吉良とシルヴィの奇妙な生活ティーチングフィーリング 作:吉良吉影に憧れる者
いつもの夕焼けを見る気になれず、薄暗い道をひっそりと歩く。死者のような気分だ。いや、私はある意味死んでいた。というか、実際死んだ。
忘れていたと思ったが、徐々に思い出すこともある。例えば、私は殺人鬼で、殺してきた人の1人が私を殺したやつの友達だったこととか、よくわからん尼に、こき使われて『仕事』をしていたが、失敗して死んだこととか…。まぁ、ほとんど思い出さなくてもいいことだ。
私死にすぎじゃないか?百万回生きた猫かよ。あれは名作
家のドアを開ける。
「ただいま。」
シルヴィは何をしているかな。そう思いながら、見回すと、走る音が聞こえる。こちらに向かって来ているようだ
「おかえりなさいご主人様♡大好きです!」
珍しくシルヴィが、
うん可愛い。
頭を撫でてやると満足そうに笑う。よし、勉強のモチベーションが上がった。そこから部屋にこもって勉強。夕飯の時間になったら、食べて風呂に入ってすぐ眠れるようにしたらリビングで勉強。シルヴィがテレビを見ているので、適当な時間になったら、ねせよう。
と思っていたが、自分から寝室に入っていった。いい子だ。さて、勉強をしよう。
暫くすると、控えめにアラームがなる。私は集中すると、時間を忘れて、11時を超えて勉強してしまう。そんなストレスのたまる勉強法はダメだ。やることをやったらすぐに寝る。これ大事。
さて、寝るか。
(そう言えば今日はシルヴィと、会話らしい会話をしてないな。)
次の日もその次の日も、会話らしい会話の無いまま過ぎてゆく。
土曜日…今日は図書館にでも行って勉強しよう。それだけやれば、流石に十分だろう。しかし教師共のテストの出し方もわからんしな、もう少しやるべきか。
「シルヴィ、図書館に行ってくるから、留守を頼んだよ。掃除もしておいてくれ。」
「はい…。いってらっしゃいませ…。」
元気が無いようだが、大丈夫だろうか?
視点変更<シルヴィ>
休みの日までご主人様は忙しい。一緒にテレビを見たり、本を読み聞かせて欲しいが、それは言えない。私が奴隷、というのももちろんあるが、ご主人様に迷惑をかけて、棄てられたくない。
「ご主人様…」
私は小さく漏らす。やれと言われた仕事をしておけば、捨てられることはないから、やっておく。
視点変更<吉良吉影>
図書館まで来ると、静かで落ち着く。もし、勉強にあきたら、少し本を読む。三十分も休憩を済ませれば、また勉強をする。その繰り返し、12時半頃に来てからずっとやっている。五時を過ぎたあたりで、シルヴィが心配になったので、キリのいいところで終わらせる。さて帰ろうか。
いつもの夕焼けを眺めながら感慨にふける。
明日、デートでもしようかな。
今日も今日とてソファで寝る。体がズキズキするが、シルヴィの可愛い寝顔を見れればどうってことない。
日曜日…いつも通りの時間に起きて、朝食を作る。昨日は勉強時間の確保のために一人で食べてしまったが、今日はダメだ、シルヴィと一緒に食べるためシルヴィを起こす。
「シルヴィ、朝ごはんが出来たぞー。起きろー」
シルヴィの部屋(本当は私の寝室だがここ数日、入ってない)へ向かうと、シルヴィが寝息を立てていた。2~3枚寝顔の写真を撮ると、起こす。
「ん…んぅ。あ、おはょうございましゅぅ。ごしゅじんしゃま〜♡」
寝ぼけてるな。とりあえず布団を引っぺがす。小さく悲鳴をあげつつ、起きる。
「おはようシルヴィ」
シルヴィの顔が寝顔を見られたことにより赤くなる。
「お、おは、おはようございます。」
「シルヴィ、朝ごはんが出来た。食べよう?」
リビングに来ると、席につく。
「シルヴィ、皿洗いが終わったら出掛けるから準備をしてくれ。」
シルヴィが、遠慮がちにいう。
「ご一緒してもよろしいのでしょうか?」
また自分を奴隷だと下卑しているな。
頭を撫でてやる。シルヴィは、少し笑うと、手を握ってくる。参ったな、食事ができない。まぁ、いいか。
出かける準備を整えると、いつもの服屋に行く。
「あらあら、いらっしゃい。今日もお嬢さんの服を?」
「ああ、服を見繕ってくれ。」
シルヴィは色々な服を着てはこれはどうか?これは?あれは?と私に聞いてくる。
「シルヴィ、君の着たい服を着ればいいじゃあないか?」
「フフフ、分かってませんね。この子はあなたに喜んでもらえる服を着たいのよ?」
店員に言われる。手を口元にやる仕草は、私の目をひきつけるには十分だった。…なぜか、シルヴィとキラークイーンに殴られた。最近キラークイーンが自由すぎるんだが?
1着を選べと言ったのに6着も買っていた。私はシルヴィに甘いのだろうか?
喫茶店に向かうと、前の奇妙な店員がフラフラと不規則な足取りで歩いている。
「いらっしゃいませー?2名様ですかー?」
定型文のようなやり取りをしたあと席につく。
「シルヴィ、何にする?」
メニューを見ながらうんうん唸っているシルヴィに微笑むと、シルヴィも微笑み返す。
「パンケーキとアイスミルクティーがいいです!」
いつも通りサンドウィッチと、パンケーキ、アイスミルクティーを2つ頼むと、少しおしゃべりをしてから食べる。
いくつか店を周り必要なものを買うと、家に帰る。
「ご主人様、テレビ見てもいいですか?」
シルヴィが家に着くなりそう聞いてくる。
「まずは…
「手洗いうがいですね。わかりました。」
私の言葉を遮って、とたとたと、走って洗面所へ向かう。
今日はほとんど勉強をしていない。明日にはテストが始まるとしても、今日だけは…シルヴィと一緒にいたかった。
【前の彼女達との違い】
正直全くわからなかったが、ようやく分かった。今日のデートで確信した。
それはきっと、初めての恋なのだ。
いままでとは違う。本当に心の底から、
「シルヴィ、愛しているよ。」
死体に言うのとは違う。生きている人へ愛を囁く。恥ずかしい、恥ずかしすぎて死ねる。
「?私も大好きですよ。」
あ、明日のテスト頑張れそう。
テレビを見て、本を読んで、テストのことを忘れて、自堕落に過ごす。シルヴィは楽しそうだ。
寝る時間になりシルヴィは、
「ご主人様、今日は一緒に寝ましょう?」
上目遣いで、微笑みながらいう。断れるわけもなく、ベッドに入る。
「シルヴィ、抱きしめてもいいかい?」
ベットの中で聞く。シルヴィは、クスクスと笑った後、
「いいですよ。」
と言う。
抱きしめると、同じシャンプーを使っているのに、私とは違ういい匂いがする。腹にシルヴィの柔らかい感触が伝わる。シルヴィは、こちらを向いて私の胸に顔を埋める。
これが幸せなんだな。
……To be continued
もっと甘くしてくぜ!