今回は人×竜、竜×竜です。
竜を畏怖していた人間達はある時、竜達と大戦争を起こす。結果人間は結託した竜に抗うことはできず惨敗。しかし竜は人間を完全に支配することは望まず、日常生活に少し竜が入り込んだぐらいである。人間社会に興味を持って溶け込もうとする竜は温厚な竜が多いので争いの後は特にお互いいがみ合うこともなかったが、一部の竜は捕虜や近親者の仇などを奴隷として差し出させた。しかし竜も例え人間であろうが子供を手荒く扱う者は少なく、奴隷の子供はその両親に育てさせたり竜自身が育てたり養子に出したりするのが普通だ。ただ子供や番、兄弟などの仇を奴隷としている竜など人間を強く恨んでいる者は親に引き続き子供も奴隷として使う者も根強くいた。
サーヤは15歳の人間の少女で、バルーガという雌竜の奴隷である。無論彼女自身は戦争に特に関わってないのだが、仕えている雌龍の番を私の父親が殺したことで彼女にもその恨みの矛先が向けられたのだった。父親は10年近く痛めつけられ最終的には殺された。母親は奴隷として使われていたが、父親が殺されたおよそ1年後にサーヤを産んですぐに死んでしまったので彼女が代わりに使われているということだ。でも彼女は竜を恨んでいないし、寧ろ今は…。
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私は生まれつきの奴隷だ。奴隷と言っても力仕事は余り出来ないので殆ど召し使いだが。仕えているのは翡翠龍といって竜の中でも地位が高いらしく、住んでいるのも元々人間の金持ちの豪邸だったところを戦争後に竜用に改築されたところである。だが私の部屋は物置に薄い布団を敷かれただけで夏は良くても冬はとても辛かった。食べ物には困らず十分に摂らせてくれるが毎晩寒くて眠れないとなると、食事は1日1回で良いから毛布を追加して欲しいと思い、私が14歳の時の秋前に懇願してみたのだが…
「あ、あの、バルーガ様…」
「なんだい?なんか問題でも起こしたかい?」
高さ3mはある竜の鋭く光る金色の眼で見つめられ冷や汗が出る。
「そうではなくて…その…毛布か何かを貰えませんか?」
「何故だ?」
「冬は毎晩凍えそうで…」
「奴隷が贅沢言うんじゃないよ!そんなこと言うなら外で寝させてやろうか。」
「はい…」
「あれ?母さんどうしたの?」
彼はジーク様。バルーガ様の息子で、バルーガ様の番が死ぬ寸前に産まれたまだ若い竜だ。父親がどういう容姿かは知らないが、母譲りの美しい翡翠色の鱗に、顔に黒い縦筋の入ったルビーを嵌めたのではと思うほどの燃え上がるような眼を持っている。バルーガ様いわく父親と全く同じ眼をしているそう。優しく、私が小さい頃はバルーガ様の眼を盗んで一緒に遊んだりすることもあった。
「こいつが寒いからって毛布を要求してきたんだ。冬の戦いの間住みかを追われた私と夫がどんな思いをして…」
「母さん。」
「あぁ分かってる、こんな話をしても無駄だ。さぁ、さっさと仕事に戻りな。」
少し続きが気になる気もするが、私は広い屋敷の掃除を再開した。その夜、バルーガ様に呼ばれたので行ってみればジーク様も一緒にいる。
「何でしょう、バルーガ様。」
「来たか。ジークももう30歳近いからな。番を持つのにはまだ早いが体は十分に成長している。前にも言ったが私ら翡翠竜は竜の中でも力を持った一族だ。だからなるべく強く良い雌と番になって欲しいと思っている。だが、お前達人間には理解できないかもしれないが竜が番になるにおいて交尾は非常に重要でね、そう簡単に雌に負けてしまったら幻滅されるかもしれない。強い雌を選ぶとなれば尚更だ。だから番が出来るまでお前で慣れさせる。」
えっ。と思わず聞き返した。翡翠竜の所有物として恥の無いようと教養は受けている。だから何を言っているか理解した。驚いてるのはジークもだった。
「つまりその…交わると───」
「自惚れるんじゃないよ。誰がジークの精を受けさせてやるなんて言った?私らのように特殊な力を持つ竜は体のすみずみまでその力があるんだ。特に血と精には子供にそれを受け継ぐために強い力がある。それをお前ごときにやってたまるか。手で慰めろ。口に含むことも許さん。」
ジーク様が何かを言おうとしたが止める。
「私が相手をしたやりたいところだがジークもやりずらいだろうし万一宿ったら洒落にならないからね。あぁ、やる前に手を洗ってきな。あと服を脱いで。洗うのは面倒だ。」
そして私は横たわったジーク様の股間に手を伸ばし、指示されるままそれが収まっているであろうスリットに指を入れれば数秒で幼い子供の肩から手先ほどの大きさの肉棒が姿を現した。ジーク様自体まだ成竜でないとはいえ体長4m近くあるので体格相応と言えばそうなのだろうが、脈打つそれに思わず息を飲む。ジーク様が気まずそうな顔をするが、私はバルーガ様に睨まれてゆっくりと扱き始めた。
「もう少し強く…それじゃあ果てるのに何日もかかってしまうよ。」
そう言われ、両拳でグリグリと挟むように扱けばジーク様の息が少し荒くなる。と
"ごめんね、こんなことさせちゃって"
突然脳に彼の声が響く。彼の能力のひとつで、体が触れあっていれば頭に直接話かけられるのだ。昔はこれでバルーガ様に気づかれないように隠れ話をしていたのだが、最近ずっとしてなかったので驚いた。なんとか平静を装いバルーガ様には気がつかれずに済む。
"いえ…気にしてません。雄竜はこうするのですか?"
"余りしないと思う。"
"しないんですか…。"
"交尾とか射精とかは父親に舐めてもらいながら教わるけど、慣れさせてもらうことはないかな。"
"そうですか…"
"気にしないで。責めてない。"
ジーク様の父親がいないのは私の父が殺したからだ。その代わりをしていると考えれば幾分か気持ちが楽になる。
まだまだ成竜では無いとはいえ流石は竜。1時間やり続けてようやく
"でるよ…"
と合図してくれた直後に粘度の強く熱い精液を放出した。一瞬で粘液まみれになり半ば放心状態に陥る。なんて量と匂い。独特な匂いとジーク様の匂いが混ざった感じ。
「あぁ、やっとか。余りに時間がかかるから随分退屈してしまったよ。」
私は久々にジーク様と会話してたので暇ではなかったが疲れた。
「ほらジーク、ついでに法力で綺麗にしておやり。そんなんで屋敷を汚されても困るからねぇ。」
彼が私に息を吹き掛ければたちまち精液は消え去った。
ペロッと私の顔を舐め
"気持ちよかったよ"
と言って(?)くれた。
「全くこんなんで慣れになるのかねぇ。人間がどうかは知らないが1回じゃ終わらないのに、これじゃ日が変わってしまう。やっぱり私がやるべきなのかねぇ…」
と色々言われたがこれ以上は時間の無駄ということで今日は終わった。
それから2、3日ごとにその行為は続き、1ヶ月もすればお互い慣れた。元来ジーク様は嫌いじゃなかったので嫌と感じたことはなかったし、女の奴隷なのである程度覚悟はしていたのだ。それにジーク様と無言の会話を楽しめるという利点もあった。精液にも力はあるというのは嘘ではないらしく、ジーク様の精液を浴びると心なしか体が綺麗になっている気がする。まぁともかくこの行為は別に問題では無かった。寧ろ気温が下がってくるとその熱い粘液を浴びたいとさえ思うようになる。そしていよいよ寒さが本格的になり、眠るのが辛くなってきた頃だった。夜私が自分の部屋に戻ろうとしたとき
「サーヤ、こっちにきて。良いから。」
ジーク様にそう言われるままついていくと彼の自室に招き入れられた。広い絨毯の敷かれた部屋に巨大なベッドが置かれている。掃除以外は決して入るなとバルーガ様に言いつけられていたので
「駄目です。怒られてしまいます。」
と言うと
「大丈夫、母さんには自分の部屋でやってもらいたいって言ってあるから。」
やってもらうとは射精のことだろう。そういうことならと部屋に入り服を脱ごうとすると
「脱がなくても良いよ。建前だから。」
そう言って竜用の、足が何本もある頑丈なベッドに横たわるとポンポンと布団を叩いた。
「えっ…」
「おいでよ。寒いんだろ?」
でも…と言いかけてやめる。何かに操られる用にフラフラとベッドに上がるとその体と翼で優しく包んでくれた。
「暖かい…」
「そのまま寝ちゃいな。」
今思えば何か術でもかけられたのかもしれないというほど早く眠りに落ちた。
翌朝、バルーガ様に何て言われるか気が気で無かったのだが、一瞬でジロリと見られただけで特にお咎めもなくホッとする。普段から怒鳴るようなことはしないのだが、冷静に叱られるとかえって恐ろしい。過去に1度だけ大目玉を食らったときは殺されるかと思った。私は買い物と食事ついでに外出が許されていて、それ自体はとてもありがたい。毎日お金を渡されると、これでなんか食べてこいと言われる。奴隷としてはかなり優遇されていて、お陰で毎日お腹一杯食べられるし外出ができる分友達もいる。ただし日暮れまでには帰れと言われているのだが1度それを破ってしまって大泣きするほど怒られた。殺意さえ感じ、今だに思い出すだけで冷や汗がでてしまう。私には呪印をつけられていてバルーガ様には居場所が分かるのだが、私が言いつけを忘れて街を歩いていると突然空から掴まれ連れ戻されたのだ。本当に死ぬかと思った。
昼頃、ジーク様とバルーガ様は森へ狩りに行っているので私は自分の食事のためいつものように外出した。バルーガ様達は人化の術を使って街に出ることもあるため食事代のことも分かっており、人並みの食事をするのに十分なお金を持たせてくれる。服もちゃんとしているので見ただけでは奴隷と分からないだろう。
友達と会って一緒に食事をし、言いつけられていた鱗をお金に替えたり必要なものをそれで買ったりしながら日没前を過ごし、友達に別れを告げて帰路についた。
その日もジーク様に招かれ床を共にし、それから冬が明けるまではずっとそうしてくれた。流石に悪いと思い、建前だった夜枷の役割を実行したときもあったが、その度にごめんねと謝られる。やっぱり優しい人…じゃなくて竜だな、と思った。
翌年の夏、私はいつも通り外食をしていると
「ねぇサーヤ、あんた、好きな人とか出来た?」
「えっ何で?」
突然友達にそんなことを言われて驚く。
「なーんかそんな気がするんだよね。」
そう言われて思い返してみると
「人…じゃないかも。」
「えっマジ?まさかあんたが仕えている竜とか?」
「…」
「図星か…他の竜ならともかくねぇ…」
言いたいことはわかる。人と竜が結ばれることは珍しいがゼロではない。戦争が終わって一部の竜が人社会に出ると少し増えてもいるらしい。だから竜を好きになること自体はおかしいとは思われないのだが、なんせ私は奴隷だ。重労働をしていない奴隷の結婚が認められることすら珍しいのにまさか主を好くとは。
「まぁ確かにあんたの身なりとか知識とか食事とか見る限り奴隷に見えない位優遇されてるからきっとそのバルーガとジークって竜もいいやつなんだろうけどさ。」
「優遇されても奴隷は奴隷だからね…。優遇されてるのも翡翠竜の所有物として醜いものは嫌って言う理由だし。慰み者として使われても体は重ねるなって言われるし…」
年上の親友なのでここまで話せる。少し気まずい雰囲気になって
「…まぁ頑張りな。」
と言われこの話題は終わった。家に帰るとジーク様が
「今日、誕生日じゃない?」
と言われ初めて思い出す。そういえばそうだっけ。産まれたのもこの家らしいから覚えててくれたのだろう。その瞬間も見ていたらしいし。
「そんな時期か…というとあんたももう15になるのか。15歳なんて竜だったらまだまだ幼いのに、人間は随分と成長が早いもんだねぇ。」
いつものイメージとはかけ離れたバルーガ様の発言に少し戸惑い返事を濁してしまった。
季節は巡り秋、久しぶりにバルーガ様の前でジーク様の雄槍を扱いていると
"サーヤ、また寒くなったら来て良いからね。"
と言ってくれて、あれほど嫌だった冬が楽しみになる。あんな温もりは初めてだったのだ。どこか懐かしい感じもしたが、記憶の限りでは私はずっと独りだったのであんなことをされれば好きになってしまうだろう。
「…お前なんか笑ってないかい?」
「えっ…あっ…いえ、そんなことをありません。」
あぶないあぶない。見張られていることを忘れていた。
根本から掻くようにして先端までなぞるとピクッと脈動してちょっと面白い。片手で先端を弄りながらもう片方の手の親指で指圧しながら握り、動かすと
"だいぶ上手くなったね…油断したら出そうだよ"
と言われ少し嬉くなる。以前は射精に持っていくまで1時間近くかかり、しかもジーク様が気を使ったのか待ちきれなかったのかで大して耐えずに出していたのだが、今では私の手が疲れるまで堪えてくれる。堪えると匂いや粘度も強くなるし、量も少し多くなる気がするのでバルーガ様もジークが堪えた末に出していると分かって私に愚痴を言うことも少し減った。
"あの…そろそろ手が…"
"ん。分かった。"
一定の力で長時間動かしていたため手の疲労がピークに達し、降参するとジーク様は体から力を抜いて堪えるのを止める。私が彼に勝つことなんて無いだろうがやっぱり申し訳ない気がした。
ビシュッ!ビシュッ!…
「…フン、前よりは上手くなったか。さぁ、終わったらさっさと戻りな。」
彼の精を消されて部屋に戻ると生まれて初めて自慰した。もちろんジーク様を思い浮かべて。
(早く寒くならないかなぁ。)
望みが天に届いたのか、今年は去年よりも寒い。日中、バルーガ様の見ていないところでお願いすると快諾してくれた。が、廊下でバルーガ様とすれ違う。
「部屋につれて行くのかい?」
「うん。」
「…くれぐれも抑えきれずに交わるなんてことするんじゃないよ。あんたは大事な跡継ぎでもあるんだから。汚れたら困る。」
傷ついたが許可はしてくれたので良しとする。前のように抱いてもらうと
「あの…本当にありがとうございます。」
「気にしないで。」
「ジーク様はお優しいですね。」
「うん…多分母さんに似たんだ。」
バルーガ様は確かにジーク様に対しては優しく、しかし甘やかしたりはしていない良い母親だと常々思っていた。私に大しては当然冷たいのだが。
「父さんは血の気が多かったって言ってたし。」
「そうなんですか?」
「うん。」
それが本当なら母親に似たのだろう。
「まぁ父さんは父さんで優しいと言うか…強かったんだけどね。ねぇサーヤ、去年君が寒いって言ったときだけどさ。」
「はい。」
「僕達、本当は気づいてなかったんだ。僕らは寒さ暑さにはある程度強いから、雨風をしのげる場所と、枝と葉で造った寝床があればこの地域の冬くらいなら平気なんだ。だから気づけなかった。」
「そうだったんですか。てっきり…」
「母さんは優しい竜だよ。とっても。誰に対しても。」
「はい…」
「言わなかったんだけど、実は僕の部屋で寝かせてあげろって最初に言ったのは母さんなんだ。」
「えっ…」
「僕らは卵胎生って言って母親のお腹の中で卵の殻が溶けて孵ってからしばらくして産まれるんだ。だから殻が溶けたあとはほんのちょっとだけど記憶があって、僕も母さんのお腹にいるときのことをぼんやり覚えてるんだけど、とっても温かかった。父さんと母さんの声が聞こえたのも覚えてる。でもね…」
一旦目を閉じ
「外はとても寒かったんだ。人間に塒を追われて雪の中で野宿していたんだって。凍えそうなのを母さんのお腹だけ両親で必死で温めていたって言ってた。だから君が寒いって言ったときについその事を思い出しちゃったんじゃないかな。」
「そうだったんですか…」
確かにそれと比べれば、私の部屋なんて天国に等しいだろう。
「これは僕の想像だけど、最終的には君に同じ思いをさせたくなかったんじゃないかな。君のお父さんのことをまだ引きずっているから冷たく当たっちゃうんだと思うけど、本当はとても優しいんだ。君が生まれるときだって、街の一番評判の良い医者を呼んで君のお母さんを助けようとしていたんだよ。」
「…」
「だから────」
「余計なこと言うんじゃないよ。さっさと寝ちまいな。」
どこからともなく声が聞こえた。もしかしたらジーク様の意思疏通能力の上位互換で距離が離れていても会話ができるのかもしれない。ジーク様と顔を見合わせる。意思疏通しなくてもわかる、お互い『聞いてたんだ…』という顔をしていた。
翌朝思わずお礼を言うとこれ以上ないほど綺麗に無視されたが、渡されたお金がいつもより少し多かったのでジーク様が言っていたことは本当のようだ。
戻るとバルーガ様に呼び出され、無言で頭を掴まれて心臓が止まりそうになる。しばらくして離すと
「お前…私の息子を好いているな?竜や主としてではなく雄として。」
「…!」
「私は感情も読み取れるんだよ。だからと言ってお前を追い出すことはしないが、わかっていると思うがそれを許しはしないよ。」
「わかってます…」
「それと、随分自分の出生について知りたがってるね。どうせなら教えてやるよ。」
そう言って色々教えられた。ジーク様が生まれて1年で戦争が終わり、それまで捕らえていた父親と後から呼んだ母親を奴隷としたこと。母はバルーガ様を恨まなかったこと。父を殺す数日前に1日だけ共にさせたら私を身籠ったこと。それを父が死んだだいぶあとに気づいたこと。母は病気にかかり、治すには胎児を殺すぐらいの薬を飲まねばならずバルーガ様の能力でも同じだったので、母はならせめて私に影響がないようにしてくれと泣きながら懇願しそれを受け入れ、産まれる寸前まで私をその力で病から守っていたことなど。聞いていて泣きそうになった。
「でもあんたには間違いなくあの男の面影がある。妻の腹に子供がいるし、人間には手を出さないからという訴えを無視してすでに傷だらけの夫に襲いかかってきた男のね。だから私はあんたを普通には扱えないのさ。分かったらさっさとジークの部屋に行きな。」
「…何故それは認めてくれるんですか。」
「それはジークから聞いたろう。それにあんたが赤子の時もあたしじゃ潰してしまうかもしれないから幼いあの子が抱いてあやしてたんだよ。妹でも生まれたかのようにね。でも仇の子を番には認めない。さぁいきな。」
「あの…ありがとうございます…」
「フン…」
「母さんになんか言われたの?悲しい顔をしてる。」
「私が生まれたときのことを教えてもらいました。」
ベッドに入りながら答えると抱き締められて
「本当だ。心が乱れてる。」
と言われ背筋が寒くなった。
「ジーク様…もしかして…」
「つい最近、感情も読めるようになった。母さんもまだ知らない。君の心を読んだのもこれが初めて。」
「…!」
「嬉しいよ。想ってくれることは。母さんは認めないだろうけど。」
そう言って抱く力を強くする。
「夜枷になりましょうか。」
「そうだね…お願いするよ。舐めてくれると嬉しい。性器を舐めさせるのは信頼の証だから。あ、ちなみに今は結界張ってるから感知はできないハズだよ。破れたら気がつくし、いざとなったら僕が無理矢理やらしてるって言えば済むから。」
そう言われ、服を脱いでから私は初めて彼の雄槍を口に含んだ。両手で扱きながらしゃぶるといつもよりジーク様の息が荒くなる。先走りが口の中に流れてきたので一応聞いてみる。
「飲んでも平気ですか?」
「血じゃないから平気だよ。でも無理しなくて良いからね。」
「あなたなら…平気です。」
精液独特の匂いとジーク様の匂いをそのまま味にした感じだった。そのまま続けると、堪えようとしていないのか10分くらいで
「じゃあ…出すよ…」
と言ったので急いで先端を口にいれてなめると物凄い勢いで精液が放たれ、飲み込もうとしても粘度が高くて飲み込みづらく、口から噴き出すように溢れた。先走りより遥かに強い匂いに包まれる。全く収まらない雄槍を見てこれが欲しい、とそう思った。
「大丈夫?」
「はい…ゲホッ…すみません。」
するといつもは法力を使っていたのに今日は顔に付いた精液を丁寧になめとった。と、
「んんっ」
不意に顔を舐めていた舌が唇を割って入ってくる。驚くまもなくジーク様の舌は私の口の中を舐め、舌を舐め取った。いつかはと夢見ていたキス。夢見ていたものよりも遥かに熱いキスを交わし離れると私を見つめてニッコリ笑った。
「ジーク様…もしかしてさっき私が考えたことも…」
「うん。」
とだけ答え、覆い被さるようになると腹から乳房にかけてじっくり体を舐められる。くすぐったいような、気持ちいいような感覚に息が乱れた。しばらくそうして私の顔に近づくと
「サーヤ、良いかな?」
「注いでくださるんですか?」
「僕も君とひとつになりたい。受け入れてくれる?」
「もちろんです。私もジーク様が───」
「様は要らないよ、二人の時は。」
そして秘裂を舐められた。最初は周りを、そして中を舐められ痺れるような快感が襲う。深くまで舐められると、まるで彼が私を食っているような感じになった。
「ハァ…ハァ…あん…」
"気持ちいいかい?"
"はい…"
"我慢しなくていいからね"
「ふ、ふあああっ!」
あっという間に達してしまった。それを感じたのか舌を引き抜き、どう見ても規格外の雄槍の尖った先端をあてがう。
「深呼吸して…」
ツプ…グニグニグニ
「あぅぅぅ」
よくほぐしてくれたお陰か痛みより遥かに強い快感。無理矢理広げられた膣口が少しヒリヒリするが気にしない。子宮口が先端に刺され、これ以上進まなくなるとまだ半分くらいしか入っていないが押し込むのを止めてくれた。
「苦しい?」
「だい…じょうぶです…」
「辛かったら言ってね。」
顔をペロンと舐めてから前後運動を開始した。
「あうっ…あぁっ!…あんっ!」
人間の私を気遣いながら、優しい笑みを浮かべながら身を重ねてくれる彼に対してさらに愛情が吹き出る。バルーガ様なんて関係ない。番になりたい。私も彼を抱き締めた。
どれくらい突かれていただろうか。何度も達し、気がつけばジーク様も涎を垂らしながら恍惚とした表情を浮かべている。もう快感しか感じない。あとは最後の瞬間を待つだけ。彼の体を撫でると私の目を見て
「良いね…?」
喘ぎが抑えられず答えられない。その代わりに何度も頷いた。
「フゥ…フゥ…クウゥッ!」
「あああぁぁッ!!」
全身が揺れるんじゃないかと思うような脈動と同時に下腹部が熱い精に灼かれて絶頂と共に失禁してしまう。当然精を受け止めきれるはずもなく、射精のリズムに合わせて結合部から溢れでた。
「大丈夫かい?」
「は……い…。」
今度は法力を使って瞬時に証拠隠滅するが、私の腹は彼の熱い精液で張っていた。
「ありがとうサーヤ。これからはずっと守るからね。」
「はい!」
無事バレずに済んだ私とジーク様は毎日体を重ね、私もある程度なれてきたのか2度までなら連続でできるようになった。彼の雄はそれぐらいじゃ萎えないが、それでも満足げに注いでくれる。だが…
「やっぱり言わなきゃだよなー。」
「はい…。」
言ったらどうなるか。想像するだけで恐ろしい。
「バレるのは時間の問題だけどさすがの僕も怖いなぁ。」
証拠隠滅しながら果ての無い会議。初めて身を重ねてから1ヶ月経つがバルーガ様に言えてない。
「ねぇ、ジ、ジーク?」
「うん?」
初めて呼び捨てで呼ばれ少し嬉しそうに返事をする。
「翡翠竜って法力でいろんなことが出来るんですよね?」
「うん。」
「それって…人間が竜にもなれる?」
「えっ!?どういうこと!?」
これは私の悩みのひとつだった。もし私が竜ならば身を重ねるときに彼を満足させられるし、何より子供をつくりやすくなる。
「だから、私が雌竜になれるかってこと。」
「なれるよ。でも多分もとには戻れない。」
「でもそうすればバルーガ様も認めてくれるかもしれない。ジーク様と子供もできる。」
「別に人間のままでもできるよ。」
「でも雄竜との間は稀なんでしょ?」
「そう簡単に考えちゃダメだよ…。人化できる竜は少ないんだし、あれだってただ化けてるだけだし、第一君の人生を全部ぶち壊すことになる。」
「でも…。」
「気持ちは嬉しいよ。でも賛成できない。僕は今の君のままで十分だ。サーヤ。言いたくないけど、これは命令だ。」
「…はい。」
返事をすると微笑んでキスをしてくれた。
それでも諦めきれず翌日、いつもどおり外出した私は例の友達に相談してみた。すると
「そうねぇ、あんたに会えなくなるのはちょっと寂しいけどまぁ、あんたが決めたんなら良いんじゃない?」と言ってくれて、再び気力が舞い戻る。いつもより早めに戻り、勇気を振り絞ってバルーガ様に聞いてみた。
「あの…竜になる方法ってあるんですか?あったら教えて────」
「何だって!?…お前本気か?」
「は、はい。」
「今すぐ私の前から消えるなら聞かなかったことにしてもいい。もう一度私にそんなことを言ったら八つ裂きにするよ…?」
「う…」
それでもすぐに立ち去らないでいると
「聞きたかったらジークに直接聞くんだね。」
そう言って去っていった。恐らくジーク様は教えてくれようとしないと分かって言っているのだろう。
「サーヤ、今日も来てくれる?」
昨日私に命令と言ったことを後ろめたく思っているのかジーク様から誘われ部屋に行く。交わる前にもう一度聞いてみた。
「ねぇ、今日自分でもよく考えたし、友達にも相談したんだけど、私やっぱり竜になりたい。」
「…」
「お願い」
「2度と戻れないんだよ?」
「分かってる。」
「…」
「教えて。」
「…血。」
「血?」
「血を飲むの。」
「それだけ?」
「飲んでる間かなり辛いらしいよ。結構飲まないといけないらしいし。」
「構わないわそれくらい。あなたがよければ。」
彼はまだ渋っていた。だが私が真っ直ぐ見つめ続けると
「分かった。こっち来て。」
近づくと無言で抱き締められた。バルーガ様が必死に守った心音が聞こえて竜になりたいという気持ちが強まる。
離れると横たわり、自分の腕を鋭い爪で引っ掻いた。
血がベッドに垂れる前に吸い付く。飲んだ瞬間、胃酸を吐いたときのように喉が焼け体が熱くなり、それでも我慢して止めずにいると不意に全身から嫌な音がすると共に耐え難い激痛が襲った。
「うがぁぁぁあ!─────!」
悲鳴を上げるも途中から人間とは思えないものとなる。
「ごめんね。僕が気を許したばっかりに。きっと守ってあげるからね…」
そのあとはとにかく痛く苦しくて、真っ白い空間に自分の意識だけがあるような感じになった。痛みに心が折れそうになったとき、目の前が急に真っ暗になって痛みが引いていって徐々に感覚が蘇ってくる。だが背中とお尻と腰の間に今までにはない感覚があり、時おりピクピクと痙攣していた。と、
「ジーク、何の法力使ってるのか知らないけど随分と大きな気が駄々漏れで気が立って眠れないよ。明日にして…く……れ………。」
「か、母さん…」
重い瞼を開ければ、まさにポカーンとしたバルーガ様がいた。私はうつ伏せでジーク様に抱かれている。
「お、お前…その雌竜は……その気の流れは…まさか…サーヤなのか…」
「ほうでふ(そうです)」
「サーヤ!気がついてたの?」
意識はハッキリしてきたが舌が回らない。
「なんて…なんてバカなことを…」
「あたひがおねがひひたーでふ。」
「母さん、僕はサーヤを番にする。」
「…。そいつの父親のせいで、私達は夫の死肉を食って生き延びることになったのを覚えているだろ?」
サーヤ「へっ!?」
「生まれたばかりのジークを抱きながらお前の父親が負わせた致命傷が原因で夫は死んだ。『いざとなったら我を食え』って言ってね。出産で疲れた私が狩りなんて出来るわけがない。だからそうしたんだ。」
「もちろん覚えてるよ。あんなに母さんが泣いてるのをあの時以外見たこと無いもん。」
「それでもそいつを番にするというのかい?」
「サーヤがやった訳じゃないもの。」
「バカだねぇ…成人したら解放してやろうと思ってたのに…人生が台無しじゃないか。」
「私が無理を言ったんです…。お願いです。番にさせてください。」
そう言うとジリジリと近づいてきて私の頭から尻尾の先まで見られて冷や汗が出る。そういえばまだ自分の体を見ていなかったが、今はバルーガ様から目が離せなかった。ジーク様は私を抱く力を強め、バルーガ様はゆっくりと口を開く。
「随分と…随分と綺麗な竜になったじゃないか。」
「母さん…!」
「成長すれば美しい雌竜になる…体格も良い…これなら、元気な子が産めるだろう。夫が命を捨て、私が命を懸けて守った息子にはぴったりだね…」
この言葉は涙が出るほど嬉しかった。私は自分でも綺麗と思うような煌めく蒼鱗におおわれていて、2本の短い角が生えている。
「ジーク、この子を独りぼっちにするんじゃないよ。」
「分かってる。」
そう言って去ろうとすると
「ねぇ、後で一緒に寝ても良い?」
「…好きにしな。」
そしてまた二人きりになる。
「大丈夫?」
「うん。もう平気。」
伸びをしてから彼のスリットを舐める。彼は抵抗しなかったので隆起した肉棒をしゃぶり続けた。人間のときよりもずっと長い舌と口でジュルジュルと舐め続ければほんの数分で吐精、やはり飲み込むのは苦労したが今度は殆ど溢さない。飲み終えると下腹部が疼きだした。
「気持ちよかった?」
「うん、凄く。」
じゃあ、と仰向けになって力を抜くとクチュ、と音がして私の秘裂がほんの少し口を開ける。彼はそこに
舌を入れ、入念に舐め始めた。
「ンン…クハッ…」
人間の時よりもここの部分の感覚が鋭くなったらしく、内側から舐められているということを強く感じる。私も私であっという間に達した。そして野性的な欲望が沸き上がってくる。
「早くいれて…」
人間のときだったら絶対にこんなことは言わないだろう。そんな言葉を聞くと大きく頷き挿入した。
「うっ…やっぱ大きい…。」
「痛い?」
「ちょっと…でも…ハァ…平気。」
多少辛いが気持ち良い。時間をかけて雄槍をすべて受け止めると謎の安心感にため息が出た。
「ハァ…ジークさまぁ…」
「サーヤの中すごい…このままでも出せそう。」
サーヤの竜膣はうねるように波うち、ジークに確実な快感を与える。
「ンム…」
彼女が竜になって初めての口づけ。舌先までコントロール出来るので蛇のように絡める。ねっとりと糸を引いて離れ、目を合わせると腰を引いた。
「クウゥゥ…」
痺れるような快感。そして
ズゥン
「ギャン!」
半分ほどまで抜いたところで一気に突き入れられ体を反らした。すぐにそのスピードをあげていく。
「アウッ!アウッ!」
「グ…凄い…気持ち良いよサーヤ…」
「アグゥ!ワタシモォッ!ジーク様のスゴイィ!」
人間の時も物凄く気持ちよかったのだが、そんなものは比べ物にならない。突かれる度に頭まで快感の電撃が伝い、理性をことごとく消し去った。やがて彼が限界を迎えると最後の一突きと共に熱い濁流がながれこみ、その衝撃に体が跳ね上がって達した私をしっかり抱き締め口づけをされる。
「ンムググググゥー!ンーー!」
私も夢中で彼の口中を舐め回し舌を絡めとる。射精が終わり見つめ合うと
「ありがとうサーヤ。これで君は僕の妻だ。」
「うれ…ひい…てふ…ジーク…はまぁ…」
「だからもう様は要らないって。」
コツンと額を合わせて、一旦離れようとした彼を、下腹部に力をいれ締め付け止めさせる。
「まだ…足りないんでしょ?…本当はいつも。もう手加減しなくて良いから。思いきり好きにして。」
「サーヤ…ククッ…分かった。そうさせてもらうよ。本当は僕も続けたかったんだ。」
それから何度も注がれ、バンバンと叩く音がするほど激しく突かれた。彼が本気で交わってくれる、満足してくれることが今は何よりも嬉しく、もう彼との交尾のことしか考えられない。互いに粘液まみれになり、私は大量の酒でも飲んだような感じになった。長い交尾がようやく終わって結合が解けても余韻という快感は残り、眠りに落ちるまでそれに浸り続けた。
─ ─ ─ ─ ─ ─ ─
後で一緒に寝させてと息子に言われたものの、正直期待はしていない。あの若さだ、愛しい相手と交尾を始めれば枯れるまで続けてそのまま眠りに落ちるだろう。
(もう少し一緒に寝てやれば良かったな…)
今ぐらいの年頃は普通ならまだ親と寄り添って寝ている。だがジークがある程度成長すると亡き夫の面影が強く現れ私が耐えられなくなって独りで寝させたのだ。私がジークの性の相手を1回で止めたのもそれが理由だ。
昔を思い出して目がさえる。時おりサーヤのものと思われる悲鳴を聞き流しながらボーッとし続け、夜が更けると気がつけば静かになっていた。眠ったかな、随分と長く交わっていたなと思っていると
ガチャ…
「お前達本当に来たのかい…。」
「良いかな?母さん。」
「あぁ。ってお前!流石にやり過ぎじゃないかい!?」
陶酔しきったサーヤを支えながら入ってくる息子に思わず声を大きくする。
「あーあー可哀想に、腹が膨れてしまってるじゃないか。無理して来なくても良かったのに。」
先程と比べて明らかに膨れた腹と、彼らの体液が交ざったものが今だ少し垂れているサーヤをみて言うと誉めてもいないのにジークが少し照れる。
「全く、お前もだがサーヤはもっと若いんだからもう少し加減したらどうだ。」
「うん…ごめんサーヤ。」
だがサーヤはまんざらでもなさそうにジークの胸に顔を預ける。ため息をついて、
「ほらおいで、早く寝かせてやりな。」
「うん。」
巨大なベッドにジークに抱かれながら横たわるとあっという間に眠りについた。ジークも相当疲れたらしく大あくびをしている。果たしてこの2匹を抱いて良いのかと思ったが、ジークの目線に促され私も床につくと私に身を委ねた。やはり本当はずっと寂しかったのかもしれない。私の心を読んだかのように
「僕もそうだったけど、さっきの母さん、寂しそうだったんだもん。」
「そうかい…。ほんとにお前は夫似だ。夫は黒龍だったがその顔つきは似ている。目と角は瓜二つだ。精力が強いのもあいつ譲りだね。」
「そうなの?」
「私も毎晩激しくされたものだよ。私は私で求めてたんだけどね。どこからあの濃い精力と体力が湧き出るのか不思議だったよ。お陰で強い仔を授かった。」
そう言ってペロンと舐めると嬉しそうに目をつむる。優しいのと美しい鱗は私似か、いやただの自惚れか。
「新しい番…探してみたら?父さんも…言ってたんでしょ?」
「あぁ。お前達のお陰である程度気持ちの整理ができたからねぇ。お前も番を持ったことだし、私の気持ちを理解してくれる雄を探してみようかねぇ。」
重そうな瞼を開けているジークと目が合う。
「あんたもサーヤを大事にするんだよ。ろくなことさせてやれなかったんだから。」
「なんだかんだ母さんもサーヤのことが好きだったんでしょ?門限が日没なのも、前それを破って怒ったのも拐われないかって心配だったからでしょ?」
「…。」 ギュッ
「母さん綺麗で優しいから。きっと良い雄が見つかるよ。」
そう言い残し、もう一度大きなあくびをして寝息をたて始めた。最後の言葉に独り微笑しながら"子供達"を尻尾と翼で包む。
(べグ、私らよりずっと良い子に育ってくれたよ…)
おわり
コツコツ頑張ります!
ご存じの方もいると思いますが、少し前に新しい作品が上に来るよう並び替えたので、【前へ】を選択すると次(新しい)話になります。ただし、シリーズになっているものはタイトル通りの順番になっています。ややこしいですが短編なのでそちらのほうが選択しやすいと思ってそうしました。元に戻して欲しい等ありましたらコメント欄等にてお知らせください。