吉良とシルヴィの奇妙な生活ティーチングフィーリング 作:吉良吉影に憧れる者
私たちはオーレリアの言っていた海に来ている。因みにここまで来れたのはオーレリアに車を出してもらったのでさまさまである。(電車でも来れるらしいが、私は電車は嫌いなんだ。前の人生でもカメユーまで徒歩か車だったしな)
しかし、これはどういうことだろうか。
「ヒッキー海だよ海!もっと騒ごうよー!」
「おい、あんまはしゃぐなよ。他の人の迷惑になるだろ。」
「えー他の人なんていないじゃん!」
なぜ、こいつらがここにいる?と私が疑問に思っていると
「んっ?吉良君…?とえっと…彼女のシ…シルヴィ?ちゃん?」
「よォ。お前らもここに来てたのか?」
全く夏休みでも化ける必要があるとはな…。面倒だが仕方ない。
「あ…ああ!比企谷に由比ヶ浜さん。そうなんだ、ここはいい所だと聞いたからね。それに人も少ないから彼女も問題ないと思ってね。」
私が言うとシルヴィは私の後ろに隠れてしまう。まぁ、服の裾を掴んでいるシルヴィが可愛いので頭を撫でてやる。
「あはは…仲良いんだね。」
由比ヶ浜は引きつった笑顔を浮かべつつ、比企谷も、憐れむような目で見ている。
「それより、2人は泳がなくていいのかい?」
私は2人の視線に耐えられなくなり、話を変える。
「あっ!せっかく海来たんだし、泳がなきゃ!ヒッキー行こう!」
「あ!おい、手掴むな。ちょ、バカッ走るな」
2人が海の方へ走ったのを見送ると、
「ごしゅ…吉影君。私たちも泳ぎますか?」
シルヴィが少し離れて聞く。撫でていた手を離そうとおもったが、寂しそうな顔をしたので、続けることにした。
「…折角水着を買ったのだから泳ごう。と言いたいところだが、予想より人がいるな…」
一通り辺りを見回すと、なんというか、
私とシルヴィは適当なところにビーチパラソルを立てていたのだが、20メートル程離れた所に、幸の薄そうな単目の少女に日焼け止めを塗っている少年がいた。おそらくカップルだろう。
波際にいるのはオーレリアよりも大きいのではという双丘の女性と並んで歩く青年。これもカップルなのかもしれない。
私たちの後ろの方には、過剰なほどひっついて歩いているカップルがいた。…よく見たら、眼帯をしている女が、どうやっているんだって聞きたくなるぐらい男にくっついていただけだった。
向こうの岩陰の方には不自然な服装に不自然な歩き方をする女性?(人間らしくない)らしき人物と、それを隠すように歩く人(性別まではわからない)がいた。
「あの人?も眼帯みたいなのしてるな。目を隠すのが流行りなのか?」
私が小さく呟くと、
「ご…吉影君♡メカクシプレイをご希望ですか?私はいつでもOKですよ♡」
口ではそんなことはしないといいつつ頭の中では
(…それはそのうち、慣れてきたらする…かもしれない。いやいや、それは置いておいて、海を楽しもう。)
なんて事を考えていた。
私は何となく気まずくなりピンク色の薄いワンピースを着ている彼女の手を繋ぐ。
そしてシルヴィも、私の手を抵抗せずに受け入れる。ただこうしているだけだが、それなりに楽しい。
「シルヴィ、私は寝る。適当な時間で起こしてくれ。あと、日焼けしないようにな。お風呂の時チクチクするぞ…」
海風の心地よい涼しさと太陽の眠気を誘う眩しさに私の瞼は限界を迎える。パラソルをもうひとつ立てて、シート全体が影になるようにする。そこに寝転ぶと、シートごしに砂の温かさが伝わりさらに眠くなる。が、シートを引いたとはいえただの地面に変わりない。
「痛い…頭がゴツゴツする…」
思わず私が言うと、シルヴィが正座になって自分の膝を叩く。
「吉影君、ここ、いいですよ♡」
むしろ不快にも感じていた眠気を覚ますためにと思い、私は受け入れる。そして、夢の世界の門をくぐったあたりで気づいてしまう。
「あの状態は物凄く目立ってしまう!まずい。この吉良吉影、目立つ事は負けることの次に嫌いなんだ!クソッ」
視点変更<シルヴィ>
私の膝で寝るご主人様の頭を撫でながら、私は考える。
なぜ唐突にご主人様は寝ると言い出したのだろう?…もしかして私のせいだろうか?私が海には入れないから、ご主人様は気遣って下さったのだろうか。だとすると申し訳ない。と、ご主人様に言えば怒られた後に頭を撫でられそうなことを考えていると、人が少なくなり、日が沈みかけている。そろそろご主人様を起こす頃合だろう。
肩を揺らし、ご主人様を起こす。眠そうに目を擦りながら、お腹をさするご主人様を見て、私もお腹がすいていることに気づく。
「値は張るが、『海の家』で食べるとするか。」
ご主人様が私の頭を撫でながら言う。そうと決まればすぐさま私とご主人様は、ビーチパラソルを片付けシートを畳む。
オーレリアさんの車に積み込むと、海の家の隣にある水着貸出屋に向かう。
「オーレリアさん。車に荷物積み込みました。これから食事するんですけど一緒どうです?」
ご主人様が、オーレリアさんを誘うと、
「私も忙しくてお昼食べ損ねてるのよ。丁度いいわ。」
と言って、奥に引っ込み着替えを済ます。
海ということで水色のドレスだったのがいつもの黒いドレスになっていた。
「「色が違うだけで印象って変わるんですね…」」
私とご主人様は揃ってつぶやく。
なんというか、水色のドレスだとまだ、海を楽しんでいるのに、黒いドレスににすると、不気味さが増す。…少し怖かったりもする。
隣の『海の家』に入ると、水着姿の奇妙な動きをする店員さんがいた。この動きどこかで…?
「あれ?ネフィーさん?どうしてここに?」
それは、奇妙な店員こと、ネフィーさんだった。
「おやー?常連さんと服屋さんー?珍しい組み合わせですねー。まぁいらっしゃいませー?3名様ですね~」
いつも通りの案内をされメニューを貰うと、
焼きそば
たこ焼き
ロコモコ丼
カツカレー
エビピラフ
ラーメン
冷やし中華
冷やし中華を温めたもの
フライドポテト
アメリカンドッグ
etc
といういつもの喫茶店では見たこともないような料理が並んでいた。
私はチーズカレー(甘口)を、ご主人様は、五目ピラフとハムサンド、オーレリアさんはレタスサンドイッチとサラダを注文する。
それら全てをネフィーさんが一気に持ってきた時は驚いた。流石にこぼすのではと思ったが1ミリもこぼれてない。
程なくして食事を終えると、ご主人様が『かき氷』というのを注文する。いちごとかメロンと言っているので甘いのだろう。ブルーハワイって何?
暫くすると3人分の『かき氷』が現れた。これは…?
「氷って言うより…むしろ芸術ね」
粉々に削られたそれは、夕日に照らされ淡い橙色に輝き、上にかかったイチゴシロップが橙色の氷を独特の色に染め上げる。
因みに、ネフィーさんの分もご主人様が注文して4人で写真を撮りました!
オーレリアさんが、服貸出屋を閉めるためにお店に戻り、私たちも夕焼けを眺めています。
そこで私は、つい泣き出す。止めたくても溢れ出るそれは、砂浜に落ちて、一瞬だけ模様を作りすぐに消えてしまう。
「わあじ、ごじゅじんさまの迷惑になってないですか。グスッ、ご主人さば、私といてたのじいでずが、ウウッ!私がこんなに醜い体して無かったら、いっぱい泳いで、いっぱいはしゃげましたよね。でも…ウッ!ヒック!わたじのせいで…」
すると、ご主人様は私を抱きしめて、頭を撫でてくれる。私がほんの少し落ち着くと、ご主人様は離してしまう。
視点変更<吉良吉影>
シルヴィは思い悩んでいたらしい。これはそんなシルヴィに気づか無かった私の落ち度だ。全く彼氏として恥ずかしい。だから、どんなに恥をかいてでも彼女を守ってやる。その為に
だが、覚悟は決まっている。
視点変更<シルヴィ>
私を抱くのをやめてしまったご主人様は、海の方へ走っていくと、手を口元に持っていきメガホンの形を作る。
「海だぁー!」
ご主人様は大きな声で叫ぶ。それこそとても似合わないように、
「色々悩むかもしれないが、そんな時は、こうやるとスッキリするよ。それに、君といて楽しくない時なんてないよ。まぁ、他人がいると楽しくないがね」
きっと今ご主人様が言った他人というのは、オーレリアさんやネフィーさん、猫目以外の人の事た。そのくらい分かる。私の悩みは世界から見ればちっぽけで、ご主人様から見ると、可愛いのだろう。だったら。
「海だぁー」
「もっと大きな声で」
「海だぁー!」
「シている時の嬌声の方が大きいぞ?」
「ブフッ…う…海だぁー!」
「今のは少し不味かったな」
「もう!ご主人様のエッチ!でもそんな所も大好きです♡」
「スッキリしたかい?」
ご主人様に聞かれ考える。いや、まだだ。ご主人様の余裕そうな表情を崩してやりたい。そう考えた私は、今までで1番いつか上げた悲鳴より大きな声で
「私はご主人様の事が好きだぁー!」
私が叫ぶと、ご主人様は苦笑いを浮かべ、帰りの車の中では、オーレリアさんがニヤニヤしていました。
後日喫茶店に行くとネフィーさんに、「かっこいい愛の叫びでしたねー」とからかわれたのは別の話。
……To be continued
3000字か、笑えねぇな。まぁ、いいや。2話に分けるの面倒だし…。