「────ゴ! ねぇ、エスカルゴってば!」
なんじゃ鈴仙…そんな大声出して…。
目を開けると、鈴仙が心配そうな顔で顔を覗き込んできているのが見えた。
「なん、だ?」
「“なんだ”じゃないわよ!急に倒れたからビックリしたじゃない!」
「あー…すまんすまん」
ムクリと起き上がる。
力加減か?場所か?ちっとミスったか…。
でも体は軽く感じる。何がまずかったんだ?
「でもなんで倒れたのかしら」
「ま、ちょっとしたミスだよ、気にする事は無いさ」
「エスカルゴが大丈夫なら良いんだけど…」
「ふふっ、ありがとな」
心配してくれた事に感謝しつつ、鈴仙の頭を撫でる。
「おっと…」
自分が何しているのか気付き手を離す。
普段からフランやレミリアのような(精神年齢)子供を相手しているので、つい頭を撫でてしまうのだ。
「うふふっ♪別にイイよ?」
「はは…」
何か申し訳ない…。
「なぁ、これから何しよっか?」
せっかく時間貰えたというのに何もしないではちょっとな…。急な事とはいえ…。
「お風呂…入る?」
モジモジしながら照れ気味にそう言う。
「えぇ!?」
「ほら、前に約束したじゃない。エスカルゴがてゐとお風呂入った時に…。忘れた?」
「いや、忘れてなかったけど…照れるな」
「それは私もよ?」
「へへへ…でもただ入るって言うのはなぁ…。あっ、勝負してから入るってのは?」
「えー、エスカルゴに勝てる訳無いじゃない」
「大丈夫大丈夫、手加減するって」
「なら良いけど…」
「よしっ、決まりだな!外行こ!」
「…うんっ♪」
今度は俺が手を引いて外に出る。
「よーし、やりますか!一回被弾したら負けな」
軽くジャンプして体を温める。
「俺は鎧無しで良いよ」
「わかったわ。…というか言おうとしてた」
「へへっ、そっかぁ」
そりゃそーだ、アレ使ったら勝ち確だもんな。
鈴仙には霊夢程の攻撃力は無いだろうしね。
…いや、霊夢レベルの攻撃力の持ち主がそうゴロゴロといる訳ないじゃんか!!
そんなにゴロゴロと居たら幻想郷がカオスに…
「…ねぇ、エスカルゴ?」
「ん?」
「私の目…しっかり見て?」
「…?」
あれ?いつもより紅く光って……
『ふふふっ♪』
「え」
鈴仙が分身…?囲まれちった…。
「───はっ!」
なんとなく気配を感じ、振り返った時にはもう…弾は目の前に迫っていた。➳ ∑(O_O;)
「イテテテ…」
「ふふっ、ごめんね。エスカルゴ相手ならあれくらいしなきゃだもの。…怪我は無さそうね」
俺の髪をあげて額を確認する。
「ははは…」
よく分からんが瞬殺だったようだ。
「なんか目が光ってたぞ」
「あれ使う時はそうなるわよ」
「へー…。あと、鈴仙って分身出来たのな」
「あれは、そう見せてただけよ」
「え?」
「幻を見せたのよ。その中に
「ほー…すっかり騙されたぜ」
「えっへん☆」
ツンと胸を張る。
「さて…おf」
「お風呂入ろっ!」
「お、おう…」
言われちゃった…。
カララ…
「おお…脱衣所広いな」
鈴仙と2人で脱衣所に入る。
女湯と男湯に分かれていない…というか、そもそも幻想郷にはそういう概念がないからだ。
「そう?でも
「いや、あんまり変わらないような気がする」
「こっちは人数がいるからかしらね」
「ああ…確かにな」
確かに兎たちが結構多く居るからな。
「じゃ、先入ってるわね。すぐ来てよ?」
「はいよ」
鈴仙の方を見ずに答える。
「これでよし……と」ギチッ
勝手にではあるが、長めのタオルを借りて腰にキツく巻く。
よし…行くか!!
カチャッ
「来たぞー」
広っ!? ここは大浴場か!?
「あ、エスカルゴ!」
もう入ってるのk…えぇ!?
「あなたがエスカルゴ?ふふっ、思ったよりイイ男ね」
……マジで?
「だ、ダメですよ!?私のエスカルゴなんですからね!」
「残念ねぇ」
あの黒髪ロングのThe・和風美人は…!
「姫様!?」
蓬莱山 輝夜…!
「あら、私のこと知ってるの?」
「え、ええ…少しだけ」
炎火たちのとこで過ごしてたとき…イタズラしてきて酷い目にあったな。フランがブチギレて俺と炎火で鎮めたんだっけ。
「あなたもいらっしゃい」
「い、いえ…体洗ってからで…」
鈴仙と2人が良かったんだが…相手はここの主だし、文句は言えねぇな。てゐだったら言うけど。
「早く来てねっ!」
「お、おう…」
さて、さっさと終わらすか。
「…あれ?」
ここシャワーなのかよ。
…仕方ないか、ここには吸血鬼は居ないんだ。
「うう…」
レバーを下ろすのが怖い。
これを下ろしたら…出るんだ。
「どしたのエスカルゴー?」
浴槽から鈴仙が声をかける。
広いので声が反響する。
「レバー下ろすの怖い…」
「なんで?」
「流水…ダメ、ゼッタイ」
「あ…そっか」
「どういうこと?」
何のことかわからない輝夜は鈴仙に尋ねる。
「吸血鬼は流水がダメなんです」
「へぇ〜…そおなんだ〜?」
とても邪悪に微笑んだ…ように見えたのは俺だけだろう。
覚悟を決めてレバーを下ろす。
ジャー…ジャババババ…
「……………………………」
頭からシャワーを浴び、声を上げるどころか寧ろ体が動かなくなった。
恐怖で体が凍りつく…というやつだろう。
「エスカルゴ…?どうしたの?」
いつの間に来たのか、鈴仙が隣に居る。
「止めて…」
真っ直ぐ前を向いたまま、虫の鳴くような、それこそ消え入りそうな声でお願いする。
「わ、わかったわ」
レバーを上げシャワーを止める。
「はぁ…助かった、ありがとう」
胸などを見ないように、最大限意識し、鈴仙の目を見ながら感謝の意を伝える。
「洗える?大丈夫?」
「洗うのは出来る。流す時またお願い出来る?」
「ええ、もちろんよ」
「サンキュ」
さっさと頭、顔、身体を洗い終え…
「頼む」
全身泡だらけでお願いする。
「ぷふっ…わ、わかったわ…」
笑った?そんなに笑うような格好か?
ジャー…
「…………………………」
再び体が凍りついたように動かなくなる。
「よし、もう大丈夫ね」
レバーを上げる鈴仙。
「ありがとう、助かったよ」
「これくらい当然よ。さ、入りましょ」
「ああ」
いい子だなぁ…。
「遅いわよ」
輝夜が怒ったような声を出す。
「すみません…」
「姫様、エスカルゴは流水が苦手なんです、あまり言わないであげて下さい」
「…イナバに免じて許してあげるわ。早く入りなさい」
「はい…」
鈴仙と一緒に浴槽に入る。
「それで姫様、何でこんな時間にお風呂に?」
鈴仙が輝夜に尋ねる。
「なんとなくサッパリしたかったのよ」
「は、はあ…」
「私居たら邪魔かしら?」
「いえ、そういう訳では…」
「あなたの事だから、『はあ、エスカルゴと2人で入りたかったのになー』とか思ってるんでしょ?」
「…姫様、いつから人の心が読めるようになったんですか…」
え、図星なのか。…俺もだけど。
「あら正直」
「誤魔化す必要がありませんからね。…ねっ♪」
俺を振り返りニコッとする。
「ああ」
俺もお返しとばかりにニコッとする。
「なら私はもう出ましょうかね」
輝夜が立ち上がったので反射的に目を瞑る。
「すいません、追い出したみたいで…」
「ううん、良いのよ。のぼせそうだったし」
「ははは…」
ガチャッ
「……行ったか?」
「ええ、行ったわよ」
「ふぅ」
一息ついて目を開ける。
「やっと2人になれたわね」
「そうだな」
「ふふっ、なんか裸だと変な感じね」
「…だな」
…落ち着け俺、無心になるのだ…!
互いに裸だということを意識してはいけない!
スッ…
「!!」
「エスカルゴって…意外とカタいのね」
ペタペタと胸筋や腹筋を触りながら呟く。
「そ、そりゃあ多少は筋肉質だぜ」
触るなぁ〜…!
「そうみたいね。私のも触ってみる?」
「い、いやいいよ…」
だっておっp…胸とか触ったらアカンわ。
「ふふっ、遠慮しなくていいのよ?」
「してないしてない。…うさ耳触らせて?」
「え?良いわよ」
「よっしゃ」
フニフニとうさ耳を触りながらふと思う。
鈴仙も小悪魔並に積極的なんだよなー。
フランの胸はバレンタインデーに見たけど…なんというか、唆られるというか…なんていうか…。
鈴仙のまで見た日にゃ、いよいよ欲求が……
「ねっ、私にも触らせてよ」
「ん?何を?」
「翼!」
「あ、ああ…良いよ」
「やった♪」
うさ耳を触るのをやめて背中を向ける。
俺やフラン、レミリアに生えてるこれはなんて呼べば良いんだろうな?今まで羽って呼んでたけど…やっぱ翼が正しいのかな。
「おっきいね」
「そうか?」
「うん。寝る時とか邪魔じゃないの?」
「そこまで邪魔では無いが、寝返りうつ時とかたまに痛いな」
翼を自分とベッドの間に挟んじまうからな。
…フランやレミリアに乗られてることには閉口するが。
「大変なのね…」
「慣れればそんなでも無いさ」
「ふーん…。…今度、また一緒に寝ようね」
「えっ?あ、ああ…」
急にどうした?
ギュッ…ムニィィ…
「お、おいっ!? 胸当たってる!」
なななな生乳柔らかぁぁぁ!!
抱きつかれたのでムニッと押し付けられる胸。
おかげで、内心…いや、誰が見てもわかる程焦る。
「エスカルゴも、ギュッ…てして?」
耳元で囁かれ、頭に血が上る。
あわわわわわわわわわわわわわわわわ…。
「わわ、わかった…」
抱擁を解いた鈴仙に真正面から向き合う。
胸を直視しないよう、視線を固定する。
「えへへ…顔真っ赤だよ?」
「…鈴仙もな」
ギュッ…
浴槽内で真正面から抱き合う。
胸同士がくっつき、更に緊張が増す。
顔が熱くなってくのが自分でもわかるぜ…。
胸柔らけぇぞ…!
「胸、柔らかいな」
「そ、そう…?」
「ああ…」
「うふふ…」
ちょっとイタズラしてやろ。
ペロッ
抱き合ったまま首を舐めてみる。
「ひゃっ!?…な、何?」
「ちょっとイタズラしてみた」
「くすぐったいじゃない…」
「へへへ」
「もう…」
チュッ…
唇も柔らけぇ〜!
「っ…」
チュルッ…
あっ…また舌入れて…。
俺だって、受けばっかじゃねぇぞ…!?
「んっ…」
負けじと舌を絡ませる。
ガチャッ
『ん?』
唇を離し入口を見る。
「ああああー!エスカルゴと鈴仙が抱き合ってるウサぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ワザとらしい叫び声がこだまする。
『てゐ!?』
「ななな、なんでてゐがここに!?」
ほんの少し離れる2人。
「休憩もらったウサ。サボりじゃないウサ。それより…なぁに裸で抱き合ってるウサ〜?」
うわっ、すげぇゲス顔!
「べっ、別に?好きだから抱き合ってただけよ。ねっ?」
「そうだな」
改めて言われると凄く照れるぜ…。
やっぱりこれは慣れない。
「へー!好きだから…抱き合うウサ?なら私もっ!」
「うわっ!」
タタタタ…ピョーンッ
飛び込んで来たので避ける。
「へぶっ」
ドォォン…ボチャッ
「ブクブクブク……」
勢いよく突っ込んだなオイ…。
「だ、大丈夫か…?」
浴槽に落ちたてゐを水揚げする。
「ありがとウサ…。というか、なんで避けるウサ!?」
「飛び込んで来たら避けるだろ」
「失礼ウサねぇ…」
「急に飛び込んで来る方が失礼だと思うが」
「うるさいウサ!」
ギュッ
おもむろに抱きついてきたてゐ。
「ちょっ、てゐ!?」
慌てる鈴仙。
「おい…?」
何が何だか状況が飲み込めない俺。
「大好きウサよー♪」
「ん…?」
今なんて言った?
「はぁ!?今すぐ離れなさい!!」
「そ、そうだぞ、離れなさい」
グイッと肩を押す。
「もー少しだけウサー♪」
「離れろっての…」
「そうよ!離れなさい!」
鈴仙がてゐの引き剥がしにかかる。
「離れたくないウサー!」
腰に手を回し意地でも離れまいとするてゐ。
「はーなーれーなーさーいー!!!」
「……今ウサ♪」
チクッ
「痛っ!?」
背中を刺された。
今、何を刺した?
「へっへ〜ん、引っかかったウサ〜!」
パッ
「キャッ!」
バシャアッ
俺の体から急に手を離したので、てゐを引っ張っていた鈴仙は尻餅をつく。
「大丈夫か?」
「え、ええ…私は大丈夫。というか、てゐ!」
シ─────ン…
「…逃げたな」
「…逃げたわね」
「ったく、あのイタズラ兎は…」
ポリポリ頭を掻く。
「てゐまでエスカルゴのこと好きだったの…?」
「真に受けんなよ。いつもの嘘だろ?」
「そ、そうよね!」
「ああ」
つーか、今回ばかりは嘘じゃなきゃ困る。
「ねぇ、何かされたの?」
「ん?」
「さっき、痛いって…」
「なんか背中刺された」
「えっ!?診せて!」
「ああ」
再び背中を見せる。
「んー…なんかちっちゃい針穴みたいなのが…」
「え゙っ、なんだそりゃ」
針?確かにそんな感じの痛みだったな。
ナイフとは違う…もっと細い感じの。
「針刺しただけ…かしら」
「それする為だけにわざわざ来た…と?」
「かもね…」
「暇人かよ」
「暇人ね」
そうツッコまずには居られないな、これは。
「それで、身体は何ともない?」
「うん、それは大丈───」
ドクンッ
「ん゙…」
急に胸が痛くなり、その痛みに顔をしかめ、心臓の位置をグッと抑える。
「どうしたの?」
「いや、なんか胸が…」
ドクンッ…
「胸?胸がどうかした?痛いの?」
「ああ…。それと…ドクドクうるさい」
なんだろう…?
ドクンッ…ドクンッ…ドクンッ…
「────ッ!!」
なん、だ…?締め付けられ……
「大変!お師匠様に診せないと!」
手を引っ張り浴槽から出ようとするが…
「…別ニイイ」
「でも…あら?エスカルゴ、目が紅く光っ…」
「鈴仙…オ前ヲ喰ッテヤル」
「えっ…」
6時間後
「はぁ〜、暇だしもう1回お風呂入ろ〜」
輝夜はもう1度風呂に入ろうとしていた。
ガラッ
「ん…なんか変な臭いがするわね…」クンクン
浴室に入るなり、異様な臭いに気付く。
「!? キャアアアアアア!! イナバぁ!!」
悲鳴を上げる輝夜。彼女が見たものとは…?
てゐSideとしては、
エスカルゴと鈴仙が風呂入るのを(仕事サボって)盗み聞きしてて、イタズラする為に(仕事サボって)浴室に入ってきて、抱き着き、鈴仙に嫉妬させ、エスカルゴにイタズラをした。
って感じです。
もちろん、そこら辺は皆さんの想像に任せてもイイんですがね…一応そこの流れ載せときますね。
てゐの言葉は嘘か本当か?
鈴仙の身に何があったのか?
乞うご期待!!!!!
(あまり期待しないで(泣))