霊夢達の試合の後、霊夢は何やらモルモーに軽く説教をしていた。その話を聞くに、ルールについてらしい。
時間停止中に攻撃を加える事は、弾幕ごっこでのルールで言うとあんまり褒められたものではない。弾幕ごっこというよりは弾幕格闘の方のルールだと霊夢は言っていた。
尤も今回はどちらのルールとも明言していないし大会の進行上では弾幕格闘のルールだと捉える方が自然でもあるので、今回
つまり、不確定な状況で危うい行動は避けた方が賢明だと、そう言っているようだ。
「……ふぅ……」
「お……おかえり霊夢。……見てたよ」
「分かってるわよ」
「……」
「……何か言いたい事、あるんじゃないの?」
「あ……まぁ、な。……いつの間に習得したんだ?」
「ついこの前よ。ほら、モルモー達とはたまにお茶してるって前に言ったでしょ。その度にね、鈴仙やフランにも練習相手として付き合ってもらってる。お陰で、まだレーザー攻撃だけだけど、それくらいだったら習得できたわよ」
「……凄いね」
「別に。アンタが魔法の特訓を頑張っているから、私もやってみようかなって……興味本位でそう思っただけの話だから」
「そー……なのかー……」
すると、そこに、次に試合を控えている魔理沙がやってきた。いつも通りの、不敵な笑みを湛えて。
「よぅ霊夢、見てたぜ!まさか吸血鬼の能力を解放してる状態だと魔法が使えるなんてな!というか、モルモーが言ってた『霊夢の想う魔法』ってのは、一体どういう事だ?霊夢にとっての魔法ってのが、あのレーザー攻撃ってコト……だよな?」
「だったら何よ」
「いや……名前からも思ったが、まさか私のマスパを意識してるのかなって思ってさ」
「べ、別にっ……い、意識してないわよ!長年ずっと見てきたから、勝手にイメージが固定されてたってだけなんだから!!」
「私のマスパが霊夢の中の『魔法のイメージ』か。へへっ、なんか有難いな!」
「んなっ……い、いいから、さっさとステージ行って戦ってきなさいよ!」
「はいはいっ♪」
────今、俺が目にしたのはもしやレイマリか。いや、レイマリでなかったら一体何なんだろうか。思わず溜め息が出る。目の前で拝めて感激の至り。もっと遠目から眺めていたくなる。
「何ニヤニヤしてんのよアンタは!バァカッ!」
「……へへっ」
魔理沙はアリス姉ちゃん、パチュリーと組んだ。親族枠は言わずもがな、アリス姉ちゃんだ。そしてそんな三魔女の相手は────速度に取り憑かれた、あの親子だ。
「さぁさ、2試合目いってみよー!今回はこちらのチームが戦うよ!!」
「まずはコチラ!『マジカル・ガールズ』!チームリーダーは皆さんご存知のこの方だっ!!元人間、現魔法使い!脱人間からかなり経って老ける様子がまるで無い!!霧雨魔理沙さん!!」
「おいおい、例え人間でもまだそんなに老けてない年頃だろーよ」
「そんな彼女に従うメンバーはこの2人ッ!魔界の神様のお嬢様!アリス・マーガトロイドさんッ!!そして!操る属性は∞!?森羅万象、全て魔法にて操作可能!そんなチートな彼女は紅魔館の知恵袋!パチュリー・ノーレッジさんッ!!」
「どうせだったら人形操作の魔法についての紹介をして欲しかったけれど、まぁ、それはいいわ」
「……」
「よーし、張り切っていくぞ!パチュリー、お前ももっと声出してこーぜっ!」
「……相手が悪すぎる。やる気も元気も失せるわ」
「そうか?」
「そしてそして!そんな魔法使い達の相手は!!」
「遠路はるばるようこそ!畜生界最速最強ヤクザの親子!!『最速最強勁牙組』の2人だッ!組長、驪駒早鬼さん!若頭、驪駒駆翔くん!!」
「剛欲同盟の饕餮尤魔さんも参加予定でしたが急遽予定が入ってしまったとの事で、残念ながら今回は2人のチームになります!」
「相手は3人……人数では少々こちらが不利だが……いけるな、駆翔?」
「オウッ!人数で不利なんてのはいつもの事だぜ!俺の能力の餌食にしてやらぁ!!」
確か、今回に限っては子供の参加はあまり推奨はされていないが、それでも参加させるあたり、早鬼らしさを感じずには居られない。
にしても、駆翔の「能力」とは何だっただろう。早鬼と同じく、エグい脚力だった気がするが、少し見ない間にまた成長したのだろうか。
子供は知らない間に成長するものだし、短期間で成長していても不思議は無いが。
「……うーん。俺と駆翔ってそんなに似てないよな。あそこまで堂々としてられるトコは、幼いながらも素直に驚嘆に値するよ、ホントに」
「それは……お父さんも同じだと思うけどなぁ……。ね、お姉ちゃん達」
「だね。でもお父さんはまだナヨッとしてるとこもあるからねー」
「お父さんを子供にしてキリッとさせて、ちょっとワイルドにした感じ?それが駆翔って感じだよね。見た目だけなら」
「うんうん、見た目だけならね」
「だね」
確かに、あのワイルドさは俺には無いな、と少し肩を落とす。幼い頃からの環境だろうか。それが、俺と子供達とを決定的に分けている気がする。
俺なんかは、弟こそ居るがアイツは俺に守られるようなタマじゃない。そりゃ幼い頃は色々と庇った事なんかもあるにはあるが、そんなのノーカンだ。母に褒められたくて優等生を演じてはいたが、欲を押さえつけるのにストレスが溜まり……ちょいワルな友人とツルんで「遊んだ」事もしばしば。
霊魔は、圧倒的な強さを持つ母、姉2人に守られ何不自由なく成長してきている。それが逆に、彼の
「男らしさ」を欠如させている要因かもしれない。
恋夜は同じく圧倒的な強さを持つ母、優しい姉に守られてはいるようだが、共に生まれ育った双子の妹である綺愛羅を守るんだという自負もある。
虔魔は……フワフワしている。「殺す」時にしか、まともな顔を見せてくれやしない。
反面、駆翔は常にキリッとしている。負けても、勝っても、それは変わらない。極彩組との戦争にも参戦して幾らか勝ち星を上げたアイツだし、やはり表情には「自信」というものが現れるのだろう。
「……霊魔。もっと自信を持て。お前は強いよ」
「え?……あ……うん……?」
「霊愛や巫月に勝てなくてもそれは仕方ない事だ。だが男兄弟の中でトップに立て。お前なら出来る。伸び代は誰よりもあると思ってる」
「僕が……でも……妖舞お兄ちゃんと引き分けた……」
「バカ言うな、妖舞も並大抵の努力はしてねーよ。ハッキリ言って桁外れだ。魂魄流は俺には合わないけど……やっぱ魂魄の血が流れてるからかな、妖舞の肌には合っているらしい。……気を付けろよ、霊魔。数年後の妖舞は……今よりずっと、化けてるぜ」
尤も妖忌のレベルに達するには1000年は必要だと思うが、妖忌は、自分に掛けられた術、空気、時間なんかも斬ってしまう。空気を斬れば真空になり、時間を斬ればそれは最早
下手をすれば────妖舞が巫月や霊愛を下すかもしれない。恐ろしい事に、その可能性自体は大いにある。
「この戦いで勝利した方のチームが、2回戦目では
『サイキョウの4人』と試合することになります!それでは1回戦2試合目……始めッ!!」
驪駒親子が左右に散る。自慢のスピードを活かし縦横無尽に駆け巡ることで、魔法使い達を翻弄し、狙いを定めさせない。
そんな中、パチュリーは真っ先にスペカを宣言、発動する。
「土水符『ノエキアンデリュージュ』!!」
「咒符『上海人形』!!」
パチュリーは、圧縮した水による弾幕を放って、マシンガンの如き凄まじい勢いで前方を吹き飛ばしにかかる。凄い火力だ、壁に点々と穴があいていく。
アリス姉ちゃんはレーザーを上海から放った。
「来るぞ駆翔!」
「問題無ェッ!!」
「……ナイス誘導だぜアリス、パチュリー!いくぜ!邪恋『実りやすいマスタースパーク』ッッ!!!」
邪恋系の中で初歩の技で駆翔にトドメを刺そうとミニ八卦炉を彼に向ける。間髪入れずに、まず細いレーザーが導線として飛び出し駆翔に向けられる。
数年前、魔理沙がファイナルマスパをダブルまで増やしたときに、邪恋系もマスパ系の派生だからと並行して強化していると聞いている。
だからその気になればこれもダブルファイナルも可能なワケだが、相手が子供だからと容赦しているらしい。
「あっっ───」
「いっけええええええええええっっっ!!!!」
遂に放たれた、超強化されたマスタースパーク。導線の通りに真っ直ぐ駆翔へと向かい、彼を見事に仕留めた……と誰しもが思った、その時。
「────まいんだよォォォッ!!」
「!?」
溢れんばかりの白い光の中、駆翔が飛び出した。マスパが直撃する直前、真上に飛び出したようだ。当然、魔理沙も逃がすまいとマスパの方向を変え、空中の駆翔に当てようとする。
「甘い甘い!俺をタダのガキだと思ってると……自信喪失するぜっ!!」
自信満々な様子の駆翔は、なんと魔理沙のマスパから逃げるのではなく、逆に、マスパへと向かって急降下し始めた。
逃げる様子は無い。彼の動きはひたすら直線的でそれ以外に軌道が逸れる様子すら無い。おかしいと思いつつ魔理沙はマスパを放ち続けるが、次の瞬間駆翔はマスパの上に
「はっ……はぁ!?」
「マスタースパークに……乗っ、た…………?」
「何言ってるのパチュリー……空中に静止してるだけでしょ?トンボで言うホバリングよ」
「いいえ違うわ……。風と魔力の流れで分かるの……駆翔くんとマスパの距離はゼロよ!!足の裏だけど確かにマスパに触れている!ぶつかってるわ!!」
「な……っ!?」
「ど、どーゆーこった……!?」
パチュリーとアリスのやり取りを聞き、魔理沙が試しにミニ八卦炉を向ける角度を変えてみる。
すると、駆翔は「おっと」と軽くバランスを崩しながらも、マスパの上に乗って移動してきた。風に揺られる吊り橋に乗っているかのように……はたまた電車に揺られる乗客のように。
「確かにアイツ、
「……こっからが本番だっつーの……♪」
ニタリと口角を吊り上げて笑う駆翔。その直後、彼はマスパを踏み台に高々とジャンプする。すると彼が離れると同時に、マスパの軌道が湾曲し一気にステージの壁へとぶつかった。
「んなっ!?」
「魔理沙、マスパを止めるのよ!!」
「わ、分かってる!!」
もう少しで観客席を吹っ飛ばす所だったが、その直前でどうにかマスパを中断する。それにしても、今の現象、とてつもなく奇妙だ。
駆翔がジャンプした直後マスパの軌道は「へ」の字に歪められた。比類なき脚力にて、鉄骨のようにアッサリと曲げられたのである。
だがおかしい。「物質」として存在するからこそ鉄骨は曲げられるのだ。マスパは魔力の塊。つまり
「物質」ではないのだ。だから、物理的な力なんか加えたところで曲げられるはずが無い。
「ハッハッハッハッ!今のか、駆翔!今のがお前の言っていた『覚醒』かッ!!」
「そーだぜ、
「あぁ驚いたッ!ここ数年で一番の驚きだよ!私が番になったという現実よりも驚いた!!」
「へへっ!」
「何だと……?『覚醒』だと?何を言ってる早鬼!」
「そのままの意味だよ、霧雨魔理沙!教えてやれ、駆翔!お前の能力をッ!!」
「分かってるぜ母様!……聞け!これこそ、覚醒した俺の真の能力!《比類なき脚力を持つ程度の能力》転じて《踏み付ける程度の能力》だッ!!」
「
「そうだ!雑魚そうに聞こえるだろ!だが違うぞ!蹴る事も、全てが含まれてるからな!!」
黙って聞いていたパチュリーが、魔理沙の背後でアリス姉ちゃんにポソポソと耳打ち。どうやら何か作戦を思い付いたらしい。
「成程、合点がいったよ!さっき私のマスパの上に乗り、お前のジャンプと同時に、骨が折れたように曲がったアレは……それはつまり、強く踏まれたからなんだな!」
「正解だぜ!」
「そうかい、流石はエスカルゴチルドレンだ!ならこれはどうだ!光符『アースライトレイ』ッ!!」
ボボボボッと次々に地面から光の柱が噴出する。それは遂に駆翔の足元にまで到達する。しかし彼は動く様子を見せない。少々躊躇いながらも魔理沙は構わず技を継続。光は彼の全身を貫く────ことはなかった。
光は彼の足元で瞬いているだけ。噴き出さない。ましてや駆翔にダメージがある様子すらも無い。
「な……!?」
「驚くこたぁないさ。踏み付けてるんだ、そりゃあ当たらないよなぁ」
「っ……それも踏み付け判定かよ……」
「母様!今だ!!」
「ああ!よくやった!!」
「!?しまっ────」
駆翔が魔理沙を引き付けていた間、魔理沙よりも機動力の劣るパチュリーとアリス姉ちゃんへ向けて早鬼が蹴りによる攻撃を繰り出そうとした、まさにその時……。
「流石にそんなに甘くないわよ。完成版『ゴリアテ人形』」
「うっ────!?うがぁっ!!」
棍棒を装備したゴリアテが、早鬼を殴り飛ばす。その先にはパチュリーが蜘蛛の巣のように拘束用の魔法陣を広げて待機していた。
「な……う、動かないッ……磔にされた……のか!?」
「……ナイス囮よ、魔理沙」
「囮になったつもりは無いぜ!」
「けど、この中の誰より機動力に優れる早鬼を拘束するには、駆翔くんを引き付ける必要があったわ。早鬼に『この隙に!』と思わせなくてはならない。作戦通りだわ」
「私の自信は既にボロボロだがな」
「ふふ、良いじゃない。どうせ魔理沙のことだし、他にも手はあるんでしょ?」
「フン、当然だ!マスパは確かに私の代名詞だが、マスパだけじゃないって、見せてやる!!」
「いーや、それはどうかな?父様から聞いてるぜ、あんたは火力と速度に優れているものの、火力は、大半がマスパ頼りな部分が大きいってな!」
「ちっ、流石は自称元リケイダンシ?だな。観察は得意ですってか?……あァ、確かにマスパ頼りだよ、大半はな。だが、他にも私には高火力な技がある。見せてやるよ駆翔、そしてエスカルゴ!!」
そういえばここ数ヶ月、いや1年以上魔理沙とは戦ってこなかった。子供のように探究心や好奇心のある魔理沙なら、子供のように成長していても別におかしくはない。
「喰らえ。魔廃『ディープエコロジカルボム』」
ポイッとゴミを投げ捨てるかのように壺のような瓶のような物体を投げる。
(?……何だ?ゴミ……なわきゃねーよな、そんなのブン投げて何の意味が────)
「爆ぜろッッッ!!!!」
すると急激にその容器の内部で魔力の『圧力』が高まる。ピキッとヒビが走った瞬間に……駆翔は瓶に足を乗せ爆発を封じ込めた。転がってきたサッカーボールを静止させるかのように、事も無げに。
「な……う、そ……だろ……!?」
「ビビッた……いやマジでビビッた!爆弾かよオイ!もう少しで爆発するトコだったじゃねーか!?」
「もう少しって────いや、
「……不発弾だぁ?それじゃあ俺が、不発弾なんかにビビッたクソチキンヤローになっちまうだろーが!自分の爆弾が不発弾なのかどうか、自分で確かめてみやがれェ!!」
「!」
「蹴符『カウンターストライク』!!」
「しまっ────ギャッ」
足で止めていたその魔法瓶爆弾を魔理沙目掛けて蹴り飛ばす。彼の能力で
「嘘でしょ……!?まさか魔理沙が最初にダウンするなんて……」
「……まだダウンと決まった訳じゃないわ。傷が深いだけかもしれない。ともかく、私は魔理沙の治癒を試みるから、アリスは攻めなさい」
「分かったわ。魔理沙は任せたわよ」
「言われなくともそうするわよ。このチームの最大火力の持ち主は魔理沙なんだからね」
かなりの威力だ。俺や建御雷の落雷のように地に穴をあけている。こんな爆弾をホイホイ作れるとは流石は魔理沙。技だけでなく道具にも造詣が深い。
そしてパチュリーは魔理沙を膝枕して治癒魔法をかける。流石にパチュリー程の魔法の使い手ならば治癒の進みが早い。
「クソ、動けない……。駆翔ォ!次はパチュリーだ!優先すべきは人形使いじゃあない!!」
「了解ィ!」
「させないわ」
「させてもらうぜ!!」
「何ですって……避けてパチュリー!!」
「……!!」
多くの人形を駆翔に差し向ける。しかし駆翔は、魔法の糸を踏み付け、蹴り飛ばす事で人形の軌道を歪め、2人の魔女を同士討ちさせる。
「────月符『サイレントセレナ』」
地面から月属性の弾幕を放ち自分に向かってきた人形を撃ち落とす。駆翔はそれを見て、一筋縄ではいかないもんだと小さく舌打ちをする。
「チッ、余計な事を……でもよォ!人形の数からして撃ち落とす必要は
「「!」」
「花火の時間だ……ド派手にいこーぜ!!」
「な……自分から飛び込むつもり……!?発射前ならともかく、発射中よ!?」
「迎撃よアリス!」
「わかっ……」
「邪魔だァ!うおおおおおっっ!!」
弾丸のようにアリスの弾幕の中を突っ切る駆翔。やがてサイレントセレナの中に飛び込む。そして、全身にダメージを負いながらも、真下から放たれる弾幕を前後構わず蹴り飛ばす。
「おりゃああああああああああああっっっ!!!」
「他人の弾幕をそのまま自分の攻撃に変換してる!なんて子……こんな、こんなのって…………!!」
「アリス!私の事は良いから自分の防御を!!もうセレナは止めるから私は────」
「……ん……うっ……」
「魔理沙!……良かった、やっぱり傷が深かっただけだったのね」
「ちょっとトンでたけどな……」
ゴリアテを盾にして駆翔の攻撃からパチュリーと魔理沙を守るアリス。そんな中で、やっと魔理沙は目を覚ました。
超火力、速度の魔理沙。未だにパチュリーに拘束されている早鬼は焦りを露わにする。
「駆翔!まずいぞ!先に魔理沙を片付けろッ!!」
「つってももう
「チッ、お前はカウンター型だからな……。なら先にパチュリーだ!パチュリーを倒し私の拘束を解け!それならできるだろう!!」
(それなら出来るぜ……!!パチュリーが近接戦闘が苦手なのは紅魔館で生活してりゃよく分かる事だ!父様には悪いけど、まずはパチュリー……あんたから倒させてもらう!!)
駆翔はゴリアテを大きく迂回し、一気に攻める。
アリスはゴリアテの陰に隠れていて反応が遅れ、パチュリーは魔理沙を膝枕していたので回避不能な状態。そして魔理沙は……。
「────サンキュ、パチュリー。もう動けるぜ」
「大丈夫なの?」
「ああ。この一撃で……駆翔、早鬼……驪駒親子を、同時に倒すッ!!」
「同時に、って……まさか!」
「ああ、
「それを待ってたァ!!」
「「「!!?」」」
「能力をォ……全開で発動して、返してやるァァ!!蹴符『カウンターストライク』ッッッ!!!!」
「嘘っ……魔理沙ぁ!!」
「せめて私がカウンターを仕掛け────」
「いや、やめとこう。……参った。甘く見てたよ」
「……魔理沙……」
カウンターしてもきっとキリがない。そう感じた魔理沙はカウンターしようとするパチュリーを止め今度は自分が2人を守る為に前に立つが、魔理沙のそんな想いも虚しく、3人まとめて魔理沙の光線に吹っ飛ばされてしまった。
「『二兎を追う者は一兎をも得ず』ってヤツだぜ!半端な強欲は身を滅ぼすっつー、イイ例だ。やっぱ強欲になるなら……振り切れてねーとな」
「ヘヘッ……参った……な…………変身、しときゃあ……良かった、ぜ…………」
恐らく、羽根魔理沙に変身していれば駆翔だってカウンター出来なかっただろう。しかし彼の強さを甘く見積もり、変身しなかった事で、三魔女は本来勝てた相手にも関わらずやられてしまった。
やはり「
「い……意外や意外!まさかまさかの大逆転劇ッ!!殆ど動けなかった母に代わり、息子・駆翔くんが、所狭しと大暴れした結果……!!」
「毎度異変の解決に乗り出す、弾幕ごっこの熟練者である魔理沙さんが……!」
「アリスさんやパチュリーさんまで……」
「「やられてしまった〜〜〜〜〜っっ!!!」」
負けたのは変身しなかったせいだというのは多分事実だ。パチュリーも早鬼を拘束するだけで駆翔の弱点を突く攻撃をしなかったし、アリス姉ちゃんもゴリアテを暴れさせる前に倒された。
なんというか、「相手が本気を出す前に倒す」を徹底した────とでも言うべきだろうか……。まさにその戦術を徹底したお陰で驪駒親子に勝利の女神が微笑んだような気がしてならない。
それでも、駆翔が活躍したのは事実だ。一先ず、彼を労う事にしよう。
今回、恐らく初めてこの作品で取り扱った魔理沙のスペル「魔廃『ディープエコロジカルボム』」は、非想天則のスペル説明にて「自爆に絶対注意で」とあるんですよね。
アーケードモードでプレイしていて、試しに自分で喰らってみました。思っていたよりもずっとデカいダメージでしたね。
流石、説明に「研究の末に完成した、魔法瓶爆弾の最終完成系と言えるシロモノ」と書いてあるだけの事はありました。