吉良とシルヴィの奇妙な生活ティーチングフィーリング 作:吉良吉影に憧れる者
遠足も終わり、あまりイメージのわかない11月だが、それもあっという間に過ぎていく。
私達のような異端には普通というものがどれほど幸せなものか噛み締めることが出来るが、大抵はそうはいかない。つまりは、生きていることや普通であることは何にも変え難い幸せなものであろう。
さて、特にこれといった中身のない話を挟んだところで、私の彼女の可愛さでも自慢しようか。
季節は過ぎゆき冬休み─
長期休みとはいえ、なにか特別なことがある訳でもない私たちは、家でのんびりと過ごしている。
「シルヴィ、たまには普通に抱き合ったりしてみないか?」
茶化すような口調で言っているが、柔らかい彼女を力強く抱きしめたいと思ってるので、結構本気の顔をしている。
「えっと…その、夜の時のアレじゃダメなんですか?」
ダメ、という訳でもないのだが、なんというか…。
「いや、そういう目的じゃなく君を愛したいなと思っただけなんだが…」
カッコつけているのだかカッコ悪いのかよく分からないが、本心を話してみる。すると彼女は真っ赤な顔でワタワタと照れ始めた。…最高に可愛いな。
顔の高潮とは打って変わった薄らと白みがかった銀髪を撫でるように梳く。サラサラと指の間を通り抜ける彼女の髪は、いつか執着していた彼女の左手よりも美しく、素晴らしいものに思えた。それは、気のせいなんかではないことは確かだ。
「そ…そんなことよりご主人様。外は雪が降ってますよ!雪合戦とかしませんか?」
テレビなのかネットなのか友人なのか、私の知らないどこかしらから得た情報で無邪気に誘ってくる。
「一応聞くが雪合戦がどんなゲームなのか知ってるのか?」
「ドラえもんでのび太くんとしずかちゃんがやってました!」
ジャイアンとスネ夫も混ぜてやれよ。あと肝心のドラえもんはいないのかよ。主人公なのにぼっちとかどこの比企谷だよ。
「ご主人様、最近お友達から悪い影響を受け過ぎです!確かに元の環境柄そういうことは無かったと思いますが、だからって最近、比企谷さんみたいに卑屈になってますよ?」
シルヴィはかなり手厳しい女性のようだ。むしろ母親のようだ。そのうちあなたをそんな子に育てた覚えはありませんとか言いそう。
「で、話を戻しますが雪合戦やってくれますか?」
うーん、シルヴィのためならやってあげたいのは山々なんだが、まだ降ってるし、寒いし、冷たいし、理由を挙げたらキリがないからな。
「一緒にやりましょう♡」
上目遣いで言われたらやるしかないじゃないか!
…こういう所が比企谷からの悪影響と言われるんだろうな。
結局私のハグの件は上手くはぐらかされたようで(ハグだけに)その事については全くもって悲しくないし気にしてなんかいない。しかし、ほとんど死に設定とはいえ奴隷と主人という関係上それなりの罰は与えて然るべきで、さらにいえば、雪合戦とは、雪をぶつけ合う遊びなのだからほんの少し彼女の首筋に雪を入れるのはルールに則ったたものであるので、私は悪くない。
一応冷やしてしまった分きちんと温めた。具体的には夜の情事の最中に首筋を舐めて雪を溶かした。彼女も溶けた。むしろ蕩けた?
あとがよろしいのか宜しくないのか分からないが、次の日には比企谷と戸塚も混ざって大きなかまくらを作ったりした。表向きは中学生なので、いいカモフラージュになったろう。決して、憧れていた訳では無い。
余談だが鎌倉の中でほんとにお餅は焼けた。(正月の分は今日にでも買い足しに行くよていだ。)
……To be continued
新年の話を挟んで進級させます。そこまで行ければいいけど、多分そこで2話にするかなぁ。