吉良とシルヴィの奇妙な生活ティーチングフィーリング 作:吉良吉影に憧れる者
私はご主人様の大きな手を掴みながら買い物をしている。
料理に使う道具や、食料品やその他の雑貨を買うついでにデートをしている。(
何故か、スタンドが周囲あたりを見回しては消えていく。私もあたりを見渡すが変わったことは無い。他だけの警護だと思う。ところで、消える瞬間、嬉しそうな顔をして消えていくのは何故だろう?なにか楽しみを見つけたのかもしれない。
ご主人様の歩くようについて行くと、服屋の前に来た。昨日からご主人様は
「明日、食品を買わないとお昼ご飯が無くなる。」
と言ってたので、てっきり食料品を買うのかと思ったが、一番最初に服屋に来たのは驚きだった。
「ご主人様、どうして服屋に?」
私はご主人様に聞く。すると、ご主人様は誤魔化すように頭を撫でるとお店に入っていく。新しい服でも買うのだろうか?最近は色違いばかりだったので新しい種類の服が着てみたい。とは、口が裂けても言えない。私はあくまで奴隷なのだ。
たとえウソでも隣にいれるだけで、私は満足だ。その気持ちに間違いはないはずなのに、心のどこかにポッカリとしたものがある。気がする…。
「これなんかどうだい?シルヴィ、着てみてくれないか。…シルヴィ?」
「あ…はい、すみません。聞いていませんでした…。」
ご主人様に呼ばれるまで気づかなかった。私は優しく頭を撫でられると思ったのだが、そんな素振りはなく、むしろ、少し怒った口調で、
「人の話はしっかりと聞けと教えなかったか?」
と、冷たく言い放つ。別に機嫌が悪いだけだろうと思って、気にもとめず形だけの謝罪ですませる。
どうやら、私のエプロンを選んでいたようで、様々な可愛いエプロンを持ったご主人様は、少しシュールだ。
わたし的にはフリルの付いたエプロンが良かったのだが、素材の機能性や耐火性などを重視したご主人様は、猫の描かれたエプロンを提案してきた。正直子供っぽいと思ったのだがいざ着てみるとご主人様は、とても似合っていると褒めてくれたので喜んで買った。
食料品の買い物に行かずに先にエプロンを買いに行ったのはどうやら喫茶店で昼食を済ませるかららしい。
いつもはパンケーキだが、『マルゲリータ』というものが気になったので頼む。(ご主人様は、不思議そうな顔で「パンケーキじゃないのかい?」と聞くので、今日は特別です。と言うと妙に納得した顔で、そうか。と頷いた。)
奇妙な店員─ネフィーさん─が、持ってきたのは、パンケーキの生地を薄く伸ばしてその上にバジルやらひき肉やらを乗せたよくわからない料理だった。見たことも聞いたこともないものだっが、ご主人様は、「もし食べきれなかったら、無理しなくてもいいからね」と言ってくださった。もちろん残さず食べたが…。ちなみにとても美味しかった。ただ、アイスミルクティーには合わないかもしれない。
次に向かったのは、近くのスーパーだ。
やはり、お野菜が高くなっている。多少ならいいがかなりいいお値段だ。
食料品を一週間分と、その他日用雑貨品を1ヶ月分、かなりの量だが、必要なので買っておく。
ご主人様は、店を出ると妙に焦ったように時間を気にしている。ご主人様にかぎって見たいテレビがある訳では無いだろうし、何かあるのかもしれない。と言っても今は4時頃だ。そこまで遅い時間ではないし、用事のできる時間でもないだろう。
私はご主人様と手を繋いでやや早歩き気味で帰っている。かなりの買い物をしたのに手を繋ぐ余裕があるのは、ご主人様が、日用雑貨品(きっとかなり重い)を持ち、私が食料品(なかなか重い)を持っているからだ。
ご主人様と手を繋ぐと肩が上がり気味になるので疲れるが、大きくて優しさに溢れた手を握っていると、(たとえ恐怖を感じる手つきで私の手を握られていても)嬉しい気分になる。
通る道が普通の帰り道とは違い、薄暗い道を歩いていることに気づいた私は
ありえないとは分かっているが、ご主人様といえど、男性であることは変わりない。たとえ、手首フェチだとしても全く
私は少し暗い顔になる。そんな間抜けな顔を見られたくなくて、少し俯きがちになる。それをどう捉えたのか、ご主人様は、一度手を離すと私の頭を撫でる。
優しく、優しく撫でてくれる。そこにどんな意味があろうと、私は受け入れる『覚悟』がある。どんなに辛く苦しいとしても、ご主人様が、『
覚悟を決めて、前を向く。すると視界に入ったのは鮮やかな夕焼けだった。今まで一度も見たことのない
「綺麗だろう?私は今日、シルヴィにこれを見せたかったんだ。シルヴィ、今日はなんの記念日だと思う?」
はて?ご主人様の誕生日ではないし、私の誕生日は知らないし、思い当たるものがない。ご主人様が言うくらいだから何かあるのだと思い今日の日付を思い出す。まさか…
「もしかして…私がご主人様の
あえて奴隷という言葉を使わずにご主人様のいう同居人と言うとご主人様は、柔らかく微笑み、私の頭を撫でる。最初は怖いと思った
「シルヴィ、君は今まで奴隷だったかもしれない。でも、『《奴隷》シルヴィ』は、私が
なんて優しいのだろう。思わず涙が溢れる。
「ご主人様、泣いてもいいですか…。」
ご主人様は荷物を置く。私を抱きしめると、
「前も言ったと思うが…改めて言わせてもらおうか。」
と言って言葉を区切る。私はご主人様が前に言ったことを思い出す。
(いつか、私の隣じゃなくてもいい。他の人の前でもいい、絶対に、いつかどこかで、君が、心の底から笑えるなら、好きなだけ泣くといい。)
しかし、ご主人様が言ったのは違うものだった。
「前は私の隣じゃなくてもいいと言ったが、それじゃぁダメだ。私の前だけで、他の人の前なんかじゃなくて、私の隣で、泣いて、笑って、怒って、哀しんでくれるなら。今は好きなだけ、気の済むまで泣けばいい。だから、私から離れないでくれ。私とだけ生きてくれ。私はシルヴィが居ないと、ダメなんだ。人殺しに戻ってしまうから…君がいいんだ。シルヴィが好きなんだ。」
気がつけばご主人様も泣いていた。私とご主人様は、抱き合いながら、馬鹿みたいに泣いていた。ほとんど動かずに泣いていた。
……To be continued
長い!
もう少しでUAが、1万になりそう!頑張れ自分!
いつも読んでくれている方ありがとうございます。お気に入りして下さった方愛してます(笑)
次の話では本格的なイチャラブになると思います。期待してくれていた方にはお待たせしました。
見たくない方は飛ばしてください。(飛ばしても話はなんとなくわかると思います。)