※この作品はR-18です。

藤尭×切歌恋愛SSエクスタシー   作:ふゆい

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 Pixivに投稿しているR-18版をこちらにも。


初めてはこんな感じで

「そういえば、切歌ちゃんはもう藤尭さんとセックスはしたの?」

「デデデデェッス!?」

「み、未来ぅ!? き、急に何を切歌ちゃんに聞いているのかなぁ!?」

「いや、気になってつい……」

 

 唐突にとんでもないことを聞いてきた未来さんにどう返していいものか分からず、思わず素っ頓狂な声をあげてしまうあたしと響さん。視界の端ではまるで我が事のように顔を真っ赤にして今にも泣きそうな顔をしているクリス先輩と、相変わらず無表情な調。何を言っているのかも理解していなさそうな翼さんに、こちらから表情は見えないが、何やらどす黒いオーラを纏うマリアの様子が窺えた。かくいうあたしは先程から冷や汗と顔の火照りが止まらない。

 

 秋も終わろうとしている季節。訓練を終え、せっかくだから皆でお泊りをしようということでクリス先輩の家に来たのが午後六時。それからご飯を食べてお風呂に入って色々遊んだ後、リビングに布団を並べて駄弁っていた最中の発言だった。皆が動揺している中、どうしてか未来さんだけはキョトンとした顔を浮かべている。

 

「だって、もう付き合い始めて二、三か月くらい経っているんでしょう? 二人は誰がどう見てもバカップルって感じだし、もうセックスの一回や二回しているのかなって」

「そ、そんなスナック感覚で聞くもんでもねーだろっ!? 恥じらいを置き去りにしてきたのかよてめーはっ!」

「でもクリスは気にならない? 可愛い後輩の恋愛事情と、相談に乗ってあげていた男性の交際事情だよ?」

「……それは、まぁ」

「クリスちゃんはムッツリだな~」

「ふんっ!」

「顎にアッパーはよくなうちっ!」

「どうなの切歌。朔也とはどこまで行ったの? それによって私が朔也に向けるアプローチの度合いが変わるわ!」

「マリアは今すぐウェル博士の面会にでも行ってほしいデス死ね」

「辛辣がすぎやしないかしら?」

 

 相変わらず脳内お花畑サンシャインなマリアはさておいて。

 

 未来さんはストレートが過ぎるが、確かに気になるというのは分かる、あたしもこれが調やクリス先輩の件だったならば野次馬根性丸出しで前のめりになっていただろうし。さっきから一応はストッパー役として動いている響さんもチラチラこちらに視線を向けているから、興味はあるのだろう。

 

 だけど、何を話したものか……。経験も何も、あたしと朔也はまだそういうことをしたことがない訳で。き、興味がないとは言わないけれど、朔也はご存知の通りヘタレで奥手の童貞だし、あたしはあたしで男性経験なんてまったくないから誘い方も分からない。一応はネットや雑誌から知識はある程度得ているものの、それを実践するとなるとなかなか……ほら羞恥心とかもあるデスし。

 

「素直に一直線に抱いてほしいと言えばいいのではないか?」

「そんなことができるならさっさとヤってるんデスよ翼さん」

「藤尭さんは紳士だからな~。たぶん気持ち的には今にも押し倒したいけど、その辺は理性と倫理の狭間で揺れ動いているとかそういう感じじゃないの?」

「何回かそういう雰囲気にはなったことはあるデスけど、なんかこう恥ずかしくて……スイッチは入っているのに有耶無耶になるみたいなことが多々あるデスね……」

「なるほど、きっかけが掴めないと……」

「……そういうのって、急ぐもんでもねぇんじゃねぇの? だ、段階を経てなるようになるって感じだと思うけど」

「純情イノセントなクリスは弦十郎さんとの将来でも想像してて」

「んななぁっ!? な、何言ってんだよオマエ! ばっ、馬鹿じゃねぇの!?」

「雪音は初心で可愛らしいなぁ」

「そういう知識まっさらさらなセンパイにだけは言われたくねーですよっ」

 

 完全にマスコットと化しているクリス先輩が今日も今日とて弄られている光景に微笑ましいものを感じつつ、大仰に肩を竦める。

 

 確かにこういうのは無理して距離を詰めるものではないだろうけど、ここまで手を出されないと自分に魅力がないんじゃないかって不安になってしまうあたしもいた。彼の反応を見る限りそんなことは決して無いというのは分かっているが、そこは繊細な乙女心というヤツで。

 

「調は何かいい案とかは……」

「……切ちゃんを困らせている藤尭さんを暗殺する方法なら、いくつか」

「そのまま頭の中だけで収めていてほしいデス」

 

 無表情のまま恐ろしい発言をさらっとするのは本当に怖いから勘弁してほしいデス。

 

 調はちょっとばかしあたしへの愛が強すぎるので戦力にはならないし、マリアに至ってはその流れで抜け駆けしてきそうだから頼りたくはない。センパイも翼さんもそういうのは得意ではないだろうし、響さんは何気に乙女な一面があるが、脳筋が否めないのは事実だ。つまり、消去法で頼らざるは未来さんなわけだけど……ちょっと怖い。

 

「そんな不安にならなくても大丈夫だよ切歌ちゃん。私に考えがあるから」

「本当デスか……?」

「うん。男性経験はないけれど、恋愛小説は結構読んできたから任せてほしいな。それに、響で実践済みなのもいくつかあるしね♪」

「響さん……」

「このバカ……」

「調ちゃん!? クリスちゃん!? やめてそんな目で私を見ないで! だ、だってあれは未来が無理矢理――」

「剣の教育に悪いからそれ以上は黙りなさいな」

「もごもご」

「ん? 私がなんだって?」

『なんでもありません』

 

 一人だけ完全に置いていかれている翼さん。それでも誰も彼女をこちら側に引き込もうとしないあたり過保護が凄い。まぁここで翼さんに悪影響を及ぼしたことが敏腕マネージャーにでも知られれば、どんな恐ろしい仕打ちが待っているかは分からないから致し方ないと言えば致し方ない。

 

 響さんが相変わらず不憫な様相を呈しているけれど、未来さんは普段どんなことを彼女にしているというのだろうか。清楚そうで意外と押せ押せな彼女の事だから、相当エグイ内容であることは違いないかもだけど。

 

 あたしの心中を他所に未来さんはどこからか手帳を取り出すと、ニコニコ笑顔のままそれを読み上げ始めた。行為に入るきっかけやら流れやら、果ては内容、そして使用する道具まで。クリス先輩とマリアが顔を真っ赤にしてあわあわ目を白黒させている状況から分かるように、半端なくとんでもないことを言われている。かくいうあたしも今すぐにでも耳を塞ぎたいくらいだ。……既に経験済みらしい響さんだけは、居心地悪そうに顔を伏せている。

 

「――とまぁ、こんな感じかな」

「あの……それ、本当に朔也さんにやるんデスか……?」

「とりあえず手軽なところから入るとするなら、マッサージ形式なんてどう? 藤尭さん疲れ溜まっているだろうから、自然と入れるんじゃないかな。もしくはお風呂に突撃なんかも……いや、膣内に水が入るプレイはあんまり推奨できないか。だったらここは王道にえっちな下着で直接誘惑を……」

「おぉぉ……な、なんだかよく分からないけど凄いデス……!」

「駄目だよ切ちゃん! 切ちゃんにはそういうのはまだ早いよ!」

「そうよ切歌! こういうのはちゃんと段階を踏んで、大人になってから……」

「過保護二人は黙っていてください。これは真剣な相談なんですから!」

『ひぇ』

「なんでそんな熱意に走ってんだよお前は……」

「そのうちクリスにも必要になるんだから、ちゃんと聞いておいた方が良いよ」

「勘弁してくれー!」

「とりあえず今から色々通販しておこっか。明後日には届くから、一週間後を目安に作戦を立てようよ」

「は、はいデス! よろしくお願いしますデス、師匠!」

 

 何から何までお世話してくれる未来さんが神々しく感じられて、思わず弟子入りしてしまう。こういう相談できる人は本当に限られているから、感謝の極みだ。朔也に喜んでもらうためにも、そしてあたし達の関係を進展させるためにも、しっかりと教えを請うて知識を付けておくに越したことはない。頑張るデスよー!

 

「切ちゃんが遠くに行ってしまう……」

「未来……なんであんなことに……」

「……明日は三人で飯でも食いに行こうな」

「私も行くわ……」

「ん、晩御飯の話か? 私も相伴に預かろう」

 

 他の皆が何か話していたけれど、あたしの頭の中は朔也に喜んでもらう事でいっぱいだったため、特に気にしないことにした。

 

 

 

                ☆

 

 

 

「…………」

「…………」

「……あの、切歌?」

「……なんデスか朔也」

「なんですかじゃなくて……その、なんでそんなバスローブなんて奇妙なものを纏った上に、普段使いもしないオイルを枕元に置いているわけ?」

「つ、疲れているであろう朔也にマッサージをしてあげようと思ってデスね、はい」

「あ、そう……」

 

 何やら疑ってかかっているらしい朔也をなんとかいなしつつ、内心溜息をつく。実はバスローブの中には最近新発売したらしい『ほぼヒモ』な上下を着ているのだが、そのお披露目はもう少し後だ。入りでしくじってしまったら、ヘタレ朔也のことだから遠慮するに違いないし。

 

 朔也はお風呂に入った後だからズボンは履いているものの、上にはだぼっとしたTシャツ一枚しか着ていない。秋の終わりにしては少々心許ない格好であるように思えるけれど、あたしにしてみれば好都合だ。脱がすのに時間がかかると、頭が冷静になってしまう。

 

「じゃ、じゃあとりあず下着一枚になって、寝てくれますか」

「あ、うん。……なんで急にそんなことを?」

「ひ、日頃の恩返しだと思ってほしいデス」

「はぁ……まぁいいけど」

 

 怪訝そうな顔は崩さぬまま、枕に顔を乗せてうつ伏せに寝る朔也。風呂上がりで少し艶っぽくなっているのがとても素晴らしい。筋肉はあまりついていないが、華奢ながら健康的な肌は見ていて心地よいものがあった。

 

 言われるがままにされている彼であるけれど、おそらくここ最近の激務が原因だろう。ずっと朝から深夜まで連勤していて、今日からやっとこさの休日だ。思考回路があまり働いていないに違いない。こんな満身創痍の彼を騙す形で初夜を迎えるのはちょっとばかし申し訳ない気持ちになるが、これ以上彼が勇気を出すまで待っていたら年を越してしまう。ここは、恋人であるあたしが一歩踏み出さないと。

 

 寝室にはアロマの匂いが充満している。これは未来さんに教えてもらった、「そういう」感情を高める効能のあるものだとか。スチームは未来さんが貸してくれた為実質無料。準備は整った。

 

「ま、まずは……首からやっていくデスよ……」

 

 チャプ、とオイルを手に乗せると、おそるおそる彼の首に触れる。普段から密着したり抱き着いたりすることはあるが、最初から「こういう」気持ちで彼に触れるのは初めてだ。心なしか、あたしの方も敏感になっているような錯覚に捉われる。

 

 親指で押し込むようにうなじ、そして僧帽筋を揉み込んでいく。本当に疲れているのか、少し力を入れるだけでかなり凝っているように感じられた。固い揉み返しを掌に感じつつ、そのまま背中へとシフトする。

 

「……ぅぅ、気持ちいい」

「っっっ。そ、そうデスか。それなら良かったデス」

 

 何も知らずに目を細める朔也に内心を気取られぬよう細心の注意を払いながら、彼の視界の外でバスローブを徐々に脱いでいく。もわっとした官能的な空気を直接浴びると、ただでさえ熱い身体がさらに火照る。頭がぼぅっと熱を帯びたように呆けるが、なんとか気を持ち直すと彼の身体を股越すようにして体勢を入れ替えた。ほとんど全裸に近い臀部に彼の背中が直接触れて、下腹部がじゅんと僅かに湿った。そしておそらく、その湿りも彼には感じられているはずだ。

 

「き、切歌……?」

「……こっちの方が、やりやすいデスから」

 

 何か言いたげな朔也を制し、そのまま腰を揺らすようにして身体を擦りつけていく。馬を乗りこなすように、とは未来さんのアドバイスだ。彼の脇腹を掴んでたまに揉むことは忘れないながらも、ギシギシとベッドを揺らす。

 

「っふ、ぅ……ぁ、ん……」

 

 ベッドが軋む音と共に、あたしの吐息がやけに響く。おそらくは、朔也にも聞かれているであろう嬌声。されるがまま、黙ったままの彼は、いったいどういう心持ちでいるのだろうか。

 

 ヌチ……ヌチュ……と粘っこい水音が鼓膜を叩く。オイルを介しての行為だからか、あたしが想像していたよりも強い粘液っぽさが出ているような気がした。

 

「次、は……仰向けに、なってくださ……い」

「……」

「眩しくないように、顔にはタオルをかけるデスよ」

 

 無言のまま起き上がり、そのまま仰向けに寝た朔也の視界をタオルで塞ぐ。その間にオイルをわずかに垂らすと、鎖骨の辺りから順に触れていった。

 

「……次は、特別な道具を使うデスよ」

「道具……?」

「はい。柔らかくて、気持ちのいい……特別な、道具デス」

 

 ――ここからが本番だ。

 

 もう着ているかどうかも分からない細い下着の上を脱ぎ去ると、露わになった乳房にオイルを塗りたくる。じん、と先端が火傷したように主張を始めるが、息を一つ吐くと彼の胸元にソレを押し付けた。桃色の突起が押しつぶされ、甘い感覚が脳髄を焼く。

 

「んや……ぁ」

「切歌、これって……」

「大丈夫、デス……あたしに、任せて……んんっ」

 

 ズリ、ズリュ……。

 

 上下に身体を揺する度、じんじんと快感が流れ出す。ただ、ちょっとマッサージどころではなくなっていた。

 

 左手はこねるようにして胸を弄び、右手で一心不乱に陰部をまさぐる。口は情けなく開いたまま戻らなくて、自分でも分かる程に唾液が零れていた。

 

「アッ……! 駄目、んふぅ! 止まら、ないっ……ぇぁぁ」

「切歌……?」

「あんあッ……ごめ、なさ……んくあぁ……ッ!」

 

 もう、マッサージどころではなかった。

 

 自分でも思った以上に乱れている。心当たりはあった。未来さんから借りた官能を促進させるアロマだ。

 

 元々は疲れ切っている朔也の気持ちを高まらせるために使用したというのに、元々そういう気持ちがあったあたしの方が先に我慢ができなくなってしまったらしい。オイルに直接触れていたというのもあるのだろう。全身が触れるだけで電流が走る。指先で乳首を転がすと、一瞬で意識が吹き飛んでしまいそうな心地。激しい水音をあげながら蜜壺をかき混ぜれば、もうどうにかなってしまいそうだ。

 

「あンッ! んんぁっ! んくあぁぁ……ッ!」

「……切歌、まさか最初からこういうつもりで?」

「それ、は……ぁんぅっ!」

「答えてよ、切歌。じゃないと、俺はたぶん君の望むことをしてあげられない」

「ンンンンッ!」

 

 いつのまにか状態を起こしていた朔也に喉を引っ掻かれ、声にならない叫びを漏らしてしまう。猫をあやすような仕草。でも、それは今のあたしにとっては立派な愛撫の一つだ。彼の爪がカリッと肌に傷をつける度、下腹部からとめどない快感と官能が溢れ出す。

 

 涙と涎で視界すら覚束ない中、あたしは必死に弁明を開始した。その先にある、快感を求めて。

 

「だぁ、ってぇ……朔也が、いつまでもセックスしてくれない、からぁっ……!」

「……なるほど。俺がヘタレ童貞やっている間にも、切歌はなんとか色々考えてくれていたんだね。また、俺が迷惑をかけちゃったみたいだ」

「そういう、わけ……じゃ……っぁ」

「一応それなりに考えてはいたんだよ? この時期だからクリスマスに合わせて初体験を取っておこうとか。俺としても初めてだから、ロマンチックにやりたいなぁとか。……でも、それが切歌を悩ませていたんだね、ごめんね」

「ふぅ――――ッ! ふぅ――――ッ!」

 

 ピン、と軽く乳房の先端を弾かれて、一瞬確かに意識が飛ぶ。媚薬の類でも入っているんじゃないかと疑う程に全身が性感帯になっていた。もう、どこを触られても気をやってしまう自信がある。

 

 それにしても、朔也の様子がなんだかおかしい。いつもならこういう時は慌てたように取り乱すはずなのに、どうして今回はこんなに余裕たっぷりで、しかも妙な色気に溢れているんだろうか。経験なんて、ないはずなのに。

 

 その答えは、すぐに本人から語られた。

 

「なんだろうね。このスチームのせいなのかな。俺も、完全にスイッチ入っちゃっているみたいでさ」

「んひぃ……ッ! お腹、駄目ッ……!」

「自分でもよく分からないくらい、今は切歌をいじめたい気持ちでいっぱいなんだ。俺の上でだらしなくよがっている切歌を、滅茶苦茶にしてあげたい」

「――っ! ――っ!」

 

 チカチカと網膜に火花が散る。そのまま意識を手放してしまえばどれだけ楽な事だろうか。ただ、朔也はあたしが気を失いそうになると爪で乳房を引っ掻いて強制的に引き戻してくる。今までに見せたことがないような強気の姿勢。滅多に見せない彼の姿に、心臓が激しく鼓動を打ち始める。

 

 朔也はあたしの顎を掴むと、耳元でゆっくりと、熱い吐息と共に声を漏らす。

 

「ねぇ、切歌。教えてよ。俺はヘタレで鈍感だから、女の子がどうして欲しくて、どこがいいのかなんて分からないからさ」

「んはぁッ……そん、な……恥ずかし、い……あぁっ!」

「このまま自分のやりたいようにやって、切歌を傷つけることだけはしたくないんだよ。……だから、ね? 切歌は俺に、どうして欲しい?」

「ふぁぁ……ッッッ!」

 

 左手でやわやわとあたしの胸を揉み込みながらねっとりと。あたしがもう限界だなんて分かっているくせに、何度もイッていることくらいとっくの昔にお見通しのくせに。あえてこういうことをやらせてくるなんて、朔也は本当にどうしようもない。ヘタレで、鈍感で、童貞のくせに。……あたしをここまで、悩ませたくせに!

 

 よろよろと上体を起こし、彼にお腹を見せる様にして寝転がる。外側に向けて両脚を開くと、既にぐっしょりと濡れそぼった秘所が彼の目の前に露わになった。ゴクッと朔也が息を呑むのを確認すると、頭の奥がじんじんと痺れ始める。

 

「ぜぇっ……たい、許さない、デスからね……」

「こんなに濡らしているのに?」

「いひぃ……ッ! 触っちゃ、駄目ぇッ……」

 

 愛液を掬い上げる様に割れ目を撫でられると、為す術もなく仰け反ってしまう。全身を貫くような快感。まさに電撃という表現が相応しいであろう悦楽に、情けなくも舌を出して喘いでしまう。こんな姿、誰にも見せられない。

 

 彼も我慢が限界に来ているのか、あたしの許可なんて関係ないとばかりに胸に手を伸ばし、先端を弄る。そして何を思ったのか、よりによって洪水と化している秘部に顔を近づけると――

 

「んへぁぁあああ!」

 

 舌を伸ばし、そのまま軽く吸い付いてきた。

 

 もう自尊心とか体裁とか、そんなことがどうでも良くなるくらいの嬌声。死ぬ、死んでしまう。未来さんはどんだけえげつないアロマをあたしに渡してきたのか。ていうか、こんな危ないものを二人はいつも使っているのデスか!? どれだけタフなんデスかあのバカップルは!

 

「っくふぅ……んっふぅぁああ……」

「……ほら、言ってよ。あるんだろう? してほしいこと」

「っふ、ぅ……朔也、は……意地悪、デス……ッ!」

「切歌が可愛いのがいけないんだよ」

「んぁぁ……んぁぁぁぁ……」

「泣いてばかりじゃ分からないから。ちゃんと言葉にしてくれないと」

「ひぎィッ……! わかっ……た。わかった、デスからぁ……っ」

 

 腫れあがったクリトリスを甘噛みされて本当に死ぬんじゃないかってくらいの快感に襲われる。もう呼吸どころではないし、身体のどこが気持ちよくてどこが痙攣しているのかも分からない。自分の身体が自分ものではないような、そんな感覚。

 

 ……それでも、なんとか意識を繋ぎ止めて朔也の顔を見据える。初めてなのに気絶したままなんてのは嫌だったから。初めてを捧げる彼の顔を、表情を、しっかりと記憶に焼き付けておきたかったから。

 

 叫び過ぎて完全に枯れてしまっている喉をなんとか動かし、震える腕を伸ばしながら、あたしは精一杯の愛を、貴方に。

 

「キス……して……」

「……それだけ?」

「っっ。……ちが、う」

「うん。全部、言おうか。切歌のやってほしいことを全部。俺にできることなら、何もかも」

「……舐め、て」

「うん?」

「アソコを、舐めてっ。キスして! おっぱいも朔也がしたいように揉んで、抓って! 全部、全部を滅茶苦茶に……朔也と一つに、なりたい……ッ!」

「……可愛いね、切歌は」

「好きだからァッ! 朔也の事、愛しているからぁッ!」

「俺もだよ。俺も切歌を愛しているし、大好きだ」

「んふぅっ!」

 

 ――唾液を舐めとられると、そのまま歯の裏を蛇のように舐られる。口の端から涎が零れることも構わず、朔也は欲望のままあたしの口内を貪った。とろんとした甘い感覚で頭の中が真っ白になる。彼を愛したい、思うままに貪りたいという欲望だけが理性を殺す。

 

 彼が離れると、透明な橋がつろんといやらしく伸びた。朔也はそのまま赤ん坊がするみたいに胸部へ噛みつくと、下で乳首を転がしながら吸い始める。

 

「っんうふぅうう! そんなっ、おっぱいなんて、出ない……からぁ!」

「……切歌、これをつけてくれる?」

「どのタイミングでそんなこと……っぁ! ま、待って! 乳首噛みながらクリは……ッッッ!」

「避妊はしないとだし、つけないとでしょ?」

「それは、分かっているけど……ぉンッ! そんなにされちゃ、集中できなぁ……!」

 

 上も下も好き勝手に弄ばれて声を出すのもやっとだと言うのに、その状態でコンドームを付けろだなんて、無茶にも程がある。

 

 ビクビクと全身が震え、獣のような声を漏らしながらも彼の陰茎に手を伸ばす。初めて見る陰部に今まで以上の興奮と、少しの恐怖。これが……こんなものが、今からあたしの膣内に入るというのか。

 

 心臓が破裂しそうな程に脈打っている。逞しくそそり立ったそれに息を一つ呑むと、おそるおそるそれに触れた。

 

「っぁ……」

「……気持ちいいん、デスか?」

「……まぁ」

 

 ぶっきらぼうにそれだけ言って行為に戻る。刺激になれていないのか、あたしが少し触るだけで僅かに腰を引いていた。ちょっとだけ可愛い。

 

 袋を破ってゴムを取り出すと、決まった手順で被せていく。

 

「……手慣れてない?」

「……未来さんと練習したから」

「どんな絵面だ」

 

 そのツッコミも適格だ。練習していた自分自身も何度も思った事だから。物凄く恥ずかしかったけど、今ちゃんと成果が出ているので、彼女には感謝しかない。

 

 もう汗だくで、体力なんてほとんど残っていない。それでも彼の首に手を回し、潤んだ瞳で朔也を見つめる。

 

「……朔也、緊張してる」

「そ、そんなことは……」

「ふふっ、可愛いデス」

「……可愛いのはそっちだよ」

「照れるデスよ」

「……ごめんね。本当は、こういうのは彼氏の俺が勇気を出して誘うべきなのに」

「もう。そういうのは野暮デスよ。相変わらず妙なところで律儀なんデスから」

 

 きっかけはどうあれ、望ましい結果は得られているのだ。謝られるのは少々違う気がする。

 

「それに、ここまでしておいて謝られても、逆に困るデス」

「うっ、確かに……」

「……」

「……」

「……好きデス、朔也」

「俺も好きだよ、切歌」

「……ん」

 

 見つめ合い、笑い合い……唇を重ねる。

 

 互いの唾液を交換する様に喉を鳴らしながら、彼のモノを受け入れていく。初めてで位置が分からず手間取っているようだったから、そっと手を添えると入口にあてがってあげた。それだけで、軽く声が漏れる。

 

「……怖い?」

「……ちょっとだけ」

「痛かったら言ってね?」

「痛みを感じないくらい気持ちよくしてほしいデス」

「ハードルあげるなぁ。……いくよ」

「うん。きて、朔也」

 

 ちゅく、と軽い水音が聞こえ、少しずつあたしの中に彼が入ってくる。

 

 ――にゅる。

 

「っ、ぅ……」

「き、切歌、大丈夫?」

「大丈夫、デス……だから、そのまま……んぁ!」

 

 一瞬だった。擦れるようなわずかな痛みはあったものの、濡れそぼっていたのが功を奏したのか、一瞬で、あたしの穴に彼の亀頭がすっぽりと収まってしまう。

 

 苦悶の表情を浮かべるあたしを気遣う彼ではあったが、抱き締めることで意図を伝えると、慣れない動きで腰を突き出した。全体重をかけたそれはあたしの膣道をいっぱいに埋め尽くし、すっかり下りていた子宮を容赦なく、力強く圧迫していく。真っ直ぐに腰を勢いよく叩きつける姿が、なんだかとても愛おしく思えた。

 

「かは……ッ! んあぁっ! す、ごっ……ああああッ!」

「これ、やばっ……締め付けて、気持ちっ……!」

「あンッ! あぐあッ! あふぁぁ……んんんあぁっ! さくやっ、さくやぁっ! これ、すごっ……すごいッ、デスっ……!」

「駄目っ……切歌ごめっ、もう……!」

「きてっ! そのまま……んぃっ!? イッ……イッちゃっ! イッぁぁ……!」

「ぅあっ……!」

「一緒に……んあぁぁあ! イッ……んっくぁあああ!」

 

 近所迷惑なんて頭の片隅にも残っていなくて。ただ相手と繋がっている幸福感と快楽に包まれたまま、あたしと朔也は獣のように咆哮する。互いを強く抱き締めて、細胞の一つも残さずに一緒になりたいと願って。

 

 ゴム越しに勢いよく子宮に精液が叩きつけられるのを感じながら、今までにない程の絶頂へと達する。自分でするのとはあまりにも違う、彼の愛情を一心に感じながらの悦楽。これはやばい……クセに、なるかもしれない。

 

 言葉にできない程の幸福感。必死な表情であたしを抱き締めている彼がどうしようもなく可愛くて、朦朧とする意識の中で彼の頬に口づける。

 

「さくやぁ……大好き、れす……」

「……呂律回ってないよ、切歌」

「ん……ふぅ……」

 

 二人して力尽きてしまい、マトモに動くことすらできない。ただ、あたしの膣内で徐々に復活していく彼を見る限り、夜はまだまだ続きそうだ。明日の訓練は、お休みしないといけないかもしれないデスね。

 

 でも、朔也と一つになれて、本当に良かったデス……。

 

「……まだ、いい?」

「……早漏のくせに、復活は早いの面白いデスよね」

「……絶対気絶させるから」

「え」

「次は後ろからやろっか」

「待って。待ってほしいデス朔也。いきなりそれは……聞いてる!? ねぇ!?」

「誘ってきたのは切歌だもんね。遠慮はいらないかなっ……!」

「あぐぁ……ッ! 駄目、駄目だからぁっ! もうムリッ、ムリぁッ……! イッちゃう……からぁッ!」

「…………」

「何か言ってよ朔也ぁ!」

 

 ……ちょっとだけ、後悔はしているかもしれない。

 

 あたしの制止なんて聞いていない朔也に腰を打ち付けられつつ、今後はあまり彼を挑発しないようにしようと心に決めるあたしだった。

 

 

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