吉良とシルヴィの奇妙な生活ティーチングフィーリング 作:吉良吉影に憧れる者
case-26[応援して]
「ハァ…」
吉良は何の気なしにため息をつく。翌日のテストが面倒なのだ。
「ご主人様、大丈夫ですか?」
シルヴィは心底不安そうに聞く。事情はある程度知ってはいるが、実際どれほど面倒なのかは分かっていない。
ただテストを受けるだけならまだしも、前の小テストで1位だったことを踏まえた点数ではなければいけない。そう考えると憂鬱だった。
「シルヴィに応援されたらやる気が出るかもしれないなぁ?」
その憂鬱を吹き飛ばすように軽口を叩く。しかし、思ったより心が晴れずにストレスが溜まる。
不気味で異様な音を立てながら爪が伸び始める。シルヴィは、サッと爪切りを用意すると、吉良の手をとる。
爪を切り終えると、シルヴィは吉良の手を持ったまま何かを考え始める。
「……」
「シルヴィ?」
訝しげに彼女の顔を覗き込もうとすると、
「テスト、頑張ってください。いい結果になるようにおまじないです。」
彼女はそう言って吉良の手の甲にキスをする。これは彼自身がいつもしている事だった。苦笑いを浮かべつつ、頭を撫でながら、シルヴィと共に書斎へ向かう。彼女は読書を彼は勉強をし始める。
そして、珍しく彼は
case-27[撫でて]
いつものように彼女の頭を撫でていると、吉良はふと思いついたことを言う。
「シルヴィ、たまには私の頭を撫でてくれないか?」
それを聞いたシルヴィは、驚き半分楽しさ半分で吉良を見る。
「いつも、私が寝ている時にはしてくれているじゃないか?そんな感じでいいから。やってみてくれないか?」
その言葉を聞くと、顔を羞恥で真っ赤に染めながら、
「き、気づいてたんですか…?」
と聞く。
「ああ、それで目が覚める時もあるくらいだしね。でも、心地いいからあえて何も言わないんだ。」
「…ッ!それは、その、お休みの所を邪魔してすみません。」
あまりの恥ずかしさに、的はずれな謝罪をするシルヴィの頭を吉良の手が優しく撫でる。
結局その話はおじゃんになり、夜を迎える。
「おやすみシルヴィ。」
そう言って自分とシルヴィに毛布をかけると、すぐに寝息を立て始める。
それを見計らったかのように彼女は動き始める。
「ご主人様、お昼は恥ずかしくて出来ませんでしたけど、私はこうされると凄く嬉しくなるんです。いつもありがとうございます。おやすみなさい。」
吉良が起きていることも知らずに、彼女は本音を漏らしてしまう。
case-28[笑って]
「そういえば、ご主人様は前に私の笑顔が可愛いって言いましたよね?」
突然シルヴィが聞く。吉良は読書の手を止め彼女を見つめる。
「そう…だったかな?まぁ、言った気もするが…それが?」
「いえ、ただ単純に嬉しかったなぁって思っただけです。あ、いえ、分かってはいるんですよ?オーレリアさんに性癖がバレないようにする為の嘘だってのは、それでも、ご主人様の言葉は惚れ直しましたよ。」
恥ずかしかる様子もなく彼女は言う。しかし、吉良は少しムッとした口調で
「おいおい、私はあの時嘘を言った訳じゃあないぞ?あれは本心だよ?ほら、笑ってごらん?可愛い笑顔を見せておくれ?」
おかしな口調でシルヴィに詰め寄る。彼女の頭と頬を撫でつつ、キスする。彼女は表情を緩ませると、すぐさま戻す。そして、吉良から1歩離れると
「ご主人様、愛してます。ニコッ」
彼しか見ることのない微笑むを向ける。
case-29[抱き締めて]
とある日の深夜、時刻は次の日を迎えようとしている頃、事を済ませた2人はベットに寝転がりながら、微睡む。
「そういえばご主人様、テストの結果って2位でしたよね?おめでとうございます。さすがご主人様ですね?」
「ン?ああ、私はそーゆーのが嫌いだから3位を目指しているんだ。やめてくれないかな」
少し苛立った口調で吉良は言う。
「じゃあ、今回だけ特別に私が出来ることなら何でもしますよ。」
なかなかに警戒心の薄い軽率な発言をすると、吉良は
「じゃあ抱き締めてくれないか?」
「え…?てっきり『シルヴィの爪もくれないか。これからずっとだ。』ぐらい言われるかと思ってました。」
「いや、私もそこまでしない…というか、私が自分の爪を取っておいてあること知ってたのか?」
意外な顔一つせずに「はい」と答える彼女にバツの悪さを感じつつ手を握る。
「じゃあ、ご主人様失礼しますね。」
シルヴィの重さと暖かさは彼女が生きていることを感じさせ、吉良自身が殺してきた人間に比べると、その重量は痛々しく、温もりは暑すぎた。
case-30[こっちきて]
2人で近所の公園でピクニックをしていると、シルヴィは、
近くの花や木に興味を持ったようで、スタスタと駆け出してしまう。吉良は今更そんな柄でも年齢(通算年齢40越え)でも無いため、広げたシートに座っている。暫くすると、彼女はナンパ?のようなものをされていた。
彼女の傷跡を見て気後れしたようだが、続けるさまを見て思わず物好きだと思ったが、自分もその物好きであることを思い出し、助け舟を浮かべる。そんなに距離が離れていないにもかかわらず、あえて大きな声で彼女をよぶ。
「シルヴィー!そろそろ帰ろうか?こっちおいで」
最初はナンパ野郎も、兄かと思ったがシルヴィの顔を見て、泣く泣く諦めたそうだ。余談だがシルヴィのナンパに失敗したあと由比ヶ浜に目をつけたが、目の腐った男に呆気なくげきちんしたそうだ。
「ご主人様は、私がどんなに遠くにいても呼んでくださいますね。どんな時でも…」
彼女の手を強く握りつつ吉良は答える。
「当たり前だろう?私は君の恋人なのだから。」
……To be continued
次回はコミュニケートの話じゃないと思います!