※この作品はR-18です。

吸血鬼人間の幻想生活   作:エスカルゴ・スカーレット

1073 / 1140
博麗一家、決断

 時を止めたままモルモーと博麗神社へ移動する。時が止まっているので当然だが、博麗神社は先程と変わらず倒壊したままで、霊夢も、全身の穴という穴から血を吹き出したまま赤子を抱き抱えていた。

 

「うわ〜悲惨……神社もほぼ吹っ飛んでるし、これはヤバいでしょ……。これを赤ちゃん1人でやったってコトなの?どう見ても子供達が喧嘩したようにしか見えないんだけど」

 

「悲しいかな、これが現実だ……。赤ちゃんが1人でやったんだ……」

 

「ふーん……ところで名前は?」

 

「それがまだ決まってなくてよ……候補は3つあるんだが。今日と明日で、今回は家族全員で話し合って決めようとしてた所だったんだよ」

 

「成程、そしたらこんな事態になった、と。こりゃ悲惨としか言いようがないわね。とりあえず、停止解除してくれる?その直後にあの子の時間のみ加速させちゃうからさ」

 

「…………ああ」

 

「何よ煮え切らない態度ね。まさかこの期に及んで躊躇ってるの?」

 

「う……」

 

「しゃーないわねぇ。じゃ、エスカルゴくんが時間停止を解除した瞬間、私があの子の時間を止める。だからエスカルゴくんは、ちゃっちゃと家族全員で話し合いなさい。そんで結論を出しなさい。さっき紅魔館で話し合ったのなんて、言い方は悪いけど、エスカルゴくんの独断でしょ」

 

「っ……」

 

「ま、私については安心なさい。モルモーちゃんは優秀ですしぃ?停止に限っては消費魔力なんて皆無同然!好きなだけ話し合っちゃえばいいわ」

 

「……すまねえ」

 

 時間停止を解除。間髪入れずモルモーは赤ん坊の時間のみを完全に停止させる。霊夢は一瞬で状況を理解し、恐る恐るではあるが手を離した。赤ん坊は空中にて静止し、完全に動きを止めている。

 

「……ちょっと、何でモルモーが居るのよ」

 

「現状打破の為、かしらぁ?可愛い子孫が悩んでるからねぇ、手を貸してあげるってエスカルゴくんに申し出たのよ」

 

「エスカルゴ……何か策はあるの?」

 

「……主に3つ。だがこれは、霊愛達も含めて全員で話し合うべきだと思い直した。だから、モルモーにあの子の時間のみを止めてもらった。そうでないと被害が出たままになるからな。眠らせても、耐性が出来ちまったら……な……」

 

「一時凌ぎの手は幾つかあるのにね。まぁいいわ、霊愛達を呼んでちょうだい」

 

 位置は既に把握済み。後は《異世界へ行く程度の能力》の応用で、俺ではなく相手の方、つまりは、避難してもらった子供達の方を召喚してやる。

 

「うわっ!」

 

「ビックリした〜……」

 

(何でモルモーさん……?)

 

「3人共、よく聞いてね。あの子についてだけど……これからどうするのか(・・・・・・)、話し合うわよ」

 

「は?どうするのか?……って……お母さん?何を……言ってるのか分からないんだけど……?」

 

「まさかとは思うけど……殺す事も視野に入れてる、なんてことはない……よね?」

 

「それは無いわ。ただ、眠らせたり気絶させたり、もしくは闇を吸ってもらったりとかの一時凌ぎしか対処法が無いのが現状よね。だけどあの子は私達の娘。私達が育てる。……そうしたいけれど、このまま暴走させたままでは住む場所すらままならない」

 

「じゃあどうするの?」

 

「エスカルゴが幾つか案を用意してくれた。だからその中のどれを実行するのか、もしくはもっと良い案が他にないか、話し合いましょう」

 

 霊夢、子供達、追加でモルモーの視線が集まる。口に出す前に頭の中で反芻するが、どれもこれも、現実的ではない。それどころか……。

 

「────まず、1つ目。能力というか、アレを制御できるようになるまでは、真宵に博麗神社に住んでもらう。ただし、真宵にはかなり無理をさせる事になる。生活リズムをピッタリあの子に合わせなきゃ意味が無いからだ」

 

「「「「論外でしょ」」」」

 

「同意見だ。2つ目、制御できるようになるまでは俺も博麗神社に住む。これまではある程度の自我が芽生えるまでだったが、今回はそれに加えて制御ができるようになるまで、だ。勿論、俺が無理をする分には構わない。寝ていようとも、起こしてくれて構わない。これが一番現実的な案だな」

 

「「「「…………」」」」

 

「3つ目。これが本命だ。モルモーにあの子の時間だけを加速してもらい、俺が母さんから力を借りて人並みの知能っていうか……まぁその辺の事を整えてすぐに意思疎通が出来るように成長させる」

 

「能力を封印は出来ないの?」

 

「流石に霊愛ならそこに思い至るよな。母さんから力を借りて、しかも霊夢と重ね掛けしようとしたが封印は受け付けなかった。能力剥奪も無理だ」

 

「そんな……」

 

「以上の事から、時間停止中に紅魔館で話し合って2つの仮説が出た。1つは、あの子は無能力者で……つまり能力を持たないで生まれてきたって仮説だ。もう1つの説は霊夢から《空を飛ぶ程度の能力》を継いで生まれたはいいものの、生まれつき、能力が覚醒している……というものだ」

 

「なッ……そ、そんなの有り得るの!?いや……絶対無い!無いから!あってたまるもんですか……!」

 

「霊愛と同意見よ。私だって子供の頃なんか能力をまともに扱えなかった。制御で精一杯だったのよ?そんな私から言わせりゃ、既に覚醒させてる霊愛は贔屓目抜きで天才よ。それなのに、赤子で覚醒既にさせているだなんて、仮説でも面白くないわね」

 

「……まぁこれは予想の範疇を出ないからな。本題はそこじゃない。能力の封印も剥奪も無理と確定した現在、あの子をどうするか?……だ。言っておくが、地下に幽閉なんて事はしないぜ」

 

「「「「それは勿論」」」」

 

「だから俺は、ある程度の自我が芽生えるまで成長させるのが子供の為にも良いと思う。母さんからの力を借りて知能を発達させるとはいえ、あくまでも

『人並みの知能』しか与えない。だからそれをどう成長させるかは、本人の意思任せ。正直に言うと、かなり不安だよ。真宵が言うには、あの子には既に悪意というものがある。だから、この案を採用して成長させた場合、能力の使い方を理解して、暴れるかもしれないんだ。だから、それも込みで考えると2つ目の案が一番現実的なんだ。……ここまで聞いて他に良い案が思い付いたら、教えてくれ」

 

 4人は黙り込む。モルモーは、既に答えは出てるだろうに、とばかりにわざとらしい溜め息をつく。霊夢すら口を噤む中、霊愛は重々しく口を開く。

 

「……成長、させよう。お父さんだからってそんなに無理させられない。次は幻月の出産も控えてるのにお父さんを引き止めてられないよ」

 

「幻月は……まだ大丈夫だ。あと1ヶ月半から2ヶ月くらいの余裕はある」

 

「そうは言うけど、その期間でこの子が幼いままに能力をコントロール出来るようになると思えない。ましてやもう悪意があるなんて言われてるのにさ。そんな不安定な状態にするんならお父さんが知能を吹き込む事で矯正すればいいじゃん」

 

「……だそうだ。霊夢、霊麗、霊魔はどう思う?」

 

「正直、私は迷ってるわ。だってそれ、ある意味で洗脳みたいなものでしょ。赤子の身体のまま知恵を与えると、能力が不明な以上、どんな反動があるか分からないから身体も成長させるってのは分かる。でも、それだったらエスカルゴに居てもらった方が合理的な気もするのよ」

 

「それ、お母さんがお父さんを手元に置きときたいだけでしょ」

 

「は?違うからね?こんな状況でそんな事を考えるように見える?見えるから言うんでしょうけどね、バカも休み休み言いなさいよ?」

 

「子供の自主性に任せた方が合理的でしょ。てか、お父さんに無理させすぎじゃないの?」

 

「エスカルゴが無理上等だっつってんだから、別に任せてもいいでしょ?ねぇ?」

 

「お、おう」

 

「ほら見なさい」

 

「……霊麗!霊魔!お母さんに言ってやりなよ!」

 

「私も……お父さんには無理させたくない、かなぁ」

 

「僕も同意見かな。大丈夫だよお母さん。成長さえさせちゃえば言葉も通じるようになるんだからさ、僕達でも何とかできるよ」

 

「〜〜〜〜〜〜ッ…………分かった、じゃあモルモー任せたわよ。でも、妹なんだから、あまり成長させ過ぎないでよね。せいぜい霊魔と同程度にして」

 

「ハイハイりょ〜か〜い。じゃ、成長させるわよ」

 

 モルモーによる赤子の時の加速が始まる。同時に俺も再度擬似神化し、母さんから力を借り、知能を発達させていく。

 産着を着た赤子からスクスク身体を大きくさせ、小学校低学年程度の霊魔と背格好が同程度になる。続けて、産着は成長に伴って破けてしまったので、モルモーが創造魔法にて白い薄手のベビードールを着用させた状態で創造した。

 人間で言うと5、6歳頃だろうか。霊魔も成長しこれくらいになると双子に見えなくもない。

 因みにこの赤子……いや少女は、髪が1m近くまで伸びていた。身長は125cm辺りで、髪がもう少しで地についてしまいそうだ。ここまでのロングヘアーなんて見たことない。後で少しだけ切る必要があるだろうか。

 

「よし、老けさせるのおーわりっと。時間停止解除したい時は言ってねん♡」

 

「ちょ、ちょっとモルモー、うちの子になんて格好させてんのよ!?こんな変態みたいな……!」

 

 白キャミソール……現在のモルモーとお揃いだ。

 きっと、モルモーのことだし、特に悪気は無く、純粋に似合うと思って着せたのだろう。実際、俺は似合うと思うし、可愛いと思う。

 

「え?いいじゃない、キャミソール可愛いでしょ?私の普段着よ?」

 

「あのさぁ……」

 

「あ、お母さん、お父さん。この子の名前は?」

 

「名前、候補はあるのよ、3つ。ね、エスカルゴ」

 

「ああ。……霊子(れいこ)、霊子(りょうこ)、霊夜(レイヤ)……の3つなんだが、どうかな。霊夜は霊愛と似過ぎてるから、実質2択なんだけどね」

 

「妹だし、私達姉妹に合わせるって事でレイ読みでいいんじゃない?」

 

「私もそれがいいと思う」

 

「僕も。弟ならリョウ読みでいいんじゃない?」

 

「うん、もし弟なら霊に夜で霊夜(リョウヤ)って名付ける予定だったよ。……じゃ、霊子(れいこ)で決定だな?」

 

「そうね」

 

「「「うん」」」

 

「……話は纏まった?それじゃあ時間停止解除〜!」

 

 モルモーは元気よく子供の時間停止を解除した。フワリと境内に降り立った霊子はちょっぴり怯えたような表情でその深紅の瞳を覗かせる────。

 

【挿絵表示】

 




アルビノ、突然変異の象徴みたいな感じですよね。



吸血鬼霊夢をAIで作ってみました。
https://youtu.be/qWnXBlVnrC8

吸血鬼咲夜さんをAIで作ってみました。
https://youtu.be/dPzTZFxDAjM

守矢神社メンバーをAIで作ってみました。
(微エロあり、OP、EDあり)
https://youtu.be/2MkefhX9rWI

レイセンを無理矢理AIで作ろうとしました。
https://youtu.be/SCpq5i22wQo

OP、EDの虔魔と駆翔がカッコよすぎで好き。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。