でも、ここはサクっと終わらせたいと考えています。
だって、エロい話の方がモチベーションも上がるんですもん。
因みに、今回の話のテーマは『無人機?何それ美味しいの?』です。
とうとうやってきた、クラス対抗戦当日。
各学年ごとにクラス代表の生徒が一堂に会し、トーナメントで今の実力を測り合うと言うイベント。
俺にとっても、他の生徒達にとっても、初めての大きなイベント。
クラスの今後を考えても、勝つにしろ負けるにしろ、無様な姿は見せられない。
試合の会場となっているのは第2アリーナ。
二年である刀奈とフォルテと薫子は第3アリーナに、三年であるダリルと虚は第4アリーナにいる。
薫子は新聞部らしく、試合の実況を行っているらしい。
きっと、物凄く嬉しそうに実況をしているに違いない。
それぞれのクラスの代表である俺と鈴と簪は順調に一回戦を突破し、その後もトーナメントを勝ち上がっていった。
で、今ステージでは準決勝第二試合が行われている。
戦っているのは鈴と簪。
先に準決勝を終えた俺は、他の皆と一緒に観客席で試合を見ていた。
「先程の試合も見事でしたわ」
「相手の一瞬の隙を突いた槍での一突き。あの一撃で勝負が決しましたね」
「あれ程の強襲攻撃は滅多に見られません。ブースターランスの特性を生かした素晴らしい試合でした」
「次の決勝でくろりんと戦うのはどっちかな~?」
本音の呟きを聞いて、俺達は揃ってステージの試合を見た。
『マジでやるじゃない!簪!』
『そっちこそ。ここまで踏み込めない相手は久し振り』
今は近接武器を使って火花を散らせながら、素早い攻防戦を繰り広げている。
鈴は身の丈ほどに大きな二本の青龍刀で、簪は刀身が振動している薙刀を装備していた。
「どっちが勝ち上がっても、厄介な試合になりそうだな…」
「そうですわね。鈴さんの専用機『
衝撃砲。
空間自体に圧力をかけて砲身を形成し、その余剰で生じる衝撃そのものを砲弾にして撃ち出すと言う代物で、砲身も砲弾も全くの無色透明なのだ。
見事なまでの初見殺しの武器だ。
俺も、第一試合の相手が鈴だったら、苦戦は免れなかったに違いない。
「あれは確か、射角の制限が殆ど無く、その気になれば前を向いた状態でも真後ろを撃つ事が可能なんだろう?」
「ええ。実にトリッキーな武装ですが、使いこなせばかなりの脅威になるでしょう」
「不幸中の幸いなのは、射程と威力がアサルトライフル程度である事か」
「それでも、凄い事には違いないよね~」
鈴の試合を見させてもらって、俺なりの対衝撃砲の対処法は考えついた。
後は実証するだけだが、それもここで鈴が敗北すれば意味無いな。
ここから見る限りでは、簪の武術の腕も相当にハイレベルだ。
「でもでも!かんちゃんも全然負けてないよ~?」
「本音の言う通りだな。あの薙刀捌きは見事としか言いようがない」
「普段は大人しそうにしているのに、人は見かけだけじゃ分からないものですね」
「楯無さんが仰っていましたけど、簪さんの薙刀の腕前は免許皆伝レベルらしいですわ」
「マジかよ……」
それってもう、世界で通用するって事だろ?
もしかしたら、そんな相手と戦う可能性もあるって事なのか?
「それに、あのIS…『打鉄二式』も厄介ですわね」
「遠距離と近距離の武装がバランスよく揃っていて、あの荷電粒子砲もそうだが、一番厄介なのは、あの大量のミサイルだな」
「あれ程に大量のミサイルを撃ちつつも、恐ろしい程の命中率。きっと、あの機体には『マルチロックオンシステム』が内蔵されていますね」
マルチロックオン…!
一度でも捕えられたら、俺でも回避するのは至難の業になりそうだ。
48発ものミサイルが一斉に自分に向かってくる光景。
……普通に悪夢だな。
「そろそろ決着か?」
試合の雰囲気を感じて、アリーナにいる二人を凝視する。
『これで終わらせる!行って!!』
打鉄二式から切り札である大量のミサイルが発射される。
このままでは鈴の敗北は必至だ。
だが、彼女とて黙ってやられはしない。
『やらせないわよ!!こんのぉぉぉっ!!!』
自分に迫ってくるミサイルに向かって、最大出力で衝撃砲を放つ。
ミサイルと衝撃砲がステージの中央で激突し、巨大な爆発を生み出す。
「どっちが……!?」
「これは……」
爆煙でよく見えないが、アナウンスが聞こえないと言う事は、まだ決着はついていないんだろう。
アリーナにある排煙機構によって煙が徐々に引いていって、まずは簪の姿が現れた。
彼女はいつでも迎撃出来るように薙刀を身構えていた。
すると、煙の中から何かが飛んできた。
「な…なに…?きゃぁっ!?」
飛来したのは一本に連結してダブルブレードになった青龍刀だった。
それがブーメランのように投擲し、簪に直撃した。
「そこぉぉぉっ!!」
青龍刀を追うように鈴も煙から飛び出してきて、弾かれて空中を舞っていた青龍刀をキャッチ、そのまま流れるようにまた二本に分離させて、それを交差するようにXの形に斬りつけた。
「でぇぇぇぇぇぇぇぇぇいっ!!!」
「きゃぁぁぁぁあぁっ!?」
改心の一撃だったのか、この攻撃で決着が付いた。
【試合終了!勝者!凰鈴音!】
アナウンスが流れると、アリーナ全体が歓声に包まれた。
「勝ったのは鈴か…」
「あの状況で自分の武器を投げるだなんて…なんて無茶な…」
「でも、鈴さんらしいと思います。普通では考えられない戦法だからこそ、簪さんも不意を突かれたのだと思いますし」
「二人とも頑張ったね~」
本当にいい試合だった。
見ている俺も凄く勉強になったし、同時にモチベーションも上がった。
『同じ気持ちを抱いている者同士だからこそ、負けたくなかったわ』
『それは私も同じ。鈴と戦えてよかった』
『こちらこそ。また機会があれば試合をしましょうね』
『今度は私が勝つ』
『返り討ちにしてあげるわよ』
ステージにて笑顔で握手を交わす二人。
最初はいがみ合っていた鈴と簪だが、こうして仲良くなってくれてなによりだ。
「さて…と。次はとうとう決勝だな」
「行ってらっしゃいませ」
「鈴はかなりの強敵ですが、畔章さんならきっと勝てます」
「油断さえしなければ、勝算は十分にあると思います」
「頑張れ~!くろりん~!」
「ん。行ってくる」
まさか、あの鈴とISで戦う日が来るなんてな。
人生と言うのは分からないものだ。
少しのインターバルの後に決勝戦が始まる。
早く着替えてから精神集中でもするかな。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
アリーナの管制室。
そこでは千冬と真耶と束が揃って試合を観戦していた。
「凰の奴。意外とやるな」
「簪さんの実力は代表候補生の中でも上位に位置しますからね。その彼女に勝利したのは大きいですよ」
「ふ~ん…。思ったよりも出来るんだね。あの子って」
普段なら皮肉の一つでも言うはずの束が、珍しく他人を褒めた。
真耶は知らない事だが、束の性格をよく知っている千冬から見れば、驚きと一緒に嬉しさを感じていた。
「あの子の性格と同じで荒々しい戦い方だけど、型に捕らわれない戦い方はそれだけで強みになる」
「だからこそ、簪さんは対処出来ずに負けちゃったんですね」
「……………」
さっきからずっと千冬が微笑みが止まらない。
それだけ束が他人と話し、他人の事を褒めた事が嬉しいのだろう。
「……なに?さっきからニヤニヤして」
「いやな。随分と楽しそうに凰の事を真耶と話すと思ってな」
「え?」
「以前のお前なら、ここらで悪態の一つでもついただろうに。随分と変わったんだな」
「まぁ……一応?あの子達もこの子も、私と同じクロ君のハーレムだし、将来的に彼の奥さん候補な訳だし?もう殆ど身内みたいに思ってるし…」
「ほぅ~?『身内』……なぁ?」
「もう~…ちーちゃん!」
「ははは……」
今更ながら、千冬は畔章のハーレムを許可して本当に良かったと思った。
彼を中心にして色んな人間が出会って、絆を深めていく。
これも一重に、畔章の人望の成せる技だろう。
……勿論、彼のプレイの腕も一役買っているが。
「決勝戦も面白い試合が見られそうだな…。なぁ…畔章?」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
インターバルが終了し、遂に決勝戦が始まる。
俺と鈴はそれぞれにISを纏い、ステージの中央で対峙していた。
「ここまで来たな」
「長いようで短かったですね」
槍と刀。
お互いの主武装は近接武器だが、かと言って射撃武装が無いわけじゃない。
つまり、得物に関してのアドバンテージは殆ど無いに等しい。
機体性能も、機動性はこっちが上だが、装甲は向こうが上だ。
さてはて、どう攻めるかね。
「あたしもずっとお兄ちゃんの試合を見てたけど、本当にISに乗り始めてから数か月なんですか?」
「まぁ…な」
この間の真白とのセックス強化の賜物だな。
本当にあれでパワーアップしたのが、今でも信じられないけど…。
『何か言いました?』
なんでも無いです。
「お兄ちゃんは間違いなく最強の相手だろうから、こっちも気を引き締めないとですね」
「それはこっちのセリフだって」
ランスを持つ手に力が籠る。
いつもは同じ部で犯し犯されの立場だが、今回は一人のIS操縦者として相対しよう。
【これよりクラス対抗戦一年の部、決勝戦を始めます!】
アナウンスと共に、俺達は同時に身構える。
【試合……開始!!】
瞬間、俺と鈴は接近して刃を交える。
キンッ!と言う音と共に火花が散った。
「お…重い…!」
「早速、泣きごとか?」
「まさか!ここからですよ!」
ランスのブースターに火を灯し、連射速度と移動速度を上げる。
「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」」
お互いに全速力で飛び回り、鋼鉄の槍と刃がぶつかっていく。
しかし、ブースターの恩恵でこっちの方が威力は高い。
二回、三回とぶつかっていく内に、徐々に鈴が押されていった。
「このままじゃ……!それなら!!」
甲龍の肩アーマーがスライドする!
これは衝撃砲が発射される前兆!
「これで!!」
………来るっ!!
「…………そこだっ!!!」
このタイミングならば!!
「なっ!?」
ブースターランスのブースターを外側に向けて、万が一の防御をしながらの緊急回避!
俺の予想が正しければ……きっと!
俺の体が横にスライドするように移動した後、その背後で地面に穴が開いた。
「嘘…でしょ?避けられた?」
よし!成功だ!
(あいつは気が付いてないかもしれないが、鈴は衝撃砲を放とうとする瞬間、命中予定箇所を目で見つめている。つまり、鈴の目線の先を見れば、初見での回避は充分に可能!)
しかも、鈴は衝撃砲を撃った反動で僅かに動けないでいる。
その時間はコンマ数秒だが、俺にとっては充分!
「貰った!!」
「しまっ……!」
ここですかさず『
「きゃぁぁぁぁっ!?」
鈴の腹部に槍が命中し、彼女は派手に吹っ飛んだ。
「くっ……!」
すぐに体勢を立て直し武器を持ち直すが、鈴は肩で息をしていた。
「瞬時加速まで使えるなんて…!マジでお兄ちゃんって天才?」
「そのセリフは千冬や束にこそ相応しいと思うけどな」
「瞬時加速を数か月で使えるようになった人が言っていいセリフじゃないわね…」
この瞬時加速は、千冬から密かに教わったものだ。
マンツーマンの訓練は嬉しくも楽しいものだったが、同時に大変でもあった。
だが、その価値はあった。
一瞬でスピードをMAXまで上げられるコレは、ブースターランスの特性と最高に相性がいい。
「一撃でSEが5分の1も削られた…!?」
超スピードから放たれた槍の一撃だからな。
その威力は推して知るべし…だ。
「念には念を入れて……」
地面に向けて内蔵された自動小銃を放つ。
「ちょっ…!?」
その威力で地表が抉れ、周囲を土煙が覆い尽くす。
これはすぐに排煙機構で消えてしまうだろうが、それでも短時間は衝撃砲の発射を防ぐ事が可能だ。
俺にとってはそれで充分。
「煙って事は……龍砲の弱点を……!」
そう。
衝撃砲の仕組み自体は空気砲と非常に近い。
よって、同じように衝撃砲自体に何らかの方法で『色』さえ付ければ、衝撃砲最大のメリットである『無色の砲弾』と言う特性が失われる。
こうなればもう、衝撃砲は単なる射程がそこそこある燃費のいい射撃武器に成り下がる。
「そして!」
煙でお互いの姿が覆われる瞬間、鈴の位置は記憶した!
瞬間移動でしない限り、大体の居場所は予測可能だ!
「あぐっ!?どうしてこっちの位置がっ!?」
後は、そこに向かって突撃し、命中の瞬間だけ瞬時加速をするだけ!
これなら、エネルギーを節約しながら最大の威力で攻撃出来る!
「こ…ここっ!」
鈴もそのまま棒立ちではいなかったが、そんな闇雲な攻撃じゃ当たってはやれない。
俺の目には安易に予測可能だ。
その斬撃……
そこからはもう俺のターン。
回避と突撃を繰り返しながら、確実に鈴のSEを削っていく。
煙が消える頃には、鈴のエネルギーは風前の灯。
俺はまだまだSEに余裕がある。
「ふぅ……ふぅ……」
その目はまだ闘志が消えてないが、もう勝負はついただろう。
ここは一気に決めるか?
「まだ……終わらないわよ…!」
「いい目をしている」
丁度いい。
少し試してみたい技があったんだ。
鈴……防げるものなら防いでみろよ!
「はぁぁぁぁ……!」
腕に力を込めて、ランスの電気系統を態とショートさせる。
すると、穂先が赤熱して威力が増す。
「これが最後の攻撃だ」
「…………」
俺の言葉に反応して、鈴は青龍刀を連結させて構える。
アリーナ全体が静寂に包まれた。
「はぁっ!!!」
瞬時加速で一気に突っ込み、灼熱の槍先が鈴に迫る。
それは青龍刀の持ち手に激突し、そして……
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
夕食時の寮の食堂。
毎度お馴染みのセックス部メンバー(大人組を除く)で夕飯を食べていた。
「はぁ~……負けちゃったぁ~…」
「仕方がありませんわ。今回は相手が悪すぎます」
落ち込みながら鈴が言った通り、試合は俺が勝利し、クラス対抗戦は俺が優勝を飾った。
優勝賞品である学食デザートの半年フリーパスは後日使用する予定だ。
「お互いに視界が遮られた状態で、どうしてお兄ちゃんの攻撃が当たるわけぇ~?」
「恐らくだが、普段から使用している攻撃予測の応用で、鈴の位置を記憶した後に動きを予測したのでは…?」
「お!正解。よく分かったな」
「い…いえ……恐縮です」
箒には武の才能があるから、そういった事はすぐに分かってしまうな。
同じ方法は箒には通用しないだろう。
「かんちゃんは三位になったね~」
「それぐらいはね」
決勝戦の後、三位決定戦が行われ、そこで簪は敗北した鬱憤を晴らすような無双をして、まさかのパーフェクトゲームで勝利。
凄い気迫だったな…。
「オレはちゃんと優勝したぜ!」
「ダリルの実力なら当然だな」
「えへへ……♡」
ダリルは三年の部で優勝し、会った時から嬉々とした表情をしていた。
話では、三年生の専用機持ちは彼女しかいなくて、殆どの試合がワンサイドゲームで終わったらしい。
と言っても、そこは流石三年生。
同じ訓練機を使用した試合でも、一年とは比較にならない程に高レベルだったらしい。
「二年生は私が優勝よ!」
「私が二位っス…。決勝で負けちゃったっス~…」
ロシア代表は伊達じゃないようで、二年の部の優勝者は刀奈で、二位がフォルテ。
二年生の専用機持ち同士の決勝戦は、それはもう壮絶な試合だったらしい。
俺も見てみたかったな…。
「二・三年生の優勝賞品ってなんなんだ?」
「「一年と同じ」」
「……少しは変える努力をしろよ……IS学園」
それとも、単純に考えるのが面倒くさかっただけ?
「こっちも聞いたわよ~?準決勝に決勝戦。凄かったらしいじゃない?」
「あぁ。初めてのトーナメントで優勝を掻っ攫うなんて、中々に出来る事じゃねぇぞ?」
「案の定、表彰台は専用機で埋まってるッスけどね…」
そればかりは仕方が無いだろうな。
腕と相性の問題があるとは言え、専用機と訓練機じゃ性能差が大きい。
別にそれが全てと言う訳じゃないが、そんなセリフが通用するのは千冬や真耶を初めとした教職員の人達と、三年生だけだろうな。
「今度は学年別トーナメントね」
「まだあるのか?」
「IS学園はイベントの宝庫なのよ。一年間でかなりのイベントが催されるわ」
「賑やかなのは嬉しいが、落ち着く暇がなさそうだな……」
これから先のイベントを事を思うと、今から楽しくなるような、気が重くなるような…。
今は余計な事を考えずに、目の前の事に集中した方がよさそうだな。
こうして、クラス対抗戦はこれと言った事件や事故も無く、無事に終了した。
え?無人機?なにそれ?
はい終わり!!
クラス対抗戦終了!!
次からはまたエロ話をしますよ~!
次回は、原作通りなら『あの兄妹』の初登場シーンですが、普通に話しだけで終わるわけがありませんよねぇ~?
実はちょっと、次回の話は早く書きたくてウズウズしてたんですよね。
マジで楽しみです!