イケメン← 平均 →カワイイ
虔魔>駆翔≧妖舞≧恋夜>霊魔
駆翔〜恋夜はあんまり変わらないです。入れ替わることもあるでしょう。しかし虔魔がイケメン枠で、霊魔が可愛い枠なのは変わりません。
とうとう子供達の中の王、四天王を決める大会が始まった。ルールとしては、これはいつも通りだ。
・相手を殺さない
・降参はOK
・同じスペカは4枚まで
・両者が合意した場合は以上の限りではない
「さぁ始まりました、王、四天王決定戦ッ!題して
『キングオブチルドレン・トーナメント』!!」
「なんでも、
「というワケで今回も私、鍵山雛と!」
「河城にとりが、進行役をやらせてもらうよ~!」
「それでは早速、やっていきましょう!記念すべき1回戦第1試合を飾るのは、この2人!!」
「博麗神社の裏山の奥の、更に奥ッ!遥か彼方からお越しだぞ!見た目は天使、でも実態は大悪魔!?外見と中身のギャップは完全に母親譲りだねっ!!今回から参戦!デビリサエル・スカーレット~!」
「対するは優曇華院姉妹の妹!温厚な彼女は普段、戦闘をあまり好まないけれど……もし彼女がその気になったら、姉とも近いくらいのとんでもない強者に化けるかも!?緋月・優曇華院・スカーレット!」
ふむ、確かに。巫月はまず間違いなく突然変異と区分できるくらいには吸血鬼要素を受け継いでいるものの、緋月もそんな姉と全く同じ両親から生まれ全く同じ血を引いているワケだ。緋月だって本人がその気になったら、巫月に近いレベルにはなるかもしれない。
問題は緋月が「その気」にならないことだ。
「緋月~!頑張るのよー!」
「……頑張るっ!」
鈴仙が声援を飛ばし、緋月は笑顔で答える。一方幻月はと言うと……また喧嘩でもしているのか声援を飛ばす気配など全くない。リサはチラチラこちらを見てくるので、幻月の代わりにと応援してみる。
「……頑張れー」
「頑張る~♡」
明らかな棒読み口調だったがそれでも受け入れてくれたようだ。
平均的な玉兎に近い緋月と悪魔の強さを持つリサというこの組み合わせ、緋月にとっては相性が悪いように思える。しかしながら、よく考えてみれば、案外緋月にも分はあるかもしれない。
というのも、緋月は弾幕を使えるがリサは肉弾戦主体なので弾幕が未だにからっきしなのだ。
「「それでは第1試合、始めっっ!!!」」
「いくよデビリサちゃんっ!!」
「倒してやる!!」
「はぁっ!」
リサはその速度を活かし緋月に肉薄、だが緋月は雷を纏うことでリサの攻撃を触れずに防御する事に成功する。触れれば痺れるのは誰でも分かるくらいあからさまに帯電している。リサは警戒して空中で急ブレーキをかけ、その場に踏み止まる。
「〜〜〜〜っっ……!ちょっとお姉ちゃん!触れないなんてズルいよ!」
「ズルくないよ~、頑張れば私倒せるよー」
「……じゃあ、お姉ちゃん!2秒だけ解除してよ!」
(2秒……それだけなら大丈夫かな?)
「ねぇお願い!2秒だけなら倒せないし!」
「んー……うん、
「……♪」
やってしまった。のんびり屋さんな緋月の事だ、2秒だけだったら大して攻撃も喰らわないし大丈夫だろうと考えたんだろう。だが相手が悪かった。
まず、相手が身体能力が優れた悪魔であること。
そして次に……。
「……!ダメよ緋月、受け入れちゃ!」
「?……!ごめんデビリサちゃん!やっぱダメ!」
鈴仙の言葉を聞き流石にまずいと思った緋月は、パンッと勢い良く顔の前で手を合わせリサに謝る。しかしリサは、まさに悪魔のような黒い笑顔を見せ臨戦態勢に……。
「嘘ついた。
「ま、待って!」
「契約違反の代償はぁ、甘くて苦い、初戦敗北体験♡おやすみ、緋月お姉ちゃん♡」
「ひっ…………」
身構えるリサ。それを見て防御と反撃の為に身に纏う雷の出力を最大まで引き上げる緋月だったが、リサの能力の関係上、彼女は特に感電する事もなくその拳を緋月の鳩尾に突き立て、瞬時に姉の意識を刈り取ったのである。
「しょっ……勝者、デビリサエル~~~ッ!!」
「何が起きたのかよく分からなかったけど……!と、とにかく凄かったねっ!当たっているのにノーダメだなんて、そんな……って感じはするけど」
「その辺は……今後の活躍を楽しみにしてようっ!」
「……そうね!」
◆
「第2試合を彩るのはこの2人!完全にランダムな抽選の結果……」
「なんとサポーター同士の戦いになりました!!」
「小悪魔姉妹の妹の方!お菓子の名を冠する通り、そして見た目通り甘々お姉ちゃんボイスの持ち主!甘々で小悪魔な所作は弟をも魅了してしまうっ!!シガレット〜〜っっ!!」
「対するは、守矢神社の跡取り娘!生まれながらの神様!天候を操るその様はまさに神っ!妖怪の山の皆から愛されるアイドル!東風谷樹理愛~っ!!」
攻撃の手段が多いのはシガレット、防御の手段が多いのもシガレット。対して樹理愛はシガレットと比べた場合どこか突出して優れているという部分はあまり無いように思える。
「……シガレット!」
「どうしました、樹理愛お姉様?」
「私達、基本的にサポーターじゃん。そんなにさ、前線に立って戦えないじゃん」
「まぁ……はい、そうですね」
「だからさ、私達のこの戦いだけは1回被弾したらそれで終わりにしようよ。サポーター同士、長期戦なんて不毛……そう思わない?」
シガレットはうーんと考え込む。観客は樹理愛の交渉により頭を悩ませるシガレットを固唾を飲んで見守るが、長考の末、樹理愛の申し出を承諾。
「分かりましたっ!それでいいです!ただし容赦はしませんからねっ!」
「……ありがと!じゃ、やろっか!!」
「はいっ!」
一定の距離を保ち睨み合う2人。先に動いたのは樹理愛。前回、神愛にやって見せたように、まずは気温を上昇させ運動能力に環境的デバフを掛ける。
しかしシガレットは魔力体であるが故に一般的な魔法は全て扱える。
「魔符『
霜焼けになりそうな程の冷たい風が吹き荒れて、風と一緒に何重もの螺旋を描きながら、氷の弾幕が放たれる。ただ螺旋を描くという極めて規則的で、動きが読みやすい動きであるが故に回避される。
シガレットの種族は小悪魔なので、悪魔程の強さなどは持ち合わせていない。身体能力的な差は殆ど無いと考えて良さそうだ。
樹理愛が気温を上げた所で、シガレットの冷風が気温を下げてしまい、結局はシガレットの方が押し勝ってしまう。
「っ……暴風『ボルカニックタイフーン』っっ!!」
シガレットに続き樹理愛もスペルカードを使用。気温を上げるのではなく、空気や空気中の物体との摩擦により炎を纏った竜巻が、炎の弾幕や風の刃を全方位に撒き散らす。
「ひゃあっ!?────『反弾幕障壁』ッ!!」
「!?」
やはりそこはシガレット。サポーターな彼女は、身体強化などの魔法の他にも防御系の魔法なんかも一通り修めている。その中の一つがこれだ。
自身の前に障壁を展開して、樹理愛の弾幕を尽く跳ね返し始めてしまった。
「~~~~~ッ!!」
「……申し訳ありませんが、お姉様の竜巻、消させて頂きます!!合魔符『
かつてはここあと2人でないと発動出来なかったこの魔法。しかし成長した事によって魔力は増大、使える魔法の幅も広がった結果、現在は2人で発動する魔法の方が少ないくらいになっている。
シガレットの炎の竜巻は、その高さ、実に10mは軽く超えているであろうサイズだ。そんな竜巻は、樹理愛の竜巻をも飲み込み、打ち消してしまった。それを見てからシガレットは、自分の竜巻を解除。魔力の余計な消費を抑える為だ。
「……え?」
竜巻を消したその時、シガレットは一つの異変に気が付いた。竜巻の向こう側に居たはずの樹理愛が忽然と姿を消していたのだった。
「────
「……ッ!?」
ひたと首元に当てられたのは樹理愛の得物である大幣。炎の竜巻を囮にスタジアム内を大回りして、樹理愛の背後へ回り込んだのだった。
それを悟ったシガレットは大人しく両手を上げ、降参を宣言。
初戦敗退が常だった樹理愛が、公式戦で勝ち星を上げた、記念すべき日となった。
緋月、潜在能力が少なく種族特有の基礎スペックを有している孫悟飯みたいなものですね。