何かで火星に来れないか?」

 

「それは出来るが……どうしてだ?」

 

マクギリスはカイトの提案を訝しむ。

 

「……モビルアーマー」

 

カイトの言葉にマクギリスはガタリと席を立ち、オルガは聞き慣れない単語に頭を傾げる。

 

「それは本当か!」

 

「ああ、現在はクリュセ付近にあるJPTトラストの保有するハーフメタルのプラントの地下に眠っている」

 

カイトはタブレットを操り、JPTトラストの面々がプルーマを運び出す映像が映し出される。

 

「これは…プルーマか?」

 

「ああ」

 

「?」

 

マクギリスとカイトが話す中、オルガだけは話についていけずに首を傾げるだけだった。

 

「………?ああすまん。オルガには分からんか、

簡単に話すなら、厄祭戦のきっかけとなった無人兵器の総称がMAだ。

そしてその残りがクリュセ近くに眠っている」

 

カイトの言葉にオルガは理解を示す。

 

「そう言えば、あのラディーチェ(クズ)はどうした?」

 

「ええ、マーチウインドの用意していた監視システムに見事に引っかかってくれましたよ

今頃は阿部さんに可愛がられてるって話です」

 

この世界でもラディーチェはきっちり鉄華団を裏切っていた。

そしてガランの手下を議事堂に入れようと画策したが、マーチウインドが用意していた警備システムであっさりと捕縛されてしまい、その後セバスチャンの尋問であっさりと自白、

言い訳も聞かずに阿部行きとなった。

現在はサンドイッチ状態になっているだろう(イメージするな、すれば冥府魔道に堕ちるだろう)

 

会談は終わり、マクギリスはどこでもドアで借りていた仮眠室へと戻り、

オルガとカイトは書類仕事へと戻った。

 

 

 

 

この後の戦いに備えて、戦力を整える為に、

 

 

 

 

 

 

タカキ?

原作と違い、火星の王になる訳でも無いのでそのまま鉄華団に残留しています。

フーカちゃんのお友達も火星に沢山いるので、不満は無いようです。

 

 

 

 




次回は短編集。

【ユージンお見合いするってよ】【彼等の趣味】

【ナニやってんだよ団長】【昭弘くんの初デート】

【井河さくらの消える日】の五本です!
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