「キャアアアアアア!! イナバぁ!!」
─────はっ!……俺は一体何を?
いや、寝てただけか。
つーかなんかダルい。腰が痛い…。
あ、姫様だ。また風呂入りに来たのか。
輝夜の悲鳴で目を覚まし、そして気付く。
「え……」
腕の中には、力なくだらんとしている鈴仙が。
「鈴仙!?鈴仙!?おい、しっかりしろっ!!」
「エス、カルゴぉ…」
呻きながら顔を上げる。
はぁ、無事か…てか顔赤くね?真っ赤だぞ。
「ど、どうした?」
「激しすぎよ…初めてだったのに…」
「…え?」
「覚えてないの?」
「あ、ああ…」
何のことやらサッパリだ。
「えー、少しショック…」
「ごめん…。何があったの?」
「エスカルゴが襲って来たのよ?」
「え?」
ど、どゆこと?
「布団でって言ってるのに、“今スグ、ココデ”って言うから仕方なく…」
真っ赤になり、人差し指を突き合わせながら言う。
「え…?いや、何をしたの?」
「セ○○○」
「え…ええええええええええええええええ!?」
浴室に響き渡る声。
じゃあ俺童貞卒業?でも…ホントに?
こんな卒業の仕方って…(泣)
「ほんとに覚えてないの…?」
うん、全く覚えてない。
「…ごめんなさい…」
「まぁいっか、エスカルゴだし」
「…?あ、ありがとう…」
どういう事だか本当にサッパリだ。
「さ、行きましょ」
「うん…」
手を引かれて浴槽から腰を上げる。
「あ゙」
タオル解けてやがる!?
「今更気にしないわよ。というか元々気にしてないけど」
「いや、姫様居るんだけど…」
「えっ?きゃあああ!!」
ここで初めて輝夜の存在に気付いた鈴仙は驚き、悲鳴を上げる。
「姫様!?いつからそこに!?」
「……エスカルゴがあなたを起こすとこから」
「あ…行為中は居なかったんですね…安心しました」
「あなたたち、あれから6時間もここに居たの?」
『え?6時間?』
「多分それくらいよ」
じゃあ、なにか?6時間もずっと…??
「Oh......」
「ちょっと、エスカルゴ!?」
「道理で体が痛いと思ったんだ…あはは…」
体に残るこの感覚…やっぱ本物か。
あ、浴槽内にタオル発見。
「それは私もだけど…。えー…そんなに長くシテたんだ…」
「そうらしいな…」
「2人共グッタリしてたから驚いたわよ全く…」
「すいません…エスカルゴが激し過ぎて…/////」
「それ以上は言うなよ…?さ、行こうぜ」
腰にタオルを巻き直し、手を引いて浴槽から出る。
「うん♪」
ガラッ
「はぁ〜…」
「ねぇエスカルゴ、私の
!?
「…そ、そうだな。じゃなきゃ6時間も…ね?あはははは…」
「良かった♪ またシようね♡」
「お…おうよ」
とうとう鈴仙とセ○○○したかー…。
筋肉痛不可避だぞこれは。
…お、ドライヤーなんてあるのか。
気付かなかったぜ。あるなら使わせてもらお。
自然乾燥は髪に良くないと聞くしな。
ブオオオオ…
ドライヤーを掛ける2人。
風になびく鈴仙の髪に思わず目を奪われる。
「どしたの?」
視線に気付いた鈴仙。
「いや。綺麗な髪だなと思って」
「姫様の方が綺麗よ?」
「んー、そうかなぁ」
確かにあの黒髪ロングも綺麗だが…。
「スッキリしたぜ」
現在鈴仙の部屋でまったり中…。
「私も〜♪」
気になるな…聞いてみるか。
「…どうだった?俺とのセ○○○は。…気持ち良かったか?」
「うん、気持ち良かったよ!…まぁ、初めてだって言ってるのに激しいなとは思ったけど…/////」
「そっか…ごめんな」
「大丈夫だって!これからもよろしくね♡」
「…!ああ、よろしく!」
ギュッと抱擁を交わす。
…少し
「そろそろお夕飯だから、食べて行けばいいのに…」
「すまない、咲夜さんに夕飯食べないこと伝えて無いから…」
「それなら仕方ないか…」
「うん…。じゃ、また月曜に来るよ」
「仕事中も来てよね?」
「え?いや…仕事の邪魔は悪いよ」
「大丈夫だって!患者さん居なかったり少なかったら休憩もらえたりするから!」
「そうか…なら来ようかな。てゐも休憩もらったって言ってたし」
「そうそう!」
「呼んだウサ?」
建物の陰からひょこっと飛び出して来たてゐ。
「あ、てゐ」
「おいお前、さっき俺に何刺しやがった?」
「ふっふっふ……
び……く?
「何文字だ?」
「それ言ったらほぼ答えウサ。もう1つヒント欲しいウサ?」
「頼む」
「しょうがないウサねぇ〜。…あのあと、かなり長時間お楽しみだった様ウサねぇ」
再び、ゲスの様な表情を浮かべるてゐ。
『?』
長時間…お楽しみ…び○○○く。─────あ。
この瞬間、脳内で全てが繋がった。
「一閃『Mishap of Thunder』」
ヴォン…
てゐの頭上に魔法陣が出現。
「…へ?」
「召喚」
バリッ…ズドォォォォォン…
「ウサァァァァァァァァァァァ!!」
落雷により地面が震える。
「ちょっ、エスカルゴ!?どうしたの!?」
「こいつだ」
プスプスと黒い煙を上げて倒れ込んでいるてゐを指さす。
「え?」
「こいつが俺に媚薬を注射しやがったんだ」
「媚薬……えぇ!?じゃああれは…」
「こいつのせいだな」
何て事をしてくれたんだ…!
「て〜ゐ〜?」
「てへ……♪」
ペロッと舌を出すてゐ。
こりゃあ認めたも同然だな。
というかそれしか無いだろう。
「お仕置きだな」
「お仕置きね」
「ヒィ!?に、逃げ…」
「させん」
ザクザクッ…ビリビリビリビリィィィ…
「ウサァァァ!?」
「エスカルゴ!?」
「大丈夫、痺れさせただけだ」
「ならいいけど…。さぁてゐ!お師匠様にお仕置きしてもらうわよ!」
「いやウサー!」
「もう逃げられないわよ!」
てゐに手を伸ばす鈴仙。
ピリッ
「きゃっ!」
「あ、鈴仙もビリッと来たか?」
「うん、少しだけ…でもこれじゃ運べないわ…」
「うーん…そうか…」
それは困るな。
「拷問『Thorny Restriction of Thunder』」
槍を解除し、棘付きロープで縛り上げる。
「ぎゃあああ!チクチクする!チクチクするウサぁぁぁぁぁ!!」
『うるさいっ!』
「ぎゃああああああ!!これ電気まで流れてるウサァァァァァァァァァ!!」
「エスカルゴ、黙らせてくれる?」
「オッケ」
ザシュッ
「ウサッ……」
刀で頭から切られ、即気絶するてゐ。
「ありがと。…じゃ、お仕置きはこっちに任せて」
「うん、頼む。そのロープ、電力使い果たせば自然消滅するから取る必要無いぜ。触らなきゃ感電しないから…運ぶならてゐの首根っこ掴めばいい」
天子用に開発したのがこんな形で役立つとは。
というか、あれが本来の反応なんだがな。
天子、恐ろしい子ッ…!
「あら、それは便利ね」
襟を持たれ、ブラーンと宙ぶらりんになるてゐ。
「まーな」
軽くドヤる。
「じゃ、またな」
「うん、またね!」
バシュッ
永遠亭から飛び立つ。
空を見ると、月が低く登っているのが見える。
その月は、僅かに満月とは違っていた。
そして、満月は昨日だったことを思い出す。
「…つーことは、今日は十六夜か」
咲夜さんの日か、と勝手に思いながら紅魔館へと向かう俺であった……。