「あ、そーだ!バトルと言えば!エスカルゴくんの子供達、定期的にバトルのイベントしてんじゃん?アレなんなの?皆揃って戦闘狂なワケ?」
パクパクと一口サイズのケーキを頬張りながら、少女達は話に花を咲かせる。途中から、しかも変な登場の仕方をした鈴仙も申し訳なさげに参加せずに居られる辺り、彼女らの仲の良さが伺い知れる。
「
「もう少しで霊愛が最強になるわよ」
「……有り得なくもないから怖いのよね。霊愛ちゃん陰陽玉を本格的に使い出したし……」
「ふふ、あの2人は凄く拮抗してるよね〜。しかもこの前の試合じゃあ、レーテもそれなりにはイイ線いってたしね。お姉様もウッキウキだったわ?弟を燃やした事については引いてたみたいだけど」
「そうよ、レイチェルちゃんのあの成長具合は何?少し前までとはまるで別人だわ。武器での力押しがあの子のメインの戦法じゃなかったの?」
「まさか、魔力を燃やすなんてね。あれは、何かで区別するとするならどういう区分になる魔法なの?エスカルゴにも聞いたけど、答えられなかったし。フランなら分かるんじゃない?魔法少女だし」
「私にも分かんない。相手の魔力を糧に発動、持続する魔法自体がレア中のレアだってのに、魔力のみ失わせるだなんて、そんなの……見るのも聞くのも、あの時が完全に初めてだよ」
「完全にレイチェルちゃん特有の魔法ってこと?」
「そうだと思う。パチェもレーテに魔法の指導とかしてるけど、そんなのは教えた事も無いし、逆に、レーテから言われた事も無くて……本当に唐突だって聞いてるよ」
「フーン。私はその魔法を見てないけれど……魔力を燃やすってのは中々厄介なシロモノね。今度、軽くお手合わせ願いたいものだわ〜」
「モルモーとレーテじゃ流石に力の差があり過ぎるでしょ。大人気ないなぁ」
「世界を股に掛ける吸血鬼の始祖とその子孫……か。しかもへカーティアの元部下。何か、肩書きだけは幻想郷でも随一な気がしてきたわ」
「だけって何よ!?私の時間魔法はその気になれば世界を混乱の渦に叩き込めるんだからね!分かる?何なら部分的に太古まで時間逆行して恐竜なんての召喚しちゃうけど!?外の世界で見付かる『氷漬けされた恐竜』、アレね、モルモーちゃんが暇潰しで復活させたヤツらだからね!?」
「よく分からないけど、幻想郷でそれをやったら、異変の主犯として即座にブッ潰すから」
「分かってますよーだっ。異変の時の霊夢ちゃんのヤバさはエスカルゴくんから聞いてるもの、余計なコトはしないわよ」
「あらそう」
恐竜と聞きフラン、鈴仙は思わずギョッとする。そんなものを蘇らせられるとは、やはりモルモー、底が知れない女だ。
特にフランは、同じ吸血鬼として格が違いすぎるというのを肌で感じ取っていた。
「……異変の時の霊夢と言えばさ。霊愛ちゃん、昔の霊夢にドンドン似てきたよねぇ。あの強気な所や、全てを破壊せんばかりの勢いと目付き、まさに昔の霊夢だよ。私は嬉しくなったね、最近の霊夢は妙に丸くなっちゃってるんだもの」
「そりゃ……子供も出来たしねぇ」
「そんな感じはしないけどなぁ……。フランと霊夢の初対面ってどんな感じだったのかしら……何か想像もできないわ」
「アレはもう凄かったよねー、霊夢〜♡」
「覚えてないわね」
「とか言っちゃって〜。……まぁいいや。ね、私さ、思ったのよ。この前は子供達のチーム戦が行われたでしょ?じゃ、今度は大人達のチーム戦でもどう?面白そうじゃない?」
「……あんたが『大人』とか言っちゃう?」
「アハッ!霊夢、それ言えてる!フラン、この中で一番ロリじゃない!モルモーちゃんの妹みたい!」
「もう500歳超えてるんですけど」
「ん〜?私は万すら超えてますが〜?お子ちゃまな子孫が何か言ってるわ〜♪」
「「「…………」」」
モルモー以外の3人は押し黙る。それを言えば、幻想郷では多くの人妖がモルモーより年下になる。国は違えど、神々の時代から生きているのだから、それこそてゐや由緒ある神々と同年代なのだ。
「……チーム戦、か。親子対決でイイんじゃないの?各家庭毎のそれぞれの親子で組んでさ。エスカルゴ抜きよ?母親と子供達だけのチームで。どう?」
「「ぜっっっっったいにダメ!!」」
「え」
「アハハハハハハハッ!何よ何よ、フランちゃんも鈴仙ちゃんも秒で否定するわね!霊夢ドンマ〜イ!アッハハハハハ、おっもしろ〜!!」
「うっさいわねー……じゃあ聞くけどフラン、鈴仙、何がダメなワケ?頭ごなしに否定するくらいだし、マトモな理由があるんでしょうね?」
「いや……理由なんて考えるまでもないでしょ……」
「霊夢さぁ〜、自分達親子を客観的に見れないの?どう考えてもバランスブレイカーでしょ。もしその条件で開催するとしても博麗親子は参戦禁止だよ」
「はぁ?何でよ?」
「「あまりにも強すぎるからでしょ!?」」
「あらありがと、それは名誉な事だわ」
「少なくとも今の霊愛ちゃんは
「んー、親子で組むのも面白そうと思ったけどね。じゃあどうしようかしら?子供達ばかりが強くなる姿を見てて……ただ指を咥えて見てるだけのあんたらじゃないんでしょ?フラン?鈴仙?モルモーも」
「……まぁ、ね。そりゃあ、私も……とは思うけど。姪っ子のレーテがあんなに強くなってるんじゃあ、私としても置いていかれたくないし」
「そうね。巫月には、私でも本気も本気の超本気を出さないと勝てないくらい素の強さが離されてる。指を咥えて見てらんないわ」
「……じゃあさぁ、こうするのはど〜お?私達4人がチームとして組むの!」
「「「ええっ!?」」」
「そーねぇ……名付けて────」
◆
「何ぃ?女子会ィ?」
「あァそうだ。エスカルゴによると、外の世界では女友達がこうやって雁首揃えて集まる事を女子会と呼ぶそうだ。逆に、男友達が集まっても男子会とは言わないらしいがな。『集会』……らしいぞ」
「友達って間柄じゃないだろー、私と饕餮は」
「そうか?私は友達だと思っていたが、残念だな」
「こっ……小っ恥ずかしい事言うなよっ!お前とは、単なる同盟相手だ。それだけでいいじゃないか」
「フン、まぁ、それくらいがお前達には分相応か。ところで、駆翔坊ちゃんは何処に行った?ここ数日ろくに姿が見えないが?」
「あー、アイツなら三途の川だよ。最近は専ら特訓ばっかりしてる。今朝も『覚醒の兆しが見えた!』なんて言ってたが、何の事やらサッパリだな。まぁ子供の言う事だし、好きにやらせておくさ」
「ほー……
「だから女子会じゃないだろってー。まぁいいか。おいコラそこのお前達!饕餮の見送りだ、さっさとついてきな!」
◆
「あ゙ーっ!ゔーっ!女子会したいですぅ〜!!」
「また始まった。早苗さぁ、定期的に発作起こすのやめな〜」
「まぁまぁ。早苗も育児に仕事に奔走しているし、たまには息抜きも必要だよ。早苗、女子会とやらを開きたいのならいつものメンバーでもここに呼べばいいじゃないか。霊夢とか魔理沙とか妖夢とかさ」
「魔理沙さんは兎も角、他の人はダメですぅ〜!」
「どうして?」
「なんかもー、女子会って感じじゃないんですよ!だってもうそれ
「実際年取ってるし仕方なくない?」
「こ、こら諏訪子っ……」
「あーあー聞きたくないですううううううっ!!」
「見た目だけならJK時代と大差無いし別にイイと思うけどなー。年齢なんてさ、早苗が思ってるほどそんなに大事なモンじゃないよ。毎年無意味に1つ加算されていくだけの、ただの数字さ」
「諏訪子の言い方はどうかと思うが、一理あるとは私も思うぞ、早苗。今の早苗は人間じゃなく神だ。人間の信仰心のある限りは不老不死に等しいんだ。年齢を気にしたって仕方のないことだと思うよ?」
「そうですけどー……今の私、実年齢で言えばとうに中年のオバサ……」
「やめろ早苗、それ以上言うな!これ以上はお前のメンタルが保てなくなるぞ!」
「大丈夫ですよ神奈子様……こんなのはただの事実の確認でしか……ありません……から……」
「ウワーッ!早苗が倒れたー!諏訪子、担架だ!」
「落ち着きな神奈子、ここは自宅だ」
「はっ!そ、そうだったな!おい樹理愛、布団だ、布団を持ってきなさい!」
水面下で少女達の計画が動き出す────。