吉良とシルヴィの奇妙な生活ティーチングフィーリング 作:吉良吉影に憧れる者
これは…怒っているのだろうか。それにしては…全く持って奇妙である。
私とシルヴィが気まずい雰囲気のまま家の戸を開けると、ほぼ同時に声を上げた。
「さっきは…あ…えっと…」
「先程は…あ…すみません…」
私がシルヴィに続きを言うよう促すと、
「ネギと卵…ダメにしてしまってすみません。どんな罰でも受けますから…ですが、お手柔らかにお願いします
あの時袋を落としてしまったせいでネギも卵も食べられなくなったことを謝罪された。
「いや、私こそ遅くなって済まない。まぁ、お腹も空いたしご飯にしよう。話はそれからでもいいかい…?」
私が聞くとシルヴィは、
「…はい、分かりました。」
とか細い声で言う。
暫くして用意された昼食は
「…シルヴィ?1つしかないのかい?家に食材がなかったのか?」
「…いえ、私は
その言葉を聞いて、私は端的ながら理解する。彼女は諦めてしまったのだ。何かを信じることをやめてしまったのだ。そうすれば傷つかないから。何も感じずに済むから…
そうさせてしまったのは、私の責任だろう。私の軽薄な行動がこんな自体を招いたのかもしれない。
「なるほど…
「はい…。私は決して
シルヴィは暗く沈んだ声の中に少しだけ期待や願望の入り交じった声を発する。
「《命令》一生私の側に居てくれ。私はもう、シルヴィのいない生活なんて考えられないよ。浮気のようなことをしてしまったのは本当に申し訳ないと思っている。反省してる。もう決してしない。」
「…いえ、浮気だなんて思ってません。私は奴隷ですから。」
私が頭を下げるとシルヴィは目をキョロキョロと泳がせながら言う。
「お願いだから。もういちど笑ってくれないか?私はもう信じられないか?まだ怖いのかい?」
私が懇願すると、
「分かりました。ご主人様の命令は《笑え》ですね。」
と、冷たい口調で言って、薄ら笑いを浮かべる。諦めとか絶望とか世界の闇をドロドロに溶かしたようなグチャグチャとした瞳を必死に繕いながら、ただ単純に口角を上げるように、『笑った』
「シルヴィ…。」
彼女はこんなにも傷ついているのか。
もう戻らないのだろうか。
パンケーキで喜んだ彼女は…
スタンド症の看病をされて嬉しそうにする彼女は…
辛いことを思い出して泣きついた彼女は…
家事を失敗して怒られるのを怖がった彼女は…
次は上手くいって仕事を楽しんだ彼女は…
私が風邪をひいた時に看病をしてくれた慈愛に満ちた彼女は…
初めて交わった時の恥ずかしそうな彼女は…
性交をおざなりに済ませたことに怒る彼女は…
新しい服を見せびらかす彼女は…
手に頬ずりをすると気持ち悪いものを見るような目をする彼女は…
頭を撫でると、嬉しそうに楽しそうにほんの少し寂しそうに、『笑って』くれる彼女は…
もう…居ないのだろうか。
……To be continued
次はシルヴィの話になると思うなぁ。