吉良とシルヴィの奇妙な生活ティーチングフィーリング 作:吉良吉影に憧れる者
最近、ご主人様からデートのお誘いがない。新しいお洋服も、美味しいパンケーキも、温かい町の人たちも、私の事を忘れてしまったかもしれない。
確かに私も新しく編入した学校で忙しかったし、ご主人様も当然、学校がある。
一概にもご主人様のせいの言うことは出来ないが、もう少し私を大切にしてくれてもいいのではなかろうか?最も、以前の私であれば奴隷であることを言い訳にして、逃げるのだろうけど。
しかし、今の私は
という訳で、ご主人様をデートに誘いたいのだが、いい誘い文句が浮かばない。
「シルヴィ、明日暇かい?」
「え?明日ですか?えーっと特に用事はないと思います。」
「じゃデートするから、10:00ぐらいにいつもの公園に来てくれ。」
一緒に家を出ずに、わざわざ待ち合わせをするというところがなんとなくロマンチックであり、ちょっと嬉しい。
今日はきちんと眠れるだろうか。楽しみすぎて難しいかもしれない。
─次の日─
時刻は8時半、ご主人様は朝食を作っている。私はご主人様の邪魔にならないように手伝う。
こんなふうに、平穏な、いや、
平穏である必要は無い。ただ、何かを犠牲とした幸福も、犠牲となってしまう不幸も存在しない。風の吹かない波のような平凡な生活こそを望んでいたのかもしれない。少なくとも私はそうだ。
希望や絶望の話ではなく、何も感じない植物の話でもなく。幸福でも不幸でも無い、平凡で普通の、一見すれば、誰にも覚えられないような人生こそが私の目標なのかもしれない。
そんなふうに考えると同時に、自分はきちんとした主義主張を持っていたことに驚きながらも安堵した。
「先に行ってるよ?」
8時50分という微妙に早い時間に出た彼に、早く出たことを後悔させることのない綺麗で可愛い身だしなみを心がけよう。まずは寝癖を治すことからしなくては…。
─そして吉良のまつ公園へ─
「えっと、待ちましたか?吉影君」
『何とか』という(比企谷さん曰く)頭の悪そうな雑誌に載っているようなあざとい首の角度で上目遣い気味に聞く。
すると、ご主人様は珍しく顔を赤らめながら、
「とても、よく似合っているよ。」
だなんて嬉しいことを言ってきた。そんなことを言われてしまえば私だって照れてしまう。
「手でも繋ごうか…。」
ボソリとつい漏れてしまった声のような口調で吉影君は言う。私もその言葉がたまらなく嬉しくて、少しうわずった声で返事をしてしまう。
「おや?久しぶりね。もう来てくれないかと思ったわよ?」
「いえ…吉影君のおかげで学校に通うことになりまして…来れるような日がなかったんです。今日は新しい夏服を買いに来ました!」
「相変わらず元気だこと…。お嬢さんこちらにいらっしゃい」
吉影君は手を離す時に少し寂しそうな顔をして私を送り出す。
私が試着室で青と緑のワンピースを着る。何方かと言えば私は青いワンピースの方が似合いそうだ。
「お嬢さん、メガネなんてかけてみては?」
メガネか…たしかにオシャレかもしれない。かけてみよう。
「吉影君!終わりました!似合ってますか?」
「ああ、とってもよく似合ってるよ。」
世界で1番嬉しい褒め言葉に心を踊らせながら、喫茶店へ向かう。オーレリアさんがどことなく上機嫌だったのはなにか理由があるのだろうか─
喫茶店へ向かうと、ネフィーさんが居らず、新しいバイトのような男の人がいた。
「あのーネフィーさんって?」
「あー店長なら働きすぎて今日は休んでます。お知り合いですか?」
「いえ、よくこのお店に来てるんですけど、ネフィーさんとおしゃべりしたりもしてまして…」
「店長と?へぇ?もしかして吉良さんとシルヴィさんですか?店長が楽しそうに話してましたよ?」
なんだか恥ずかしい。
「ええ、そうです。今日はいないんですね…。じゃあパンケーキとアイスコーヒー2つお願いします。」
「かしこまりましたー?」
私達が注文すると居ないはずのネフィーさんの声が聞こえる。
「え?店長!来ちゃダメって言ったじゃないですか!」
「いやー?別に風邪をひいた訳でもないのでー仕事をしようと思ってー?」
「ダメです。送ってくんで家帰りましょう!」
結局パンケーキを食べたのは30分後でネフィーさんが運んできた。
いつもより不安定な体勢だったのは、あくまでも疲労のためであると願いたい。
バイトに怒られて項垂れる店長なんて見たくなかった。
……To be continued
あーネタがねぇ!文才がねぇ!