「『Mad children』と『紅魔の幼姫たち』の戦いは
『紅魔の幼姫たち』の勝利〜〜〜ッ!!」
「しかし次の戦い……なんと『紅魔の幼姫たち』は、クジでは連戦になっているが大丈夫か〜〜っ!?」
「「問題ない
疲れは殆ど無いし、何なら勝利の勢いに乗って、という事だろう。実際、今の戦いで疲れたとすると弦月姫くらいだし、その「疲れた」というのも体力ではなく能力面の話だけ。
「例え負けても疲れを言い訳にしない!それが私達
『紅魔の幼姫たち』よ!さぁ運営、次の対戦相手をステージにお呼びしなさい!」
「お、おおっ、凄く強気の発言だぞっ!それじゃあお呼びしましょう、次なる相手はこちら!!」
「今大会最大規模のチーム!な、なんとメンバーは6人!!圧倒的数の暴力!!この3倍の人数差をひっくり返すことができるのかーーーーッ!?」
「……お姉様、もう他の皆は出尽くしたわよね?」
「ええ。計算上は、私達も含め既に14人が出場済みです。となると残り6人全てが1チームとなると、チームメンバーはやはり……」
「そうッ!チームリーダーは推定幻想郷最速鴉天狗こと、射命丸穹ちゃん!副リーダーは居合マスター魂魄妖舞くん!!」
意外だ。まさか、2人が組むとは思わなかった。そしてそんな2人に4人もの弟妹が付き従うなんて更に予想外だった。
しかも6人チームという事は「残り全員」という意味である。なんて規模だろう。人数差をも度外視して、数の暴力で勝つつもりらしい。
その6人は、他の兄弟姉妹と比べたら「チートな能力」自体は持っていないので、数の暴力とは言うものの、能力の兼ね合いで言うなら、案外これでも妥当かもしれない。
「さァいきますよ、妖舞、ここあ、駆翔、綺愛羅、恋夜!!私達のチームワークの良さを、見せ付けてやりましょう!!」
「「おうッ!!」」
「「「はいっ!!」」」
「……数の利があると思って思い上がってるねぇ……お姉様達♡」
「おっとっとレイチェル、姉に対する口の利き方がなっていませんねぇ?」
「『知は力なり』────。思い知らせてあげるよ、穹お姉様。ほんのちょっぴりだとしても、可能性が存在していることの恐ろしさをね」
そう言ったレイチェルの目は静かに燃えていた。
確かにこれまでの強さ序列では大体中位から下位というパッとしない戦績であったが、それは彼女が本気でなかったからである。
恐らく「兎を狩るのに本気を出す獅子はいない」といった貴族の矜恃があったに違いない。そういう余裕を持つ女だ、レイチェルは。
アリス姉ちゃんのような「本気を出すと後がないから本気を出さない」とはまた違うだろうと思う。
進行2人がいつも通りのメンバー紹介を行って、遂に戦闘準備に入る。今回は、レイチェルも本気で参戦するようで、弦月姫に「止めないで」と耳打ちしていた。時間を、という事だろう。
「それでは4試合目、いっくよー!頑張ってね!!
『紅魔の幼姫たち』vs『幻想スピードスターズ』!始めッ!!」
2人を除く全員が、一度に動いた。弦月姫が時を止め妖舞の突っ込む向きを変え、その瞬間に解除。妖舞の居合は、推定幻想郷最速の穹より更に速い。警戒するに越したことはない。
お陰で、妖舞は試合開始直後に明後日の方向へと突っ込み壁を破壊した。
動きを見せない2人とは、恋夜、ここあである。サポートタイプの2人は後方支援として穹、妖舞、駆翔、綺愛羅のサポートをするらしい。
「身体強化の魔法は綺愛羅から教わったから俺でも使える。でもってここあ姉ちゃんのと合わせりゃ……実に2倍の身体強化だッ!!」
「更に更に、私のバリアで私達サポート組の防御もバッチリという最強の布陣!」
ここあはパチュリーから魔法の手解きがある上に恋夜には錬金の能力もある。全員がアタッカーだ、かなり強いチームだと言える。ここあも、微弱だが治癒魔法も使える事を考えると……かなりキツイ。
「それではいきますよ……!風雷『凝縮放電』!!」
(きたきたっ♡)
穹が自身の持つ最大火力のスペカを宣言し、発動させると、レイチェルは人知れず悪い笑顔を浮かべ誰よりも高く飛び上がる。
「チーム戦ならではの醍醐味、見せてあげるわ!!お兄様、お姉様!お命頂戴ッ!!」
妖舞の初撃さえ防げば後はどうにでもなるようで弦月姫もレイチェルも余裕がありそうな顔だった。穹は速度に乗せた攻撃をせずにスペカ発動。するとレイチェルは
「「うわあぁぁぁああぁぁあっっ!!」」
「「きゃああぁああああああっ!!!」」
「「なっ……みんな!?」」
ここあのバリアに囲まれていない駆翔、未だ壁に埋まっていた妖舞、そして穹、綺愛羅が、ボォッと紅い炎に包まれ始めた。
「ッ!?……これは…………まさか、レイチェル!?」
「そっ!さっすがお姉様、よく分かったね!」
「何をしたの!?」
「人体自然発火現象……球電と呼ばれるプラズマが原因で起こる……と
「プラズマですって?……ま、さ、か…………」
「ふふ……穹お姉様の『凝縮放電』、あれ、風を集め空気を集めプラズマに昇華する技だよね?だから、それを火種として利用してあげたの♡」
「流石にやりすぎよ!」
「え、そう?毎回思うけどさ、『気絶』させる方が割とやりすぎだと思うよ?『気絶、失神』ってのを軽く考えすぎだよ。脳味噌の機能が停止しかねないギリギリのラインだってのにね〜」
「ッ……」
「手を汚さず勝利を掴み取る……ふふっ、この上なく美しい……でしょ?」
「それでもこれはっ……」
「大丈夫大丈夫、どーせ10秒もしないうちに……」
「ひ、一先ず消火よ、恋夜くん!」
「おう!」
ここあの扇動により恋夜は水を錬金し、ここあは水魔法か創造魔法かで水を噴水の如く生み出しては4人へ滝のような勢いで浴びせ、消火した。
会場は静まり返り、今ここにいる誰しもが、このレイチェルの所業にドン引きしているようだった。殴り合いとはワケが違うだろ、と。そういう空気をひしひしと感じる。
だが保護者のレミリア、更に紅魔館勢、永遠亭勢などなど、それぞれ「勢力」と分類される者達は、何の悪い反応も見せなかった。
「……どう思う、霊夢」
「ん?何が?」
「いや……『何が』ってそりゃ……レイチェルが皆を燃やした件についてだろ?」
「問題ある?妹紅の弾幕に被弾すれば嫌でも燃えるじゃないの」
「そりゃまぁ燃えるよ、炎主体の弾幕だもんよ」
「で、改めて聞くけど……
「黙ります」
「宜しい」
とはいえ疑問は払拭できない。スピードスターズなどと名乗っておきながら真っ先に穹が最大火力のスペルを使用した事が、だ。
レイチェルの事だ、穹の行動の確率を操作して、真っ先にあの技を使うように遠回しに穹を操作したはず。それが出来てしまうのがレイチェルなのだ。
まず、穹の行動には選択肢が幾つもあるものだ。第一に、「動く」か「動かない」か。これは恐らく前者で固定されているだろう。そうすると、次なる選択肢は第二に「スペルかスペル以外か防御か」のおよそ三択まで絞れる。
普段の穹だったら「スペル以外」で風の刃などの攻撃をするはず。なのに今回は「スペル」な上に、使用頻度が決して高くはない「最大火力」のもの。
レイチェルが穹の行動を分析、予想し理論を建て穹の行動を絞り、今のような同士討ちに追い込んだということだ。
「はぁっ……はぁっ……な、何だったんだ、今の……」
「ひッ!?は、肌が突っ張っ……ひぃっ!」
「ううぅ、痛いよぉ……お母さぁん……」
「クッソォオオオ、あっちィじゃあねーかァッ!!チビお嬢サマよォッ!!」
妖舞、穹、綺愛羅は、ここあの治療を受ける為に彼女のバリアに匿われる。その間、弦月姫は先程の人体発火現象……姉、弟、妹達が燃える光景が脳裏に過ぎり、それが離れず思考も肉体も硬直していた。
唯一、駆翔だけが、怒りをバネに水浸しのままでレイチェルに立ち向かっていた。
「あははっ、いーね、そうこなくっちゃ!!」
「クソが、なんで皆を燃やして笑ってられんだ!!ネジ飛んでんのかッ!?」
「……ムカつくんだよねぇ。数の多さを振りかざしてイイ気になってるのが、さ。でもま、私が確率操作するまでもなく……『幻想スピードスターズ』は優勝なんて出来ないよ。数に頼った時点で負けだよ」
「しゃらくせェッ!!そっちだってトコトン能力に頼ってるクセによッ!!」
「そ、能力頼り。だから私達も負けるよ。でもね……数の優位を誇るような奴には、絶対に負けない!」
「だりゃああああぁっ!!」
雄々しい叫び声と同時にレイチェルを襲う駆翔。大戦斧を持って迎え撃とうとするが彼はそれを蹴り砕く。流石の彼女も表情を崩しはするが体勢までは全く揺らがず、静かに拳での迎撃に切り替えた。
駆翔も凄まじい
「やるね駆翔、火傷も気にせず攻撃とはっ!」
「こんなの、敵の組織に単独突入したときの銃撃に比べりゃあどうってことねーんだよッ!どーせ数日経ちゃ治るんだからなッ!!」
「ヘェ、流石だね、駆翔は温室育ちじゃないんだ!潜ってきた修羅場が違いそう……♡」
「ああ、その通りだ、よォッ!!」
思い切り地面を蹴り上げると衝撃波を放つような凄まじい勢いでレイチェルに迫り、空気との摩擦で湯気の上がるほどの熱を帯びた脚にて、遠慮の無い縦の回し蹴りを喰らわせる。
「ぐっ……」
「燃えろォッ!!」
駆翔の言葉と同時に彼の脚とレイチェル、両方にボッと火がつく。地面に叩き付けられたレイチェルだったが、口元の血を拭い、改めて戦斧を、今度は両手に装備する。
大戦斧ではなく、少しサイズダウンしているが、その分だけ振り回しやすくなっているようだった。
「ヒートアップしてきたわ……!!最っ高にね!!」
空中戦を繰り広げる駆翔とレイチェルをアワアワしながら見守る弦月姫。するとそこに1個の弾幕がまるで彼女の目を覚まさせるように飛んでくる。
「っ!?何よ、誰!?」
「私ですよ、私。あなたは参戦しないんですか?」
「穹お姉様っ!お身体は大丈夫なのですか!?」
「ええまぁ、まだ両手のひらが突っ張ってるような感覚は残りますけど、戦闘は続行可能ですよ。ただ綺愛羅の火傷が少々酷めですね、太ももがちょっと大ダメージを受けてるので集中治療中です」
「そう、ですか……申し訳ありません……」
「戦闘行為だと、皆、理解していますよ。ただ少しビビりすぎただけです」
「ですが流石に……やりすぎだと思います……!」
「それを言うのなら姉上や父上の方がやりすぎだと思いますよ?雷ですからね、雷。まともに喰らえば死にます。気絶さえしなかった分レイチェルの方が優しいまでありますよ」
そう言って穹はケラケラ笑い、妖舞もうんうんと頷いている。
とはいえ、職業柄、兄弟姉妹の中で誰よりも火を使うことの多い弦月姫だからこそ、火の恐ろしさはよく知っていた。
「戦闘続行といきましょうか、レイチェルと駆翔もバッチバチにやり合っているワケですし」
「……分かりました、では容赦しません!!」
「そうこなくては!」
3人は戦線離脱、駆翔はレイチェルと戦っていてチームはバラバラ。不本意ではあるがチャンスだと言わざるを得ない状況。弦月姫の心は決まった。
「バトル再開といきましょう、穹お姉様ッ!妖舞!刺突『フォトショップ・ヴァインズ』!!」
種を空中に放ったと思うと、そこから妖舞、穹へ向けて極太の棘付きの蔓を放つ。どうやらアレは、直線的にしか伸びないようだが……トゲというモノがあるお陰で当たり判定は見た目以上に大きそうだ。
レーザーとは違うが、狙った方向に真っ直ぐ攻撃という意味ではレーザー攻撃に似たものを感じた。
「ヘッ!そんなモン、身体中から刃を出せる俺の敵じゃあねーッ!!」
穹の前に立ち、刃で次々に蔓を切り刻んでいく。あの蔓は弦月姫の妖力を養分としているので妖力の供給がある限りは無限に伸びていく。
「クッソ、こりゃあ……斬れるがキリがねェな!!」
「燃やした方が早いですね。恋夜!!あなたの出番ですよ!!」
「えっ!?あ、はいっ!」
大体妖舞と弦月姫の間……蔓の丁度真上に、簡素な魔法陣が現れた。するとそこから直滑降する爆炎が溢れ出し、弦月姫の蔓を燃やしていく。
「ならこれよ!種符『エクストラマシンガン』!」
蔓を伸ばすのをやめると、今度は種を放つ。遠くからでも分かるくらいに大粒の……それこそ、小型の大砲じゃないかと思ってしまうくらいの大きな種を放っている。
「フフン、これくらいは余裕で回避できますねぇ!まだまだです!」
「オラララララララララララァァッ!!!」
穹は全て回避、妖舞は全て切って落とす。強い。伊達に長いこと戦闘訓練を積んでいない。なんなら弦月姫より妖舞の方が、訓練を積んだ時間だけなら長いかもしれない。
「そンなモンかよ、姉上ェッ!!今度はッ……俺の、番だぜェェェェッ!!!」
「────ッ!?」
手、腕からハリネズミのように生やした刀群を、腕を振るうことによって弾幕として弦月姫へ向けて放つ妖舞。消耗を気にせず刀を丸ごと飛ばすというアドバンテージは、弦月姫も内心羨んでいた。
「姉上ももっと攻めろよっ!」
「そうですね。悪く思わないでください弦月姫!」
穹は風の刃を放つ。2人からの集中攻撃が一気に弦月姫を襲う────まさにその瞬間。
「……ふぅ。やっぱり多勢に無勢は嫌なものですね。私にもお父様のような範囲攻撃が欲しいです」
「俺を見て言うな」
「ふふっ……」
時間を止めた弦月姫は妖舞の頭を小突くなりして遊びながら小休止。やがてそれにも満足したのか、2人の真後ろに回り込み、ある白い植物を生やす。
「そして時は動き出す」
「「ッ!!しまっ……」」
「花符『甘い息』」
時間を止めていた間に生やした白い花……百合からボフンと白い煙が溢れ出す。瞬間的に鼻と口を手で塞いだ妖舞と穹だったが、それでも数瞬遅く、その白い煙を吸い込んでしまった。
あれは催眠ガス。吸うと妖怪でさえ瞬時に眠ってしまう、強力なものだ。試していないだけで、もし人間に吸わせたら数日どころか数週間、下手したら即死レベルで眠らせる事になるのは必至だ。
「流石に時間停止との合わせ技は強すぎたかしら。正々堂々さに欠ける気がするから使わないでおいた戦法だけど……。さて、後はここあ、恋夜、綺愛羅の3人を片付ければ、駆翔はレイチェルが終わらせてくれるわよね」
空中では、駆翔とレイチェルが凄まじい肉弾戦を繰り広げている。手から足から、はたまた顔から、互いに流血している。
「ううっ……流石にこれは大ダメージだな……奥歯がガタついてるぜ……!」
「あーあ、私の戦斧がこんなに壊されるなんてね。流石に予想もしてなかったわ」
「ああ、本当に……俺の蹴りがここまで強化されてるとは思わなかった!!お陰で、姉様にもダメージを負わせられたぜ!!」
「……分かってないなぁ」
ボロボロになった戦斧を投げ捨て素手で弟を迎撃しようとするレイチェル。
「────
パチンと指を鳴らした直後、ボッと駆翔の身体が燃え上がる。が、全身ではなく特定の箇所。何故か点々とあちこちが燃えているように見える。
「うあっ!?な、なんだこれっ……!?」
「全然熱くないでしょ。私の魔法は少し特殊でね、魔力を媒介にするのは勿論のこと、血も媒介にして魔法を発動できるの」
「な……っ」
「そして、燃やすモノは魔力。妖怪なら魔法なんて使えずとも多かれ少なかれ持っている魔の力。もし完全に失えば数日間の昏倒は免れない」
「……!!」
「延焼もしなければ火傷もしない、優しい優しい炎だけれど……水でも風でも決して消えない魔法の炎。その性質は決して優しくはないよ」
レイチェルの属性は「火」らしい。魔法にはその人の持っている属性が多少なりとも反映されるものであり、レイチェルの攻撃にも魔法にも火炎が多用されていることから考えても間違いなさそうだ。
「ち……
「……終わりだね。弦月姫お姉様!」
「ハッ!」
「ッ!……くそッ……」
弦月姫の手刀にて駆翔は気絶。吸血鬼程の頑丈さではない故に、駆翔の頚椎に軽くヒビが入ったのは弦月姫本人でさえ知らない。
そして気絶した駆翔を見てレイチェルは炎魔法を解除。駆翔の魔力の完全燃焼は、どうにか防げた。
「さて。起きてるのは恋夜、綺愛羅、ここあ……3人だけだね」
相変わらずドーム状のバリア内で綺愛羅の治療に専念していた2人。どうやら恋夜も僅かながらではあるものの治癒魔法が使えなくもないらしいようで2人の魔力が綺愛羅へと流れ込んでいた。
そんな3人の目の前に幼き姫が2人舞い降りる。もしレイチェルが構えているのが斧でなく鎌なら、死神にも見えたことだろう。
「どーするー?降参する?」
「他の3人は倒したわよ。だから、降参か継戦かはここあ、恋夜、綺愛羅……3人が話し合って決めて」
「まっ、戦っても余裕で勝てるけどさ」
「「「…………」」」
やがて短い話し合いの末に、綺愛羅の火傷が酷い事を考慮してか、「幻想スピードスターズ」はこの試合を棄権することにした。
綺愛羅の火傷は治癒魔法でも完治はさせられないような、一生残る傷となった。永琳の診察では薬剤投与でも完治は不可との事だったので、モルモーの時間回帰にて綺愛羅のみならずチーム全員の肉体を試合前の状態にまで戻し、全ての傷を無かった事にする事で、全ての傷を消した。
◆
「レーテ?あのね、流石に燃やすのはやりすぎだと思うけれど?」
「お母様も甘いよ。私が甘く見られてるんだもん、そんなの許せないよ。これまでは全部遊びだったしそれで良いと私も思ってたけれど……もうそんなのはやめたよ。物事を知れば知るほど……兄、姉、妹、弟だろうと、自分が下に見られるのが嫌になった」
「そう……」
「……
「そうね。それは、悪くないと思うわ」
「お父様が『麻痺』させる事で戦闘不能に追い込むなら……私は『昏睡』で戦闘不能にするよ」
「……やり過ぎは禁物よ」
「それは勿論」
その後も子供達のチームのリーグ戦は続き────意外なことに、あっさりと決着はついた。優勝したチームは、誰もが予想した通り────。