急いで戻るが果たして魔理沙 はまだ 居るのか?
それとも既に帰ってしまったのか?
扉を開ける。
ガチャッ…ギィィィ…
カルゴ「ただいま」
フラン「たっだいまー!魔理沙いるー!?」
扉開けきってないというのに、フランは中に向かって大声で呼びかける。余程会いたいんだな。
???「わっ!」
誰かの驚いたような声が聞こえた。
フラン「キャッ何!?…って、魔理沙!?」
魔理沙「よ、ようフラン!久しぶりだな!」
声の主は、俺達が探してた魔理沙本人であった。
ここに居るということは…帰るところだったのかな?
フラン「うん!久しぶり!!…玄関でなにしてるの?」
魔理沙「おう。フランに会いに来たんだが、居なかったからな。丁度帰ろうとしてたとこだ!」
おお、そうだったのか。危ない危ない。
つまり、ギリ間に合ったということか。
フラン「そーなんだ!あのね、私たちね、散歩に行ってたんだ!途中アリスに会って、魔理沙が紅魔館へ向かったって聞いて急いで帰ってきたの!!」
子供のように、一気に話す。
実年齢は兎も角、精神年齢は子供だからな…。
魔理沙「おお、そうなのか。通りで急いでる訳だ。んで、お前がエスカルゴか」
カルゴ「えっあっ、うん」
急に話を振られたので戸惑ってしまう。
魔理沙「フランとは恋人同士って記事に書いてあったぜ?ホントなのか?」
文の記事を疑ってる…のか?それとも確認か?
どちらにしても事実を話すのみだがな。
カルゴ「ああ、本当だ」
魔理沙「へぇ?フランが認めるってことは、相当な実力者なんだろうな」
え?実力?そこ?
フラン「もう!違うわ、魔理沙!」
魔理沙「何が違うんだ?」
フラン「別に、強いから好きって訳じゃないわ。好きになったから好きなのよ!」
ギュッと腕を掴み、魔理沙にそう言う。
うう…そりゃ嬉しいぜ…。
ガチで照れる…心臓ドクンドクンうっせ…。
魔理沙「ほう。フランがそこまで言うとはな」
フラン「あっ、先に言っとくけど、エスカルゴは絶対貸さないわよ?これは私のものなんだから♪」
フランはそう言い、さらに強い力で腕を掴む。
だから照れるってば…。ちょっと痛いけど…。
魔理沙「別にいいぜ、んなもん。男になんて興味ないぜ」
……ホッとしたような傷ついたような…。
フラン「そ。それならよかったわ♪それで、今日は私に会いに来ただけ?」
魔理沙「いや。会うだけじゃなくて、ついでに、久しぶりに弾幕勝負しようと思ったんだが………」
フラン「…だが?」
フランがそこだけ復唱する。
魔理沙「…気が変わったぜ」ニヤリ
ゾクッ…
何やら背中に寒気のようなものを感じ、思わず震えてしまう。
魔理沙「おいエスカルゴ。私と弾幕勝負しろ」
カルゴ「…え?」
え、どゆことだ?今魔理沙なんつった?
魔理沙「聞こえなかったか?その耳は飾りか?私と弾幕勝負しろって言ったんだ」
煽り文句か…。
そうはわかってても少しムッとした。
カルゴ「…いいぜ。やってやるよ」
魔理沙「そう来なくっちゃ」
フラン「ええええ、貸さないって言ったばっかじゃん!!」
魔理沙「貸りるんじゃない。勝負するだけだぜ。心配ならそばで見てろよ」
フラン「……………いいわ、わかった!」
ちょっと間があったがOKを出すフラン。
悩んだのかな?
魔理沙「よっし!OKも出たことだし、勝負といくか!」
フラン「おー!」
フランは乗り気だが…俺の気は重い。
当たり前だ。
魔理沙と言えば、霊夢と並ぶ主人公格。
主人公格の人物が強くないわけが無い。
到底俺みたいな一介の吸血鬼が敵う相手では無い。
たとえ偶然でも、勝てたら奇跡と考えていいだろう。でも…ここまで来たらやるしかないか。
フランは、最初こそ反対したものの、俺と魔理沙の対決を喜んでくれてるし…。
魔理沙「で?どこでやるんだ?外は無理だろ?」
そうだ。どこでやろう?
まだ昼頃だ、日が出ていては外で勝負なんて出来ない。やはりそこは魔理沙、わかってくれているようだ。
フラン「うーん…私達が遊んでた部屋はどう?」
魔理沙「ああ、そうするか、行こーぜ」
フランが提案し、魔理沙は即了解する。
そう言えばこの二人はどこで遊んでいたんだろう?
フラン「私と魔理沙が遊んでたのは、エスカルゴと特訓してるあの部屋よ」
俺が考え込んでるのを察してフランが教えてくれた。
優しいなぁ…。なるほど、あの部屋か。
フラン「私達も行きましょ♪魔理沙、待って〜」
フランに手を引かれ、魔理沙を追いかける。
魔理沙は、何度もここに来たことがあるので、館内の勝手は承知してる。
1人でズンズン先へ歩いていく。
フラン「待ってってば〜!」
部屋に着いた。
魔理沙「相変わらずこの部屋は広いな〜!」
部屋に着くなり、さらに元気になる魔理沙。
フラン「さぁ、早速始めましょ!」
カルゴ「ちょ、ちょっと待ってフラン、まだ心の準備が…」
魔理沙「おっ、そうだな!始めよーぜ!」
おいおいおい…せめて心の準備する時間くらいくれよぉ…。
フラン「ルールは…えーと…」
フランがルールを提案しようとするが悩む。
俺とのルールにするか、魔理沙とのルールにするかで迷っているのだろう。
ちなみに俺とのルールの場合、相手の動きを止めたら勝ちである。
魔理沙「なぁに、ルールは簡単だぜ。弾幕を当てた方が勝ち!!」
お、おお…。
やったことないルールではあるが、それなら…。
フラン「わぁ!いいね!でもそれって、1回当たっただけでも負けになるの?」
賛同するも質問を投げかけるフラン。
魔理沙「そうだ!どうだ、これならお前も文句無いだろ?」
そうだな、特に無い。
カルゴ「大丈夫だ、問題ない」
魔理沙「よっし、始めるかー!フラン、合図頼むぜ!」
フラン「わかったー!」
魔理沙「位置についたら教えろよなー。私はもう準備万端だぜ!」
カルゴ「あ、ごめん。ちょっと待って」
魔理沙「おう。どうした?」
カルゴ「ちょっと、体の準備をね」
俺は準備体操を始める。
手首、足首、首、肩を回す。
アキレス腱も伸ばす。それに前後運動だ。
この準備体操はフランと特訓する前もしている。
人間だった頃からの癖だ。
悪い癖ではないので治す気は無い。
魔理沙「まだかー?」
魔理沙が急かすが、丁度終わったところである。
カルゴ「丁度終わった、お待たせ。俺も準備万端だ」
魔理沙「…よし」
フラン「じゃ、よーい………………始め!!」
フランの合図と同時に、魔理沙は八卦炉を取り出す。
魔理沙「一気にカタつけてやるぜ!」
はぁ!?一気に!?
魔理沙「いくぜ!恋符『マスタースパーク』!」
チッ!いきなりかよ!!
カルゴ「仕方ねぇ、この前編み出したこの技で受け止めてやるよ!!雷壁『雷纏反撃壁』!ハ!」
バチバチバチバチバチィ…!
俺の前に巨大な雷の壁が出現する。
この壁は、例によって俺の雷エネルギーを具現化したものである。
だがこの壁は少し特殊で、弾幕などが触れるとそれを消し去り、逆に雷の弾幕を発射…つまり反撃する仕様である。
ただ、大技なだけに大きな欠点もある。
体力の消耗が著しいのだ。
受ける攻撃の強さにもよるだろうが…恐らく1分くらいが限界だろう。
魔理沙「マスパが効かない…!?」
魔理沙が驚いている。
が、そうしてるうちにも、まっすぐに雷の弾幕が魔理沙目掛け飛んでいく。
だが、弾道は真っ直ぐなので少し動けば簡単避けられる。
やっぱこれではダメか…。
カルゴ「雷速『クイック』。んでもって……雷武器………『雷刀』」
こっそりクイックを発動させる。
武器は、銃と迷ったが、これも真っ直ぐにしか飛ばないので雷刀にした。
近づくのは危ないが、考えがある。
魔理沙「私のマスパが効かない訳がねぇ!ハァァァァァ!!」
更に力を込める魔理沙。
作戦は、こうだ。
雷纏反撃壁でマスパを受け止めたまま飛び出し、彼女の後ろに回り込み…斬る。
これもつい最近覚えたことなのだが…。
雷刀に送るエネルギーを調整することによって、刀の硬度まで変えられるようなのだ。
以前、フランのレーヴァテインを払ったときは割と本気だったので、無意識のうちに多くのエネルギーを送り込み、硬度を上げていたので払い飛ばせたのだろう。
つまり今回は、魔理沙を斬り殺さないようわざと硬度を落とし、魔理沙を斬り、電気で痺れさせるのだ。
何度も言うが、この刀は俺の雷エネルギーだ。
電気なのでまともに触れたら痺れる。
雷纏反撃壁はまだ持ち堪えられる。
イケる!
その時だった。
魔理沙「クソォォォ!もうこうなったらヤケだ!」
!?何をするつもりだ!?
マスパをやめ、箒の後ろに八卦炉を取り付ける。
あれは…まさか!
魔理沙「彗星『ブレイジングスター』!」
やべぇ!!
とんでもない速さで突っ込んでくる!
これじゃ壁ももたねぇかも…!
魔理沙「行っくぜぇぇぇぇぇぇ!!」
やべ、もうそこまで…!
カルゴ「クッソ……!解除!!」
壁を解除し、緊急回避行動をとる。
解除したのは体力の消費を少しでも抑えるためだ。
間一髪だ。
カルゴ「今度は俺の番だっっ!!!くらえ!!『雷速断刀』!!!ヌァァァァァァァ!!」
凄い勢いで壁に突っ込み、壁には大穴が空いてる。
落ちた帽子を拾い、振り返る。
魔理沙はそこでやっと、斬りかかってくる俺を見つけたようだ。
魔理沙「避けられ…」バッ
俺のあまりの速さに、避けきれないと悟ったのか、とっさに箒で斬撃を受けようとした。
だが、俺は硬度を落としている。
刀は箒を通り抜け、魔理沙を…斬った。
魔理沙「うあああああっっ!!!」
魔理沙は叫び声をあげる。
魔理沙「あぐっ……ぐぐ………」
痺れが回ったのか、最初の叫び声以外はただのうめき声だ。
雷刀の斬撃を受け、全身が痺れた魔理沙。
もう指一本動かせない。
カルゴ「……」
俺は敢えて弾幕を当てなかった。
しばらく動けないのに、わざわざ当てる意味などない。
チラッとフランを見る。
はっと気付くフラン。
フラン「そこまで!エスカルゴの勝ち!」
その後俺らは共に紅茶を嗜んでいた。
魔理沙「くぁ〜!まだ少し痺れてやがるぜ」
カルゴ「悪い、も少し加減すべきだった」
魔理沙「いいや、大丈夫だぜ」
カルゴ「そ、そうか…」
魔理沙「それにしても、なんなんだ?あの技は?」
カルゴ「あの技って?」
魔理沙「私を斬ったあの技だよ。箒で受け止めたのに、突き抜けたろ?」
カルゴ「ああ、あれか。えっと…戦った魔理沙ならわかると思うけど…。俺の能力は雷を操る程度の能力で、あの刀はそれを形にしたものだ」
魔理沙「うん、そこまではわかる」
大きく頷く。
カルゴ「で、刀に送る力を調整することによって、刀の硬さを変えられるんだ。硬くしたら魔理沙のこと本当に斬っちゃうだろ?」
魔理沙「ああ、そうだな」
カルゴ「だから刀を柔らかくした。元々実体は無いから、そのまま箒を突き抜け魔理沙を斬ったってわけだ」
魔理沙「なるほどなっ。でも私、しばらく痺れてたろ?なんでだ?」
カルゴ「…言ったろ?俺は雷を操るんだ。雷は電気だ、そんなもんが体を通ったら?」
魔理沙「…痺れるな」
カルゴ「そゆこと」
俺はニヤッと笑う。
魔理沙「でもよ、なんで当てなかったんだ?弾幕当てた方が勝ちってのがルールだって言ったろ?」
カルゴ「そうは言ったが、全身が痺れてちゃ、当てても当てなくても同じだろ?全く動けないんだから」
ズズッと紅茶を啜る。
魔理沙「か〜っ!その余裕な感じムカつくな〜!!」
余裕なんてことは無い。
勝つ為の作戦を考え、実行するので手一杯だったんだから。とりあえず口には出さないでおくが。
カルゴ「ほら、俺もまぁ…一応吸血鬼だし?」
魔理沙「くっそ〜…そんなの理由になってないぜ…」
カルゴ「へへっ」
そして時間が経ち…もう夕方である。
俺とフランは魔理沙を玄関まで送る。
魔理沙「じゃ、そろそろ帰るな、またな!」
フラン「バイバイ!またね、魔理沙!」
魔理沙「おう!今度はお前と勝負だ!」
フラン「いいわよっ!」
カルゴ「じゃーなー!」
魔理沙「おう、またな!」
そう言い残し夕闇に飛んでった。
が、少しも経たないうちに、魔理沙が戻ってきた。
フラン「…あれ?魔理沙どうしたんだろ?」
カルゴ「さぁ…」
魔理沙「すまんすまん。もう一つエスカルゴに聞きたいことがあったんだ」
カルゴ「ん、なに?」
魔理沙「お前、普段どういう特訓してんだ?並の特訓ではそこまでには成れないだろ?」
カルゴ「特訓か。特訓なら、フランと実戦練習をしてるよ。それだけで、他には何もしてない」
魔理沙「ホントか?」
疑いの目を向ける魔理沙。
フラン「本当よ!今日はたまたま散歩してたけど、それ以外は毎日特訓してるもの!」
魔理沙「ほぉ〜ぅ。なら私も混ぜてもらおうかな?」
フラン「キャーッ魔理沙毎日来てくれるの!?」
フランは大喜びだ。
魔理沙「いや、流石に毎日は無理だからな…毎週火曜と木曜でどうだ?」
フラン「なんだ、週2日かー。まぁ、暫く会えないよりずっといいわね!あれ、今日って何曜日だっけ?」
魔理沙「えっ…と……」
カルゴ「日曜だ」
俺が答える。
魔理沙「わかった!じゃ、先ず最初は明後日、これで決まりだなっ!お前もそれでいいだろ?」
カルゴ「大丈夫だ、問題ない」
魔理沙「よし、ありがとな!今日は楽しかったぜ!」
カルゴ「俺も楽しかったよ」
魔理沙「へへっそーか!じゃーな!」
魔理沙が飛び立つ。
フラン「バイバーイ、またねー!!」
カルゴ「そんじゃーなー!」
俺もフランも、声を張り上げ、手を振り、飛んでゆく魔理沙を見送る。
その夜。
いつも通り俺とフランは同じベッドに入る。
カルゴ「はぁ………なんか今日は色んなことがあったな…」
フラン「そうだね…。流石に私もちょっと…ううん、かなり疲れちゃった…」
カルゴ「だよな…ハハッ…」
フラン「……チルノちゃんの攻撃どうだった?」
カルゴ「痛かった(即答)」
フラン「答えるのはや…。でも、それだけ?」
カルゴ「うん」
フラン「そ、そっかぁ…。もうイタズラしないよね?」
カルゴ「…だといいね。でもチルノ、『あいつには』って言ってたし…」
フラン「そう言えばそんな事言ってたわね…。まぁ、またイタズラされたらまた殴るまでよ♪」
カルゴ「程々にしてやれよ?結構痛がってたぞ?」
フラン「『軽く』って言ってるでしょ?」
カルゴ「そ、そうだね…」
しばらくお互いに無言になる。
なんか気まずいような…。
フラン「…魔理沙はどうだった?強かった?」
黙ってられなくなったのか、フランが先に口を開く。
カルゴ「かなりね。魔理沙は『余裕な感じ』って言ってたけど、余裕なんて全くなかった。ホントは、マスパ受け止めたまま飛び出して魔理沙の後ろに回り込んで痺れさせるつもりだったのに…まさか突っ込んでくるなんてな…」
フラン「予想より上を行くのが魔理沙よ♪」
大好きな魔理沙を褒められ、フランも嬉しいのだろうか。
カルゴ「そうだね。でも正直、次戦ったら勝てる気がしない」
フラン「そうなの?でも、強くなるために特訓するんでしょ?」
カルゴ「…そうだったな。そんで、暴走したときに使ったあの技を、普段の俺でも使いこなせるようにする」
フラン「なによ、わかってるじゃない。私言おうとしたのに」
そう言ってまたムクれる。
ムクれるフランも可愛いものだ…。
カルゴ「ははっ、ごめんごめん」
そっと頭を撫でる。
フラン「もうっ…」
俺としては、もう少し起きててこうして撫でていたかったのだが、身体がそれを許さない。
きっと、短時間のスペルの連続使用によって疲れているんだな。
カルゴ「さぁ、そろそろ寝ようぜ。月がもうあんなに高い」
フラン「それもそうね、寝ましょ」
カルゴ「おやすみ」
フラン「おやすみなさーい」
カルゴ「あっ」
フランが小さく声を上げる。
カルゴ「どした?」
フラン「どした、じゃないわよ、手繋ぐの忘れてる!」
カルゴ「そうだった、大事なこと忘れてたね」
フラン「全くもう…」キュッ
カルゴ「あったかい…」
フラン「エスカルゴもあったかいわ…」
カルゴ「ふふ…ありがと…」
俺たちは手を繋ぎ、そのまま眠りについた。
バトルシーンの表現は相変わらず苦手です…。
精進します。
さて、今までと比べかなり長くなりましたが…長いわりに内容は薄いですね( ̄▽ ̄;)
次回もお楽しみに!