吉良とシルヴィの奇妙な生活ティーチングフィーリング 作:吉良吉影に憧れる者
朝、吉良が目覚めると自分の部屋にいた。普通は当たり前のことなのだが、事情がある。
それは昨日の夜様々な辛いことを思い出したシルヴィが、大泣きしてしまい、それを慰めているうちにシルヴィは寝落ち、そんな彼女をベッドまで運んだあと安心させるために頭を撫で続けていた。が、キラークイーンにより強制的に眠らされたため本来シルヴィの部屋の床にいるはずなのだが…いざ、起きてみるといつも通り自分の部屋のベッドの上でいつもと同じ体勢で起きたのだ。
「まさかスタンドに運ばれるとはな。」
吉良の意識的な支配力がなくなり自立したキラークイーンの昨晩の記憶を見る。そこには、お姫様抱っこの状態で自分のスタンドに運ばれる元中年男性がいた。
変な所で寝ずに住んだという安心半分、女王の名前を持つスタンドにお姫様抱っこをされたという恥ずかしさ半分の状態で起きると、キッチンから、いい匂いが漂ってくる。
「ム?パンの焼ける匂い?なぜ?」
リビングに向かうとシルヴィが、パンと卵を焼いていた。
「お…おはようございます。ご主人様。昨日は大変ご迷惑をお掛けしました。」
はずかしそうに頭を下げるシルヴィ。
「お詫びと言ってはなんですが、朝食をご用意致しました。…ご迷惑だったでしょうか。」
いくらエリートの優等生と言えど月曜日の朝は弱い。これは全学生の最大の敵であり、あの究極生命体で有名のカーズ様も、(柱の種族達の中での)月曜日は、目覚めがいいとは言えなかった。(ワムウやサンタナは学校に行く前に里が無くなっているので、月曜日という概念を気にしない。)つまり月曜日の朝ほど憂鬱で嫌われる時間はないと言っても過言では無い。
そんななか(吉良曰く)美少女の手により作られた(簡単なものだが)朝食を食べるというのは気分がいいものであると同時に、吉良吉影自身の神経質さが人にキッチンに入られたということが吉良をイラつかせた。が、平静を装い
「ありがとうシルヴィ。では、いただくよ。」
そこで、一人分の朝食しかないことに気づく。
「シルヴィの分はないのか?」
吉良が、シルヴィに訊ねると、当然のようにないと言われる。吉良はシルヴィの分が出来て、シルヴィと一緒に食べられるまで食べないと言ってフォークを置いた。
「私は君と一緒に朝食を食べたい。だから、君の分が出来て一緒にいただきますをするまで、学校にも行かないしここからは出ていかないからな。」
よく分からない脅迫(?)をしながらシルヴィにもう1人分の朝食を作らせる。
「「いただきます」」
やっと二人で朝食を食べ始めるとちらりと時計を見てやや慌てた様子で吉良は食べ終える。しかし、皿にはまだすこしパンや卵が残っている
「すまないシルヴィ。流石に学校に遅れそうだ。」
急いで身支度を整えると、シルヴィに何度も謝る。シルヴィは口には出さないが、頭の中で
(美味しくなかったかな?口に合わないかな。私が作ったものだしな…。)
と色々と考える。その様子をみて吉良はシルヴィの頭を少し撫でてから玄関に向かう。
「それじゃあ、行ってきます。」
そう言って靴を履くと、シルヴィを呼ぶ。
「シルヴィ、少し来てくれ。」
とてとてと、シルヴィは玄関まで走ってくる。
「朝食、美味しかったよ。また今度作ってけれないか?それとぜんぶ食べきれずに本当に済まない。あと、その服似合っているよ。今日もバツグンに可愛いよシルヴィ。」
シルヴィは、初めて買ってもらった服の色違いを着ていた。服を少し撫でてから吉良はシルヴィの肩を掴む。シルヴィは、少し驚くが、信用し始めているので少しはにかむ。
「これは行ってきますのキスだよ。」
そう言って吉良の唇がシルヴィの頬につけられる。一瞬の出来事で、シルヴィは自分が何をされたか気づかない。
「……あぁぁ!」
吉良が家のドアを閉めてしばらくしてからシルヴィは、顔を真っ赤にする。
登校中の吉良は心の中で
(しまった、つい調子にのってキスなんかしてしまったが、嫌われてないだろうか。大丈夫だろうか?)
と不安になっていた。
シルヴィもシルヴィで
(チューされちゃった。恥ずかしい!でも嬉しい!なんでだろう胸が苦しい。けどほわほわしていい気分。)
とあわあわしていた。
吉良が通う学校にて……
「吉良君…その…お昼、ご一緒にどうですか?」
肩どころか膝まで髪を伸ばした女生徒が、吉良に話しかける。その後にはキャーキャー騒ぐ取り巻きのような二人がいた。
「……すまない、お誘いは嬉しいが、このプリントを先生に届けなければいけなくてね。昼食は手短に済ませる予定なんだ。一緒に食べるのは無理かな…。」
吉良は自分が言い終わるのと同時に歩き出す。
後からさっきとはまた違ったキャーキャーという声が聞こえる。
「やめとけ!やめとけ!あいつは付き合いが悪いんだ
『どこかへ行こうぜ』って誘っても楽しいんだか楽しくないんだか…
『吉良吉影』 12歳 彼女なし
授業態度はまじめでそつなくこなすが今ひとつ情熱のない男……なんかエリートっぽい気品ただよう顔と物腰をしているため女子にはもてるが先生からは配達とか使いっ走りをよくさせられているんだぜ、悪いやつじゃあないんだが これといって特徴のない……影のうすい男さ」
吉良は校庭に出るとおにぎりを食べ始める。
「今頃、シルヴィも同じものを食べているのかなぁ?」
吉良は何気なくそう言うと朝の事を思い出す。
(そうだ…やってしまったんだった。帰りにくいなぁ)
時同じくシルヴィも、
「今頃、ご主人様も同じものを食べているのかなぁ?」
シルヴィは窓を眺めながら朝の事を思い出す。
(そうだ…私チューされちゃったんだよね。ほっぺだけど…。嬉しかったなぁ。
シルヴィは、しばらく考えると、立ち上がり
「好きにしてていいって言ってたもんね。」
と言って、紙とペンを持ってくる。
紙には少し汚い字で、
『ご主人様のいい所』
と書く。
(顔は言うまでもなくかっこいいし、最初は目付きが冷たいなって思ったけど、笑うと柔らかい目をするし、頭撫でてくれるし、優しいし、かっこいいし、頭いいし、こんな私でも『同居人』って言ってくれるし、スタンドも強くてかっこいいし、あくびすると可愛いし、手の事になると気持ち悪いけど、かっこいいからなぁ。)
「モテるんだろうな…。」
恋愛なぞろくにしたことのないシルヴィだったが、女としての思考が吉良を美化させた。
「まぁ、奴隷の私がご主人様とどうこうなれるわけないか…」
シルヴィが考え耽っている時、吉良は下校中だった。道すがら、
(シルヴィって可愛いんだよな。)
と、同じようなことを考えていた。
(顔も手も可愛いし、最初は目が腐りきったゴミのようだったけど、笑うと可愛い目をするし、頭の撫心地最高だし、気が利くし、可愛いし、器用だし、こんな私でも慕ってくれているし、スタンドもあまり見えてはいないが可愛いし、ドラえもん見てる時可愛いし、自分を奴隷と卑下するのが面倒だけど、可愛いからなぁ。)
「場合が場合ならモテただろうな。」
子供に戻りやや女々しくなった吉良は普通に気持ち悪いことを考えていた。
「まぁ、私は曲がりなりにも殺人鬼だし、生きている人とどうこうなれるわけないか…。」
二人のスタンドは揃って呆れたそうだ。
「「やれやれ(だぜ)」(ね)」
……To be continued