ある日の夕方、提督の部屋の扉がノックされる。
「入れ」
「大井、ただいま参りました」
来たのは大井だ。先ほど鎮守府内の放送で呼び出しがかかり、指令室までわざわざ出向いたのだ。
「提督、ご用件は」
(まったく………せっかくの北上さんとの大切な時間が…まったく、なんなのよ…もう)
急な召集で、北上と過ごす時間を潰され、大井は少し提督に対して怒りを覚えていた。
「ああ、大井。わざわざ来てくれてありがとうな」
「いえ」
腹立たしいとはいえ上司の前、得意の作り笑顔で答える。
「ではさっそく大井、お前に命令する」
(やっぱり任務かぁ………さっさと終わらせて北上さんと会えなかった時間を)
「私の性奴隷となれ」
「え…………は?」
急かつ、あり得ないような命令で大井は完全に固まった。こんなこと命令されるなんて正直考えても見なかった。大井はこれといってこの提督と中が良いわけではない。特別な関係でもない。
「ふ、ふざけてるんですか!?提督!」
「ふざけてなんかない」
提督はゆっくりと大井に近づく。大井は自然と後退していってしまう。それでも提督は近づいた。
少しずつ、少しずつ後退していく大井が背面の壁にぶつかると提督はすかさず加速し、彼女に壁ドンを行う。そして大井の頬を撫で、顎を持ち上げた。
「お前が欲しいんだ大井。だから俺の性奴隷に…」
大井は少し強気な目になって自分に触れている手を叩き払った。
「や、やめてください!提督と恋仲になる気すらないのに、せ、性奴隷なんて!」
「ダメか…」
大井は素早く提督から離れ、出口のドアノブを掴み叫んだ。
「ともかく!この件は上層部に報告させてもらいます!失礼しました!」
「そうか、なら俺もこれを申請するしかないな」
「え?」
去り際に放たれた言葉に大井は振り向いた。提督の懐から出された一枚の紙。それは、北上の解体申請書だ。
「なっ…っ!」
大井はあわてて提督に駆け寄り、手にある解体申請書を奪った。
「こんなっ!こんなもの!」
そして大慌てで、びりびりに破り捨てた。すると提督は机に戻り、引き出しを開いて中にあった紙を一部取り出して部屋にばらまいた。
「な…」
全て同じ申請書だ。
「いくらでも破け。まだまだあるぞ」
それらの申請書を見て大井は怒りで震えた。そして今言える精一杯の罵倒をした。
「くっ………卑怯者!」
「なんとでもいえ。で、どうするんだ?」
北上の安全には代えられない。仮に上層部に報告してもその前に北上が解体されるであろう。ならば、北上が笑顔でいられるなら、自分を犠牲でそれが賄われるなら…。
「………なにをすればいいんですか」
「ものわかりがよくてよろしい。よし、まず上着を脱げ」
「う、上着ですか…」
大井はすこし服を脱ぐのに抵抗があった。だが、脱がない訳にもいかない。ゆっくりとだが上着を脱いだ。
「今日はブラをつけているんだな」
「…」
「上着を貸せ、掛けておいてやろう」
大井は提督に上着を渡す。提督はそれをちゃんとハンガーを使ってかけておいてくれた。
「こっちにこい」
提督が大井に自分の横に来るように促す。大井は言われた通りにした。
「…なにを?」
「しゃがめ」
大井はやっぱりね、といった表情で提督のまえにしゃがんだ。
「俺のズボンのチャックを下ろして中からあれを出せ」
「…」
大井は微妙な表情をしながらもチャックを下ろして下着の中から提督のペニスを取り出した。既に軽く勃起してるのをみて大井は嫌悪感をあらわにした。
「どう……すれば?」
「手でいい。満足させろ」
大井にも僅かだが男性を悦ばせる知識がある。嫌々ながらもペニスを握り、上下に動かし始めた。
(北上さんのため…北上さんのため…)
大井は心の中で何度も何度も言い聞かせた。こんな提督、今すぐにでも殺したい、殺したいが、殺せば間違いなく自分が悪役になる。
今の大井にとって最大の苦痛は北上と離れることにあった。こんなクズ一人殺して、自分の人生を棒に振る意味はない。今後性奴隷として扱われる瞬間を映像に納め、こっそり上層部に渡せば事は済む。
出来れば、処女のままで。
「いいぞ大井。そのまま続けろ」
「…どうして私なんですか」
「なに?」
大井はふと気になっていたことを尋ねた。なぜ自分なのか、この提督は性癖がオールマイティでロリコンでもあり大人の女性好きでもある。
なぜ、自分なのか。そこだけが疑問だった。
「…どうして、私を性奴隷に選んだんですか?」
「俺はな、俺を嫌う顔や怯えた顔が大好きなんだ」
「え?」
提督は椅子から降りて大井と目線を合わせる。そして大井の前髪を掴み、ぐっと顔を提督の顔の前に持ってこさせた。
「例えばお前みたいな同性愛主義者が人質を取られ、上の人間の権威で無理矢理異性を愛さなければならないとき、憎しみや軽蔑の念を込めた顔、目。それが俺を興奮させる」
大井の髪を離し、提督は再び椅子にふんぞり返った。
「わかったら続けろ」
「…」
大井は再び提督のペニスを擦り始める。
「最っ低ですね…提督」
この言葉とともに大井は最大の軽蔑の念を込めた瞳で提督を見た。
「そう、その顔だ」
しばらく擦り続けるとカウパー液が先端から漏れ、擦る音が変わってきた。
(うう…キモい……でも、もうすぐイクのかな)
「大井」
「なんですか?」
「どこにかけてほしい?」
「なっ…」
最悪の質問だった。この提督はマーキングしようとしている。どこであろうと掛けられるのは嫌だ。そう思った大井は拒絶した。
「嫌です!そんなこと!」
「嫌か…」
「当たり前じゃないですか!絶対嫌です!」
「なら仕方ない」
提督が指を鳴らすと別の扉から長門と愛宕が現れた。
「えっ?長門さん?愛宕さん?なんで…きゃあ!」
二人は部屋に入るやいなや、大井の後ろに回り込み、大井の腕を背中で固定し、彼女を床に押さえつけた。
「ぐ……二人とも、どうして…」
「すまない大井……………我々も、お前と同じ身だ」
「ごめんなさい」
大井はその言葉にはっとし、提督を見た。提督は怪しい笑みを浮かべる
「まぁ、そういうことだ」
「提督……あなたはどこまで…」
「さて、かけられるのは嫌だというなら仕方ない。大井、お前にはかけないでおく」
「え?」
押さえつけたのは自分にかけるため。そう思った大井は以外な声を漏らす。
「ただし…」
提督は先ほど預かった大井の上着の胸ポケットを漁った。まさか、嫌な予感がした大井は暴れだす。しかし、戦艦と重巡に押さえつけられてしまっている大井が抜け出すことはできない。大井が暴れている間に提督は大井の服から一枚の写真を見つけた。
「やめてください!それだけは!」
「こいつに出させてもらおうか」
提督がひらひらと揺らす写真は大井のお守り代わりの北上の写真だ。写真を持った提督は大井の前に座る。
「長門、大井の手を片方こっちに」
「はい…」
「やめてください!長門さん!」
大井の必死の訴えに長門は歯を食い縛り、目を瞑って謝罪した。
「すまない大井。我々とてこれは本意じゃない………だが、私にも守らねばならぬものがある!」
「長門さん…」
提督は大井の手で自分のペニスを握らせ、無理矢理擦らせ始める。写真だが、自分の手が北上を汚してしまう。その罪の重さに大井は恐怖した。
いま、提督のペニスに爪を立てダメージを与えることはできる。しかし、それをやればきっと北上は解体され長門や愛宕の大切なものまで失われる。
耐えるしか、なかった。
「っ…………ふぅ…………そろそろ」
大井の手の中ででも、のペニスが膨らむのを感じた。もう射精が間近なのだ。
「あ…やめて……ください」
「くぅ!」
大井の最後の言葉も虚しく、北上の写真に大量の精液が出された。
「あ……あぁぁ…」
提督は立ち上がると、精液まみれの北上の写真を大井の顔の前に置いた。
「大切な人の写真だろ?綺麗にしてやれよ」
「北上さん……ごめんなさい北上さんごめんなさい北上さんごめんなさい」
大井は謝りながら北上の写真に、かかった精液を舐めとった。
◆◆◆◆◆◆◆
「ほら、上着は返す」
ハンガーから大井の上着を取り、大井に投げた。大井はそれを受けとるとちゃんと着てから帰っていった。彼女の目には、絶望しか写ってなかった。
ー大井 北上部屋ー
「ただいま戻りました…北上さん………」
北上にどんな顔して会えばいいかわからなかったが、帰る以外に選択肢はない。暗い表情のまま大井は部屋に入った。しかしそこに北上の姿はない。
「あら?北上さん?」
大井が慌てて部屋を探そうとした時に北上が部屋に帰ってきた。
「あれ、大井っち。おかえりー」
「き、北上さん…よかった」
北上の声を聞き、大井は安堵する。
「いやー遅かったから心配したよー。中々戻らないからもしかしたら大井っちと提督が恋仲になったんじゃないかとおもってさー」
北上の言葉に、大井は動揺する。
「…」
「あ、あれ?大井っち?」
「そ、そんなわけないじゃないですか…………北上さん以外に私が…」
大井は耐えきれなくなり北上に抱き付いた。
「お、大井っち!?」
「北上さん…ごめんなさい。わたし、負けませんから」
「大井っち…」
続く