※この作品はR-18です。

滝と一文字の事件録    作:怪傑忍者猫

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蛙とお店

 バダン戦役から、間もなく十五年が経つ。

 俺達『仮面ライダー』と名乗る存在は、ICPO及びSPIRITS隊の尽力で表向き正体不明のボランティアと言うスタンスを維持している。

 そう言う通りすがりの正義の味方をやっている俺、一文字隼人が足を延ばしたのは、アメリカは東海岸、N.Yにある親友のフラットだ。

 俺の親友、滝和也はFBIに長く奉職している。

 俺達に関わった所為で、閑職やら部署を転々としたらしいが、今も彼の肩書は『連邦捜査局捜査官』だ。

 日系アメリカ人で、色々酷い経験もしつつ未だに正義を示そうと走り続けている自慢の親友だ。

 

「来る時は、せめて携帯かパソコンにメール寄越せ!

 仕事の内容によっては家に帰れない事もあるんだ、到着の一時間前、いやせめて三〇分前には知らせろ!」

 

 以前、と言ってもバダン戦以降だが、何度か抜き打ちで押し掛け、自宅や職場から彼の身体を強奪した結果、彼に頭を拳でどつかれ怒鳴られたのだ。

 その為、俺は滝の携帯に「遊びに来たぞ」とメールを送った。

 三歩歩くうちに、滝から返信が来た。

 

『おー、今日は非番だから家にいる。晩飯食うか?』

 

『食う!』

と、メールを返して、俺は手近なスーパーに足を延ばし、適当に食料品を買い込み――一応、ジャーナリスト仲間から値段そこそこだがオーガニックできちんと調理すれば十分美味しい農作物や酪農製品、肉類の情報を貰ってからだが――、三年振りに親友のフラットを訪れた。

 

 久しぶりに会った親友は、また何か面倒臭い案件に引っ掛かっているのか、身体からシップや消毒薬の臭いをさせていた。

 

「おいおい、また危ない事してるのか?」

「うん? ただの通常業務だよ。まあ、昨日はちょっと面倒な事態になってたから、捕り物で打ち身作ったけど」

 

 そう言いながら、滝が三つ鍵を掛けるのを見る。

 これは、昔日本でSHOCKERとやり合った頃から見慣れた光景だ。滝曰く、研修中に身に着けた習慣だそうだが。

 

「相変わらずだねえ、意味あるの、それ」

「まあ、時間稼ぎだな。一応扉にも鉛の板仕込んでるから、RPGでも撃ち込まれない限りは一気に雪崩れ込まれる事は無いと思うぞ」

「ねえ、堅気の生活しようよ」

「国家公務員のうちでも、軍人より遥かに堅気な生活していると思うんだがな、俺は」

 

 そんなやり取りしつつ、俺は滝に買って来た物を渡した。

 「サンクス」と笑って、滝はそれを台所へ運ぶ。

 一人暮らしである親友の家に、初見の同居人がいる事に気付いたのはその時だった。

 親友が食糧庫に野菜を片付けている間に、一緒に買って来た缶ビールを冷やしておこうと思ってショッピングバッグを開いた途端、そこには缶を寝床に些か不機嫌な様子の雉虎の大猫が鎮座していた。

 おかしい。

 このバッグはずっと自分が担いでいたもので、猫が潜り込む筈は無く。また、入ったのなら重量変化で判る筈。

 凍り付く俺に気付いたらしい滝が俺の手元を覗き込み、バッグから一メートルはあろうかと言う大猫を引き出し抱き上げた。……おいおい、お前そんなサイズなのかよ!

 色々ツッコミたい俺の前で、滝は猫に話しかけた。

 

「あーあ、缶ビールの上にいたんじゃ冷たいし痛いだろう?

 そっか、お前新参だものな、俺の友達は『犯罪被害者』で『反逆者』じゃない。

 お前の標的じゃないからな」

 

 幾つか不穏な単語があって、思わず親友の方を見ると、何時の間にか増えた大猫達に集られていた。

 おう、ヘビー級ばかりだな。

 懐かれまくる相棒を見ているうちに、俺はふと昔を思い出した。

 それは、SHOCKERと戦っていた頃、不可解な山奥の館の事件から一月後にあった、変な店での一件。

 

 

 それは、たまたま情報収集の途中、馴染みの編集者とかち合った俺は、断り切れず飲み会に参加する事になった。

 酒を飲んでわいわい騒いで――俺は改造された所為で酒を飲んでも端から分解されて酔いは褪めていくので酔った振りだったが――いるうちに、記者達の愚痴大会の様相を呈してきた。

 そろそろ引き際かと、幹事役に暇乞いをしようとした時、その話が耳に入った。

 

「そう言えば聞いたか、蛙殿さまの噂」

「おいおい、もうあの人亡くなって一年経つんだぜ?」

「それが、また目撃されたそうだぜ? 新開店の小料理屋で三品頼んで味見して、そのまま店の板前罵って出て行ったって」

 

 彼らの言う、『蛙殿さま』と言う男は知っている。

 蛙と言うか、蟇蛙のような……まあ恰幅の良い、そして横暴と下品を絵に描いたような自称美食評論家の男だ。

 本当かどうかはともかく、何処ぞの大名の末裔だと言うこの男は確か男達が言うように一年前、自宅で変死した筈だった。

 だが、彼らの話によると、ここ三ヶ月ばかりの間に奴さんが現れ、以前のように新規開店の料理屋に乗り込んでは、そこの料理を扱き下ろし、嗤って去っていくのだと言う。

 死んだ筈の鼻摘まみ者が、生前宜しく嫌がらせをしていると言う話に俺はまさかと思った。

 ……SHOCKERより先に、あの山の中の惨劇が頭に過ったのを、必死に気の所為にした事を、俺は後々悔やんだ。

 自身の勘を信じなかったばかりに、俺達はまた変な事に行き会ったからだ。

 

 

 そんな話を聞いた三日後、丁度SHOCKERの計画を潰し、奴らが住宅地に造っていた前線基地を潰した帰りに、俺は滝と一緒に宅地の外れにあった、小さな食堂に入った。

 そこは、開いて三ヶ月だと言う、テーブル席四つとカウンター席五つの小さな飲食店だった。日当たりの良いテーブルで、先客らしい女性が氷の浮かぶ飲み物を横に、ゆっくりとパンケーキを食べている。

 姉弟二人で始めたのだと、ウェイトレスのお嬢さんが笑った。小柄で中高生かと思う背丈だが、黒目がちの大きな目はプロ意識できらきらしていた。

 滝はと言うと、小さいこの店のお品書きの方にいたく興味を持った様子で、メニュー表を何度も読み返していた。

 その時だった。

 

「何だ、この店は! 客が来たのに出迎えも無いとは! この時点で、店の程度が知れるな!」

 

 割れ鐘のような濁声に、思わず俺は店の入り口を見て、そして背筋に寒気が走った。

 そこで、他人を見下し切った顔でふんぞり返った男は、先日飲み会で聞いた『死んだ筈の蛙殿さま』そっくり、いや当人にしか見えなかったからだ。

 痘痕面をひん曲げるようにして嗤う『蛙殿さま』は、慌てて来たウェイトレス嬢にぐちぐちを嫌味を言い続けている。

 何と言うか、他人を抉る為の語彙は非常に多いようで、聞いているだけで不愉快になるような事を言い続けている。

 流石に、俺が割って入ろうと思ったその時だった。

 

「ウェイトレスさん、オーダー良いかな?」

「は、はい、ただいま」

 

 メニューから目を離さないまま、滝が彼女を呼んだ。

 これ幸いと、オーダー表を片手にこちらに来たお嬢さんに、滝はメニューの最初に書かれていた『今日のおすすめ』を指して笑った。

 

「目移りしたから、店のおすすめを二人分、隼人もそれでいいだろう? 俺はパン、隼人は?」

「エ、あ、うん、俺もそれで。あ、俺はライスで」

「はい、ありがとうございます。

 本日のおすすめメニューはコンソメスープと海老のグリーンサラダ、田舎風オムレツの唐揚げ添え、デザートはパンケーキとなっております。

 苦手な食材などございますか? お先に言って下されば、差し替えさせていただきますが」

「大丈夫、蛸とか烏賊以外なら大抵食べれるから。お前も大丈夫だろ?」

「? ああ、特に苦手なものは無いから」

「はい、ではお待ちくださいませ」

 

 オーダーを書きつけて、嬉しそうにウェイトレスさんは店の奥に入っていく。

 ほっとしつつ『蛙殿さま』を目で追った俺は、奴さんが入り口近くのテーブルに陣取っているのを見付けた。

 そして、メニューを見ながらぶつぶつと文句を言い続けているのを見て、うんざりと言う気分になった。

 判っていたが、こいつに居座られたら店の人間はたまった物じゃないだろう。

 そう思った時だった。

 

「隼人、スープ飲もうぜ」

 

 はっとなって手元を見たら、金色のコンソメスープが湯気を立てて銀のカトラリーと共に並んでいた。

 あれ? 何時届いた?

 驚いている俺の向かい側の席で、相棒は音を立てないようにスープを啜って一言。

 

「……美味い。隼人、冷める前に呑まないと勿体ないぞ?」

 

 その言葉に背を押され、俺も飲んでみた。

 そして、俺も思わず「美味い」と言っていた。

 一応外交官の親について行って、海外の名店とか評判のレストランとかで食事する機会は多々あったが、その時の記憶と照らし合わせても美味いスープだった。

 思わず、そのまま夢中で飲んでいるうちに、今度はサラダが並んだ。

 ぷりぷりした海老が、緑や紫の色彩に並ぶさまはとても綺麗だった。

 その上に、自家製であろうドレッシングを軽く掛けて口に運ぶと、海老と野菜の甘みをドレッシングの程よい酸味が引き立てていた。

 俺が美味いスープとサラダでほっこりしている最中に、『蛙殿さま』の濁声がスープとサラダにケチ付けているのが聞こえた。

 やれ、塩が足りないだの、葉っぱが不揃いだの、そんなところ突っ込んでどうすると思ったが、余りに耳障りなので一言言ってやろうと、腰を浮かそうとしたところで、滝の声がした。

 

「手洗いか? あそこらしいぞ?」

「あ、いやって?」

 

 今、気が付いた。

 あれだけ喚き散らしている『蛙殿さま』に、滝は一度も目を向けなければ濁声に反応もしていない事に。

 この反応には覚えがある。

 思わず座り直した俺の前には、丸々とした黄色いオムレツに刻んだ野菜が見えるトマトソースが掛かり、キツネ色の唐揚げが添えられたプレートが置かれていた。

 親友殿はソースの絡んだオムレツを一口食べると、とても嬉しそうに目を細めた。

 

「美味い。田舎風オムレツは食べた事あったけど、ここほど卵が柔らかいのに味がしっかりしたものは初めて食べた」

 

 滝の言葉に、俺はソースが掛かって無いところを敢えて食べてみた。

 ……本当だ、具がたっぷり詰まっているのでそれを崩さないようにしっかり焼かれているけど、舌触りの良い焼き具合だ。

 この舌触りは、火加減と卵と調味料の配合の妙なのだろうが、ウェイトレスのお嬢さんの弟と言う以上、俺達と歳が変わらないと思うので恐らく天賦の才と言う奴だろう。

 だというのに、濁声が「田舎風と田舎臭いは違う」とか、「田舎風オムレツなら具材は」云々と、喚き散らしている。

 ただ、咀嚼音が続いているのに明瞭な発音で罵っているのが気になって、取り敢えず一通り食べてから奴さんの方を見て、……見た事を後悔した。

 大量に並べさせた料理を、『蛙殿さま』は次々と握り潰す。

 いや、良く見ると、奴さんの掌から食べ物が消える。

 奴の両掌に、それぞれ牙の生えた口があり、握り潰すようにして料理を喰らいながら、本来の口は店や料理への悪態を垂れ流していた。

 気が遠くなりそうになった俺を引き戻したのは、コトッと言う音と共に漂った香りと、「ほおおぉ」と言う親友の声だった。

 見れば黄金色の、指二本分の厚みがある真ん丸のパンケーキの上でバターが溶けており、横に添えられたソース入れには同じく琥珀色の液体がたっぷり入っている。

 くんっと、ソース入れの臭いを嗅いだ滝は、「メイプルシロップだ」と笑った。

 目の前でたっぷりシロップを掛けて、一口分を切って口に運んだ親友がたまらんっとばかりに笑顔になる。

 

「美味いなあ、パンケーキって奴は本国でもいろいろ食ったけど、こんなに分厚くてそれなのにふわふわなのは初めて食った! 隼人、お前も食えよ!」

 

 急かされて、俺もシロップを掛けて一口食べた。

 ビックリした。

 舌の上でとけるパンケーキなんて初めてだ。こんなふかふかしたパンケーキ、下手な一流店でも出ないぞ!?

 思わず夢中になって食べてしまった俺達のテーブルに、かたりと音を立てて一人の女性が座った。

 えっと思って顔を上げると、向こうのテーブルで食べていた女性がこちらに移って来ていた。

 

「はあい、ここのパンケーキ、美味しかったでしょう?」

「ああ、ふかふかさがたまらんね」

 

 滝の言葉に、俺は頷いておいた。

 何と言うか、彼女をはっきりと見る事に拒否感を感じるのだ。

 黒絹のような長い髪に、女性らしいくびれと丸みのある体つきはきっと美人なのだろうが、顔の造型を覚えるのを頭が拒絶する。金色に光った瞳の細い瞳孔は、どう考えても人間のものでは無かった。

 滝は、特に気にした事も無いように彼女に向かって話を振った。

 

「俺達に何か?」

「うん、君の顔が見たかったのよね。

 あの方と、龍王と悪魔博士が気に掛けてる人間ってだけで充分希少価値だけど、うちの子達のお気にでもあるしね」

「あの方?」

 

 思わず俺が聞き返すと、彼女は自分の口を押えた。

 まるで、己の失言で、何者かの不興を買うのを恐れるように。

 

「おっと、そう言えば第三者がいるんだったわ。

 取り敢えず、そろそろお店出た方が良いわよ? イゴーロナクの眷属に、ここの主がご立腹らしいから」

 

 そう言った女性に半ば押し出されるようにして、俺達はその店から出た。

 お代を払う時に、料理が美味かった事を俺達が各々告げると、まるで全てが報われたようにウェイトレスのお嬢さんが笑った。

 その背後で、ウシガエルのように膨らんだ腹を揺すり、喚き散らしながら何か得体の知れない黒い物を両の掌で喰い散らしていた『蛙殿さま』を見ない事にして――滝は最後まで奴さんに目を向けなかった――、俺達はその店を後にして、そのまま振り返らず家に帰った。

 

 その後、『蛙殿さま』の話はぱったり聞かなくなった。記者仲間達も首を捻っていたから、本当にあれっきりだったようだ。

 そしてあの店も、二度と訪れる事は叶わなかった。

 店があった場所は更地になっていて、周囲の住人に聞くと俺達が食べに行った日の夜、地震が起きたと思ったらぺっしゃんこに潰れたそうだ。尤も、揺れたのは本当にごく一部の区画だけ、という不可解さだったが。

 ……但し、彼らが口を揃えて言うにはそこは一年前に確かに小さな食堂が開いたが、『蛙殿さま』の酷評と嫌がらせで僅か二月で閉じてしまい、ずっと空き家だったと。

 料理人だった弟が厨房で首を吊ったのを見た姉が、その足元で手首を切って亡くなっていたので、事故物件扱いで借り手がいなかったのだと。

 滝は、店が無くなった事を伝えると、「そっか」と短く答えた。

 その様子に、親友はあの店にもう行けない事を、先に解っていたのだろうと知れた。

 俺達を、店から押し出した女性には、……実はその後何度か会う事になった。

 好奇心旺盛な猫宜しく、滝の行く先々で、寛ぎながら俺達の様子を見て楽しんでいる様子だった。

 

 

 滝が料理を作る間、暇を持て余した俺はテーブルの上の放置されていたポストカードに気付いた。

 見れば、それは見覚えのあるロボット、もといプロテクター姿の人物の写真を使ったカードで、そこには『WildTiger 1minute』と入っていた。

 おやっと思って宛名書きの方を見ると、鏑木・T・虎徹、鏑木楓の連名で能力減退が一分で止まった為、HEROに復帰したと書かれていた。

 このカードの差出人親子は滝の知人で、数年前西海岸のカナダ国境近くにある三層都市《シュテルンビルト》での事件で俺も知り合いになった。

 『NEXT』と呼ばれるある種の超常能力者が集まる《シュテルンビルト》で、バウンティハンターとレスキューを兼任する『HERO』と呼ばれる存在がいるのだが、鏑木君はそこの古参の一人だ。

 たまたま、別件で捜査に行った滝の目の前で、彼が殺人の冤罪を被せられ公開処刑に曝され掛けたのを、滝から連絡を受けた俺達が助けたのが縁で、《シュテルンビルト》のHERO達と交流するようになった。

 そっちの調査の方は、別の人間に引き継がれたそうだが時々連絡は取っていた様子で、部屋の壁に何枚か彼らの写真が飾られている。

 ハロウィンパーティーのものらしい、HEROスーツに南瓜やハロウィンモチーフの小物を付けたHERO達の写真を見ていた俺に、料理を運びながら滝が声を掛けた。

 

「おう、出来たぞ。あ、写真見てたのか」

「あ、悪い」

 

 得意料理の中華を並べつつ、滝はそう言えばと言う顔で俺を見た。

 

「虎徹と言えば、あいつからおもしれえ事聞いたんだ。

 昔、ふっかふかのパンケーキ食った事があっただろ?」

「え? あ、うん、あれは凄かったな」

 

 まさかさっきまでその事思い出してたとは言い辛くて、頷いて見せた俺に、滝は楽しそうに言葉を続けた。

 

「あいつ曰く、パンケーキの生地にマヨネーズ加えると、ふっかふかになるんだと」

「はああ? マヨネーズなんかいれたら、臭いがするだろ!?」

「そう思うだろ、それがそうでもないんだってさ」

 

 二人で、他愛のない話と共にチャーハンをかき込み、青菜炒めや唐揚げを摘まむ。

 そんな俺達の横で、大猫達は滝から貰った茹で鶏肉をゆっくり食っている。

 

 

 取り敢えず、今俺達は平和だった。




仮名B子の独り言。

 あの時は、たまたまよ。
 あそこの料理がおいしいから、食べに行ってたの。でも、あの料理人を追い込んだ男が、イゴーロナクの眷属に堕ちてたとは思わなかったわ。
 おかげで、折角のお気に入りが無くなっちゃったわ。
 彼と彼の連れに関しては、私の子達が大事にしてるから助けた、それだけよ。
 うん? あの方と龍王と悪魔博士?
 うーん、メタな話だけど、作者の設定してる存在。龍王は、東海青龍王、但し人間としてとある大企業の会長やってるわ。悪魔博士? ご勘弁、この人怖いの、話せないわ。
 あの方は……うん、そうね、この世の時間を生み出した存在の御子で、終わりを司る存在とだけ、ね。


 言っとくけど、この次元(物語世界)では、彼とその一族に勝てる存在は幾つかいるけど、地球上で彼に勝てる者はいないの。だって、彼の掌の上で彼に突っかかっても、握り潰されたら終わりですもの。


 これは完全に余談だけど、《Flight of the Tiger》最終話の「King」はあの方の血族なの。
 だから、あの人本気でアザトースを殴りに行く気だったのよね。
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