朝。いつも通りの朝がきた。昨晩は、博麗神社が吹っ飛ぶような事件があったが……ともかく、家族が全員無事に朝日を拝めてよかった。吸血鬼が朝日を拝むというのはおかしい気がするが。
「ふわぁ〜……ねっむ……って、お父さん?早いね、もう起きてたの?」
「おはよう霊愛。なんか、よく眠れなくてな」
「そっか。私もなんだよね。……お母さんは?」
「紅魔館だ。さっさと飯食って……そうだなー、もう1時間くらい前に出発したよ」
「早くない?ガッツリ朝方じゃん」
「邪魔が入らないように早めにしたんだよ。実は、昨日の夜の内にアポは取ったんだよ。そんでもって予定通り朝早くレミリアに会いに行ったんだよな。あの子について……な」
「あー……運命を視てもらうんだ」
「だと思うぜ。能力を鑑定するだけなら、母さんに聞けるからな。それに、母さんなら魔界に行かずに俺を通してでも話せるし。……能力が無いって予想、当たってるのかな……」
「……?どうして?」
「《空を飛ぶ程度の能力》でも封印だの剥奪だのは通じないかもしれないだろ。だから俺は、あの子も能力はあると思ってる」
「まぁね。実質《縛りを受けない程度の能力》とかそんな感じだもんね。言い換えただけでさ」
「そうそう。よし、それじゃ霊夢が戻ってくる前に朝ご飯にしよう。さっさと片付けたいしな。霊愛、温めてくるからその間に3人を起こしてきてくれ」
「はーい」
今、自分で発言して気付いた。博麗神社における子供は現在4人……多くなったものだ。これまでは、各家庭1人が普通だったのに、いつの間にか一部の家庭では2人に、そしてこの博麗神社でのみ3人になったかと思えば、今では4人とは。
俺と霊夢の出会い方からだと、とてもではないが微塵も想像もできない現実だ。
「おはよ〜」
「おはよう霊麗。……あれ、あと2人は?」
「霊魔が布団に潜って出てこない。霊子は着替え」
「霊魔はいつもの事として、霊子、早速着替えか。しっかりしてる一面もあるのな。朝飯くらいなら、パジャマで食べたって良いだろうに」
「お父さんがそんな風に仕込んだんじゃないの?」
「俺は知能を与えただけだっての。そんな、毎日のルーティーンみたいなのに関しては完全ノータッチだからな……。自発的にやってるんだろうよ。霊夢がそんなのを教えるはずも無いからな」
「ほへ〜」
「ほれ、さっさとトイレ行ってきな」
「うん」
霊麗は、そんなに朝に弱いというワケではない。霊愛と霊魔だけが、何故だか朝に弱いらしい。特別低血圧というワケでもないようだし、医学的な理由などは無く、単純に目覚めが悪いだけなんだろう。
「ふぁぁ〜………………おはよぉお父さぁん……」
「おはよう霊魔。相変わらず朝に弱いなぁ。……ん?生欠伸?目にまつ毛でも入ったのか?取ろうか?」
「ん……いや……そのさ……あのね……僕のちんちん……おっきくなっちゃって……それで、隠れてて……」
「それで眠かったアピールしたのか。大根役者め。朝勃ちはしゃーねぇな。霊愛には、後でそれとなく注意しとくよ」
「ありがと……お願い」
「シコって無駄撃ちするくらいなら、さっさと朝飯食ってさっさと紅魔館に行ってこい。シガレットに思い切り
「お、お父さんっ!!」
「あとトイレは霊麗が行ってるぜ」
「えー……んじゃ順番待ちかぁ」
「霊子はまだか?」
「あー……リボン結ぶのに苦戦してたよ」
「霊子、かなりロングだからなー」
「うん。霊愛お姉ちゃんが手伝ってるみたい」
「成程」
呼びに行った霊愛が戻って来ないのは、リボンを結ぶのを手伝っているからという事らしい。ミイラ取りがミイラになっているワケではないようで安心してしまった。
「戻ったよお父さん」
「おう。霊子のリボン手伝ってやったんだってな。霊魔から聞いた。ありがとうな」
「ん」
「おはようございます」
「おはよう霊子。どうした、堅苦しい挨拶して」
「別に。それより朝ご飯なんだけど……」
「ああ、もう用意してある」
「……私、朝ご飯はいらないから」
「え」
「私は血が飲めればそれでいいから。コスパも良いでしょ」
「もう作ってあるんだが……。というか、霊子はまだ何も食べた事ないだろ?離乳食もすっ飛ばしてさ。何か食ってみれば?」
「いいってば」
「あっそう……でも血のストックなんて無いんだが。俺の血でいいのか?」
「不味そうだけどそれしかないならそれでいいよ」
「一言も二言も余計だぞ」
流石に苛立ちを隠せない。知能だけ与えてもまだ赤子同然なのだろう。ワガママなのは仕方ないかもしれない。しかし見た目年齢が小学生程度なのだ、精神年齢だってそれに伴ってそれくらいになってもおかしくないはずだ。
恐らく、この一言も二言も余計な発言はこの子の本来の性格の表れなのかもしれない。虔魔のような未来を歩みそうで怖いが……果たして。
「そうだよ霊子、お父さんだって本来夜行性なのに早起きして朝ご飯作ってくれてるんだからね」
「頼んでないし」
「……霊子。言って良い事と悪い事があるでしょ」
「事実でしょ。出されても食べないから」
「あのねぇ……!食わず嫌いはダメなんだからね!」
「好き嫌いじゃなくて受け付けないの」
「生後丸1日も経ってないクセに何言ってんのさ?私だって最初はピーマン受け付けなかったけど今は食べれるんだからね!」
「そういう『受け付けない』とは違うんだけど」
「あーもういいから席に着く!さっさと食べる用意する!ほらほらさっさと運ぶの手伝って!」
「はいはい……」
溜め息をつき、あからさまにイヤイヤだったが、霊愛と一緒に5人分の朝食を運んでくれる。言えばやってくれるのだろうが、無理矢理にやらせている感じが否めない。
「「「「いただきます」」」」
「……」
「ほら霊子、折角だから食ってみろ」
「…………いただきます」
不慣れな手つきで箸を持つと、ホカホカと湯気を放つ白米を取り、ゆっくりと口に入れる。ゆっくりゆっくりと咀嚼し、嚥下する。
「……甘い」
「米だからな。ほれ、鮭の塩焼きも食え食え」
「しょっぱい……かも」
「言う程かな?俺、味が濃いめの好きだからなー」
霊愛達はこの味に慣れているらしく、塩気は風味程度にしか感じないらしい。俺もそうだから、多分大丈夫だろうが……まぁ不慣れなのだろう。
「そんなんじゃお父さんの血も不味くなるじゃん。もういい、今度から私が料理する」
「いやぁロクに食べない奴に任せる食材は無いぜ。何の為に、分身を外の世界に行かせて漁させてると思ってるんだ?金儲けの為だけじゃあないんだぞ。食材の味を知らない奴は食材の味を活かせないよ」
「〜〜〜〜〜ッッ……分かったよ、分かりましたよ、食べますよ!」
「そうかそうか、父さんは嬉しいぞ。全部食べたら食後のデザートに血を飲もうな。食べた上で嫌いなモノがあったらその時は教えてな。別な料理にして出してやるからな」
「……はーい」
「あ、私も血ぃ飲みたいかも」
「僕も」
「うん、失血死するから2人までにしてくれ♡」
「霊魔、ジャンケンしよ」
「うん」
「「よーし……ジャン・ケン・ぽん!!」」
◆
約1時間前、紅魔館にて────。
「ふぁ〜ぁ……今日も新しい1日の始まりですねぇ」
「あら、早いのね美鈴」
「ふぇ?霊夢さん?……あー、そういえばお嬢様から聞いてますよぉ。どうぞどうぞお通り下さい〜」
「……あんたって朝も昼も夜も
「ええ、朝早く夜遅いだけですから……」
「……。昼寝するのにも、理由があったのね」
「えへへ……でもまぁここを任せてもらう以上はプロですからね。『眠いから』なんてのはもう言い訳に過ぎないんですよね」
「ふぅん。……ちょっと見直したわ」
「!?」
そんな会話を交わした後、霊夢は堂々と紅魔館へ入る。許可を取っているのだから当たり前だ。
朝の館内はシンと静まり返っている。奥の方からほんのりと料理の匂いが香ってきたり、クツクツと何かを煮込むような音が聞こえてくる程度だ。だがこの音も、吸血鬼だからこそ、何とか聞こえる程に遠くの音だった。
メイド妖精すら居ないし、近所の妖精も居ない。何かしらの生命体が近くに居る感覚すら無かった。紅魔館は、どこもかしこも咲夜さんの能力によってその内部の空間を拡張されている。だからこそ余計無機質な静けさが不気味に思えた。
「そういえばレミリア、中庭のテラスにて待つって言ってたんだっけ。……外から行けば良かったわ」
中庭のテラスと言えば、フラン、鈴仙、モルモーなどと行っている女子会の会場だ。霊夢もそれには毎回参加しているので、どうせならば外から行けば良かったと愚痴を零す。
霊夢が屋内からテラスに向かうと、既にその場で紅茶を飲みながら待機していたレミリアは、意外と言わんばかりに無言のままに目をぱちくりさせて、霊夢をまじまじと見た。
「……何よ?私の顔に何かついてる?」
「いや……意外だなと思ってね。普通に空から来ると思っていたから、空ばかり見ていたわ」
「何が意外よ。騒ぎを起こさなかった事についても意外だと思ってんでしょーが?」
「フフッ……かもね。だけど嫌味じゃないのよ?」
「どうだか」
「それより霊夢?約束していた5時半より、30分も遅刻しているのだけど?」
「悪かったわね。あのバカが、朝から求めてくれるもんだから」
「嘘ね。今の霊夢から彼の精液の匂いはしないし、行為に伴う発汗の様子も無い。シャワーしたのなら霊夢本来の匂いも薄まる上に石鹸などの匂いもするでしょうけれど、それも無い」
「気持ち悪ッ!匂いの鑑定人なんてのはうちの旦那だけで十分よ!」
「フフ、素直に言わないからよ?それに、そもそもエスカルゴは産後暫くは様子見てくれるから、私や咲夜のような出産経験者達には『彼が求めてきた』なんて言い訳は通用しないのだけど」
「チッ。悪かったわよ、言い出しっぺが遅刻して。単に寝坊しちゃったのよ。なのにエスカルゴがさ、朝食だけは食ってから行けって……」
「でしょうね。ま、紅魔館に
「ぐぎぎ……」
続けてレミリアは「そろそろ座れば?」と促し、霊夢は少々慌てた様子で席に着いた。霊夢の紅茶はまだほんのり温かいようで、丁度いい温度で、白い湯気を立ち上らせていた。
「それで、子供の未来を視たい……だったかしら?」
「ええ。どうもあの子は、特殊な子供な感じがしてならないんだけど、私にはそれが不安でね。未来は可変であるとはエスカルゴから聞いてる。だけど、だからこそ聞いておきたいの」
「……博麗霊子ちゃん、だったかしら」
「そうよ」
「エスカルゴから見て十七女、霊夢から見て三女。それにしても霊夢、4人目だなんて頑張るわねぇ」
「出産以外は楽だからね、子育て」
「そりゃ手伝ってくれる子が居るからでしょうよ」
「まぁね」
「そんな、つい昨日産まれたばかりの子供なのに……超音波で神社を破壊って……そんなのできるの?」
「理論上は、不可能じゃないみたいよ」
「それは知ってるけれど……そうだとしたら、かなり幅の広い周波数の持ち主なのねぇ」
「そうなの?」
「ええ。共鳴……共振とも言われるけど、物によって壊せる周波数は違うからね。建物、ましてや神社は木造が主ではあってもそれだけでは瓦礫レベルには破壊できないはずなのよ」
「へー……私にはよく分からない世界ね」
「あら、あなたも吸血鬼になったのならそれくらいできるわよね?」
「試した事ないわよ。……今度やってみようかしら」
「それがいいわ。自己研鑽は大事よ」
そこまで言い終えると、レミリアはクッと紅茶を飲み干し、カチャリと小気味よい音を立てカップを受け皿に置く。そして、どこかの特務機関の司令のように両肘をついて手を組むと、コホンと咳払いを1つ。優雅なお嬢様のような雰囲気から一転して、威厳ある大妖怪のような雰囲気を醸し出す。
「さて、本題だけれど」
「!」
「結論から言うと、霊子ちゃんは『危うい』わね。色んな意味でね」
「……やっぱりね」
「でも、あんまり責めないであげてね。あの子は……どうやらメンタリティはエスカルゴに似てるわ」
「え……」
「だからなのかしら、何が起きた際に自分を責める傾向にあるみたいね。少なくとも、このまま生活を続ければ2ヶ月後にはあの子は家庭内で孤立する。それも、あの子が『自ら望んで』そうなる」
「…………」
「だけど今ここで私がそれを霊夢に話した。当然、霊夢はそんなの見過ごせないわよね?」
「当たり前でしょ」
「ならあの子の心のケアはこまめにね。それだけで未来は大きく変わるでしょう。ただし、そのケアはエスカルゴにやらせてはダメ。さっきも言ったけど霊子ちゃんのメンタリティはエスカルゴに似ているタイプ。だからこそ相手の気持ちが理解出来る……と思うかもしれないし、それは正しいけれど、あまり深い所で接触させると、共依存になりかねないわ」
共依存。そう言われた霊夢は思わず顔を顰める。ただでさえ他者に依存しがちな旦那なのに、よりによって娘に、精神的な意味で依存する可能性があるだなんて、考えたくもなかった。
「……そ。ありがとう、レミリア。助かった。こんな朝早くに悪かったわね」
「そうね。次回以降はお茶菓子程度で構わないから手土産を要求するわ。相談料としてね」
「ふふ……分かったわよ。それじゃあね」
一気に紅茶を飲み干すと、霊夢はいそいそと翼を広げ中庭から飛び出して帰ろうとする。が、そんな霊夢をレミリアは言葉一つで引き止めた。
「待ちなさい」
「何よ?そろそろ子供達が起きる時間なんだけど」
「相談事、その1つだけじゃないのでしょう?」
「……!」
「虔魔くんについて、でしょ。言わなければ話してくれないのかしら?」
「……何もかもお見通しってワケね」
今は霊子を優先したかったから言うまいと考えていた霊夢だったが、レミリアは、霊夢の相談内容を既に読んでいたとの事で、霊夢は苦笑いしながらも再度席に着いた。
「何もかもってワケじゃないわ。でも、虔魔くんがエスカルゴに何かされた様子も無いからね。なら、エスカルゴの事だから霊夢に相談してるはずだって踏んだだけよ」
「なんだ、ただの予想ってワケね。驚いて損した」
「はぁ……まぁそうだけれど」
「……虔魔くん……やらかしたわね」
「ええ、私が思っていたよりもかなり大きな事件になっていたわ。だけど、妖精達は妖精のみで決着をつけようとしていたから、自然とエスカルゴの耳に入る事は無かったようよ」
「成程ねぇ。アイツ妖精といっつも遊んでるけど、そんな話は虔魔くんから聞くまで知らなかったって言ってたし。妖精も妖精で頑固みたいね」
「本当にね。全く……エスカルゴに頼めばすぐ決着がついたでしょうに。頑固なのも彼女らの良い所かもしれないけれどね」
「良い所、なのかしら……?」
「そうでしょ。結局、時間は掛かったしスマートなやり方でもないけど、最終的には自分達妖精だけで解決したのよ?自浄作用というか……中々に強かよ、妖精ってヤツは」
「まぁ、そう言われてみればね……」
するとそこに、時を止めて弦月姫が現れた。その隙に霊夢とレミリアのカップに紅茶を足したので、2人は紅茶のかさが増えた事で弦月姫か咲夜さんが来た事を姿を見る前に察していた。
「おはようございます、お嬢様、霊夢さん」
「ん、おはよう弦月姫ちゃん」
「どうしたのかしら?今は会談中なのだけど」
「会談て」
「申し訳ございません、そろそろお茶請けが切れる頃合いだと思いましたので」
「「……あら」」
2人の声が揃った。知らぬ間に食べ尽くしていたらしく、弦月姫が追加してくれなかったら、霊夢のフォークは空を刺していたに違いない。
それに気付いた霊夢は羞恥心でほんのり頬を染めプイッとそっぽを向いた。
弦月姫が去ると、2人の会話はリスタートする。
「……虔魔くんのやらかしについて、エスカルゴは、どうしようと考えているの?」
「それを迷ってるから私に相談してきたんでしょ。アイツとしてはゲンコツで済ませたらしいけどさ、まだ足りないって憤慨してるわ」
「あ、もうゲンコツはしたんだ?虔魔くん、平然としてるから気付かなかったわ」
「バキッ……ていう嫌な音がして、虔魔くんが鼻血を吹き出して白目剥いて、泡を吹いて気絶しちゃったくらいには、本気でゲンコツしたみたいよ」
「本気も本気のゲンコツじゃないのよ!?」
「だから言ったのよ、流石にやりすぎでしょって。そしたら『これでも足りねえだろ』って言うのよ。目がマジだったわ。全く、困っちゃうわね」
「それ頭蓋骨もイッてるわよね?吸血鬼の頭蓋骨にヒビを入れる程のゲンコツなんて、人間なら潰れて死んでるわよ!?」
「ホント、幼女の事になると人が変わるんだから、アイツ。バカでしょホントに」
霊夢は旦那がロリコンなのを諦めているし、もうそういうものだと受け入れてもいる。だからこそ、この事態を聞かされた時点で既に「妖精好きだからこれはマズイ事になった」と察していた。
なんなら、霊夢としては「異変を起こすかも」と身構えてすらいた。復讐、憂さ晴らしで何かをするというのは、現にこれまでにもあったからだ。
「バカもいいとこだわ……。咲夜の方がマシよ」
「咲夜も虔魔くんに何かしたの?」
「ええ。エスカルゴにゲンコツされて、多分治って帰ってきてからなんだけど、その足で、咲夜にまで事の顛末を報告したのよね……弦月姫ちゃんにも」
「えぇ〜……変な所で真面目ね、相変わらず……」
「本当にね。咲夜にはナイフで四肢を貫かれ、彼が妖精にやったことをそのままお返しされていたわ。まぁ斬首以外だけど。弦月姫ちゃんはビンタだけ。あれから暫く経ってるけど、未だに弦月姫ちゃんと虔魔くんの会話は目にしていないわ」
「あらら……でもそりゃそうよね」
「ええ、仕方のない事だわ。弦月姫ちゃんにとって妖精は一番身近な友達だもの……。弟に自分の友達を虐殺されたなんて知ったら、ね。これまでだって、散々忠告してきたのよ。私も、弦月姫ちゃんもね。その結果がこれじゃあね……」
「なのに、当事者の妖精達はこれについてあんまり気にしてないんだって?」
「そうみたいなのよ。私もおかしいって思ってね、遊びに来たその辺の妖精に聞いてみたの。そしたら
『謝ってくれたし、お菓子も食べさせてくれたからもういいの!』……ってさ。呆れる能天気さよねぇ。そんなの聞いたら、こっちだって『ま……まぁ本人が言うなら……』ってなるしかないじゃないの」
「引き篭っちゃった妖精も居るって聞いたけど?」
「友達の妖精が虔魔くんのお菓子で釣って、とうに社会復帰してるわ」
「た、単純すぎる……妖精はそれでいいの……?」
「それでいいんでしょうねぇ……。根に持ってるのはチルノ、三妖精くらいのものよ?クラウンピースは
『なら好きな時に弾幕ごっこに付き合え!あたいのサンドバッグにしてやるよ!!』って条件で赦したみたいだしね」
「憂さ晴らしの道具にされそうね」
「それくらいで丁度いいのよ」
「それもそうね」
暴虐の限りを尽くした虔魔の末路は、恐らく誰も予想していないモノになっていた。霊夢はどうして自分が相談されたのか、真意が分かった気がした。
◆
「ただいま」
「「「おかえりー」」」
「……おかえりなさい」
霊夢が神社に帰ると、いつものように3人は声を揃えて、そして霊子はおずおずとおかえりと言う。
普段の霊夢だったら、きっと、普段通りの接し方だっただろう。しかしレミリアから霊子についての対処法を聞いた今、この何気ない「おかえり」すら3人と違う霊子に対して、ほんの少しだけでも接触して、彼女の心にちょっぴり踏み入ってみる必要があるのではと考えた。
「霊子。ちょっと散歩にでも行きましょ」
「え。……いいよ別に」
「いいからいいから。あんたにも人里くらい見せてやらないとね。あ、でも霊愛達はいつも通りに修行してなさいよ。分かったわね?」
「「「はーい」」」
「ほら行くわよ霊子」
「……うん」
それから霊夢は霊子を連れて人里観光へ行った。霊子は初めての菓子に目を輝かせ子供らしく楽しみながら食べたようだ。それでも尚、時折、暗い顔を見せる事は無くならない。
霊夢は、未来を変えるのはかなり厄介な課題だと頭を悩ませる事になった。
◆
(全員が能力者なのに、私だけ無能力者だなんて……きっとお母さんもお姉ちゃん達もガッカリしてるんだろうな。肩身が狭くて仕方ないね……全く……)
博麗霊子
能力:無し
エスカルゴファミリーの十七女、博麗家の三女。
大悪魔クラスの強さを持つ両親から卓越した吸血鬼らしさを受け継いでこの世に生を受けた。
能力が無いとされているが、その代わり超発達した吸血鬼の技能を備えている。再生能力は生まれつき超速再生レベル。その気になって超音波を放てば、類を見ない破壊力を発揮する。
また、霊夢の子供達はいずれも
その代わりに霊力は少ないようで、初期エスカルゴ程度、もしくはそれ以下の霊力量だったりする。
髪の長さは霊愛と霊麗がミディアムロング〜ロング程度だと見れば、霊子はスーパーロングに当たる。後頭部でリボンを使って縛って、1本の長いポニーテールにしていることもある。
生まれる所によっては「忌み子」扱いされていた。
傲慢で自己中心的。およそ常人に好かれるタイプの子供ではない。
彼女がまだ普通の生活を送れているのは、博麗家に生まれたからこそである。
エスカルゴの子供達の中で唯一の真の無能力者で、生まれ持った「吸血鬼らしさ」以外に、特殊能力と呼べるものは一切持ち合わせていない。
ノベルAIで去年の夏頃に登場させた賽鬼愉于奈を作ってみました。アップロードと同時に年齢制限が掛けられました。ちょいエロ注意。
【AI】ロリ巨乳鬼娘を作ってみた!
https://youtu.be/q7EVYTIIXSI
ちょいエロなシャロンを作ってみました。
【AI】メイド妖精ちゃんに誘惑させてみた!
https://youtu.be/0Rib6gfbWcE