吉良とシルヴィの奇妙な生活ティーチングフィーリング 作:吉良吉影に憧れる者
『一つだけ』
時刻は、夜も更けて人の入りが悪くなった頃、最後のお客さんを笑顔で出送る。ここは大抵常連ばかりで、新しいお客さんはあまり来ない。たまに来ることはあるが、その場に私がいれば二度と来なくなるか、常連になるか、そのどちらかになってしまう。
新しい刺激を求めて、店の中をフラフラとうろつく。掃除をしながらなので怒られることはないだろう。今日は店長の気分じゃなかったから副店長が店長代理をやっているのだ。つまり、怒られる可能性もある。
カランコロン…
「いらっしゃいませー?2名様ですかー?」
「はい、えっと、人目に付きにくい席ってありますか?」
私は唖然にも思いつつ、事情を察して案内する。いつかの隻眼の女性を案内した場所だ。
店の端の個室席に案内し注文を伺う。
そして、2人の視界から外れているであろう場所でため息をつく。どうにも、この店は奇妙な人を集めるようだ。
奇妙─と言ったのはもちろん理由がある。
この2人もカップルのようで、男女仲睦まじく来店してきた。彼氏と思われる方は中肉中背の一般的な男の子、それなりに健全な心を持っているのか、彼女にくっつかれて嬉しそうだ。間違いなく彼氏の方から声をかけたのだろう。
問題は彼女だ。いつも来るシルヴィちゃん程ではないが、かなり傷だらけで、制服も少し破れたりちぎれたりしている。そのしたにも傷跡があるので、思わず下手な勘ぐりをしてしまう。確かに酷い跡にこそならないが、一つ一つは痛いだろう。
だが、そんな傷跡も彼女の特異性を目立たせるためのスパイスでしかない。なぜなら、彼女は単眼である。もちろん私も知らない訳では無い。希にそういった子が生まれてくることもあるらしい。単眼な上、幸の薄そうな姿と動き、憂いを帯びた目や表情、それは彼女に地獄を見せたのかもしれない。
それでも、彼は必死に話しかけている。彼女は必死に答えている。そんな2人を私は応援したい。
「お客様ーお待たせ致しましたー。こちらよろしいですかー?」
「ああ、はい。幸、手どかして。」
私が両方の前に料理を置くと、彼女は目を輝かせる。
「先輩、これなんて料理ですか?」
「フレンチトーストだよ。」
「へぇ、物知りですね!とっても美味しそうです。」
2人とも頬を染め、初々しさを漂わせる。きっと、どんな困難でも彼らにとっては大したものではないのかもしれない。
「ネフィーさん!仕事しようか…」
「おやー?すみませんでしたー」
そして私も怒られてしまったようだ。また、フラフラと掃除を始める。二人の会話が聞こえるところで…
[臼井幸]
……To be continued
ごめんなさい!時間が無くて、臼井幸しかかけませんでした!次の話では、多分俺ガイルかリゼロの話を書きます。多分?