子供の頃は超が付くほどドハマりしてんですけどねぇ~…。
やりたくても、近所に走行可能なコースとか全く無いんで、走っている動画を見る程度なんですけど。
因みに、一番好きなマシンはブロッケンGブラックスペシャルです。
あの黒くて無骨なデザインがたまりません。
午前の授業が終了し、お昼はどうしようか考えていると、そこに箒を初めとしたいつもの面々がやって来て、偶には屋上で食べないかと言ってきた。
今日はいい天気だし、見晴らしのいい場所で食べるにはもってこいだ。
ついでだから、シャルルやラウラも誘いたいと言ったら、皆は喜んでOKサインを出してくれた。
で、現在に至る。
俺達は今、屋上にある丸テーブル(何故か知らないけど、かなりの人数で座れる大きさ)を囲むようにして座っている。
勿論、一組二組の子達だけじゃなく、四組から簪が合流し、上級生組も当然のように集合した。
「す…凄い人数だね…」
「俺もそう思うけど、何故か誰もツッコまないんだよな…」
「もう完全に見慣れた光景だからじゃない?」
「だよな~。少なくとも飯食う時はいつもこのメンバーだし」
「慣れって本当に恐ろしいっスね…」
「今更ですよ。フォルテ先輩」
多分、こういうのは気にしたら負けなんだと思う。
(よく見たら、イギリスに中国に日本にアメリカにギリシャの代表候補生が勢ぞろいしてる…。その上、生徒会長でもあるロシアの国家代表までいるし…。下手な動きを見せたら瞬殺されそう…)
シャルルの奴、緊張しているのか顔が強張っているぞ。
「お…お兄ちゃんはこれ程の大物達と知り合っていたのか…!」
「一応、その『大物』にはラウラも含まれるんだけどな?」
「そうなのか?」
「お前は自分がドイツの代表候補生だって自覚を持ちなさい…」
軍人と代表候補生を兼任するのは大変かもしれないが、だからこそ気持ちだけはいつも持っていなくてはいけない。
「本当に『お兄ちゃん』と呼ばせているのですね…」
「加速度的に妹が増えていくお兄ちゃん。まるで一昔前の深夜アニメみたい」
「言うな…」
それは俺が一番自覚しているから…。
「お前達も『お兄ちゃん』と呼んでいるのか?」
「うん」
「本当にお兄ちゃんのように想ってるし」
「そうか…。ならば、我々は『姉妹』になるのだな!」
「私と鈴は竿姉妹……ククク……」
「簪ちゃん……」
どこでそんな単語を覚えたんだ……って、同人誌か。
って事は、コミケにも頻繁に通っているんだろうか。
「…………」
「クロエ?さっきからラウラを見てどうした?」
「いえ…。この場を借りて少し言わなければいけない事がありまして」
「なんだ?」
クロエが珍しく真剣な表情になっている。
そのせいか、場の空気もピンッと張りつめていた。
「……ラウラ・ボーデヴィッヒ」
「どうした?」
「お久し振り……いえ。私と貴女は顔合わせ自体はした事が無いから、初めましてと言うのが適切でしょうね」
「……どういう意味だ?」
「私は貴女と同じ存在……」
「なっ!?」
「そして、私は貴女よりも先に誕生しているんです」
「なん…だと……!?」
クロエとラウラが同じ存在?
え?え?話に全くついていけない…。
「簡単に言えば、私と彼女はある計画の元で生み出されたデザインベイビーなのですよ」
「ま…マジかよ…!」
「ドイツで怪しい研究をしていると聞いた事はあるけど……」
デザインベイビー…。
つまり、鉄の子宮から産み落とされた子供達って事か…。
「詳しくは私も知らないのですが、一から優れた兵士を作り出す研究をしていた過程で生み出されたのが我々らしいです」
「言いたい事は分かりますけど……」
「やってる事はマジで最低ね…!」
セシリアと鈴が明らかな嫌悪感を示している。
俺も表情には出していないが、二人と同じ気持ちだ。
「ちょ…ちょっと待って。つまり、クロエちゃんが言う事が正しければ、このラウラちゃんって子とクロエちゃんは実の姉妹って事?」
「直接的な血縁関係ではありませんが、そうなるかと」
なんつーか……いきなり過ぎて何とも言えない…。
「お前が…いや、貴女が私の姉上……」
「そうなりますね」
身体的年齢は一緒だから、姉妹は姉妹でも双子姉妹って感じだな。
「すみませんでした。別に黙っているつもりは無かったのですが、言い出す機会も無かったもので…」
「気にしてないよ。クロエとラウラがどんな生まれであったとしても、俺達は絶対に二人の事を変な風に見たりはしないさ。な?皆」
俺が全員を見渡すと、皆が笑顔で頷いてくれた。
「皆さん……」
「姉上とお兄ちゃんは……いい友を持っているのだな…」
「今日からはお前もその一員だよ」
「はい!」
うん。いい返事だ。
「よし。湿っぽい話はここまでだ。早くご飯を食べよう」
「さんせ~!私もお腹ぺこぺこだよ~」
「こら本音。お行儀が悪いわよ」
「は~い」
この姉妹は今日も通常運転だな。
皆はそれぞれに自分の分の昼食を取り出して食事を始めた。
鈴と箒は弁当持参か。
自炊とはいい心がけだな。
「お弁当……私もいつか…!」
「もっと練習しような?」
「勿論ですわ!そして、畔章さんに美味しい食事を出して差し上げます!」
「期待して待ってるよ」
セシリアの料理のスキルは壊滅的と言っても過言じゃない。
前に一度、彼女の作った食事を見たが…あれはマジで酷かった…。
よもや、料理の下手さ加減で千冬とタメを張れる存在が実在していたとは…。
束が余りの酷さに成分分析したら『分析不能』って表示されたしな。
なんで普通の食材を使用して『物体X』に変貌するんだ?
これこそまさにこの世の神秘だろ…。
因みに、今日の俺の昼食も、箒達と同じで自作の弁当だ。
迷った時はこれが一番確実。
「お…お兄ちゃんのお弁当……本当に美味しそう……」
「初めて会った時に見た料理もそうだったけど、畔章さんって本当に家事万能よね…」
「最初は迫られて必死にやってたんだけどな。いつの間にか趣味を通り越して日課になってた」
「それもそれで凄いわよ…」
これもある意味『慣れ』だな。
いや…癖と言うべきか?
「……オレもちょっとは料理が出来るようになった方がいいのかな…?」
「そうッスね。料理だけでなくて、掃除洗濯は女子の嗜みみたいなもんッスから。出来ないよりは出来た方が印象はいいし、男性にも喜ばれるって思うッス」
「……ちっとマジで練習してみるか…」
「いい心掛けっス」
ダリルの料理か……見てみたいような、そうでないような…。
「そうだ。畔章さん、ちょっと話が…」
「ん?どうした?」
「実はですね……その…静寐が『部』の活動に参加してみたいと言っていて…」
「あの子が?」
これはまた…意外な子が言い出したもんだ。
「部?お兄ちゃんは部活をやっているのか?」
「ま…まぁな…」
「どんな部活なんだ?私も参加したいぞ!」
「そ…それは……」
一応、シャルルもいるし、ここじゃ言いにくいんだよな…。
俺としては是非とも入部してほしいんだけど…。
「こ…今度教えるよ」
「今度だな?約束だぞ!」
「うんうん」
こんなキラキラした目をした子に『俺は毎日そこで美少女達を犯してま~す!』なんて言えるか!!
「僕も知りたいな……馬渡さんの部活…。部の名前はなんて言うんですか?」
「………恋愛研究部」
「なにやら難しそうな部だな…」
「やってる事は物凄くシンプルだけどね」
「言うなって…」
「てへ♡」
はい。刀奈のテヘペロ来ました。
「と…取り敢えず、今日の放課後にでも鷹月さんを連れてくるといい。本人も、俺達が何をしているか承知の上で言っているんだろう?」
「はい。以前に一回だけ、私なりにオブラートに包んだ言い方で説明しましたから」
「そのオブラートが気になるけど……まぁいいか」
重要なのはそこじゃないしな。
「しっかし、今日は珍しく屋上に人がいね~な。なんでだ?」
「他の子達に邪魔とかされたくなかったもんで」
「お前等の仕業か…」
刀奈と薫子のコンビ…。
別の意味で敵に回したくない二人だ。
「新聞部の情報操作能力……侮らないでほしいですね?」
「そこに生徒会長権限が加われば、鬼に金棒よ♡」
「アンタら……絶対に能力の使い方を間違えてるッス…」
上級生組じゃ、フォルテと虚が一番の常識人で良心かもしれない。
よし。彼女達のブレーキ役はこの二人に任せよう。
「そう言えば虚ちゃん。アレはちゃんと持ってきてくれた?」
「勿論です。我らが部長のリクエストですからね」
そう言って取り出したのは、真鍮製のポットだった。
この美味しそうな香りは…まさか?
「パンを食べている人達は、これをどうぞ」
「お!虚が淹れてくれた紅茶か!」
「虚さんの紅茶…♡」
「香りだけで分かりますわ…。虚さんのお淹れになった紅茶は間違いなく超一級品だと…!」
「素人の私にも分かるぞ…!これはいいものだ!」
「箒がネタ発言した…」
仮にパンじゃなくても、食後に飲めば問題無いよな。
早く俺も虚の紅茶が飲みたいよ。
こうして大勢でワイワイしながら食べると、いつもよりも美味しく感じるから不思議だ。
ラウラもすっかり馴染んで楽しそうにしているし、さっきまで肩肘張っていたシャルルも、いつの間にか自然な笑顔を見せるようになっていた。
きっと、これが彼女の本当の笑顔なんだろうな…。
こうして、賑やかな食事の時間は過ぎていった。
本当は今回で一気に静寐ちゃんの初体験まで行きたかったのですが、書いていくうちに『あ。これは長くなるパターンだ』と判断して、今回の話を少し短めにして、次回に全力投球する事にしました。
そんな訳で、次回は序盤からエロエロにしたいと思います。