吉良とシルヴィの奇妙な生活ティーチングフィーリング 作:吉良吉影に憧れる者
バイトの彼が来てから大体1ヶ月ほどたった頃─
「明日からなんですけど〜。夜のレストランも再開したいので、夜中の11時程まで仕事できますかー?」
元々朝6時に店を開けて、朝昼は喫茶店、夜はレストランという営業だったのだが、残念なことに私一人で回せるのは昼の喫茶店だけで精一杯でレストランは一時休業中だったが、彼もいるし、夜のレストラン営業も再開出来そうだ。
「んー?いいですよー。あ、でも新しいバイトとか雇うんですか?自分は今のままがいいんですけどね…。」
どういう意図があって、今の何がいいと思っているのかは分からないが、新しいバイトを雇う予定はない。彼が優秀なので、2人でも店は営業できる。もちろん予約制にしなくてはならないが…。
「雇いませんよー?おかしな奴が来ても嫌ですし、多分私と性格が会う人なんてなかなかいないと思うのでー?そんな人と働いてたら面倒ですしストレス溜まりますからねー?」
「俺と居るのはストレス溜まらないんですか?」
「そ…そうですねー?むしろあなたといると楽しいですよー?」
ほんの少し恥ずかしくなりつつ思ったままのことを口にする。
「店長、それプロポーズですか?なんか恥ずかしいですけど嬉しいんでもう一回言って貰えます?」
どこをどう解釈すれはプロポーズになるのだろうか。そして、普通は逆じゃないのか?そんなふうに考えながら、この楽しい会話に浸り続ける。
「あまりふざけてるとクビにしますよー?」
彼はこうして時々からかってくる。それが本気で嫌なわけじゃないのがまた困るのだが…。
そんなこんなで、レストランも本格的に始まり彼の料理が一流と呼べるような程になった頃、
「しかしあなたなかなか頑張ますね〜?長続きする人は少ないから助かりますよ〜」
頑張っている彼をほんの少しだけ褒めてみる。時刻は10時をすぎており正直眠い。眠くて判断が鈍っているので、こんなふうなことを言ってしまったのだと心の中で自分に言い訳をする。何のための言い訳なのかなんて全くわからないけど…
「ありがとうございます。店長は眠そうな顔してても美人なんですね。」
またこうして人をからかってくる。まぁ、楽しんでる私も大概なのだが…
「アハハ、そんなことを大学でも言ってるんですか?ダメですよー?女の子をあまり勘違いさせたら。」
「店長にしか言いませんよ。大好きな店長にしか…こんなこと言いません。そこまでチャラチャラして無いです。」
いつになく真剣な表情で床を磨く手を止めずに彼は言う。私は何も言えなくなって、ぼーっと眠そうな目で、皿を拭くことに集中した。
だから、こんなにうるさく高鳴る心音なんて、全く聞こえない。
……To be continued
次かその次は最終話になる予定