各家庭に泊まるローテーションが再開するまで、あと数日ある。その数日をフルに使い、娘が満足に能力を使えるよう、しっかり訓練することにした。
その中で再確認した、または判明した事として、神愛の能力はサグメの能力のように「未来」を改変する能力なのであり、「実現させる」能力である。それに加えて「過去も現在も改編できない」。
更に、能力の互換性は、俺≧サグメ>神愛であり、俺が本気で危機感を持って改変しようとすれば一応サグメに頼らなくとも改変できると確認が取れた。
確かに目玉焼き事件の時は必死さが足りなかった気がしなくもない。要反省だ。
「さて、今回は生物以外の
「はい……!」
「対象は、俺が今、こうして触れているこの竹だ。この竹を守るよう、何か言ってみな」
「……その竹に、お父さんの弾幕は、当たらない」
「グッド」
神愛の能力は問答無用だ。言った時点で、本人の意志と無関係に発動する。しかしそれは、あくまで能力の
「そんじゃ……絶技『天翔雷霆零槍』ッ!!」
敢えて、俺のエイム力が試される技を選択する。これなら、外れたとしても神愛の能力か自滅なのか不明瞭になるからだ。試すのなら、不利な方から。
陸上のやり投げとは違い、地面と水平に、全力で投擲。ヒュッと空を切る槍は、そのまま竹を貫通し暫く飛び続けた。節の一部を槍にて消し飛ばされた竹は、ダルマ落としのように落ち、そして倒れた。
「……!!」
「ハハッ、成程。神愛の能力は植物には通用しないらしい。あくまで知的生命体的な存在だけなのか。よーし、神愛、次は俺自身に何か言ってみてくれ。神愛の試したい事でも構わないぞ」
「……いいの?」
「いい。俺が許可する」
「…………お父さんは今日、誰とも
「仲良し?……って何だ?」
「……お父さんは、お母さんや、輝夜姫、鈴仙さん、巫月お姉ちゃん、てゐさんと、よく仲良ししてる」
「神愛、お前もか。お前も見てたのか」
「知らない事、知りたい……だけ」
「ナイス好奇心だが、誰も止めなかったのか?」
「誰も」
「…………」
◆
さて。神愛によると、今日俺はセックスできないらしい。これはかなりキツい。バレンタイン前日の苦しみをどうしていつもの日常内で味わわなければならないのか。
「ばんきちゃーん、スタミナ定食ニンニクマシマシ大盛りで〜」
「もうあるよ」
「さっすが〜。……な、この後……」
「無理」
「え」
「だから無理。この後、買い出し行かなきゃだし」
「あ、そんじゃ俺も荷物持ちに……」
「いいって。こんなの、店員としての仕事だから。じゃ、ごゆっくり」
「……あっれェ……?」
比喩的な意味ではなく、マジの意味で「仲良く」できないという事だろうか。セックスに持ち込める持ち込めないの問題ではなく、そもそもの話だ。
いいや、赤蛮奇は元からツンデレ気質で言葉尻も強い事もあった。偶然だ、そうに違いない。
そう思った俺は食後に紅魔館へ向かう。
「おやおや、こんにちはエスカルゴさんっ!今日はどうされたんです?」
「美鈴に会いに」
「そ、そうですか!」
一瞬、顔が引き攣ったか?
「急でアレなんだが……もし良かったらどっかデート行かないか?」
「仕事中なんで、あはは……すみません……」
「そこはいつもみたいに分身を立てとくからさ」
「や〜……咲夜さんにバレると……」
「……だよ、な。急に言われてもな。ごめん」
「またお願いします!」
「……はいよ」
ヤバイ事態になった。美鈴ですら断るレベルだ。本格的にヤバイ。バレンタイン前日の苦しみ?もうそれを超えてきているような気がする。
バレンタイン前日はそもそも会えすらしないが、今回のこれは、
「……そうだ!」
最近付き合いたての、あの子が居た。あちこちで子供達が産まれ始まるその少し前に付き合い始めたあの子が。
そう思い立った俺は、浮き足立ってその子の居る会場へ向かった。そこでは予想通り、その子が能を披露して場を沸かせていた。
「!!」
大きな声では呼び掛けず静かに手を振る。彼女はこちらをチラリと一瞥、その後いつも通り無表情のままで能に集中する。
息を呑む程に美しい。俺には到底真似出来ない。
そして演目が終わった後で、しっかりとこころに接触を試みる。因みに、付き合って既に半年以上は経過しているが、その殆どを自分達の子育て期間で潰しているので、デートは付き合いたての頃の1回だけだし、セックスすらしていない。
「よう」
「久しぶり」
「久しぶり。ごめんな、中々会いに来れなくて」
「いい。これから忙しくなるって、言ってくれてたから」
「……ありがとうな」
「本当に『ごめん』って思うなら……ギュッてして。前みたいに……ドキドキ、するかもしれない、から」
「ああ。お待たせ。もう少ししたらまとまった時間取れるから……ゆっくりしような」
「ありがとう……」
こころを抱き締めると、こころも俺の背中に手を伸ばし、抱き返してくれた。暫くそのまま、静かにハグしていたが、ポンポン背中を叩いて「離して」という合図をする。
ハグを解くと、表情こそ変わらないがちょっぴり頬を紅潮させている。
「……今日は予定ある。だから…………また後日デートしたい。……ダメ?」
「予定あるなら……仕方ない。また今度な」
「うん」
こころはそこまで悪くない感触だ。もしかすると少しずつ運命を修正しつつあるのかもしれない。
今度こそ誰かとセックスしてやると奮起した俺が向かったのは、永遠亭。戻ってきたじゃないか、と思うだろう。だが違う。ここには俺を極限まで強く甘やかしてくれる子が居るのだ。
「巫月ぃ〜ッ!!」
「なになに、どしたのー?」
「ヤろう!」
「んふふっ、いーよぉ♡」
「やった!間に合った!『運命』に勝った!!」
「もー、『運命』だなんて大袈裟だなぁ……。あっ、今日だけシャワー浴びてもいい?今日さ、寺子屋で体育あったんだけど……」
「浴びるなッッ!!」
「あははっ、だよね、そう言うと思った!だから、帰ってきてもシャワー浴びてないんだもん♡」
「ヤる気満々か?」
「ヤる気満々だよ♡」
「巫月しゅきぃぃ〜〜〜っ♡♡♡」
「私もエスカルゴしゅき〜〜〜っっ♡♡♡」
ギュウウウッと強烈に抱き合っては互いに頬ずりしまくる。可愛すぎる娘は本当に犯し甲斐があり、早速その場で服を脱がし合い、キスにフェラに69などなど……トロトロになるまでドップリ快楽の沼に浸かる。
さっさとブチ込みさっさとおっぱじめる。もう、俺達の間に前戯など必要無い。
「
「あ゙っ♡ らめっ、イクッ♡ イクぅぅッ♡♡」
「………………言っとくけど
「「げっ、永琳先生……」」
「ったく、このバカップル親子は……」
その後、巫月とたっぷり楽しんだ後、スッキリとしてから再び美鈴に会いに行った。そこで、試しにもう一度彼女を誘ってみたらすんなりOKだった。
恐らく、俺が運命を変える場合はほんの少しずつ変わっていくのだろう。こころ辺りからいつも通りという流れに戻ったに違いない。
……何にせよ、神愛の能力は何気に危険で、応用のしようもある、強力なものらしい。彼女が己の力を完全に従えられた場合……世はどうなるのだろう。