「だーかーら、返してっていってんの!!! どうして返してくれないのよ!!」
「うるさいこのお酒大好きっ子が!! お前はたまには我慢というのも覚えろ!!」
本来なら、誰もが寝ている静かな夜。
しかしそんな中アクアと俺は言いあいをしていて……。
「だってだって! それって私のお金で買ったものなのよ!? ならどうしてカズマに奪われる必要があるのよ! 返してよ! 私の大事なお酒返してよこの泥棒ニート!」
「これはお前が金ないって言ったから、俺が貸したお金だろ! なんで人から借りたお金でまた酒買ってるんだ!!?? お前あれだろ! 実は水の女神じゃなくてお酒の女神だろ!」
「はぁー!? なんですって!!……いや、それはそれでいいわね……」
急にうんうんと頷き始めたアクア。いや、ダメだろ。
「とにかくこれは明日になるまで返しません! 昨日もおとといも浴びるように飲んでたろお前! ちょっとは身体を気遣え!」
こいつの酒好きはーー出会った頃から何となく気づいてはいたがーー異常だ。完全に俺の言った通りお酒の女神様である。
だいたい三日前にあんだけあったお酒がもうなくなってて、さらにまた新しいのを買ってきてる時点でもうヤバイ。女神って肝臓悪くしたりしないんだろうか?
俺がアクアにお酒を渡さないようにと、手厚く守っているとアクアが
「はっ、もう良いわ! こうなったら実力行使よ! ステータスが貧弱なカズマさんがどこまで耐えれるかしらね……っ!」
そう言うと、アクアがつかつかと俺の方へと歩いてきて……!
「ほらっ、早く返しなさい! さもないと……っ!」
俺の持ってるお酒を無理矢理盗ろうとしてきた。
「てんめえ!! そこまでして飲みたいのかこれを!! 俺はお前のことを思って言ってるんだぞ!」
「何がお前のためよ! どうせこのまま寝たら、カズマが後で部屋に帰って、一人で楽しくそのお酒を楽しむつもりでしょう! そうならないために返してよ! 後で私が部屋に持ってかえって大事にするの!」
「お前絶対それ部屋で飲んじゃうだろ! ダメっていったらダメだ! ちょっ、身体を動かすなおまえっ、……」
アクアが無理にお酒をとろうと身体を揺さぶってくるから、思わず身体のバランスを崩してしまい……っ!
「うおっ……!」「きゃあ!!」
後ろ向きに思いっきり倒れてしまった。
「いたた……お前何すんだよ……うおぉ……腰が、腰がぁ……」
お尻からドン!と倒れてしまったため、もろに腰にダメージをくらってしまった。しかもアクアも一緒に倒れてきたので、ダメージも二倍だ。
そんなアクアはというと……
「えへ、えへへ……やっと取り返せたわ! このお酒高かったのよねー!」
やっと取り返せたお酒に頬ずりしながら、だらしない笑みを浮かべていた。うん、もうちょっと俺の心配をしてほしい。
まあ、もういいか。これからこの駄女神が肝臓を悪くしても放っておくことにしよう。こんだけ言ったのだもう無理だ。
せめて、それなら。俺もアクアと一緒に飲もうと、おつまみを取りに行こうとすると……。
「……おい、アクア。重くて動けんから早くどいてくれ」
「ほえっ? 何のこと?」
アクアが馬乗りになっているから、身体を起こせないでいた。
「いやいや、もう頬ずりすんのはいいだろ? 俺はおつまみ取りに行ってあげるから。ほら、早くどいてくれ」
「えっ、ああ! そうねー、あっ、でももうちょっと待って、えへへ…………」
そう言うと、再びひんやり冷えたお酒にほっぺたをすりすりするアクア。だからもうそろそろ……。
というかさっきからアクアが俺の上で動く度に、俺の主に下半身が、アクアのお尻とこすりあうのだ。というかちょっとこれはよろしくない、非常によろしくない。
アクアはーーおそらくだがーー穿いてない。というかこいつが穿いてるところを見たことがない。
なので、今のアクアが、俺のちゅんちゅん丸の上に馬乗りになっている状態は、非常に良くないというわけで……。
「いや、うん、アクア。なるべく可及的速やかに俺の上からどいてくれ。俺のアレがちょっと大変なことになる前に、うん」
さっきからアクアが何度も俺の上で動いていてーー生殺しというか、アクアの柔らかいお尻の感触が、やたらとリアルに伝わってきて……。
「さっきから、どうしたのよあんた……。別にこれぐらい良いじゃない……あっ」
ピシッと何かに気づいてしまったのか固まるアクア。おぅ……。
「…………ねぇ。なんか私のお尻に熱いものがくっついてる感触がするんですけど。それも固いのが」
…………バレてしまった。
「いやいやいや! これは違うから!! あれだよあれ! たまたまというかなんというか……っ!」
苦し紛れのなんとも言えない言い訳しか出てこない。どうしたら切り抜けられるんだよこの状況!
ジトーッとした目で見つめてくるアクア。完全にこれはあれだ、バレてるってやつだ。
その証拠に今度はアクアがニヤニヤしながら……
「ふーん。そうなのねー。まあカズマさんは普段あんなに私で欲情なんかしないって言ってるものね。なら、私のお尻に当たってる、カズマさんの固くなったおちんちんもたまたまなのねー」
そう言いながら、ぐりぐりとお尻を押し付けてくるアクア。ちょっと待てこれはいろいろ洒落にならないというかアクアでもヤバイというかっ!
「どうしたのカズマさん? さっきから苦しそうな声出してるけど? まさかカズマさんが私で気持ちよくなってるわけないわよねー。だって、カズマさんってば普段あんなに私のことを、女として見れないとか言っちゃってるわけだし」
アクアがここぞとばかりに責めてくる。ぐりぐりとイヤらしい腰つきで、俺の大事なとこを責めながら……。
「カズマさんってばさっきから何にも言わないけどどうしたの? 寝ちゃった? さっきから『ぐっ……』とかみたい声が聞こえてくるけど、気持ちいいの? ねえねえ」
みるみるうちにアクアの声が調子に乗っていく。それにしたがってさっきより腰を動かすのも早くなってきて……!
「まっ、待てアクア……っ、……このままだと出るからっ、……とりあえず離れろってお前っ……」
「えー聞こえないんですけどー、そんなぼそぼそ喋られても聞こえないんですけどーもうちょっと大きい声で喋ってくれませんかー?」
俺の片方の手を両手で掴んで、俺が身動き出来ないように、そして何度も何度も自らのお尻を押し付けてくるアクア。
「カズマさーん! 顔を手で隠してたらカズマさんの可愛いお顔が見れないんですけど。ほーらっ! 私にもう限界そうなお顔を見せてよカズマ」
そう言うとアクアが俺のもう片方の手をゆっくりと掴み、そして床に完全に押し倒される形になる。
「あら、カズマさんってば顔が赤いわねーどうしたの? 風邪でもひいた?」
「おまえっ、……ぜったい、わかってるくせに……っ……」
絶対自分が今俺に対して何をしているかはこいつだったら分かってるはずだ。なんなら知っている上でからかってに違いない。
「そんなこと言われてもー、女神様にはそれぐらいしか思い付かないんですけどー、あっ、そ・れ・と・も…………」
突然顔を近づけてくるアクア。
目の前にはアクアの綺麗な顔がすぐそこに。顔をちょっとあげれば、一度ぶつかってしまいそうな距離にアクアの顔が。
そしてアクアが俺の耳もとに、口を近づけたかと思うと。イヤらしい吐息をわざとはきながらーー
「そ・れ・と・も…………もうすぐ射精しちゃうから……?」
こいつ……っ、やっぱり分かってて……!
「いいのよ我慢しなくて? そのまま無様によだれたらしながらイッちゃいなさい。ほらいっち、に、いっち、に」
そう言いながら、早く射精しろと言わんばかりに腰を押し付けてくる。つかっ、もう限界っ……。
「アクア……おれ、おれっ……」
「いいわよ。出しちゃいなさい。そのまま私でイッちゃいなさい……っ……!」
もうっ、もう無理っ………………!
どぴゅ、とびゅるるるるるるる…………。
ヤってしまった……………………。
「んっ……案外長かったわねカズマさん。まあ初めてにしては良かったんじゃない? はー、おかしいわね……。最初はお酒を取り返しに来ただけなのに、どうしてカズマの性処理なんかに付き合っちゃったのかしら」
思いっきり俺が射精し終えたあと、アクアは満足そうな顔をして、そのまま何にもなさそうな顔で立ち上がった。
死にたい。恥ずかしさで死にたい。下着の中がもうぐしょぐしょだ。しかもアクアで出ちゃったということがさらに死にたい。
「じゃあ私は寝るけどカズマさんはダメよ。ちゃんとお風呂に入ってから寝なさいね。カズマさんも次はちゃんとした形で女の子ともっといいことが出来たらいいわねー。じゃあおやすみなさい」
そう言うと、一度も俺の方を見ないまま、アクアは自室へとさっさと帰ってしまった。なんだよこいつ……あんだけ言ってたお酒忘れてるぞ……
まあそれはいい。とにかく明日の朝までにはこの記憶を消しておかなかれば……。出来るならアクアの記憶も消したいが。
とりあえず、お風呂に向かおうと立ち上がる。
すると、俺のズボンがちょっと濡れていることに気づき…………。
「あれ、俺って水かなんかこぼしたっけ? なんでアクアが馬乗りになってたのに濡れてーー」