吉良とシルヴィの奇妙な生活ティーチングフィーリング 作:吉良吉影に憧れる者
私はご主人様の《命令》で、菓子パンを食べている。
三時のおやつとしてお茶と一緒に食べるためにあるので、昼食としてはいささか物足りないが、口にする事は許されない。
味のしないパンを食べ終え、床に座ろうとした矢先、ご主人様に呼ばれる。ほんの少し嬉しいと感じてしまう自分がどうしようもなく思えていっそ笑える。
ご主人様が、愛の言葉を囁きつつ私の手の甲をなぞる。が、今の私には何も感じない。感じないように、表に出さないように、押し殺し投げ捨てる。
(ああ、頬ずりされてる…。)
前にコレをされた時は気味が悪いと思った反面、大きな愛を感じ嬉しかった。
いつもと変わらないご主人様をほんの少し不気味に思いつつ少し離れた場所に座る。
ご主人様は、床に座った私に何も言わず書斎に向かい読書を始める。時計とご主人様の手にしている本を覚え、お茶を入れる準備をする。今日はきっと甘めのダージリンを飲みたがるだろう。
暫く時間が経った。そろそろ頃合いだろう。
お茶を入れトレイに載せる。書斎の戸を叩くと、入るように言われた。
「ご主人様、お茶が入りました。こちらに置いておきますね。」
出来る限り無感情で言うも、ご主人様の薄い微笑みには私の心の奥底が見透かされている気がした。
本を読むご主人様の邪魔にならない位置にお茶を置くと、すぐに口をつける。
ご主人様は驚いたように目を見開くと、今度は微笑みと言うよりは苦笑いを浮かべる。
美味しくなかっただろうか?それなりに力作だったのだが…。
「この紅茶…」
ご主人様が呟く、私は感情を押し殺しつつ
「…お口に合いませんでしたか?」
と聞く。するとご主人様は、
「いや、これほど美味しいお茶は飲んだことが無い。私の為にありがとう。」
と嬉しいことを言ってくれる。今すぐに抱きつきたかったが、奴隷としてそれは出来ない。
しかし、ご主人様に呼ばれ頬にキスをされる。精一杯の無感情を演じ部屋を出る。
書斎のドアのすぐ隣の戸を開ける。トイレの中で顔を赤く染めるながら
「ご主人様…好きですぅ。大好きですー♡」
小さな声で悶える。しかし、運良くご主人様には届かなかったようだ。
気持ちを落ち着かせるように洗濯機の前に向かう。先程の書斎よりも強いご主人様の匂いに疑問を覚えつつ、カゴの中のものを洗濯機に放り込む。
「これは…、ご主人様のワイシャツ…。…少しだけなら…。…いいよね。」
スゥーハァー
変態みたいなことを、いや─事実変態的なことをする。
それを除けば、テキパキと業務を済ませ優秀と言えるだろう。(自画自賛であるが…)
暫くするとアラームが鳴り洗濯が済んだことを教える。
そのまま乾燥機を回し、アイロンがけを行う。一通り終わるとキッチンからいい匂いが漂う。きっと私の夕食もあるのだろうな。と思いどう断ろうか迷う。
しかし、ご主人様に押し切られ、結局空腹に負けてしまう。ご主人様に味を尋ねられつい本音の言葉を漏らしてしまう。それでも、美味しくないと言っている訳でもないので、それはそれで良しとする。
ご主人様がお風呂を沸かしてくれたので言葉に甘え入る。きっと今日も
そして、前私が頂いた部屋に入るもツンとしたカビの匂いがきつくのしかかり顔をしかめる。(ご主人様だけが。…私は我慢した。)
「…流石にここで寝ると病気になりそうだな。しょうがない。今日も一緒に寝ようか?」
奴隷の私がそういう訳にも行かない。それにもし、一緒に寝たら襲ってしまいそうだ。
ご主人様が傷つかないように配慮しつつ全力で断ると、ご主人様は、しょうが無いと言って毛布を用意してくれた。それを断れるほど私は強くないので、仕方なく甘んじる。
そのままソファで丸くなると、ご主人様のストレッチの音が聞こえる。
(私も隣でやりたかったよぉ…。)
その音も止み、私もほんの少し涙を流しそうになりながら、眠りにつく。
…はずだったのだが、私は眠れなかった。ベットじゃないということもあるが、いつもならある不自然な温かさが、人の気配がないからだ。
壁にかかった時計は1時をすぎている。肌に悪いとご主人様に怒られる時間だ。
今からご主人様の元へ行こうか?いや、奴隷として許されない。だが、まだ彼女扱いして貰えるのでは?そうもいかないだろう。
ああ、私はなんと心が弱いのだろう。
すると、誰かが近づいてくる気配がする。私は少し怖くなり、寝たフリをする。ふわりとご主人様の匂いがして、毛布ごと抱き抱えられる。ご主人様にお姫様抱っこをされているようだ。
その後いつも寝ていたご主人様のベットにゆっくりと横たわらせられる。
すると、私の髪に触れる感触がする。ご主人様に頭を撫でられているようだ。
それだけなのに、救われた気がして、意地を張っているのが馬鹿らしくなって、どうでも良くなって…。意識が微睡む。
明日─いや、今日の朝になったら、ご主人様に謝ろう。ご主人様謝罪を受け入れよう。奴隷をやめよう。彼女になろう。いつかした
ご主人様頭を撫でる手は私が寝るまで、もしかしたら寝たあとも続けられた。寝たフリがバレているという訳では無いだろうが、少しいろんな意味でドキドキしてしまった。
おやすみなさいご主人様
……To be continued
ふぅ、急ごしらえで書いたせいで手抜き感が滲み出てるな…まぁ、書いてて気が乗らなかったしいいか!
それにしてもこの作品も50話ですか…長いようで短いですね。
100話目指して頑張ります!