吉良とシルヴィの奇妙な生活ティーチングフィーリング 作:吉良吉影に憧れる者
シルヴィの前にはショートケーキが置かれている。そして、私の前にも置かれている。そろそろ食べたいのだが、私が食べようとするとシルヴィは悲しそうな目でこちらを見て来る。何を伝えたいのかはなんとなく分かるが、食べないともったいない。
「シルヴィ、写真撮っておくか?」
これならシルヴィももったいないとは思わないだろうし、思い出にもなるだろう。
シルヴィが元気よく頷くのを見て、スマホを取り出す。
「シルヴィ、お皿持ち上げてくれ。顔の隣に…そう、そこがいい。はいチーズ」
カシャッ!
カメラの機械音がする。本来公共の場で写真を撮るのは褒められたことではないだろうが、誰もいないしこのくらいいいだろう。
「さぁ、食べようか?」
シルヴィはまたも元気よく頷く。手を伸ばすと頭を差し出してくる。彼女も随分と慣れたようで、頭を撫でようとしても怯えなくなった。しかし、不意打ちだとまだ怖いらしい。心のケアも出来ればいいのだが…。
一旦離してショートケーキを食べ始める。シルヴィも私に続いて食べ始める。
「ん!甘い!ふわふわ。ん!美味しい…。」
シルヴィは妙に艶かしい声を出しながら甘いショートケーキを頬張る。あざとく口の端にクリームをつけているのが可愛い。私はシルヴィの口に手を近づけてクリームをすくいとる。指の腹についたクリームを舐めとると、シルヴィ恥ずかしそうに俯く。私はシルヴィの視線を追うように、シルヴィのショートケーキを見る。そこには違和感があった。
「シルヴィ?いちご食べないのかい?」
ショートケーキの醍醐味とも言えるイチゴが皿の端に残っていた。もしかして苦手なのかと思ったが、そうではないらしい。シルヴィは、驚いた顔をして、
「これ食べれるんですか?てっきり付け合せかと思いました。…ごめんなさい。」
別に謝る必要は無いと思うが、と私が言うと、シルヴィは苦笑いをしながら、いちごを口に運ぶ。
「ん、酸っぱい。…でも美味しい!」
どうやらお気に召したようだ。イチゴを頬張るシルヴィは、やはり可愛かった。
「殺せよ、殺してちゃえよ。
酷い頭痛と共に
「ご主人様?大丈夫ですか?」
首を傾げながら言う彼女の頭を撫でてやる。
(耐えられるかどうかじゃない。耐えるのだ。これから一生、抑えるのだ。)
ショートケーキも食べ終え、会計を済ませる。
「いつもありがとうございますー?またお越しくださいませー?」
相変わらずフラフラとしているが、わざわざ見送りまでしてくれた。そんなことをしなくとも私はこの喫茶店しか行かないのだがな。
帰り道はあえて遠回りをする。シルヴィも何かに気づいたようで私の手を強く握る。しばらく歩くと、シルヴィが、走り出す。私を手招きして、
「ご主人様!早く早く!夕日、綺麗ですよー!」
私も小走りでシルヴィの元へ行く。
「綺麗ですねー。ご主人様、ここも写真撮ってくれませんか?」
私はスマホを取り出すと、夕日を写す。しかし、撮らずに、後ろに下がる。画面の枠にシルヴィを入れると、
「シルヴィ、笑って笑って。」
夕日を背にしたシルヴィを撮る。
「ふふ、ありがとうございます。見せてください。」
撮ったものを見せると、
「夕日綺麗ですね。でも、すぐに消えちゃうんですね…。少し寂しいです。」
私は過去のキザったらしさを持ち出し、シルヴィに甘く囁く。
「夕日より君の方が綺麗だよ。」
シルヴィは顔を真っ赤にしてあうあうと、口を動かす。
「例え消えても、明日また見れる。それにシルヴィには私がいるだろう?それでも寂しいのかい?」
シルヴィは、赤い顔のまま私に唇を向ける。全くしょうがないお姫様だな。
「んっ、…んふぅ。ご主人様〜♡」
優しくキスをしてやる。
そのまま抱きしめるとしばらくそうしている。
少し経つと夕日が一層綺麗になる。本当に終わりかけの最後の光のようだ。
「ご主人様、次は私が撮ります!」
別に私は撮らなくてもいいんだがな。そう言うと、
「私はご主人様がいない間寂しいです。その間にご主人様の写真を眺めてれば気を紛らわせるかも知れません。だから…お願いします♡」
だったら、と思い、シルヴィを抱き寄せる。意図が伝わったようで、はにかみながら大人しくしている。
「はいチーズッ!」
シルヴィがボタンを押したいというので、撮らせてやると、元気よく掛け声をいう。撮る寸前で私の頬に柔らかい感触が当たる。どうやらキスをしたようだ。
「ご主人様♡どうでした?」
全く可愛い天使だな。
……To be …
あッ!ちなみに写真は焼き増しして私の財布に入っている。シルヴィは、額縁にいれてたまに眺めているそうだ。さて、改めて
……To be continued
我ながら変なことばかりするな。
自分は満足です!次は吉良の浮気の話でも書こうかな?
その前に