吉良とシルヴィの奇妙な生活ティーチングフィーリング 作:吉良吉影に憧れる者
無機質な機械音が鳴り響き、目を覚ます。
私の左からはトクントクンと、彼女の規則的な心臓の鼓動音が聞こえる。
「キラークイーン、そいつを止めてくれ。もう少し…こうしていたい。」
きっと怖い夢を見てしまったんだ。だから、こんなに涙が出るんだ。あの時と違って血は出ていないのに、それでも、この涙はあの時よりも痛々しく傷ましいものだろう。
本当に何があったのか自分でも分からない。全く思い出せない。昨日はシルヴィと新年早々乱れまくって、子供の体に似合わず体力を使いすぎて、寝落ちみたいた状態だったのは覚えてる。
「ご主人様…」
いや、どうせ覚えてないなら忘れたままにしておこう。
今日ぐらいは彼女をこのままベットで休ませてあげよう。いつも毎朝彼女に朝食を作らせるのは流石に忍びないからな。最近全くやっていないが元々料理は得意な方だ。
しかし、案外腕は鈍っているようで、美味しそうな気配が全くしない朝食が出来上がった。そして、作ってから気づいたのだが、昨日の彼女はおせちの下ごしらえをしていた。つまり、早急にこのウィンナーもどきをどうにかしなければいけない。
「猫目、食べるか?」
皿をやると、ふるふると首を横に振り拒絶する。
捨てるのはもったいないし、しょうが無いから冷蔵庫に入れておけばいいだろう。そのうちレンジであっためて食べればいいや。
「お…おは!おはようございますご主人様!ごめんなさい、目覚ましが鳴らなくて寝坊しました!」
その目覚ましはきっと、私が止めたものだろう。
キラークイーンのジトっとしたなにか物言いたげな視線を無視して彼女のおせちが出来上がるのを待つ。
何気なくスマホを見ると、比企谷からLINEが来ていた。
『突然すまんが明日は暇か?残念なことにうちの親が一緒に初詣に来いとか言い出したんだ。普通この年になってまで親と一緒に初詣なんて恥ずかしいだろ?だから、一緒に行かないか?友達と行くっていえば何とかなるだろ。もしアレだったら彼女さんも連れてきていいぜ。戸塚にも連絡はしてある。お前さえよければ……』
長っ!直前の会話が見えなくなるぐらいには長文じゃないか!
ちなみに直前の会話は遠足の時、こっそり(シルヴィと)二人きりになった時に、『集合時間の10分前には地図の場所に来いよ?』と言う内容だ。地図の場所はとある観光場所。
3ヶ月ぶりのLINEが急に長文でびっくりしたわ!
「なぁ、シルヴィ」
「あーどうせ比企谷さんと初詣ですよね。分かりました。いいですよ。その代わり明日はずっと家で私の手握っててくださいね。」
……まぁ、普通のこの年頃の少年というのは彼女の手を握るのなんて勇気のいることだろうな。私にとってはなんてことないが…。
しかし、彼女も別に埋め合わせ目的という訳でもないようで、ただのスキンシップらしい。
しばらくしていい時間になったので家を出る。
「寒いな…やっぱりやめておけば良かった。」
「確かに、寒いですね。ご主人様、手繋ぎましょ?」
俵万智の短歌で、『「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ』というものがある。
私は授業でやった時には、その温かさを掴めなかったが、今でなら、掴むだけでなく抱きしめることだって出来るだろう。
この手の温もりが、あの短歌の温かさなのかは知らないが、私にとっては、彼女そのものが『温かさ』だ。
……To be continued?
「おい、遅いぞ…つか、寒いからってくっつきすぎじゃねぇ?」
「えへへ、僕達もくっついてみる?」
「喜んで!」
「お前の変わりようには驚くよ…」
「ちゃんちゃん」
……To be continued
次回予告!
こんにちは、こんばんわ?おはようございます!
今回の話でご主人様と初詣に行ってきたシルヴィです!そう言えばネフィーさんとオーレリアさんも居た気がします。どちらも違うタイプの男性と手を繋いで歩いていましたが、彼氏さんでしょうか?あの二人の乙女の顔を見れてなんだか嬉しくなりました!さて、次回は城之内死す!あ、間違えた。
節分回!
キャ!ご主人様、そこのお豆はいじっちゃダメですよぉ!