「制服でセックスするっていうのが、最近流行っているらしいよ?」
「お泊り会の流れでなんてことを言い出すんだお前は」
さらっととんでもない話題を振ってきた未来さんに対して、クリス先輩がどう表現していいものか分からない、まさに苦虫を噛み潰したような顔で的確なツッコミを入れる。本来ならここで響さんあたりがさらなる軌道修正を図るところではあるが、現在この場にいるのはあたしこと暁切歌だけだ。調やマリア、響さんに翼さんは別件でS.O.N.G.本部に泊まっている。
「土曜日だし、暇だし、クリスの家に集まろう?」と言い出したのは勿論未来さんではあるけれど、なんだかんだ寂しがり屋のクリス先輩も文句を言いつつも割と乗り気でゴーサインを出したため決行された次第だ。あたしはそもそも断る理由もないし、先輩方に朔也とのあれこれを相談したいと思っていた為ちょうど良かった。
だけど、まさかいきなりこんな話題になるとは思っていなかったデスけど……。
顔を真っ赤にするクリス先輩はさておいて、未来さんは自分のお泊り用ボストンバッグから女性週刊誌を取り出すと、件のページを開く。
「この記事によると、フォーマルな制服をあえて着ることによって非日常感が出て、普段とは違う気分を味わうことができるんだって」
「なるほど、メリハリというやつデスね」
「いや、なんか違くね?」
「でもこれってアレだね。制服セックスに慣れちゃうと、日常生活で制服を見ただけでスイッチ入っちゃいそうだよね」
「さ、さすがにそこまで行くには相当だと思うデスけど……」
有り得ない話ではないが、日常業務に支障が出てしまうようなことをあけっぴろげに週刊誌で紹介しないとは思う。思い……たい。
しかしながら、最近セックスの内容にマンネリを感じていたあたしからしてみれば耳寄りな情報だ。クリーニングの問題もあるからそう高頻度ではできないけど、スパイス的な感覚なら可能かもしれない。平日に汚してしまったら学校にも行けないデスし……。
そのことを未来さんに言ってみると、どうやら解決策があるようで。
「二課とかリディアンの制服なら、レプリカが通販で売ってるんだよ」
「レプリカって……つまりはコスプレ用か?」
「そんな感じかな。クオリティとかは本物より下がるけど、そういうプレイ用なら問題ないだろうし。後、いくつかはプレイ用に作られたものもあって、手軽に洗濯できる生地だったりしてね。これなら汚しちゃっても大丈夫だから、試しに買ってみたら?」
「おぉ……素直に褒めていいものか非常に悩む内容デスが、未来さんの情報力はやっぱりすごいデスね……」
「ていうか、なんでお前はそのコスプレ通販の存在を知ってんだよ」
「響の魅力を引き出す為なら私はなんだってやるんだから」
「あのバカの為にもほどほどにしてやれよな……」
呆れ半分心配半分といった表情で溜息をつくクリス先輩。未来さん自体は非常に常識的で、関係者の中でも保護者的存在なのだけれど、こと響さんが関わると一気に暴走してしまうのが玉に瑕だ。そうなってしまうともはや誰にも止められないので、必然的に響さんがストッパーとして動かないといけない訳で……イロモノ揃いの装者の中で何故だか響さんが常識人に見えてしまうのはそう言った理由もあった。
ただまぁ、そうは言いつつもあたしやマリアの相談に乗ってくれるのもクリス先輩だったり未来さんだったりするわけで。色々な面で学ばせてもらうことばかりなのデス。
「切歌ちゃんもせっかくだし、藤尭さんに提案してみたら? 制服とか好きそうだし」
「そうデスねぇ……サプライズ的な意味合いも込めて、気分転換にはいいかもしれないデス」
「お前らさらっとそういう話するのな」
「クリスだって、いつかは弦十郎さんとそういう関係になりたいんじゃないの?」
「……アタシは、まだよくわかんねーよ」
「ふぅん。まぁ、何かあったらサポートはするからいつでも相談してね」
「あたしも応援するデス!」
「はいはい。そんときゃ頼らせてもらいますよっと」
ひらひらと手を振りながらそう言うと、クリス先輩は台所に消えてしまった。どうやら夜更かし用にココアを淹れてくれるらしい。無愛想な態度とは裏腹に相変わらず優しい先輩だ。ツンデレ、とはこの人の事を言うのだろう。ある意味可愛さで言うならば総合的に見てクリス先輩がダントツな気はする。
そんなことを考えつつ、先程未来さんが見せてくれた通販サイトをもう一度眺める。それぞれ1、2着ずつくらいあればいいだろうけど……S.O.N.G.の給料は結構貰っているし、無理じゃない金額ではあるが……。
「……後で感想とか聞かせてくれるなら、お姉さんが三割出してあげようかな」
「くっ……背中とお腹には代えられないデスッ……!」
「背に腹は代えられぬだろヘンテコ日本語遣い」
クリス先輩だけには絶対に言われたくないデスよ。
☆
そして一週間が経過し、無事にコスプレ用の制服も届いた為、あたしは朔也の家に泊まりに来ていた。
「という訳で、制服プレイっていうのをやってみたいのデス」
「相変わらずそういう情報はどこで仕入れてくるのさ……」
「それは乙女の秘密なのデスよ。それより、朔也は制服嫌いデスか?」
「…………き、嫌いではないけど」
「素直じゃないデスねぇ」
「俺の立場で制服好きとか言ったら色々とマズいでしょ」
そんなの今更じゃないデスか、とは優しさから言わないでおいた。
そうと決まれば早速お着換え。未来さんが言っていた依存性がどれくらいの頻度なのかはまったく分からないが、あたしと朔也のスケジュール的には多くても週三日。もしかしたら四日くらいにはなるだろうか。それくらいではお遊びの範囲を出ないはずだ。さすがに日常生活に支障が出ても困るし。
少し作りは簡素になっているようで、生地としてはややゴワつく。しかしながら、皺になることを気にしないでいいから気にならない範囲ではある。コスプレ用としては十分なクオリティだろう。……少しスカートの丈が短いのは、そういうアレだろうか。恥ずかしいけど、男の人はこういうのが好きなのだろう。
着替え終わり寝室へ向かうと、既に二課制服を纏った朔也が居心地悪そうにベッドに腰かけていた。やはりところどころ違和感はあるものの、パッと見は完全に二課のソレ。ただ、制服姿の彼が寝室にいるという状況になんともいえないものを感じる。
朔也は寝室に入ってきたあたしに気が付くと、苦笑を浮かべて頬を掻いた。
「な、なんかいつも以上に犯罪集が凄いなって」
「どういう意味デスかそれは」
「……援助交際的な?」
「朔也最低」
「素の口調はマジで傷つくから勘弁してくれ」
口元を引き攣らせてそう言う朔也ではあるが、急に援助交際扱いされたあたしの身にもなってほしいところだ。
妙に改まってしまうものの、朔也の隣に腰を下ろす。彼の胸に寄り添うように頭を乗せると、何を緊張しているのか若干震えた右手があたしの横髪を弄り始めた。……キスをしたい、というあたし達だけの合図だ。
横髪から頬、そして顎と手の位置がずれていく。彼に促されるまま顔を上げると、そのまま軽く目を瞑った。
「ん……」
柔らかい感触が唇を通して全身へと広がっていく。最初は啄むような軽いキス。そこから唇を甘噛みし、吐息と唾液を交換。徐々に舌を入れ、彼の口内を貪る。この数か月間で何度キスを重ねただろうか。お互いにまだまだお世辞にも上手とは言えないけれど、一番最初に比べたら相手の事を気遣う余裕が、そして他の事にも気を回す余裕ができたと思う。初期はキスに集中するだけで精一杯だったのに、今はキスをしつつ相手の秘所を弄ることまでできている。
あたしはファスナーの上から、朔也はスカートの裾から手を入れて。本来ならここで少しずつ服を脱がしていくのだけれど、今回はせっかく制服を着ている関係上、できるだけ脱がさないようにシていく予定だ。
「っぁ……ふ、ぅ」
「……なんか、いつもより興奮してる?」
「そん、な……くふッ」
下着の上からやわやわと揉み込まれて吐息が漏れる。彼の肩に顎を乗せて前屈みになってしまうものの、なんとか右手を動かしてファスナーを開けると、屹立したモノを取り出して先端を指先で転がしていく。
普段より昂っているのは朔也も同じなようで、まだキスしかしていないにも関わらず天を衝くように腫れあがっている。ソレに幾度となく貫かれているというのに、あんなものを挿れたら壊れてしまうんじゃないかと生唾を呑み込んでしまう。
「あ……ふぁ……」
「きり、か……っ。口、開けて」
「んむぅっ」
ワイシャツのボタンを開けると、襟ぐりから手を突っ込んで両の胸を揉みしだかれる。そのままの体勢でペニスを突き出され、彼の意図を察したあたしはできるだけ唾液を口の中に溜めて勢いよく頬張った。じゅる、と下品な水音が寝室に響き渡る。
「ぢゅる……んは、ぅ……」
「う……や、ば」
「はむ……んんん……」
唾液を垂らし、あえていやらしい音をたてながら彼のモノを啜る。できるだけ喉奥まで咥え、根元の二つを指で弄ぶと、面白いように朔也の顔が歪む。見栄っ張りな朔也は歯を食いしばって悦楽に耐えているが、小刻みに漏れる吐息から限界が近い事を悟った。お尻の辺りに手を伸ばし、穴周辺を触ればビクンッと跳ねる身体。
「は……ぁ……っ。そこ、ぅっ……」
「……出るでふは?」
「んぁ……ッ! だめ、切歌……!」
「んふふ、かぁわいい♡」
女の子みたいに喘ぎ声を漏らす朔也が可愛くて、いつも以上に気合を入れて責めてしまった。じゅぼじゅぼ音を立てて激しく前後に顔を振ると、とうとう我慢できなくなったらしい朔也があたしの頭を掴み、そのまま股間に押し付ける。
「っ――――!」
「んぶっ!? ん……」
――ドクン、とペニスが大きく跳ねる。朔也は脈動したソレをあたしの喉奥へと差し込むと、間髪入れずに性の奔流を叩きつけた。粘液質な精液があたしの口内を犯していく。呼吸が妨げられて思わず目の端に涙が浮かぶが、咳込みながらもされるがままに吐精を受け入れた。相当我慢していたのか、それとも制服セックスに興奮していたのか。予想よりもはるかに濃い、そして膨大な量の精液が体内へと侵入していく。途中逆流して鼻に入り込んでしまった為か、独特の刺激臭が脳髄すらも浸そうとしていた。
「けほっ、ぷ、ぁ……」
朔也が離れた後も、飲み切れずに溢れ出ている精液を指で搦め取り、そのまま舐めとる。あえて音が出る様に啜ると、出したばかりだというのにすぐに元気を取り戻す朔也。だが、彼の視線は白濁に汚れた制服の方に吸い寄せられているようで。
「制服が汚れているのを見ると、その……いけないことをしているみたいでヤバい」
「あたしも、デスよ。職場や学校で隠れてシているみたいで……興奮するデス」
「そういうの好きなの?」
「言葉の綾デスよ。……んっ」
「切歌、可愛い」
「ふぁ……っ。ふ、ぅん」
顎をくすぐるように指先で撫でられると、彼に支配されているような感覚に陥って下半身が濡れる。しとどに溢れた愛液はあたしの太腿までをぐっしょりと濡らしていて、彼のものを待ち侘びてパクパクと口を開いていた。彼に弄ばれている間、思わず自分自身で指を入れ慰めてしまう。
そんなあたしの様子に気が付いていないのか──いや、おそらくはわざと気付いていないふりをしているのであろうが――あたしを抱き寄せると、スカートの上から尻肉をぐにぐにと揉み始めた。まるで痴漢がするかのように、触れるか触れないかといったフェザータッチとしっかりとした揉みしだきを繰り返す。たまに思い出したように秘所へ指を埋めてきたりするから、彼の制服を掴んで胸板に顔を押し付けることしかできやしない。荒く小刻みな呼吸は確実に聞こえているはずなのに、朔也はいつもあたしが自分で催促しないとすぐに意地悪をするのだ。さ、朔也のくせにィ……!
涎と涙でぐっしょぐしょな顔で朔也を睨み付けるものの、彼は表情を隠すかのように首筋に吸い付いてきた。少し襟を捲っているあたり、制服を着ている状態で見えるギリギリの場所に痕を残そうとしているのだろう。後で苦労するのはあたしなのだが、お遊びに歯を立てられただけで嬌声をあげるあたし自身も大概だ。
「ふ、ぅ……! はぁぁぁ……!」
「学校の制服を着ているのに、そんなにえっちな反応していいの?」
「さ、くやぁ……んんッ!」
「高校生なのに、切歌はえっちだね」
「だ、誰の……んぐ、ぅ」
誰のせいだ、とは最後まで言わせてもらえず、そのまま唇を重ねられる。舐るように舌を入れられれば、酸欠と興奮で頭がぼぉっとしてしまう。真っ白になり、余計な事を考えられない。
――だから、あたしは気が付くと、スカートの両端を抓んで性器を露出し、完全にとろけきった顔と声でこう言っていた。
「朔也……きて……♡」
「……っ。ほんと、制服でその台詞はほんとずるいから」
「あんッ♡」
どうやら彼の琴線に触れてしまったらしい。生唾を呑み込むように喉を鳴らすと、あたしをベッドに押し倒す。座った状態で倒れたような体勢の為か、立ったままの朔也がやけに大きく見えて。いつの間にかゴムをつけていたらしいソレをあてがうと、一気にあたしを貫いた。
「――――ッ!♡♡♡」
背筋を反り返らせ、ブリッジのような体勢のまま声にならない叫びをあげる。視界が明滅して今にも意識が吹っ飛んでしまいそうだ。なんとか息を吸おうとするものの、「あ゛ァ~……♡」という気の抜けた声と共に酸素が漏れ出していく。その間にも朔也は一心不乱に腰を前後させ、あたしの膣内をごりごり削る。膣壁にカリが引っかかる度、言い知れない程の快楽が体内で爆発していた。
「あッ♡ あぁッ♡ ……んっくぅうう!」
「やば……女子高生とセックスしている実感が、制服のせいでいつも以上にクる……」
「か、彼女相手になに気色悪い事言って……くぁはッ!」
体勢をうつ伏せに変えられると、腰を掴まれて後ろから膣奥まで挿入される。既に降り切っていた子宮口をノックされ、抵抗する術もない。ここが寝室であることも忘れ、獣のような雄叫びを上げる。
朔也の制服が視界に入る度、「大人の男性に犯されている」という事実に背徳感のようなものを感じてしまって快楽物質が止まらない。やばい、これはヤバい。確実にクセになる……制服を見る度に、スイッチが入って――!
「んお゛ォ……ッ! ん、んふぅうううう……!」
二回目の絶頂。きゅぅ、と膣内が締まるのが自分でも分かる。はち切れんばかりの怒張を締め付けて、意識が一瞬吹っ飛びかけた。普段のセックスとは比べ物にならない程のエクスタシー。興奮度合いが段違いだ。こんなの、頻度なんて関係ない。制服が目に入ったら、オフィシャルなんて関係なしにスイッチが入るに決まっている。
手足がまるで別の生き物になってしまったかのように痙攣が止まらない。足の指は常時沿っていて、今にも攣ってしまいそうだ。
脳が揺れる程のピストンを喰らい、信じられないくらいの快楽に脳が焼かれる。布団のシーツを握るだけで精一杯だ。視線も定まらないまま、涎だらけのシーツに顔を埋めて呻き声をあげるしかできない。
……しかし、限界なのは朔也も同じらしい。あたしの背中に胸をつけ、密着したまま手を伸ばして胸を揉む。残った気力で振り向くと、同様に呆けた顔をした朔也と舌を絡める。制服を着たままだから汗だくで蒸し暑い。全身がナメクジみたいに溶けてしまうんじゃないかってくらいに思考回路がドロドロになっている。死ぬ、快楽で死んでしまう。
だがその時、絶え間なく快感を与えてきていた肉棒が大きく震えた。今まで以上に膨張しているようにも感じる。――どうやら、いよいよ限界らしい。
あたしの胸を弄ぶ手の動きが荒々しさを増した。お互いに液だらけになった顔を擦りつけ合いながら、絶頂へ。
「で、る……ぅ!」
「射精し、て……! あたしの、膣内に……!」
「ぐ、ぁ……ッ!」
「んっっはぁああああああ……!」
コンドームを付けているので、本当に膣内出しするわけではない。あくまでそこは気分だ。しかしながら、今のあたしにはゴムを着けていようがいまいが、そんなことを判断できる程の余裕はなかった。
一枚隔てた先ではあるが、子宮口に押し付けられたソレから勢いよく精が放たれるのを感じる。敏感な奥底に、びゅるびゅると吐き出される精液。
「あぉお……んっくぅうう……」
「……ッぁ」
「んぁッ」
息も絶え絶えなままペニスを引き抜く朔也。久しぶりに空気に触れて背筋が震えてしまうが、あたしはよろよろと上体を起こすと彼のモノからコンドームを外し、
「ん……」
中身を鼻先に垂らすと、でろっとした液体が顔半分を汚す。一部が口内に入ってきたので、丁寧に舐め取りながらじっくりと味わった。猛烈な性的刺激臭が鼻腔を擽り、それだけですぐに絶頂を迎えてしまう。
ちら、流し目で朔也を見ると、今にも気を失ってしまいそうな程に生気の抜けた表情の彼。だが、最後の力を振り絞ってあたしの肩を掴むと、そのまま三度唇を重ねる。身体にまったく力が入らないあたしは、彼の腕に抱かれベッドに転がった。終了の合図であるフレンチキスを交わすと、どちらともなく布団に突っ伏してしまう。
「これ……やばい、デス……」
「うん……」
互いに顔を合わせることもできないくらいに力尽きてしまっている。もう少しで意識を飛ばしてしまうのが自分でも分かった。おそらくは、彼も同じだろう。
これはいよいよ、制服中毒になってしまうかもしれないデスね……。
体液だらけの制服に身を包んだまま、ぼんやりとそんなことを考えながら、あたしと朔也は仲良く同時に気を失ってしまうのだった。
絶ステ楽しみましょう。