吉良とシルヴィの奇妙な生活ティーチングフィーリング 作:吉良吉影に憧れる者
時刻は18:00頃─
スマホと同じぐらい久しく聞かなかった着信音が大きく鳴る。幸い店内には私しか居ないので、馬鹿みたいに大きな着信音を咎める人はいなかった。
「はいもしもし?」
私は誰からの電話からなんて分かっていたが、ガキみたいに楽しみにしていただなんて思われたくなかったのでわざととぼけてみる。
「あ!オーレリアさんですか?俺です!お店の場所言うんで来てもらっていいですか?今向かってるところなんで…。すいません、車なんで一回切りますね」
賑やかで元気な声を聞いていると、ガキみたいだとかくだらない策略を巡らせていた自分が馬鹿らしくなって来る。
彼との電話を終えて、役目を果たしたスマホを撫で付ける。私の指が触れ、最初の設定からなんの変更もしていないロック画面が表示される。一応パスワードはかかっているが、割と安直に決めたものだった気がする。
なんの意味もなく、ロックを解除し、また電源を落とす。なんの意味もないが、真っ暗な液晶には私の笑顔が反射している。きっと彼はこの笑顔を素直に褒めてくれるのだろう。
「そろそろ、着替えましょうか…」
服を着替えて店を占める。片手に小さなポーチを持ちながら、すぐ近くのおしゃれなレストランへ向かう。
店の前で彼は既に待っており、しきりに腕時計を眺めている。私はいつも通りのゆっくりとした足取りで彼の元に向かう。周りの男共は私の胸にばかり目がいく。どいつもこいつも頭が空っぽなバカだ。しかし、彼は私の顔を見て、ゆっくりと笑顔を浮かべる。
「オーレリアさん!来てくれてありがとうございます!じゃあ早速行きましょう。」
相変わらず丁寧なのかどうなのかわからない態度で、話しかけてくる。
「いらっしゃいませー?」
派手な髪型にオッドアイの女性が私たちを案内する。フラフラとした足取りで不安定だが、スタイルはいいのでどんな服を着せようか考えてしまう。服屋の性というやつだろう。
「さっきの女性フラフラしてましたよね。でも、料理を運ぶ時は、結構な量を1度に持ってくるんですよ。運送屋としては見習わないといけないですよね。」
…考えることはおなじのようだ。
そんなこんなで楽しい時間を過ごし、食事も終える。私は食事を終えて幸せそうにしている彼に、独り言のように話しかける。伝わなくても話したい。そんななんてことないセリフだ。
「あなたみたいに…真摯に接してくれる人は初めてよ。」
この言葉が私の人生を変えるとも知らずに…
……To be continued