※この作品はR-18です。

囚われのトワ 〜調教の果てに〜   作:Washi

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調教8〜9日目

 窓が1つも存在しない、とある屋敷の地下室。内装は貴族の屋敷のように豪華だが、窓が1つもない、不気味な部屋だ。点いている明かりは小さい照明が1つだけ。目が慣れるまでは物の輪郭がなんとなく分かる程度の明るさしかない。

 

 そんな中、部屋の中心に鎮座するベッドの上で2つの人影がモゾモゾと動いている。長身の男と、小柄な女だ。通常であれば、恋人同士の情事を思い浮かべるところだろう。しかし、事実は全くの逆だった。

 

 なにせ、女の方であるトワ・ハーシェルはこの部屋に調教のために監禁されている身で、男の方のダニエル・グリフはその監禁主かつ調教主なのだから。

 

 ――すでに、ダニエルが調教を開始してから、8日が経過していた。

 

「ん……ぁん……ッ、あ、ああ……!」

 

 一糸まとわぬ、生まれたままの姿で調教を施されるトワ。とても大人のものとは思えない未成熟な体。一見、性的な行為とは最も無縁にすら思える。しかし、実際には小さな膨らみの蕾をピンと立たせ、男のモノが受け入れられそうなくらいに股を濡らしている。

 

 ダニエルによって毎日欠かさず媚薬を投与され、メスの本能を呼び起こされた結果だ。

 

 火照った体に丹念な愛撫を施され、彼女は盛った猫のように鳴き叫ぶ毎日。シーツを濡らし、四肢を震わせながら達し続けた。日を重ねる度に絶頂までの間隔が短くなり、日に何度も昇りつめるようになった。

 

 今日に至っては、媚薬を用いていないにも関わらずこの有様だった。開発の進んだトワの体は本人の意思とは関係なく、積極的にダニエルの前戯を受け入れるようになった。

 

「ぅ……んん……ゃ……ぅんん、んンッ!」

 

 ダニエルは後ろからトワを抱きかかえ、両手で彼女の体をまさぐる。指先で胸の突起を押しつぶし、コリコリと転がす。濡れそぼった淫裂から蜜をすくい上げ、屹立する小さな豆を指の関節で挟む。その度に、トワは蛇のように体をくねらせる。

 

(……ふふ。あの、まるで男に免疫がなかった、汚れを知らない清純なトワ会長が、僕の手で喘いでいる。とても……綺麗だ)

 

 自身の思った通りに、トワが快感に喘ぐ。その事実を認識したダニエルは口角を上げ、股間を熱く膨らませた。

 

「……っ……ふぁ、ぁ、ん……はぁ、ぁ、ぅん……私の体……なんで……っ」

「だいぶ体が快感に馴染んできたみたいだね。だから言っただろう、媚薬なしでも感じるようになるって」

 

 くちゅり、とダニエルはトワの入り口から愛液をかき出し、指に塗りたくる。それを持ち上げて、彼女に見せた。ヌラヌラと、指先が妖しく光った。

 

「ぅ……っ、や……だめ……そんなの……見せないでぇ……」

 

 トワは弾けるように顔を逸らす。媚薬なしでも体が昂ぶっているという事実を、認めたくないのだろう。今までは、媚薬を盛られているのだから仕方ない、と逃げ道を作ることもできた。それに、薬が効いている間は意識が朦朧としていた筈だ。ゆえに、快楽でよがっている自身の姿を認識しづらかったと思われる。

 

 だが、今は違う。トワの理性は正常に働いていて、己の痴態を正しく認識できる状態にある。望まないのに、体が勝手に反応してしまう。そのことに、相当な戸惑いを感じているに違いない。

 

(だから、このままイカせて、否が応でも思い知らせてあげるよ)

 

 ダニエルは、指の動きを早める。悦ばせる動きから、イカせる動きへ。胸への愛撫を止め、秘裂の淫らな突起に集中する。ぷっくりと腫れた、トワの陰核。保護の役割を持った包皮はすでにめくれ、淡いピンク色の豆がひょっこりと顔を出している。

 

 トロトロの愛液を指先に絡ませて、スリスリと中指の腹でこすりあげる。力は入れすぎずに、一定の間隔を保ちながら刺激する。積み木を1つずつ積み上げるように丁寧に、丁寧に愛撫を塗り重ねていく。

 

「あ、ぁああ、んん……っ、ゃ、ぁ、ンンッ!」

 

 ダニエルの腕の中のトワの動きが変化する。刺激から逃れるためのクネクネとした動きから、全身が弓のようにしなって小刻みに震える動きへと。彼はこの動きをよく知っている。これは、彼女の絶頂の前兆だ。

 

 トワが絶頂に向かっていることを確認したダニエルは、引き続き指を動かす。止め処なく分泌される彼女の淫液をすくっている内に、彼の手は手首まで濡れてきた。

 

「ぅ、ゥンン、アッ、ンゥ、ッ……ぃ、ぁあアッ!」

 

 小動物のような小さな顔が、つらそうに歪む。唇を一文字に結び、眉間にシワを寄せ、目を固く閉じている。酒に酔っているかのように両の頬を上気させ、額にはたくさんの汗の粒を浮かべる。

 

 上向きの放物線を描くように、彼女の声が大きく、細くなっていく。

 

「ッ、だめ、ダメぇ……ッ! また、変なの……ァア、ぁアアアッ! 来ないでェ……ッ、ンンゥウウ!!」

「別にイクのは変なことじゃないさ。いいじゃないか、気持ちいいならそれで」

「んくッ、ァ、ァ、アアンッ! だって……こんなの、見られたら……ンクッ、ンンンンゥ!」

 

 誰に見られたら、とまではトワは言わなかった。だが、ダニエルにはそれが誰を指しているかがすぐに分かった。

 

(チッ、まだシュバルツァーが心の中に居るか。厄介な奴め)

 

 きっと、トワも無意識で呟いたことなのだろう。だが、トワの心がリィン・シュバルツァーに向いたままだと知って、ダニエルは歯ぎしりをする。

 

 肉体的な快楽には従順になってきたが、心の方はまだまだ余裕があるように見える。やはり、快楽だけで屈服させるのは厳しそうだ。

 

(あまり怖がらせないようにとか、少し考えが甘かったかな。ちょっと、方針を変えないといけないかもね)

 

「ゃ、きちゃ……ァアアアッ! ンンンンッ! ァ、ァ、アアアア! ンン、ンンンンゥ! アア! ッ……、ァアアアア――ッ!」

 

 腕の中で大きく震えるトワは抱きかかえながら、ダニエルは次の調教の内容へと思考を巡らせるのであった。

 

 

---

 

 

 もう、次の日が来てしまった。それが、トワが目を覚ましたときに最初に抱いた感想だった。

 

(また、えっちなこと……されちゃうんだ)

 

 ダニエルに監禁され、調教が開始してからすでに9日目。今日はなにをされるのかと想像すると、気持ちは沈むばかりだ。

 

 それに、トワは自身の体が変化し始めていることにも恐怖していた。たったの1週間強で、怪しい薬を用いずにイってしまうほど、淫らな体にされてしまった。監禁という、特殊な状況下であるにも関わらず。

 

 すでに、脱出については半ば諦めている。脅迫の件を持ち出されてしまっては、リスクのある行動はどうしても取れない。

 

「……リィン君」

 

 ぽつりと、想い人の名を呟く。何日にも渡って辱めを受けてもなお、トワが心を保っていられる理由の1つだ。しかし、同時にその想いこそが今の事態を招いていることも理解している。それが、彼女にとって心苦しかった。

 

 人の想いなど千差万別。トワの気持ちがダニエルに向いていなくとも、本来はなんの責任もない。だが、お人好しの彼女の心はそれを許さなかった。

 

 事実、トワはこれだけのことをされても、ダニエルを心の底から嫌うことができないでいる。脅迫には怯えているが、彼自身が怖いとか、憎いとまでは思っていない。ただただ、彼を狂わせてしまったことに責任を感じていた。現状は、彼の想いに応えなかった罰なのかもしれないと、考える程度には。

 

 だから、トワは耐えることにした。事が発覚し、助けが来るまで。ダニエルがどれだけ隠蔽工作を行ったとしても、隠し通せるのは数ヶ月が限界だろうというのがトワの見解だ。それまでは自分への罰だと思って、甘んじて享受する覚悟を決めていた。

 

 だが、トワはまだ気づいていない。ほんの少しずつではあっても、彼女の心が蝕まれ始めていることに。どんな形であれ、ダニエルの心を受け入れつつあることに。そして、自身が設けた耐えるべき辱めの基準が、非常に低いことに。

 

 

---

 

 

「今度は僕のモノを満足させてくれ」

 

 ダニエルが入室して開口一番で言い放った言葉が、それだった。性的な暗喩に疎いトワがその意味を理解するのに、数秒は要した。

 

「ぇ……えっ? そ、それって……」

「分からないのかい? 方法は問わないから君の力で、僕のペニスを射精まで導くんだ」

 

 ダニエルはベッドの端に腰掛けると、両足を開く。その間に、跪けということなのだろう。

 

(しゃ、射精って言われても……私、そんなことやったことなんて……)

 

 ただ、ダニエルの愛撫に耐えればいいと思っていた。それはそれで嫌だが、相手が彼ならばギリギリで許容可能だった。しかし、それはトワが受け身であることが前提だ。つまり、自分から奉仕をする可能性を一切考えていなかった。

 

「ぅ……でも……そんなの……」

 

 突然の展開に、トワの頭が真っ白になる。ベッドに座り込んだまま、硬直してしまう。だが、そんな状態も長くは続かなかった。ダニエルが、急に無線らしき黒い箱を耳に当てたのだ。

 

「僕だ。例の件だが……」

「っ!? ま、待って! やる、やるからっ!」

 

 ほとんど反射的に、トワは答えた。自覚可能なほど、彼女の声は震えていた。最悪の未来を連想させられてしまっては、頷くしかなかった。トワは、転がり込むようにしてダニエルの前に跪いた。

 

「そう、それでいいんだ。じゃあ、頼むよ。ちゃんと、僕の服を脱がせるところから始めるんだよ」

「う、うん……」

 

 ごくりと、トワは固唾を飲む。ダニエルのズボンの中心は、ぎょっとするほど膨らんでいる。例えるならば、アイゼンガルド連峰の一角のようだ。知識としては知っていたものの、ここまで大きくなるものなのかと戦慄する。鼓動が、うるさくなってくるのを感じた。

 

 しかし、怯んでいる暇はない。もたもたしていたら、今度こそ実行に移されてしまうかもしれない。焦燥の中、トワは腰のベルトに向かって手を伸ばした。手首あたりが膨らみに触れる。なるべく感触を考えないようにしながら、カチャカチャとベルトを緩めていく。

 

 次に、ジッパーを指で摘む。無視できないほどの硬い感触が、手を圧迫する。服越しなのに、じんわりと温かい。恐る恐る、山に沿ってジッパーを下ろしていく。指先に伝わるジッパーの微細な振動に、耳が熱くなる。

 

 そして、いよいよズボンを脱がしにかかる。1度で済ませたいと思ったトワは、ダニエルの下着ごと指にかける。直接触れる肌から、彼の体温を感じる。ほのかに熱い。手のひらに、汗が滲む。2回、3回と深呼吸をする。

 

 僅かに、ダニエルが腰を浮かせた。早くしろ、ということだろう。

 

(――ええいっ!)

 

 躊躇は一瞬。トワは、一気にダニエルのズボンと下着を脱がせた。合わせて、肌色の太い棒が勢いよく立ち上がるのが視界の端に映った。その正体を察しつつ、トワはそちらへ視線を向けた。直後、鈍器で殴られたような衝撃を受けた。

 

(なにこれ……お、大きい……っ!)

 

 姿を現したダニエルのペニス。その大きさは、トワの想像を遥かに超えていた。トワの手首ほどもある太さ。何本も走る太い血管。列車砲のように長く、逞しい出で立ち。脅迫のことが頭から抜け落ち、顔から火が出る。それくらい、彼のモノに圧倒されていた。

 

「……ふふ」

 

 どこか誇らしげに、ダニエルは鼻を鳴らした。男は腰のモノのサイズを気にすることがあると聞いたことがあったが、どうやら事実らしい。実際、このサイズは伯爵どころか公爵級だと、トワはわけの分からぬ感想を抱いた。

 

「ほら、早く始めてごらん」

 

 ダニエルの一言でトワは現実に引き戻された。そう、彼女はこれからこの逸物を刺激して、射精まで至らせないといけない。

 

 トワの知っていることと言えば、ペニスに刺激を与えれば射精するということと、その方法に手や口を使うことがあるということだけだ。具体的な方法は、ほとんど分からない。それでも、やるしかないのだ。

 

(……とにかく、触ってみよう)

 

 割れ物にでも触れるかのように、トワはそーっと指先を近づける。目標は、亀頭の下あたり。触れるまで、残り3秒。残り2秒。残り1秒。そして……。

 

「っ……」

 

 火傷するような熱さと、ゴムのような弾力のある硬い感触。ピクリ、と竿が微かに跳ねる。驚きのあまり、トワは肩を跳ね上げる。思わず、手を離してしまう。慌てて握り直した。

 

(……えっと、強く握ればいいのかな)

 

 試しに、何度か指に力を込めてみる。グニグニと指先が弾む。チラリ、とトワはダニエルの顔を伺うが、その表情からはなんの感情も読み取れない。本当にこれでよいのか、判断がつかなかった。

 

 しばらく、似たようなことを続ける。足つぼのマッサージのようにぐっ、ぐっ、と押し込んでいく。分からないなりに、ツボがありそうな場所を狙って。

 

 ペニスの先端、つまり亀頭はとても敏感な場所だということを、トワは聞いたことがあった。そこを刺激するのは痛みを伴うかもしれないと考え、避けながら刺激を加える。

 

 亀頭の手前から根元の方まで、順序よく手を動かしていく。しかし、それでもダニエルの反応はない。刺激に顔を歪ませることも、声を漏らすことも、竿が跳ねることもなかった。

 

 次第に、トワの胸の内に不安が募る。何度も何度もダニエルの様子を確認しては、変化が見られないことに焦りを覚える。そして、その不安は的中した。

 

「トワ。言っておくけど、適当にいじくっていればその内終わると思っているなら、勘違いも甚だしいよ」

 

 苛立たしげな声が、頭上から降り注いだ。やはり、やり方が間違っていた。トワは顔をうつ向かせ、肩を丸める。

 

「そ、そうじゃなくて……」

「……10分だ」

「えっ?」

「残り10分で、僕をイカせるんだ。もしできなかったら……分かるね?」

「っ……!」

 

 そう告げたダニエルは、懐から時計を出すと、カチッとなにかのボタンを押した。おそらく、時間を計測しているのだろう。

 

 10分と聞いて、トワはめまいがした。たった今、5分を費やしてなんの進展もなかったのに、その倍の時間だけで射精させろと? 常識的に考えて、無理だ。

 

 にも関わらず、できなかったらトワは大切なものを失うことになる。それだけは、それだけは避けなければならない。

 

( ……でも、どうやって)

 

 トワの知識だけでは不可能なのは、すでに証明された。試行錯誤で正解を探り当てる方法は、時間的に使えない。そうなると、残された手は……。

 

「ぅ……ぁ、の」

「ん? なんだい、聞こえないよ」

 

 喉が、急速に乾いてくる。息が、苦しくなる。本当にそんなことを言ってしまうのかと、自尊心が必死に静止をかけてくる。そうするしかないとは分かっていても、それをなかなか口にはできない。

 

(叔母さん、叔父さん、カイ君……)

 

 ふと、人質になっている家族たちの顔が思い浮かぶ。もし彼らを失ってしまえば、トワは本当の意味で独りになってしまう。もうこれ以上、失いたくはなかった。

 

 両手を握りしめる。喉を震わせながらも、勇気と声を絞り出した。

 

「ぁ、あの……教えて……ほしいの」

「教えるって、なにを?」

「だから……その……男の子の、を……出す……っ……方法、です」

(ぅ……言っちゃった。私、こんなえっちなこと、言っちゃった。お父さん、お母さん……ごめんなさい)

 

 トワは、自分を生んでくれた両親に対する罪悪感で、胸が押し潰されそうだった。間違いなく、今のトワにできる最大限の懇願だった。

 

 しかし、ダニエルはそんなトワの決死の想いをいとも容易く踏みにじった。

 

「ふぅん……もっとちゃんと言ってくれないと分からないよ。男のなにを出すって?」

「ぅ……ぁ……それ、は……」

「ほら、言ってみなよ。できるだけ具体的に、かつ卑猥な言い回しで頼むよ」

 

 ニタニタといやらしい笑みを浮かべるダニエル。そこで、トワはようやく気づく。最初から、この展開に持ち込むことが狙いだったのだと。かつてのダニエルであればありえないようなやり方に、ショックを受ける。

 

(もう、あの優しいダニエル君がどこにもいないのかな……私の、せいで)

 

 後悔するも、すでに手遅れだ。とっくに、後には引けないところまで来てしまった。自責の念に苛まれながらも、トワは羞恥に背を向けて言葉を紡いだ。

 

「……ぉ、教えて……ください。ダニエル君の……ぉ、おっ、おち○ちんを……っ! ぁ、ぅ……気持ちよくさせて、射精させる方法……教えて……ください……っ!」

 

 ポロポロと、涙がこぼれては床に落ちる。視界が滲んで、前がよく見えない。その代わり、ダニエルが愉快そうに喉を鳴らす声が、耳の奥までまとわりついてきた。

 

「よく言えたね、トワ。ああ、もちろんだとも。1から10まで、教えてあげるよ。その間、時計の針はちゃんと止めてあげるからね」

 

 トワの心の屈服の度合いが、次のレベルまで進んだ瞬間だった。

 

 

---

 

 

 ダニエルはこれまでにない達成感に心を躍らせながら、トワの拙い手淫を楽しんでいた。さながら、玉座に座って美女に奉仕させる王様の気分だ。

 

 必要な技術や知識をたっぷりと得たトワは、黙々と手を動かしている。しかも、彼女はダニエルの欲情を誘うため、自ら全ての衣服を脱いだのだ。白い肌を紅潮させながら裸で跪く姿は、絵画の乙女のように美しかった。

 

 彼女は己の唾液で濡らしたペニスの先端を手のひらで包み、ニチャニチャと手を上下させる。技術的には未熟だが、トワに奉仕をさせているという興奮が、快感を熟練の娼婦レベルにまで押し上げている。蕩けそうくらい、気持ちがよい。

 

「そうそう、上手だよトワ。できればもっと強く握って、カリの部分にしっかり引っかかるようにしてほしいな」

 

 返事はない。代わりに、トワはダニエルの要望通りに動きを変化させる。両手でダニエルの熱い棒を握りしめて、先端の傘の部分を絞り出すかのようにシゴいていく。彼女の小さくて柔らかい手が、ダニエルの敏感な部分を滑っていく。堪らない痺れが走り、腰が浮く。

 

「ああ、いい。いいよ……気持ちいいよ、トワ。その調子だ」

 

 トワは鬼気迫った表情で、手を動かし続ける。時折、視線をこちらに向けては反応を探ってくる。その一連の動きに迷いはない。おそらく、ダニエルが正直に感想を伝えているからだろう。

 

 おかげで、トワの上達速度はかなり早い。それだけ、時間制限を設けたことが効いているのだろう。もっとも、その時間制限自体はすでに過ぎている。

 

 しかし、ダニエルはそのことを気にせず、トワの奉仕による快感に身を委ねていた。彼女の指がカリに引っかかるときに走る電気が、堪らなく気持ちよかった。

 

 トワの奉仕で興奮が高まったダニエルの息子が、先走り汁を漏らし始める。

 

「うっ、ふう……ほら、先っぽから汁が出てきただろう? それがカウパー汁だ。さっき教えた通りに、指で広げてごらん」

 

 言い付け通りにトワは鈴口から汁を親指ですくい、手のひらで伸ばしていく。唾液と空気が混ざり合って、白い泡になる。亀頭と彼女の指の間でグチュグチュと音を鳴らしながら、潤滑効果を高めていく。

 

「っ……くっ」

 

 どんどんトワの手淫がスムーズになってくる。裏スジを親指でクニクニとさすり、カリのザラザラとした部分を両手で順々に撫で回す。指先が細かく這い回り、ダニエルの弱点を的確に責める。

 

「ぉ……そ、そうだ……そこ、いいぞ……くっ、ぅ……!」

 

 火花が走るような快感が腰で暴れまわり、声に余裕がなくなってくる。少しずつ、体に余計な力が入る。クチュクチュ、ヌチャヌチャと愛撫が続く。

 

 絶え間なく刺激を与えられていた男根は限界を超えて力強さを増し、感じる快楽を数倍に増幅させる。快感を紛らわせようと、ダニエルの呼吸が荒くなる。落ち着きがなくなり、靴の中で足の指が妖しくうごめく。無意識にベッドのシーツを強く握りしめた。

 

「……ぁ……くぁ……ぐっ」

 

 根元の奥底から、ドロドロとした熱い塊が渦巻いてくる。快楽の爆発を予感させる衝動が、腰の一点に凝縮されていく。力を込めて、勢いを押さえ込む。しかし、止まらない。天にも昇る至上の快感が、熱した空気のように膨れ上がっていく。……射精の前兆だ。

 

 突然、トワの手の動きが加速した。ダニエルの表情を見て、なにかを察したのかもしれない。前触れもなく倍増した快楽を前に、彼は情けない声を上げて腰を震わせた。視界が明滅するような快感が、しきりに彼の脳髄を突き抜ける。射精までの猶予が、激減した。

 

(くっ……やばい……これは本当に……やばい)

 

 ブルブルと、足が少しずつ真っ直ぐに伸びる。肩に力が入る。重力に逆らって腰が浮いていく。背中が、引き絞られた弓のようにしなる。

 

 ダニエルの列車砲が発射準備に入る。地鳴りが聞こえそうなくらいに脈動し、女の愛液のように際限なくカウパー汁を分泌する。

 

 いつ噴火してもおかしくない。もたらされる快楽はひたすら射精を促し、ペニスもそれに応えようとする。それを、少しでもこの瞬間を長引かせたいという気合いのみで耐えている。

 

 ふと、ダニエルがトワに視線を向ける。すると、ぴったりと目が合った。

 

「……っ」

 

上目遣いに、心の奥深くまで見透かせそうな丸い瞳。ダニエルの雄の本能が激しく揺さぶられた。そして、それが着火剤となった。ドクン、と強烈な性衝動が湧き上がった。

 

(ぁ、ま、まずい……っ!)

 

 そう思うも、遅かった。果てしない欲望が凄まじい勢いで尿道を駆け抜け、ダニエルの脳天を貫いた。

 

「ぁ、あ……ぐうっ!」

「ぇ、あ……きゃっ!?」

 

 なにもかもどうでもよくなるような恍惚感と共に、ダニエルは己の欲望を解き放った。濁流のように吹き出した白濁の粘液が、トワ目掛けて降り注ぐ。射精を予期してなかった彼女がそれを避け切れる筈もなく、見事に直撃した。

 

「ぅ、くっ、はあ、はあ……」

 

 2度、3度と勢いを落としながらもダニエルのペニスは精液を吐き続ける。その全てが弧を描きながらトワを汚した。全てを吐き出し終えるころには、彼女の髪や顔は精液でベタベタだった。髪に精子が張り付いている様子は、まるで犬のマーキングみたいだ。

 

 トワは黙ったまま、己の両手を見つめる。発射の直前までシゴいていたせいか、いやらしい汁がベットリとついていた。

 

 やがて、トワは顔を上げた。体に掛かった精液を気にする様子もなく、口を開いた。

 

「ダニエル君……それで、時間は?」

「ん? ああ、時間ね。どれ……」

 

 どうやら、ダニエルがすでに忘却しかけていたことが気になっていたようだ。トワの視点で考えれば、当然のことだが。

 

 懐から時計を取り出し、確認する。開始から15分。5分オーバーだ。時間内に達成できるとは思っていなかったが、ここまで早く達成できるとも思っていなかった。

 

 最初から、どれだけ時間が経過しようとも罰する気はなかった。よって、ダニエルは適当に時間内だと告げようとして……邪な思いつきに至った。

 

 力を失いかけていたダニエルの分身が、ピクリと震えた。

 

 

---

 

 

 5分オーバーだとダニエルに宣告されたとき、トワは目の前が真っ暗になった。ペタン、と床に崩れ落ちる。

 

(間に……合わなかった……)

 

 カタカタと、歯が震える。どうする、どうすればいいとトワは半ば停止した頭を回転させる。だけど、いい案はなにも出てこなかった。

 

 もう、とにかく体裁を繕わずに懇願するしかない。そう思って顔を上げたが、それよりもダニエルが口を開く方が早かった。

 

「まあ、初めてだったみたいだし、もう1度だけチャンスをあげるよ」

「え……?」

 

 予想外の温情に、トワは目をぱちくりとさせる。その様子に気づいたダニエルは、心外だと言わんばかりに苦笑いを浮かべる。

 

「僕だって鬼じゃない。君が従順でいる限りは、多少の譲歩もするさ」

「ぁ……」

 

 たった今、微かに……ほんの小さな光ではあったが、確かにかつてのダニエルの面影を感じた。トワの知っている彼は、まだ生きている。そんな気がした。

 

 トワの心が、僅かに緩む。精神的な圧迫をずっと掛けられていたところに、突然優しくされたことで、トワの心はあっさりダニエルの侵入を許してしまった。監禁されているという事実は、なにも変わっていないのに。

 

「そうだね……もう10分あげるよ。だから、今度は口で満足させてよ。やり方は、教えただろう?」

「……っ! う、うん、分かった」

 

 迷わず、トワは頷く。ラストチャンスということもあるが、ダニエルに対する抵抗感が薄れ始めていることも影響していた。

 

 口での奉仕……確か、フェラチオと言うのだと、ダニエルから教わった。

 

 男性器を口に含むという行為には、少なからず抵抗はある。たとえリィンのモノであっても、躊躇しただろう。

 

 しかし、トワはダニエルから与えられた温情を無駄にしたくなかった。萎えかけているダニエルのモノを掴むと、一瞬の躊躇もなく口で咥えた。精液によるものと思しき苦味が、舌に広がった。

 

「まず最初に、出し切れてない精液を吸い出すんだ。もちろん、ちゃんと飲み込んだよ」

 

 トワは返事の代わりに頷いた。チューブから残った絵の具を絞り出すように、根元を握りしめながら上へと滑らせる。鈴口をストローの入り口のようにチューチューと吸って、せり上がった精液を吸い出した。

 

 それなりの量が残っていたようで、舌に糊のようなネバネバが絡みつく。食品の苦味とはまた違った苦さに、若干の嘔吐感が湧き上がる。

 

「ん、んくっ……」

 

 それらを全て合わせて、強引に飲み込んだ。なんとしても10分でイカせるという不退転の覚悟がそれを可能にした。少々喉に違和感は残ったが、なんとか喉の下まで流し込んだ。

 

 そうやって精子を吸い出している内に、ムクムクとダニエルの分身が力を取り戻す。トワの口内で急激に膨らみ、彼女の口を無理やりこじ開けていく。

 

「ん、んんっ、んぐっ!?」

 

 屹立した公爵級のペニスが、トワに牙を剝く。トワの小さな口の中をほとんど埋め尽くし、先端が喉の入り口を圧迫する。抜けないのではないかと思えるほどの質量感に、トワの呼吸が苦しくなる。

 

 それでも、トワは懸命に口を動かした。両手で根元をがっしりと掴み、引っこ抜くようにしてダニエルの怒張を亀頭の手前まで引き出した。竿全体が、トワの唾液でベットリと濡れていた。

 

「っ……ちゅ……んちゅ」

 

 舌を滑らせ、ダニエルの亀頭へと絡ませていく。赤熱した鉄のように熱く、舌が火傷してしまいそうだ。舌を守るかのようにトワの口から唾液が大量に分泌される。それらを舌で集めながら、亀頭にまぶしていく。

 

「ん……ちゅ、ちゅるっ、ちゅるるる……ん、んっ」

 

 手淫のときに偶然発見した、ダニエルの弱点を責めていく。舌先でチロチロと裏のスジを舐め、口をすぼめながら唇でザラザラとした部分を刺激する。

 

「んっ……んんっ……んふぅ」

 

 敏感な唇で刺激しているせいか、触れた場所から微弱な快感が流れる。また、ペニスから漂う濃厚な雄の匂いが、彼女の鼻腔を刺激する。それらが静かに、彼女を昂ぶらせていく。

 

 子宮のあたりから、火で炙ったようなチリチリとした情欲が湧き上がる。知らない内に、腰が切なげに揺れる。股が濡れ、ポタポタと床に染みを作り始めた。

 

 トワはアソコが濡れていることに全く気づかない。しかし、体の変化に引っ張られるように熱心に男の竿にしゃぶりつき、動きを激しくさせていった。

 

「うっ、くっ……いいよ……トワの舌が熱く絡みついてきて……腰が溶けてしまいそうだ」

「んん……ちゅ、じゅる、じゅるる……んぷっ、んくっ」

 

 しばらく亀頭を集中的に責めた後、顔を前後させて口全体で竿を刺激する。口内を膣に見立てて、ダニエルの剛直を出し入れする。

 

 トワの口が小さいからか、口内がダニエルのモノにぴったりと張り付く。おかげで、ペニスの形に沿って、的確な刺激を与えることができた。特に、上顎のゴツゴツとした部分が亀頭をこする度に、小さな呻き声が耳に入った。

 

「っ……くっ、はあ……なんだ、手のときと違って随分上手じゃないか。とても初めてとは思えないな。まさか、娼婦の才能まであったとはね」

「……っ!? んーんん、んーっ!」

 

 ダニエルの灼熱の棒を咥えながら、首を横に振る。時間制限のことがあるから、恥も外聞も捨てて、がむしゃらにやっているだけだ。そう、言いたかった。しかし、時間がないトワに、口を離す暇はなかった。

 

「まあ、どっちでもいいんだけどね。それよりも、残り5分だよ。急いだ方がいいんじゃないかい?」

「んっ!? ん、じゅる……じゅるる……じゅぷ、んちゅ、んんっ……ジュルルルッ!」

 

 口の抽送の速度をさらに上げる。開き続けたままの顎が悲鳴を上げ、溜まった唾液が口の端から垂れていく。首の筋が、酷使による鈍い痛みを訴える。それらを全て無視して、トワはフェラに集中する。卑猥な水音が、部屋中に響く。

 

 両手でも刺激を加えようと、根元を握りしめたまま細かく上下させる。浮き上がっている管の部分を、親指でさする。

 

 口から引き出すときは、掃除機のように強烈に吸い上げる。そして、口に入れるときは顔の向きを変化させて螺旋の動きを加える。出し入れの度に、ダニエルの分身が脈動する。

 

「ぅ……くっ……ふっ……ぁ……がぁ」

 

 たまに、ダニエルの口から力の抜けた可愛らしい声が漏れる。先程までの威圧的な態度は微塵も感じられない。ちゃんと気持ちよくなっているとトワは判断して、鈴口に舌先をねじ込んで内側を舐めた。親指が触れたとき、気持ちよさそうにしていたのを思い出したからだ。

 

「ぁ、うっ、ぐぅ……っ!」

 

 効果はてき面だった。ガクガクと足を揺らし、少しずつ足先を伸ばしていく。ほんの少し前に同じ光景をトワは見た。そう、待ち望んでいた射精の前兆だ。

 

(お願い……早く出して……)

「ンン……ジュルル、ジュル……ッ……ジュルルル……ンン、チュパ、チュル……ジュルルルルルッ!」

 

 さっきからずっと全力で抽送を行なってきたため、疲労的な限界が近い。お願いだから間に合ってくれと女神に祈りながら、気力で口を動かす。

 

「ジュル、ジュルル、ッ……ぉ……ねがい……早く……ジュルル……ジュプッ、ジュプ……出ふぃへ……ジュルルルッ!」

「っ! くっ、トワ!!」

「ん、ンン、ングッ!?」

 

 突然、ダニエルに後頭部を強い力で押さえられた。いきなりの奇襲に抵抗できる筈もなく、成されるがままに剛直を喉の奥まで突き入れられた。そのまま小刻みに、ダニエルの腰が前後に動く。まるで、本当にセックスをしているかのようだった。

 

 口の中が男の欲棒でみっちり満たされ、今度こそ全く口を動かせなくなった。気管を圧迫されているのか、ほとんど息ができない。ペニスが僅かに食道に侵入しているようで、強い嘔吐感を感じる。銃口をねじ込まれたように体が硬直して、身動きができなかった。

 

 そんな中、口の中の熱いモノがブルブルと震え始めた。舌から伝わる微細な振動が、ダニエルの根元からなにかが込み上げてくるのを感じ取った。

 

(う、嘘……今、出たら……っ)

 

 そう思うも、すでに遅かった。活きのいい魚のように竿が口の中で痙攣し、先端を大きく膨らませた。トワは思わず、目を強く閉じた。

 

「ぅ……くっ……出る、出る、出るよトワ……! さあ、1滴残らず君の口で受け止めてくれ……っ、ふっ……ンンンンッ!」

 

 ズン、と一際強く奥まで突かれた。2度目の射精が始まったのは、その直後だった。

 

「ング、ンンンンッ!?」

 

 酸欠気味で意識が若干あやふやな中、トワは喉の奥でダニエルの爆発した欲望を受け止めた。マグマのように熱く、突き抜けるような強烈な奔流が彼女の喉を焼いた。

 

「ンンッ、ングッ、ゲホ、オグッ!?」

 

 無理やり食道の入り口をこじ開けられているため、発射された精液をせき止めることができない。口の中に注ぎ込まれたそばから喉を伝い、胃に向かって落ちていく。粘性の熱い物体がゆっくりと食道を通っているのが分かる。

 

 その間、トワの頭は掴まれたままだった。射精を受け止めるだけの器のようにその場で固定され、何度も精を吐き出される。

 

 おびただしい量の精液を飲まされた後、ようやくダニエルのモノの脈動が止まった。ふにゃりと柔らかくなりつつあるソレを、彼は口の中から引き抜いた。圧迫感がようやく消える。

 

「っ、ゴホッ! ごほっ、ケホッ! はあ、はあ、はあ……」

 

 失った酸素を取り戻そうと、トワは深呼吸を続ける。喉の違和感を取り除こうと、何度も咳き込む。しかし、灼けた刻印のように、どうしたって消えてくれなかった。

 

「ふふ、たくさん飲んだね、トワ。今頃君の胃の中は、僕の精子でいっぱいだろうね」

 

 満面の笑顔で、ダニエルはトワの頭を撫でた。彼女はそれを、黙って受け入れた。

 

(なんか……お腹がタプタプ。ここに……ダニエル君のが)

 

 そっと、トワは腹部に手を当てる。腹部の中心に、熱いなにかが渦巻いているような気がした。妊娠の心配はない。それでも、大量の精液を体内に取り込んでしまったという事実は、どこか彼女を不安にさせた。

 

「ああ、そうだ。安心していい。今回は時間内だ。よくやったね」

「ぁ……」

(……よかった)

 

 トワの体から力が抜ける。心から安堵したことで、緊張が抜けたのだ。

 

「今日はここまで。ちゃんと、体は綺麗にしておくんだよ」

 

 いつものように終了を告げると服装だけ整えて、足早に部屋を出て行ってしまった。1人になったトワは、髪の毛を指で摘む。

 

(ぅう……ベトベト。乾いちゃう前に、シャワー浴びないと)

 

 そう感じたトワは、急いで浴室に向かうのだった。

 

 

 

 

 

 余談だが、浴室にて己の欲情の証を見つけて、トワはさらなる自己嫌悪に陥ることになる。

 

 

 

 

 

 

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