※この作品はR-18です。

竜・竜人短編集   作:神座(カムクラ)

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 遅くなりました。それではどうぞ。


──────
10.強気な求婚者(♀竜×♂竜)


 

 

 とある深い森の中で2匹の雌雄の竜が取っ組み合っていた。一方は緑色の立派な雌で、もう一方の雄は赤鱗を纏い、頭には2本の太い角、その雌に全く劣らない体格で優位にたっている。そして轟音とともに雄竜は雌竜を地面に押さえつけ、その首をくわえてから放し

 

 「…これでどうだ?」

 

 「あぁ十分だ。」

 

 実はこの戦い、雌竜から仕掛けたのである。雌は満足げに笑うと体勢を横にして雄を誘う。

 

 「噂通りだな。」

 

 「…そうなのか?」

 

 「あたしの知り合いがあんたに種付けしてもらって子を産んだんだよ。若くて強い雄だっていうからあたしも来たのさ。」

 

 「噂が広まるとは…」

 

 この雄竜は成竜の中では若い方なのだが恵まれた体格と優れた戦闘力を持っていて、雌の方から度々誘いを受けていた。そして今日もこの雌竜に仕込むところである。体を横たえた雌に覆い被さると、自慢の巨根を突き入れた。

 

 「辛くないか?」

 

 「あぁ…」

 

 「お前は多卵生か?」

 

 「そうだ…ク…たくさん産ませてくれ…」

 

 定期的に繁殖期のある多卵生の竜はその時期に交尾すれば必ず仔ができる。1度精を受けるとすぐに体が卵を作ろうと動き出すので何度もする必要がないと知っていた雄は雌が何度か達している中快楽に耐え続け、限界が来ると溜め込んだ精液を吐き出した。

 

 

 〇〇〇

 

 

 「ふぅ…もう大丈夫だ。悪いな、付き合ってもらって。」

 

 「気にするな。」

 

 寄り添っていた雌の余韻が去ると、彼らは立ち上がる。

 

 「こんなに回復するのに時間がかかったのは初めてだ。あたしがあんなに乱れるのも初めての時以来かねぇ…」

 

 「それで、世話は必要ないのか?」

 

 「あぁ。雄がいるとかえって気が立つ。夫を持つやつの心がわからないねぇ…それじゃあありがとね。大切に育てさせてもらうよ。」

 

 飛び去って行く彼女をみて我はため息をついた。

 

 「まぁ多卵生相手なら仕方あるまい。」

 

 多卵生は異性と生涯を共にするのはとても珍しい種。取引き近いような感覚で雌は雄に種付けさせるのことがほとんどなので、よほど仲が良くないと雄に子育てをさせないし、それ以外の期間で共に暮らすなど彼らの普通の感覚ではあり得ないのだ。

 

 (戻るか…)

 

 我はいつもの寝床に入り、大きくあくびをした。

 

 (フフ…我は贅沢だな…今までも随分多くの雌に子種を注いできたというのに、雄としてそれだけで幸せだというのに。)

 

 大抵は多卵生との子作りや卵を1つしか産まない単卵生とも交尾のみですぐに別れた。単卵生の竜に3回程その後の世話も頼まれて、その雌と楽しく子育てをしたこともある。しかしいずれも子が独り立ちした後に別れた。

 珍しいことではない。繁殖期が無いため仔を孕みにくく、子が独り立ちするのにも10年以上かかるため番の結束力が強くなりやすいため異性と生涯を共にすることもある単卵生であるものの独り立ちまでに特別な感情が生まれない限りはそれまでなのだ。

 

 (明日にでも住みかを変えてみるか…噂の届かぬ場所まで行けば…)

 

 雌とすれ違えば、そしてその雌に想う竜がいなければ交尾や求婚の戦いを申し込まれ、最近ではすれ違わなくても噂を聞いて雌竜の方から我を探し子作りする。何度も何度も子作りした我を他の雄が見れば大層羨ましがるだろうということもわかっている。だが我は正直飽きていた。至福の快楽を味わえるのは良い。しかしそれだけだ。3度の子育てはとても充実した日々だったし我が子を愛していたが何か物足りない。つまり我はただの子ではなく伴侶との子が欲しいのだ。すなわちただ子作りするのではなく、互いの愛によってまぐわいたいのだ。

 

 そして翌朝、我は住みかに別れを告げて飛び立った。山を3つほど越えたところで日がだいぶ傾いてきたので休める場所を探そうと降り立つ。

 

 (特に痕跡がない…誰かの縄張りでもなさそうだな。)

 

 その日は木陰で過ごして翌日、狩ったイノシシを平らげると次の山にむかって、今度は探索も兼ねて歩いて目指すこととした。途中少し休みつつ数時間歩きつづける。 

 

 「…誰かいるのか?」

 

 ふと獣にしては大きい気配に気がついて立ち上がって振り返り、そう声をかけると茂みから1匹の竜が姿を現した。

 

 「よく気づいたな。」

 

 無翼四足歩行の、我とは違って蛇竜や海竜に少し似ている体型の竜で、背側はところどころ赤い模様のある珍しい空色の柔毛に、腹側はすべすべしてそうな純白の皮で覆われている。やや丸みを帯びた顔には紅い眼と柔らかそうな獣に似た耳、そして2本の細い角が後ろ向きに生えていた。しなやかな筋肉が主の強さを示しているが、その声やスラッとしているものの全体的にふっくらとした体つきが雌であることを我に教えていた。

 一瞬見ただけでも群を抜く美竜だと分かる彼女は落ち着いた、艶(あで)やかな美しさの魅力的な竜だ。

 

 「そなたの縄張りだったか?」

 

 「まぁそんなところだ。別に追い出す気はない。遠くから来たのか?」

 

 「山を3つ越えてきた。」

 

 「ご苦労なことだ。この近辺に竜は少なくてね。まぁ私の縄張りだからというのもあるが。」

 

 そう言いながら彼女は妖艶に微笑んで近づいてくる。特に敵意は認められなかったのでそのまま見ていると我の体を舐めるように見ながら一周し、立ち上がって我を横から抱き締めるのような格好になった。

 

 「フフ…引き締まった良い体だ。強いのだろうな。」

 

 「まぁ、な。」

 

 「それに私がこうしても動じないということは雌にも恵まれているようだな。まぁ当然か。」

 

 我の首筋を舐め、頬が触れ合うギリギリまで顔を寄せると

 

 「お前、歳は?」

 

 「確か160あたりだ。」

 

 「なんだ年下だったのか。逆かと思ったぞ。…私?私はもうすぐ200といったところだ。それにしても年下でこんなに…いや年上を含めてもこんなに良い体格の竜は初めて会うかもしれないな。まぁ筋肉の体積だけを見ればあいつの方が上だがあいつは…お前のは質も良さそうだ。獲物だったらさぞかし美味いだろうな。」

 

 我の胸に頬を擦り付け、さりげなく尻尾を絡めてくる彼女の背中と我を掴んでいる手に無意識に我自身の手を添えて、彼女に対し下心を抱いたのは仕方ないことだろう。こんな竜にこんなことをされたらどんな雄竜だってそうなる。

 

 「寝床が決まっていないなら私のところに来ないか?」

 

 やがて想定内過ぎることを言われた我が頷くと彼女は安心したように笑みを深め、我から離れると

 

 「こっちだ。」

 

 といって歩き出した。我も続いて数十分、岩山の麓にある洞穴の前にたどり着く。水が染みてこない岩山の寝床は快適そうだった。洞穴は滑らかな円形で、我が2足歩行で立っても少し余裕があるくらいの大きさである。

 

 「この穴、誰かが掘ったのか?」

 

 「あぁ。昔聖竜が住んでいて、いなくなって以来ほったらかしにしてあったのを私が住みかにしたのだ。」

 

 「道理で…では邪魔するぞ。」

 

 誘うように振られた尻尾に付いていって数歩入ると彼女はくるっと向きを反転し、正面から抱きついてきたと思えば口を重ねてきた。遠慮なく舌を入れてきたのでなすがまま応える。

 

 「ムハァ……私は嬉しいぞ。ここ最近は独りだったからな。お前みたいに逞(たくま)しくて血の気の少ない雄を探していたんだ。」

 

 頬擦りしながらそう言うと我と体を擦らせるように降りてそのまま我の雄の象徴が収まっているスリットを舌先でなぞった。

 

 「…っ!」

 

 「お前だって期待していただろう?逞しいお前の雄はどんな雄だ…?」

 

 唐突な刺激に思わず後ずさりしたが、期待していたのも事実。絶妙な舌使いからの快感でそそり勃った剛直に

 

 「フフ…こちらも随分逞しいな。」

 

 と嬉しげに言うと我の腰に前足をかけて掴まり立ちの体勢になってしゃぶり始めた。

 

 ジュル…ジュ…

 

 「く…う…」

 

 1度離し

 

 「こういうのは初めてか?」

 

 と言って根本から先端までゆっくり舐め上げる。不意に腹を舐められるとビクッと震えてしまった。その後も彼女は上からくわえたり横向きにくわえながらほんの少し牙をたててスライドさせたりと我を攻め続け、子作りの経験はあっても戯れの経験は無かった我は前かがみになって耐える。やがて射精感が込み上げてくると肉棒が僅かに震えたのに気がついたのか

 

 「我慢なんてしないでくれよ?戯れなんだから。」

 

 と言って先端をくわえて吸い上げる。

 

 「グ…出るぞ…」

 

 「ンンッ!…ングッ…ングッ…」

 

 噴き上げた精を彼女はほとんど溢さずうっとりとした顔で飲み干していく。雄槍の中に残った精も残らず吸い尽くすと口から垂れた精液を舐めとり、また口内に残った精を唾液と共に飲み込んだ。

 

 「ゴクッ…良い味じゃないか。お前も堪能してくれたみたいだな?」

 

 「あ、あぁ。確かに良かったぞ。」

 

 「フ…そうか。じゃあそろそろ私も良くしてもらおうか。正直に言えば待ちきれなくてね。」

 

 そう言って寝床に仰向けになると滑らかな彼女の股間の縦筋が口を開いた。

 

 「さぁ早く貫いてくれ。解す必要など無いと見て分かるだろう?」

 

 彼女の秘裂、濃密な雌の匂いを発し、うねるそこに挿れてはならない。と頭のどこかでは感じているものの欲に逆らうことなどできるはずもなく、我は彼女に覆い被さると中程まで突き入れた。途端に命の温もりに満ちた彼女の膣が奥に引き込むように締めてくる。

 

 「さぁ、遠慮しないで来い。」

 

 唐突に彼女が四肢で我を掴むとグッと引き寄せたので肉棒は根本まで飲み込まれた。熱く柔らかい柔肉に包まれている部分だけでなく、彼女の体と密着して温もりを感じている部分さえ心地よく感じ、自分が溶けてしまいそうな感覚になる。我の気分は一気に高揚し、彼女を抱くとまるで今まで何度も身を重ねた仲のように彼女を擦りながら快楽を味わう。と、

 

 グシュグシュグシュ…!

 

 「くぉぉ…!?」

 

 「いいぞ…もっと突け…」

 

 肉厚な彼女の膣が我の肉棒を締め付ける、というより搾り取るような動きをして我は声を上げてしまった。雌が絶頂したときにその胎が一気に締まることは当然経験から知っている。だが意識してやったであろう膣の搾動は今まで経験したそれらを軽く上回っていた。我は思わず彼女を抱く力を強めて腰を押し付けてしまい、それがかえって仇となって猛烈な快感を叩き込まれる。

 

 「あぁ…こうしてお前のような雄に抱かれるのは心地良い…先から立派とは思っていたが、実際受け入れるとやはり良いな。私を押し広げるこの感じ…私を…奥を貫かれるこの感じ…」

 

 我が未知の快感に早くも来そうな射精を堪えている中彼女は余裕で話す。少しでも腰を引こうものなら彼女は四肢に力を入れてそれを許さないと共に我の雄をさらに強く締め付けながらまさに「味わって」いた。

 

 「グ…グヌゥ……」

 

 「ん?もうか?これでも弱めているのだが。」

 

 いや、むしろ強くなっている気がするのだが。加えて我の首筋を舐めたり体を擦ったり、尻尾を絡めて軽く引っ張ったりと責め続け、我は何とか半分ほど抜いてもう一度突き出すが今度こそ腰が抜けそうになってしまった。すると

 

 「限界か?まぁいい。なら注いでもらおうか…」

 

 言い終わるや否や彼女の膣の波打ちが一層激しくなり、我はあえなく精を放ってしまった。

 

 「おお…!あんっ…いいぞ…お前の温もりで腹が膨れていく…」

 

 耳元でそう囁かれるとそのまま彼女に熱く頬擦りしてしまった。こんな感情は始めてだ。我の体はもう彼女に支配されてしまったようだった。

 射精が終わり、荒くなった息を整えようとすると視界が反転。我が組み敷かれた。

 

 「な…何を…?」

 

 「しばらくぶりだからな。一時の安らぎをくれる礼に枯れるまで出させてやる。あぁちなみにだが私の、いや私の種族の雌の愛液と唾液には色々雄に作用するらしくてな。雄は普段より枯れにくくなるようだ。存分に楽しもう。」

 

 彼女が腰をグリグリと円を描くようにうねらせるとその快感に無意識に体に力が入る。

 

 「ウヌ…ヌゥゥ…」

 

 「フフ…動くぞ。」

 

 そう言って腰を上下に動かされると思わず彼女を抱く腕に力を込める。脇腹を撫でられ、胸や首筋を舐められ、最終的には仔竜でもあやすように我の頭を撫でながら耳元に熱い息をかけた。

 

 「そろそろ…限界か…?お前の雄が私に種付けしようとヒクついているぞ?」

 

 プライドをズタズタにするような口調で言われるが、その快楽に抗うことなどできずただただ彼女を引き寄せて射精。まぐわいなど幾度としてきたというのに、彼女の柔らかい体を抱きながらその中へ精を注ぐことにこれまでにない快楽と興奮を覚えていた。

 

 その後も我らは行為を続け、気がつけば夜になっている。

 

 ビュルッ…ビュッ…

 

 「ハァ…ハァ…いつまで…続けるのだ…?」

 

 もう4、5回は出しただろうか。いつもは1回、多くても2回で終わらせているので我は初めて交尾疲れを感じていた。大分少なくなった精を注ぎながら降参に近いことをいう我にニンマリとした笑みを向けながら、強引に我と口付けを交わす。

 

 「フゥ……フフ…お前も虫の息だし、私も十分楽しめたからな。今日はこれくらいにしておこうか。」

 

 そう言って腰を持ち上げて我の下っ腹に精液と愛液をドロドロと垂らしながら肉栓を引き抜いた。だが我の上からは退かず、スリスリと甘えてくる。

 

 「どうだった?私とのまぐわいは至福だっただろう?」

 

 「確かに…こんなに快楽に溺れた交尾は初めてだ。」  

 

 交尾というより搾り取られたといった方が当てはまるだろうが。我の言ったことに気を良くしたのか笑みを深めながら、

 

 「なら明日はもっと心地よくさせてやる。」

 

 と言って我に身を委ねて先に眠ってしまった。 

 

 

 〇〇〇

 

 

 「グ…グヌゥ…!」

 

 ビュルッ…!ビュルルッ…!

 

 2日目の夜、前日同様搾り取られていると、

 

 「フフ…今日はまだ終わらんぞ…?」

 

 我が快楽に喘いで開いていた口に自信の口を重ねると生暖かい液体が流し込まれて反射的に飲んでしまう。

 

 「何を…?」

 

 「忘れたのか?私の唾液のことを。」

 

 「──!!」

 

 「心配しなくても促進させるだけでどこぞの一族のように死ぬまで出続ける訳ではない。どうやら一定以上は効果が無いようだしな。ま、楽しもう。」

 

 効果のある量まで把握するとは、一体どれだけの雄とまぐわい、その唾液を飲ませてきたのだろう。

 

 十数分後、こらえきれなくなって力を抜くと先程まで弱まっていたのが嘘のように大量の精が溢れてくる。

 

 「グゥ…これだけの効果が…」

 

 「こらえない方が身のためだぞ…?」

 

 いつ果てているのか分からないくらい余裕の表情で、既に容量を超えて溢れている自らの胎内へ我の子種を吸いとっていく。今夜は10回近く続いただろうか。終わると我はすぐに眠ってしまった。

 

 

 〇〇〇

 

 

 「ん…朝か…」

 

 「やっと起きたか。では頼むぞ。」

 

 「何をだ?」

 

 「獲物に決まっているだろう。あれだけ快楽を与えてやったんだから疲れた雌に獲物くらい獲ってきてくれ。」

 

 どこかからかうような言い方だったが、その美しい瞳に見詰められて我は狩りに出掛けた。ここらには草食動物が多くいるようで、少し飛ぶと鹿の群れを見つけて2頭狩り、洞穴へ戻る。

 

 「ほら、とってきたぞ。…どうした、そんなに驚かなくても良かろう。」

 

 「あぁ…ありがとう。随分早かったな。やはり翼は良いな。」

 

 「まぁな。すぐに群れを見つけられた。」

 

 成る程、彼女に翼がない分行動範囲が狭いからたくさん獲物がいたのだ。とすると彼女はいつも狩りにかなりの時間をかけているのだろう。

 

 そんなことを考えながら肉を貪っていると不意に彼女が寄ってきて、少し膨らんだ口を差し出してきた。からかいでは無さそうだったので我が口を開けるとそこに口移しで肉を送ってくる。我がそれを飲み込むと嬉しそうに笑い、今度は我の顎を舐めて催促してきたのでお返しをした。

 

 食事を終え、池で水を飲んでからそのほとりで微睡む。

 

 「そういえば、そなたの名を聞いていなかったな。」

 

 「私か?アスルだ。」

 

 「我はボルグだ。」

 

 「フフッ今夜も楽しみにしているぞボルグ…」

 

 

 〇〇〇

 

 

 出逢って1週間。一方的な交尾や高圧的な口調、そして彼女のために獲物を狩ることが何の苦にも感じなかったのは我が彼女に幾らか恋心を寄せていたからだろう。今までずっと雌を気づかい続けてきた我にとって彼女の性格はむしろ心地よく感じた。そして今日もまたその時間がやって来る。

 

 ズブズブ…

 

 「ハゥ……」

 

 「フゥ……お前はすっかり私の虜だな。」

 

 「お前こそ我に──ヌァッ…!」

 

 「否定はしないがな。これだけ注がれたら孕んでしまいそうだ。」

 

 「…?もとからそのつもりだったのではないのか?」

 

 「まぁ…そうだな…」

 

 「そなたとの子か…さぞかし美しく精力のある子が産まれてくるだろうな。」

 

 軽口だったが反応せず、彼女は我の上にペタリと伏せて肉壁を動かしもせずに問いかけた。

 

 「お前はいつまでここにいるのだ?」

 

 「期限があったとは驚きだ。」

 

 これも軽口のつもだったが彼女は目を見開いた。

 

 「ずっといるのか…?いやいてくれるのか?」

 

 やはり彼女も我を夫にしたかったらしい。性格ゆえなのかそのようなことを言ったことはなかったものの、食事の時は必ずし口移しをするのは仲の良い番がやることだ。それに交尾の際に前よりも感じているように見えたのもそのせいだろう。我は彼女の頭を撫でると思ったままのことを口にした。

 

 「そなたが認めてくれるなら生涯を共にしても良い。そのような美しい竜からの誘いを断れる訳ないだろう?」

 

 彼女は我の頬に自分の頬を付け

 

 「その言葉……二言はないな?」

 

 「なんか怖いな。」

 

 「な…!バ…バカ言え!私とて夫を苦しめるような…竜では……」

 

 「分かった分かった。妻になってくれアスル。」

 

 「口も上手いのかこいつめ。」

 

 そう彼女が愛のこもった毒を吐くと口を重ねた。唾液を飲ませるためではない、舌を絡める本気の口づけだ。そのままグネグネの動いて快感を送ってきたと思えば彼女自ら我を上にする。

 

 その日我らはどちらともなく体をうねらせ、体を擦りあった。彼女の膣は今までとは違い我の肉棒を優しく、しかし吸い付くように締め付けるだけで激しい咀嚼をしたりしない。彼女も我から与えられる快感に集中し、身を任せたいらしかった。

 

 我も彼女も息を荒くして交わり続け、いつもなら2、3度出しているであろう時間になっても我は射精を堪えていた。そしてついに限界が訪れると我は彼女を強く抱き、なすがままの彼女に、無抵抗の雌に精を注いだ。

 

 「ンム……」

 

 「ムゥッ…ンンッ!」

 

 舌を絡めながらドクンドクンと射精し続けると彼女は絶頂したのか 痙攣する。

 

 (あぁ…全て我のもの…そうかこれが雌を愛するということか…)

 

 射精が終わり、一先ず引き抜くと彼女の隣に仰向けになる。

 

 「なんと心地よい…ボルグ…やはりお前が私の待ち望んでいた雄だ…交尾でこんなに満足するのは初めてだ。」

 

 「奇遇だな。我もだ。よろしくなアスル。我もそなたのような美しい妻に出逢えて良かった。」

 

 「フン…明日は狩りの日だったな。なら今日はもう終わりにしないか?」

 

 「我も満足できたし、そなたが良いのならそうしよう。」

 

 そう言うと彼女はまたいつも通り我の上に乗って、抱き締めて眠ろうとする。いつもよりずっと幸せそうな笑みを浮かべる彼女を我も抱き締めた。

 

 (温かい…我はずっとこれが欲しかった。)

 

 

 翌日、食事を終えると彼女が我を、我のスリット辺りをチラチラみていたので

 

 「なんだ、まぐわいたいなら言えば良かろう。」

 

 「あ、いや、今日は止めておく。まさかこんなに早く来るとはな…」

 

 「?」

 

 「何でもない。明日わかる。」

 

 そしてその日は交尾せず、次の日、水浴びを終えて体を横たえると

 

 「ボルグ…お前は本当に私と生涯を共にしてくれるのか…?」

 

 「もちろんだ。」

 

 「なら…子作りをしよう。私の体がお前との子を産みたいと言っているのだ。」

 

 「今更か?」

 

 「…私の種族の、特にメスは特殊でね…交尾の積み重ねで発情するらしい。もちろんそれだけが要因ではないのだが。」

 

 「それで我に対して発情したということか?」

 

 「あぁ…何年もかかると思っていたのだが、きっと今までずっと成せなかった上にお前の愛を身をもって感じたからな。」

 

 「ずっと成せなかった?子を産んだことがないのか?」 

 

 「そうだ。発情したのもこれで2回目だ。…発情してもただでは産めないのだ。興奮が最高潮の時に注いでもらわないといけない。どういうわけか私は同種族の中でも快楽に対してかなりの耐性があるようでな…なかなか発情しないし、以前発情したときはいよいよ子作りしようというところまで言った。」

 

 「それで?」

 

 「興奮を高めるために、そして強い子を宿らせるために焦らしに焦らしていたんだが途中、宙に放ってしまってね。私も慌てて胎内に入れたんだが興奮が足りなかった。発情はその後も継続してたからやり直そうと言ったのだが…」

 

 「逃げられたのか。」

 

 「そうだ。」

 

 確かに、雌にさんざん焦らされるというプライドを傷つけられるようなことをされ、その上子も作れなかったというなら仕方ない気もした。

 

 「とにかく子供がほしくて、もう誰でも良いと手当たり次第雄を誘ったが翌日には逃げられた。だからお前が獲物を獲ってきてくれたときは驚いた。」

 

 それを聞いて我は今まで自分も伴侶を探したものの、雌への気遣いが裏目に出て子種の提供者のようになってしまったことを話し、

 

 「きっと我が嫌に思わなかったのはそなたに惚れていたからであろう。どんな焦らしかは知らんが我もそなたとの子が欲しい。そなたを捨てることはしない。約束する。」

 

 「信じているぞ…」

 

 そして彼女は我を寝かせ、

 

 「ならもう始めて良いか?もちろんぶっ通しじゃない。お互い身が持たないからな。」

 

 「よくわからんが、とにかくそなたが良いというまで我慢しろということだろう?」

 

 「そうだ。失敗しても責めない。時間はいくらでもあるのだからな。…フフッこっちは触ってもないのに準備万端か。」

 

 「うぬ…条件反射というやつだ。」

 

 彼女はいつもの笑みを浮かべると両前足で肉棒を掴み、擦りながら舐めたと思えばしばらくして足を離すと、雄槍の根本周りの腹を強めに撫でた。

 

 「どうだ…?」

 

 「良いぞ、まだ耐えられる。」

 

 10分ほど続けるとしゃぶるのをやめて我の上に乗るとその柔らかい腹で肉棒をムニムニしながら我の首筋や胸を舐める。そして唾液を飲まされるついでに舌を絡めた。

 

 「ムハァ…すぐにでもこれで貫かれたいものだ…」

 

 そう言いながら彼女は我を擦り続ける。やがて射精感が込み上げてきたので

 

 「少し待ってくれ。」

 

 と言うとすぐに止めてくれる。その後も日が傾くまで愛撫は続き、少し休むといよいよ本格的な焦らしに入った。

 

 「グ…アスル…!」

 

 その合図と共に肉棒を膣から引き抜く。射精できる環境であり相手であるのにしない、というのは予想以上に辛かった。

 

 「少し休むか?私も油断すると締め上げてしまいそうだ。…普段ならもう注がれてる頃なのに…」

 

 寂しげに腹を撫でる彼女。辛いのは我だけではないのだ。その後は我が彼女の秘裂を舐めたり、脇腹を擦ったりと熱を高め、一旦池で体を冷やしてから眠りについた。

 

 

 〇〇〇

 

 

 地獄の我慢大会が始まって3日。もはや顔を合わせるだけで雄は勃ち、雌は濡れるので獲物の受け渡しと焦らし以外は別々に行動することとしていた。だが我の頭の中はアスルのことで埋め尽くされており、今すぐ会いにいって犯したいという衝動に駈られていた。

 

 「うぬ…もはやこれだけで勃つか…何となく張っているような感じがするな…」

 

 巣に戻るとそこに彼女はいなかったが、残る匂いだけで雄は反応しいきり立つ。何日も溜めているせいか下腹部にモヤモヤとした感覚があった。

 

 「一度あいつを思いきり突いてみたいな…さて、我が妻に会いに行くとするか。」

 

 彼女の居場所は検討がつくので軽く空を飛ぶとよくいる川に向かう。と、

 

 「ハァッ…ンァッ…」

 

 何があったのかと着陸して駆けつけようとすると彼女は仰向けになり、我の名を呼びながら尻尾で器用に自らの秘所を掻き回していたのだ。

 

 (全く無防備な…もし外から来た雄に襲われたらどうする…)

 

 あきれ半分、嬉しさ半分だ。

 

 「ボルグ…アァゥッ!…行かないでくれ…」

 

 「…我はここにいるぞ。」

 

 「!!!!」

 

 文字通り跳ね上がって元の体勢になる。

 

 「どうしたのだお前らしくもない。共にすると言ったではないか。」

 

 「…」

 

 「戻ろう。我は巣の外にいるからお前は寝床で休め。」

 

 アスルは黙って近づき

 

 「夢を見た。」

 

 とだけ言った。

 

 「それで不安になったのか。せめて巣に戻ってからにしろ。襲われたらどうする。」

 

 「……お前は随分雌に優しいな。」

 

 「父親に教わった。我を鍛えたのも父だ。」

 

 「……なるほど、それはお前の父親の…後悔という訳か?」

 

 「そうだろうな。良い父だったぞ。一度獣が仔竜だった我を襲い怪我をした時なんぞ別竜と思うくらい烈火のごとく怒り、別竜と思うほど我を心配していた。」

 

 雌が1匹で仔竜を育てることはよくあるが、雄だけが育てることは普通ないし、残虐非道がない限り雌が仔を置いて逃げることもない。つまり生活を共にしていた雌に何かあったのだと察したアスルはそれ以上我に問うことはなかった。

 

 巣に着き、日暮れまで休んでから再び焦らしが始まった。彼女も辛そうに我の肉棒をしゃぶっていたとき

 

 「グ…!…ヌゥゥ…!」

 

 射精直前の小刻みな脈動と膨張を感じた彼女は慌てて我に覆い被さるといつでも膣に入れられるようにする。我は牙をくいしばって耐え、なんとか数滴漏れるだけで済ませた。

 

 「よく耐えたな。責めはしなかったのに。」

 

 「あぁ…少し休ませてくれ。少しでも油断すると出てしまいそうだ。」

 

 彼女は頷いて巣の外へ、我はその間になんとか熱を収める。

 

 「治まったぞ。」

 

 呼び戻された彼女が我の肉棒をペロリと舐める、それだけの刺激で再び込み上げてくる。いつまで持つだろうかと不安になってきたとき、彼女が我を通りすぎて寝床に仰向けになった。

 

 「ボルグ…もういい。私が我慢できない。熱くて燃えてしまいそうだ。早くその破裂しそうな雄槍で貫いてくれ…」

 

 プツン、と音がするかのように我の限界まで押さえ込まれた性欲の堪忍袋の帯が切れた。吸い込まれるように彼女の元へ行くと、美しく、無防備に秘裂をさらけ出しているその姿がさらに我の興奮を高める。

 

 「ではいくぞ…?」

 

 「あぁ…耐えてくれた礼だ…好きにしてくれ…そして早く…私に仔を…あぁんッ!」

 

 最後まで待てず、蜜をトロトロと流している秘裂に肉棒を突き入れた。彼女の興奮も既に絶頂のようで我をしがみつくように抱き締める。

 

 「ハァッ…!早く…!」

 

 「グゥ…!」

 

 予想通り我の雄は彼女の中で揉みくちゃにされるのだが、快楽とともに不思議な力が湧いてくる。いつもは強気の、しかし繊細な雌が今は自分の支配下にあるのにこのまま終わるのはもったいない。今にも抜けそうな腰に力を込めて、まさに吸引とも言える圧搾に逆らい半分ほど引き抜いた。

 

 ズリュッ

 

 「クアァァッ!」

 

 彼女はのけぞって声をあげ、我は彼女の肉壁が襲ってくるよりも前に下腹部を叩きつけてすぐに引く。

 

 「アァッ!そんなぁっ!!ボルグゥッ!!」

 

 止まれば搾り取られる。我は自身の快楽の容量が許す限り彼女を、今までのどの交尾よりも激しく突いた。本能剥き出しの獣のような交尾。ドヂュッドヂュッと愛液による音と下腹部同士が当たる音、そして我らのあえぎ声が響く。

 

 「グッ…グゥ…」

 

 「ああんっ!ボルグゥッ!早くぅっ!」

 

 乱れる彼女をかき抱き、首筋を優しく舐めながら尚も彼女の最奥を突き続け我の巨根に絡み付く膣からの猛烈な快感といつもは我を責めている彼女の全てを握っているという優越感に浸る。

 

 「ハァッ…アスル…」

 

 「ボルグゥッ!早くぅっ!」

 

 ろれつが回らなくなってきた彼女を、美しいと思った。もう彼女は我のもの、我の雌なのだ。この彼女が過去に数多の雄を相手にしてきたと思うと嫉妬心さえ湧いた。

 

 「アスルッ…出すぞっ…!」

 

 いよいよ我も耐えられなくなってくると、もはや言葉になってない声を上げ続ける彼女の頬に強引に頬擦りしながら最後に思いきり突き上げて尻尾を絡めとり、全身から力を抜いた。

 

 ブシュッ!ブシャァッ!ブシャァッ!

 

 「クアァァッ!アァァッ!」

 

 溜めに溜められた精はまさに噴き出し、その衝撃に彼女は派手に痙攣する。待ちに待った射精を感知した彼女の胎は子種を出し続けている肉棒をねっとりしごき、我にも次々と絶頂が訪れ頭が真っ白になる。ビクッビクッと震えるお互いの体をしっかり抱き止め、ひたすら快楽を貪った。

 

 ブリュウゥ…ブリュウゥ…

 

 「あぁ…ボルグ…愛してるぅ…」

 

 「我もだ…我だけの…雌だ…アスル…」

 

 体を横向きにしてヘビのように密着し、既に一杯の彼女を確実に孕ませようと精を注ぎ続ける。そのまま命も吸われてしまいそうな程射精は長く続き、数十分か、数時間にも感じられる時を経て一滴残らず注いだ時には意識朦朧としていた。

 

 ビュッ…ピュルッ…

 

 「ありがとう…ボルグ…」

 

 「アスル……」

 

 深いキスを交わした所で記憶が途切れた。

 

 

 〇〇〇

 

 

 ドク…ドク…

 

 「…ん…?」

 

 深い眠りから、快感で呼び覚まされる。重い瞼を開けると目の前に可愛らしい妻の寝顔があり、温かい下半身から精を送る感覚がある。どうやら繋がったまま眠りに落ちて、貪欲なことに肉棒は今の今まで我に収まることはなかったらしい。挿れられている彼女の膣は優しく包んでその存在を受け入れていた。もしかしたら寝ている間も注いでたのかもしれなかった。

 

 (こんなに疲れたのも初めてだ…)

 

 疲労を自覚したことで興奮が冷めたのかようやく雄槍がスリットに戻る。そのまま二度寝をしようとすると妻が頬擦りして目を開けた。

 

 「ん…待たせたか?」

 

 「いや、我も今目が覚めたところだ。」

 

 挨拶代わりに口づけすると抱擁を解いた。

 

 「フフッ…随分注いでくれたな。苦しいくらいだ。」

 

 行為前に比べ彼女の腹は明らかに張っている。

 

 「あれだけ注いだ上夜通し出し続けるとは、お前の精力には恐れ入るよ。腹が膨れてしまったじゃないか。」

 

 と嬉しそうに言いながら我に顔をうずめる。注いだ割に周りを汚している粘液の残骸は少なく、我の雄槍が肉栓となっているうちに彼女の胎が馴れてその多くを留めたらしい。

 

 「それで…仔は…?」

 

 「間違いなく宿った。感じるぞ。私たちの仔だ。」

 

 思わず彼女の脇腹を撫でると、彼女はうっとり微笑んだ。

 

 「こんなに注がれたら2、3匹産めそうだな。」

 

 「それは賑やかで楽しそうだ。さみしがり屋のそなたも安心だな。」

 

 「わ、私がさみしがり屋だと!?」

 

 「違うか?」

 

 「うっ……フン!…私はもうお前に染まりきっている。さぞかし嬉しいだろうな。」

 

 「そうだな。だが愛しの妻に獲物を届けるには少し疲れすぎた。もう少し休ませてくれ。」

 

 「ちょうど良い。このままでいてくれ。」

 

 本能なのか吹っ切れたのか、その日から彼女は我によく甘えるようになり、胎の仔の感覚も日に日に強くなっていくようだった。3週間経てば目に見えて大きくなり、我も彼女も早く早くと待ちきれずにいた。

 

 「体調はどうだ?」

 

 「変わりはない。胎動してないからまだ先だな。」

 

 「胎動!?そなた胎生だったのか?」

 

 「正確には卵胎生だ。ほら、まだ固い。」

 

 そう言われて彼女の腹を擦ると確かに柔らかな丸い固形物がある。卵胎生ならもうじき孵ってからも彼女の胎でしばらく育つ。母体への負担が大きいので様々な危険も高まるから彼女はただの番ではなく夫を求めていたのだろう。と、神秘的な気持ちで擦っていた我はあることに気づいた。

 

 「ん…これは…!」

 

 「気づいたか?双子だ。出産が大変になるから頼んだぞ。」

 

 それからも彼女の腹はどんどん大きくなり、胎動も盛んになった。そして受胎から2ヶ月程経つと、たまに水浴びするとき以外はほぼ一日中まどろむ日々が続く。普通、竜は3、4日に一度食べれば十分なのだが何しろ双子。周囲の獣には気の毒だが我は毎日彼女に獲物も届け、その後はずっと寄り添った。

 

 「ん…ボルグ起きたのか…?あぁ獲ってきてくれたのか。」

 

 「あぁ。調子はどうだ?」

 

 「変わりない。が…」

 

 「なんだ?」

 

 「いつもより仔が静かだな。」

 

 「分かった。もう獲物も獲ったからな。側にいるぞ。」

 

 さりげなく彼女の秘裂を見ると前より縦に伸びている気がする。その日は食事もせず、しかし寝ることもなく我に甘え続けていたので期待を抱いた。

 

 「ボルグ…」

 

 「どうした?」

 

 「…」

 

 「?」

 

 ピタッとくっつく彼女の息が不意に荒くなった。

 

 「アスル…!」

 

 「くる…ウゥ…ウグゥ…!」

 

 苦痛に顔を歪めながら口づけをしてきて、離れると洞穴の入り口に背を向けるようにして横たわり、我はその背に寄り添った。産卵中の雌は背中を温めてもらった方が安心し、痛みも多少和らぐのだということを我は知っていて、それは卵胎生も当てはまるらしかった。

 

 「グ…グゥ…想像以上…だ…」

 

 「ゆっくり息をするのだ。」

 

 後ろ脚をピンと伸ばし、前脚で寝床を掴みながら息むこと数十分、膜に包まれた我が子の鼻先が見えてそれを励みに力を込める。子供の肩辺りが出始めた所で痛みがピークになったらしく、我は彼女の顔を舐めたり擦ったりと励ました。

 

 「ク…フクゥ……」

 

 「おぉ…もう一息だ。」

 

 少し休んで、後ろ脚で数回宙を掻きながら息めば腰辺りまで出た。

 

 「ハァッ…ハァ…ボルグ…抱いてくれ…」

 

 「あぁ。頑張ってくれ…」

 

 要求通り後ろから抱き締めてやると少し微笑み、痛みの波に乗っていきめば遂に我が子が外の世界へ生まれ落ちた。

 

 「やった…!」

 

 思わず我がそう言うと彼女が我の顔を一舐めしてから子供の膜を食い破り、鼻を舐めるとケホッ咳をしてからキュウキュウと鳴き始めた。

 

 先に生まれた子は彼女と同じ種族の雄の子で、体色も彼女そっくり。幼いながらも凛々しく、やや細めの目がほんの僅かにつり上がった、冷静で賢そうな顔の子だ。アスルが疲れも忘れて我が子の体に付いた粘液を舐めとっていると再び顔を歪ませる。

 

 「グ…ウゥ……どうやら待ってくれないらしい。ボルグ、この子を温めてくれ。」

 

 「分かった。」

 

 2度目の激痛に耐えるアスル。体力も厳しい中、我や先に産まれた子に見守られながら無事終えることができた。

 

 〇〇〇

 

 「あぁ可愛い…」

 

 「改めて礼を言うぞアスル。」

 

 「私の方もだ。双子でありながらこんなに立派な子達に育ったのもお前が毎日欠かさず獲物を捕ってきてくれたからだろう。」

 

 後に産まれたのはやはりアスルと同族の雌の子で、将来は母親に似た美しい雌竜になることを約束しているかのような可愛らしい顔をしている。我を受け継いだ緋色の毛で覆われ、たてがみは母親と同じ乳白色だ。産み終わった直後、2匹を初めて一緒に抱いたときに妻が涙を流したのはここだけの話。

 

 「まさに私たちの子だな。」

 

 「あぁ。さぁもう休め。そして明日ゆっくり名前を決めよう。」

 

 彼女は頷くと口づけを求め、満足するまで続けて離れると眠りについた。

 

 

 〇〇〇 

 

 

 生まれて2週間。子供達は毎日元気一杯遊んでいる。そして今日も我とアスルが寝床を増築している間に先に仲良く寝てしまった。しばらくその顔を見つめ、我も彼女と寝ようとしたとき、

 

 「ボルグ。」

 

 「ん?」

 

 「こちらもようやく回復した。溜まっているお前の精を受け止める準備ができたみたいだぞ。」

 

 「ま、またつくるのか?」

 

 「バカ言え、そんなに産めるものか。ま、お前とだったらあり得るかもな。」

 

 そう言って子供達の隣に仰向けになる。

 

 「お前も狩りで疲れてるだろ?私も出産であんな痛みを味わった訳だし、お互い癒されようじゃないか。」

 

 当然断ることなく我は彼女の秘裂を少し舐めてから剛直で彼女を貫く。

 

 「フゥ…やはりお前に抱かれるのは心地良いな。」

 

 「子供たちを起こさぬようにしないとな。」

 

 「それはお前が前みたいに激しくしなければ良い話だろう?」

 

 「ウッ…」

 

 「フッ…私も病み上がりだからな。あのときみたいに熱くしてくれ。」

 

 「本当はそっちの方が好きなのではないか?今の方がずっとトロンとしてるぞ」

 

 「う…だ、黙れ!私だってお前に甘えるくらい良いだろう!」

 

 「我もだ。」

 

 ムスッとした彼女に体重を預けて密着し、ゆっくり掻き回すように突けばすぐに恍惚とした表情になる。彼女の膣は以前のように攻めることはなく、ただ欲しいと言うように我に絡み付くだけだったがこうしている方が幸福感も手伝ってより大きな快楽がある。

 

 「ハウ…ボルグ…」

 

 「なんだ…?」

 

 「1度しか…言わぬぞ…?」

 

 動きを止めて先を促す。

 

 「ボルグ…愛してる…ぞ。」

 

 「1度とは言わず毎日聞きたいぞ。」

 

 「んなっ!ぜ、贅沢な…ンムゥ!ムゥ……」

 

 ジト目になるもしっかり舌を絡ませてくる彼女がなんとも愛らしく思える。我の記憶が正しければ子作りのときに思いっきり愛を叫んでいた気がするが、黙っておこう。

 

 「ムハァ…あん…ずるいぞ…ボルグ…」

 

 「我も愛してるぞ。」

 

 彼女の耳元でそう囁き、ぐっと腰を押し付けて射精すれば彼女も体を震わせながら喘ぐ。その後我らは何度も交わり、行為を終えると額を合わせて彼女を撫でつつ我が子を飽きずに眺めて余韻に浸った。

 

 「これからもよろしくなボルグ…」

 

 「心配性だな。黄泉まで付き合うと散々言ったではないか。」

 

 寝る前にもう1度だけ深い口づけを交わし、糸を引いて離れると、てっきり何か言い訳されるかと思っていた我の予想に反し、

 

 「また私の惨敗か。」

 

 と言って顔を綻ばせた。

 

 

                  おわり

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