カルゴ「やぁ、こりゃまた大勢で来たな」
門を出て、隊列を組んでいる白狼天狗たちに言い放つ。その中から進み出る者が2名。
ヒビキ「よっ、兄貴」
椛「………」ペコッ
カルゴ「おう。どうしたヒビキ」
ヒビキ「ま、新聞の通りだよ。こいつらと戦ってもらうからな」
カルゴ「構わねぇよ。……何人居るんだ?」
大体200…それ以上は居るように見える。
ヒビキ「300だ」
Oh......
カルゴ「ま、幾ら居ようと変わんねぇだろ」
指をボキボキ鳴らす。
ヒビキ「そう…かもな」ニヤリ…
男白狼天狗1「ヒビキ隊長。奴、完全に俺らのこと舐めてますよ」
男白狼天狗2「そうですよ。あんな奴1人にヒビキ隊長と椛隊長がやられたなんて…信じられません」
隊長が2人?…あぁ、隊は1つじゃないか。
男白狼天狗3「本気出してなかっただけでは?」
ヒビキ「いいや。俺も椛も本気で向かって、コテンパンにされた。あの後は大変だったぞ。上から叱られるわ、降格寸前になるわ…。お前らこそ本気出せよ」
男白狼天狗3「はあ…」
女白狼天狗1「あれがヒビキ隊長のお兄さん?あまり似てないね」
女白狼天狗2「あまりというか全然似てないでしょ」
女白狼天狗3「…種族の違いでしょ」ボソッ
女白狼天狗2「そういえばそうだね。あの人…イイかも〜…」
女白狼天狗1「それな!私も思った!!」
ヒビキ「コラそこ、聞こえてるぞ。兄貴は彼女が3人居るんだ、お前らなぞ相手にされん」
すまんな、5人なんだよ。…とは言わないけど。
女白狼天狗1「えー!?マジ!?モテモテじゃん!」
カルゴ「……………………」
あーゆーギャルっぽい奴は本気で好かない。
たとえ俺に彼女が居なくて、喉から手が出る程彼女が欲しかったとしても、あーゆー奴に告られたところで即振る。つーか早く
新聞に大々的に載っていたからか、観客もわんさと居るのだ。中には心配そうな顔をする霊夢の姿も。
カルゴ「おいお前らァ!俺ぁ暇じゃねぇんだ!お喋りなら他所でやれ!」
大声で怒鳴ると、キャッキャしてた奴らはみなシュンとなる。
ヒビキ「すまねぇ兄貴…こいつらろくに言うこと聞かなくてよ…」
カルゴ「言うこと聞かねぇならお仕置きなり何なりしやがれ!」
ヒビキ「そうだな、気を付ける」
カルゴ「ったく…」
まぁ、これほどの人数を束ねるのは大変そうだ。
ヒビキ「スペルカードの枚数はどうするんだ?」
カルゴ「そうだなぁ…」
やはり、皆して太刀を持ってやがる。
それならば……
カルゴ「1枚で十分だッ!!」
堂々と宣言する。
文「あやややや…いくらエスカルゴさんでもあの数を相手にスペルカード1枚は少々無謀では…?」
観客のいる方から文の声が聞こえた。
やっぱり居たか新聞記者…。
ヒビキ「お、おう…昨日やり合った時より少ねぇじゃんか…大丈夫なのか?」
カルゴ「大丈夫だ、問題無い」
ヒビキ「よし。……総員、かかr…」
??「ご主人様ぁ〜♡」
ダキッ
カルゴ「うわぁっ!」
何事かと振り向いてみれば…
カルゴ「天子!?」
天子「えっへへ〜、また来ちゃった♡」
カルゴ「…あのな、来てもいいが空気は読めよ。今の状況わかる?これから戦うんだ」
天子「わかってるわよ。私も手伝ってあげる」
カルゴ「お、おい…」
フラン「なら私もやるわ!!」
後ろで見ていたフランが飛び出す。
レミィ「フラン!?ったくあの子は!」
遅れてレミリアも飛び出す。
天子「早く終われば早く構ってもらえるでしょ?なら手伝うわ」
カルゴ「天子……」
何でそこまでするんだよ…?
フラン「来たわよ!」
レミィ「はぁ…」
4対300か…でもなぁ…。
カルゴ「大丈夫だって。待ってろって」
天子「待つだけなんてそんなの嫌よ」
カルゴ「すぐ終わるから大丈夫だって!」
男白狼天狗1「やっぱ舐めてやがる…」ボソッ
男白狼天狗2「こんな時にイチャつくとか…見せ付けてくれるじゃねぇか」←彼女無し
男白狼天狗3「イチャつくっつーか…ヒビキ隊長のお兄さん、あれ、困ってるけど…」←彼女アリ
カルゴ「良いから!いつもの部屋行ってろ!」
天子「いーやーよ!」
カルゴ「んじゃあそこで見てろ!」
観客の方を指さす。
天子「ブーブーブー!」
カルゴ「ブーブーじゃねぇ!拷問『Thorny Restriction of Thunder』!!」
棘付きロープで縛り上げる。
天子「あぁん♡ みんな見てるのにぃ♡」
カルゴ「すまないレミリア、連れてってくれ」
レミィ「わかったわ」コクン
襟を引っ張り、ズリズリと天子を引きずり、観客席へ連れて行く。
カルゴ「フラン、観客席行ってなって」
フラン「私もやるわ!」
カルゴ「しかしだな…」
チラリとヒビキを振り返ると、それに気付いたヒビキは…。
ヒビキ「これは兄貴の戦いなんだ、お前の出る幕はない」
フラン「…!何よアンタ! エスカルゴの弟だか何だか知らないけど、調子乗ってるの!?」
ヒビキ「違う」
フラン「だったらなんでそんな上から目線に…」
カルゴ「フラン、もういい」
これ以上話をややこしくしたくはない。
フラン「でもっ……」
チュッ……
一同「!?」
男白狼天狗2「うげ…みんな見てるのによく出来るな…」
男白狼天狗3「すっげ…大胆だな…。俺も見習お」
カルゴ「……な? 言うこと聞いてくれよ…」
フラン「…うんっ、わかった♪ 頑張ってね♡」
カルゴ「ああ」
スキップしながら観客席へ行くフラン。
…そこへ行くなり、霊夢に頬をつねられてる様に見えるが…ま、気のせいだろ。
カルゴ「ヒビキ、お前もやるのか?」
ヒビキ「俺と椛はやらねぇ。合図だけだ」
言うなり椛と空中へ移動するヒビキ。
なるほど…高みの見物、か…。
カルゴ「了解した」
なら雑魚ばっか…か。
ヒビキ「兄貴ぃ、もう大丈夫か?」
カルゴ「いつでも」
ヒビキ「…始めぇ!!!」
白狼天狗共「はぁあああ!!」
一斉に太刀を構え、突撃してくる白狼天狗たち。
馬鹿だな…。俺を相手とする時は、
バシュッ
白狼天狗共より先に飛び、スペルカードの発動を宣言する。
「雷神『Thunder☆Fall』!!!!」
…グイ〜ン…ドドドドドドドドドドドドド……
滝の流れのように、広範囲には行かないはずの大量の落雷は、
観客「!?」
白狼天狗共「ぐあああああああ!!」
フラン「あのスペル…あんなだったっけ?」
レミィ「いいえ…」
文「なるほどぉ、流石エスカルゴさんです!!」
ポンッと手を打つ文。
フラン「文、なんでああなったのか分かるの?」
文「ええ、もちろん!!」
フラン「教えてっ!」
文「白狼天狗達が持っている太刀…あれは金属製です。そんな物を持ってエスカルゴさんの相手をしたら…あんな風に、狙い撃ちにされます」
レミィ「なんで金属製の物を持ってると狙い撃ちにされるのよ?」
文「雷は、金属製の物や高い木等に吸い寄せられますからね〜。エスカルゴさんはその性質を利用したんです!逃げようとしても、エスカルゴさんの雷を避けるなんてこと…鴉天狗である私たちくらいしか出来ませんよ。ねぇ、はたて?」
はたて「そ、そうね…」
文の隣にはいつの間にか姫海棠はたてが居た。
フラン「じゃあ、エスカルゴにとって…!」
文「白狼天狗達は格好の標的ですね♪」
フラン&レミィ「〜♪」
カルゴ「ふぃ〜…」
スペルカードの効果時間が終わり、地面に降り立つ。周辺には、白狼天狗がバタバタと倒れていた。
カルゴ「…こんなもんか?」
ヒビキを見上げ、終了の合図を促す。
ヒビキ「ああ……そうだな」ニヤリ
…ん?
その時、後ろからブワッと風圧が襲ってきた。
カルゴ「───ッ!!」
振り返る間も無いと咄嗟に判断し、後ろ蹴りをする。
メリッ…と、靴がめり込む様な鈍い衝撃を感じる。
NO.3白狼天狗「ガハッ……」
ドシャアァァッ
カルゴ「………」
無言のまま振り返ると、太刀を杖にして何とか立とうとする白狼天狗が目に入る。
NO.3白狼天狗「くっそ……!」
ドシュッ
まともに立てないでいる敵の背後に素早く回り込み…
カルゴ「お疲れさん」
と呟いて首をトンッと叩く。
NO.3白狼天狗「っ…」
気絶し、力なく崩れ落ちる白狼天狗。
カルゴ「…………」キョロキョロ…
辺りを見回し警戒するも、誰も襲ってくる気配は無い。
カルゴ「おいヒビキィ、もう終わりだろ?」
ヒビキ「………」
俯いて黙っている。
椛「ほら、ヒビキ…」
返事を促す椛。
ヒビキ「…あぁ、終わりだ。俺らの負けだな」
ようやく負けを認めたヒビキ。
カルゴ「よしっ」
わかっていた事だが、軽くガッツポーズをとる。
ヒビキ「まぁ〜たお上に怒られるぜ…」
椛「はぁ、仕方無いわね…」
ヒビキ「ここからは……」
椛&カルゴ「?」
ヒビキ「
椛&カルゴ「!?」
スタッ…
ヒビキ「兄貴!俺ともう1度勝負しろッ!!」
椛「ヒビキ!?」
地面に降り立ち言い放つ。
観客は固唾を呑んで見守る。
カルゴ「…良いだろう。ルールは?」
ヒビキ「どっちかが戦闘不能になるまで…だ。兄貴は…スペルカード無制限で良い」
椛「!! そんなのダメっ!!」
ヒビキ「止めるな椛。これは男同士の勝負だ」
椛「っ!」
カルゴ「…了解した」
だが、アイツも太刀を持っている。
無闇に力を使った所で、刀を手放されたらそちらに吸い寄せられる為に意味が無い。
力任せに行動してもダメだ。
ヒビキ「言っとくが、昨日少し修行してまた強くなったかんな?」
カルゴ「それは楽しみだな。せいぜい俺を楽しませてくれ」
ヒビキ「………ハアァッ!!」
カルゴ「雷武器『雷槍』」
俺たちは再び武器を交え始めた。