「────なさい。……さっさと起きなさいっての」
「ビンタで起こすんじゃあねーよぉ……フツーそこはおはフェラだろ……へぎゃっ、ぎゃああッ!?たっ、タマにデコピンするヤツがあるか!!」
「なに寝惚けたこと言ってんの?太くも長くもないその棒、踏み潰されたい?」
「どうぞ踏んでください」
「……このクソドM」
目が覚めると、俺は博麗神社の寝室で寝ていた。どうやら誰かに運ばれてきたらしい。まあ、結果は聞くまでもないだろう。自分の負け話なんて、誰も聞きたくない。
「結果はアンタの負けよ」
「知ってるわ」
言いやがった。言わなくても分かっているのに、わざわざメンタルに追い討ちかけてくるとは流石は霊夢、流石は俺の嫁。褒めるしかない。
「あっそう。『全力を尽くして勝ったぜ』みたいな顔して寝てるから、てっきり勘違いしてるかと」
「どんな顔だよ。……全力を尽くして負けたんだし、気持ち良く眠れるってもんだよ」
「ふーん……?そういうものなの?」
「知らね。相手が霊夢だからじゃねーの?」
「何よそれ」
クスッと静かに笑う。我が嫁ながら本当に可愛いものだ。何年見ていてもやっぱり飽きない。今すぐ押し倒して、ボテ腹セックスがしたい。
笑顔で俺をムラムラさせられる女子なんて霊夢やフランくらいだと思────。
「っ……!?」
「……?何驚いた顔してんの」
「いや……別に……」
突然キスされて驚かない方が無理だ。しかも、今俺は「霊夢は可愛いなぁ、セックスして〜」などと思春期の中学生のような事を考えていたのだから、そんな思考中にキスされれば、流石に驚くし、困惑してしまう。
「キスしたそうな顔してたから、シテあげただけ。他意は無いわ」
「……そっ、か。サンキュ。図星だったよ」
「嘘。また私に嘘つくつもり?」
「ん……セックスしたい」
「……イイわよ。私もやりすぎちゃったしね、これで仲直りって事でいいわよね。『仲直りックス』って言うんだっけ?」
「やり過ぎたって?……寝込みを襲ったりしたの?」
「そういう意味じゃないわよ。アンタじゃないし、そこまでしないわ」
「じゃあどういう意味だよ?」
「……アンタ、昏睡してたのよ。ローテ1回分もね」
「は、はあぁぁっ!?ローテ1回分ってそりゃあ……まさかとは思うが12日って事かよ!?」
「あ……14日だわ」
「2週間!?2週間も寝てたの、俺!?」
「へカーティアが言うには……『魔力と霊力が完全に0どころか、マイナスまでいってる』らしくて……。あと『これから使用、回復する数日分も一気に放出したから、完全回復するまで起きないわ』って……。だからその……ごめんね?やり過ぎたわ」
「いや……勝手に力を使ったのは俺だし、謝ることはねェよ」
「あっそう、じゃあ謝らなくて良かったわね」
「……。霊夢は?何とも無かったのか?」
「ええ、私はね。魔力は普段から抑え付けるようにしてるから、容量以上に溜め込んでるの」
合点がいった。そりゃ、ちょっとした事で勃起もするワケだ。14日もイッてないなんて、ハーレムの完成以降は一度もないのだから。昏睡してたのならオナニーすらしてないし、そりゃ笑顔で勃起もするだろう。当然だ。
「ただ、モルモーには怒られちゃったけどね」
「え?」
「最後、吸血鬼の能力を引き出したでしょ」
「あぁ、いつの間にか禍霊夢に変身してたな」
「1日に何回も変身しちゃったせいで、力の制御ができなくなっちゃったの。だから私はアンタの力を封じ、アンタはそれを拒み、限界以上に無理に力を引き出した結果が……これ。実は、モルモーに変身を控えるように言われてたのよね……。妖忌との戦いの時点で既に心配されたけど、その次でまさか……ね」
「ま……霊夢が無事ならそれでいいんじゃね。んじゃとりあえず、トイレでも行ってく……んぁ?」
「?どうしたの?」
「いや……パンツの中に違和感が……」
カピカピしている感覚が股間にある。例えるなら精液が乾いて皮膚に張り付いている、あの感じだ。
そして、そう言うと霊夢の目が泳ぎ始めた。絶対何か知ってる……いや何かしているはずだ。そういう目をしている。
「霊夢、何を────」
霊夢を問い詰めようとしたそのとき。寝室の襖が開き、子供達3人が、ワッとまとめて入ってきた。
「はいお母さん嘘吐きました〜!!めっちゃ堂々と嘘吐きました〜!!」
「バレバレな嘘は良くないよ〜」
「……僕もそう思う」
「あ、あんたらね……いいからあっち行ってなさい!修行でもしてきなさい!」
「ねーねーお父さん聞いて聞いて!お母さんねー、お母さんねー、こんなこと言ってるけど、三日三晩お父さんとエッチしてたからね!」
「霊愛ッ!」
「寝る時もお父さんの布団で寝てたしね〜」
「れ、霊麗っ……」
「たまに出てきたかと思えば『二度と目覚めないんじゃないか』、『どうしよう』って、魔理沙さんに泣きながら相談してたくらいだし……。何回もね」
「霊魔、あんたまでっ……」
いや本当に可愛すぎる。そこまで心配なら、俺の心臓を破壊すれば良かったのだ。それで肉体は一度リセットされるのだから、問答無用で生き返れる。昏睡から目覚める。
それもしないで魔理沙に相談したり、泣いたり、しかも逆レ睡姦だなんて……推せる。霊夢のことだ、俺を殺すという手段は思い付いても実行しなかっただろう。
「……あ、あのねっ、違うからね?子供達がその〜、勝手な事を言ってるだけでさ……」
「あー誤魔化した〜!」
「私達が嘘吐きって言いたいの?」
「また誤魔化した」
「あうぅ……えっとその……」
「……いや、俺も霊夢の寝込みを襲ったりしてるし、お互い様って事で。うん。それでいいでしょ?」
「そ、そうね!うん!」
霊夢は腹を抱えて顔を赤くしている。きっと俺の顔も彼女と同じくらいに……いいや、それ以上に赤くなっているんだろう。
「……この夫にしてこの嫁あり。そんな感じするね。悔しいけどさ」
「……だね」
◆
「ところであんた達?どうして私がアイツの寝込み襲ってるって気付いたのよ?まさか覗いてたの?」
「するワケないじゃん。声が漏れてたんだよ?」
「防音の結界は忘れずにしてるわよ」
「お母さんまさか気付いてなかったの?完全に防音できてるのはお父さんが結界を張った時だけだよ」
「……えっ。嘘でしょ……流石にそれは……」
「嘘じゃないよ。お母さんが1回気絶するか寝落ちすると勝手に解除されてるんだよ?」
「はぁ!?え、じゃあエスカルゴの結界は!?」
「お父さんのは大丈夫。お父さんが寝ても、気絶?しちゃっても大丈夫。防音できてるよ。お父さんの方が
「……嘘でしょ……この私が……結界の扱いでアイツに負けてるなんて……。…………って、ちょっと待って?なんで、アンタらは『防音できてるとき』と『防音できてないとき』の両方のパターン知ってんの?」
「「あっ」」
「やっぱ覗いてんでしょーがぁっ!!このバカ娘!なーにが『するワケないじゃん』よ!?ガッツリと覗いてるじゃないの!ガッツリと!!」
「ち、違うってば!ねぇ霊麗!」
「う、ううううん、そ、そうそう!ね、霊魔!」
「……お姉ちゃん達。流石に誤魔化せないよ。だから僕は、何にも言ってないのにさー……。2人が勝手に喋っちゃうんだもん」
「ほら見なさい!霊魔は正直でよろしい!」
「「霊魔ぁぁ〜〜〜っ!!」」
「え、な、何……なんで怒るの?お父さんに『お前は正直で居ろよ、さもないと俺みたいになるぞ』って言われてきたから……いつも正直で居ようと……」
「「「…………」」」
「……さて、霊愛、霊麗?お仕置きという名の地獄の修行を始めましょう……本気で相手してあげるわ♡」
「「ひっ……」」
「表に出な!夕飯時までビシバシとイクわよ!!」
「「ご、ごめんなさいぃぃ〜〜〜っ!!」」